39(サーティー・ナイン)

浅野新

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次の日も仕事を早く切り上げ、図書館に寄り、例の部屋へ入った。
僕はもう確信している。
必ず、それはある。
引き出しの裏には、やはり黄色い紙が貼り付けてあった。
心臓をどきどきさせながら、ゆっくりと紙を開く。
そこにはカタカナで、小さく文字が書かれていた。
シリタイカ 
知りたいか__
心臓が、どくん、と鳴った。
知っているんだ。
直感した。
この人は、40の事も。39の事も。
僕は39を引き寄せ、本の下に紙を隠した。
本を開く。
双子の弟達の話を読もうとしたが、どうしても頭に入らない。
本を持ち直して読み始める。
__ランスは苦手な国語のテストを代わってもらおうと、ハンスに持ちかけた。これは絶対秘密だよと__
秘密。
シリタイカ
昔の記憶がゆっくりと蘇る。
誰にも言うなよ。
気の強そうな目。
「今、警察が調べているから大丈夫です」
シリタイカ
40と書かれた赤ワイン色の本。
クラスメイトが僕に40の本を渡そうとしている。
僕は右手をゆるゆると差し伸べる。
シリタイカ
40の事は知らない。
隠されたクラスメイト。
「先に貸してやるよ」
これは、彼のものだ。
でも、39の事は
僕の39は
シリタイカ
僕は本を持ち上げ、黄色い紙を静かに引っ張り出した。
シリタイカ
僕は紙に小さくYESと書き、折りたたんで引き出しの裏に貼り付けた。


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