メルカリの歩き方。

浅野新

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ハンカチはプレゼントには難しいんではないだろうか問題。

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メルカリでハンカチを購入する事が多い。愛用しているブランドが店舗にあまり売られていないと言う事が一番の理由だが、タグ付き新品で定価よりも安く売られている事が多く、最近は欲しいハンカチがあればまずメルカリで探し、新品で定価より安ければそちらで買うと言うプチ節約をしている。

それでここからが本題なのだが、メルカリではまあ新品タグ付きのハンカチの出品率が半端じゃない。中には定価よりかなり割高でまた一人の出品者が個人所有にしてはあり得ない大量の新品ハンカチを出しているなど業者だろうと言う出品者もいるのだが、中にはご丁寧にプレゼント用に包装された袋や箱まで一緒に出品されている物もある。商品紹介の欄で正直に「プレゼントとして頂きましたが使わないため云々」と記載している出品者も少なくはなくしかもそのような出品数が大量にある所を見ると、「頂いたハンカチが自分の好みではなかった」例がごまんとあるらしい。

包装紙に”For You”や、中には”Thank you”なんてメッセージシールが貼られている物を見ると、贈り主がお礼の意味を込めて一生懸命に選んでくれたかもしれないのになあと余計なお世話の感傷につい浸ってしまう。自分はそのような出品者の方々のおかげで新品のハンカチを安く入手できる恩恵に預かっているにも関わらず、である。

と言うのも筆者自身が昔からハンカチを贈る事が好きだったからだ。それなりにこだわりもあり、本当に贈りたいと思った仲の良い相手限定で、デパートにまでわざわざ出かけ自分のセンスを総動員して相手に相応しいと思うデザインを時間をかけてじっくり選び、予算も少々奮発してこれはと思う1枚を選んでいた。自分のセンスに自信もあったので、相手の好みに必ず合う、相手は絶対喜んでくれるはずだと信じて疑わなかった。

ところがこのメルカリでの新品ハンカチの大量出品を見るに、その自信はぐらりと揺らいだのだ。メルカリでは様々な新品ハンカチが日々出品されており、各ブランド名で検索するとどのブランドでも出るわ出るわ、個人的にセンスが良いと思う且つ値段も結構高いブランドでも容赦なくタグ付き新品物がごろごろ出てくる。普段は買えないような豪華で繊細なレース付きであろうと、エレガントな花柄であろうと可愛い水玉柄だろうとおしゃれなチェック柄だろうと、どれだけ値段が高かろうと、品質が良かろうと、有名ブランドだろうと、本人の好みに合わないと1度も使われる事なく手放されてしまうのだ。
筆者が自信を持って相手に似合うと思って選んだ1枚も、もしかしたら相手の好みではなかったかもしれない。それどころか正直好みじゃないので困ったと思われたかもしれない。今ならメルカリに即売り飛ばされていたかもしれない(筆者がよく贈っていた時期はメルカリがなかった為それは不可能だったと信じたい)。

何度も言うがメルカリで贈答品のハンカチを出品してくれる人がいるからこそ筆者は新品を安く入手できると言う恩恵に預かっており、そのお前が言うななのだが、自分なら頂いたハンカチは売ろうとは思わない。ハンカチを贈る事が好きな事があるがその気持ちが嬉しくて必ず使う。

だが、それが好みの物だったかと言えば、そうではなかった。どちらかと言うと筆者より贈り主の方に似合いそうなハンカチだった。更に批判を承知で告白すると、使いはしたが長い期間ではなかったと思う。気持ちは嬉しいものの自分の好みではない為活躍する機会が少なくほとんど箪笥の肥やしで、そこからもいつの間にか消えていた事から何度か使った後処分したのだろう。それを思えば、せっかく頂いた物だから自分は違うがこのデザインが好みの人に長く大切に使って欲しいと、贈られたハンカチを新品でメルカリに出品する人の気持ちも分かる。
思えば筆者がハンカチを頂いた機会はと言えば、この記事を書くにあたりふと振り返ってみたが、驚くほど少ないのだ。

私以外の皆は知っていたのだろうか。

ハンカチは手頃に贈る事ができる反面、毎日持ち歩く約18センチ四方の小さな布の中に相手の好みドンピシャの物を引き当てるのは想像以上に難しい事なのかもしれない事を。

贈り物にハンカチはやめようとそっと思った出来事だった。
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