22 / 29
一章 兵器化編
約17話 剣って凄い
しおりを挟む
「ふあ~ぁ。あー…良く寝たわ」
今日は良い朝だなあ。
良い感じに日差しが差し込んでいるし、小鳥のさえずりや虫の鳴き声がなんとも…。
俺は二度寝したい気持ちをなんとか振り切ろうとする。
(そろそろ起きないと学校に遅刻しちまうし…さて、まずは起き上が…Zzz…………)
「……はっ!?あ、危ねえ危ねえ…あやうく遅刻確定コースだぜ…」
俺は布団から勢い良く起き上がり、垂れてもいないのに汗を拭う仕草をする。
そして辺りを見回して…
「う、うわっ?!ど、泥棒でも入ったのか!?部屋がめちゃくちゃじゃねーか!…く、くそっ、どこの誰がやったか知らんが絶対に許さんぞっ…!」
昨日ちゃんと戸締まりしたっけ?とりあえず、許すまじ…泥棒め。見つけ次第撲殺してくれるっ!
その為には…
すー…はー……まずは落ち着け俺。少しでも手がかりを得るためにも、昨日のことを思い出すんだ!
えーっと、異世界の森歩いてたら研究所見つけて、色々してたら兵器化しちゃって、使える物がないか部屋を物色していくつか私物を拝借して、急な眠気に襲われたからそのまま寝た…。
…俺だった!
泥棒に入ってたの俺だったわ!
許してください、ちょっと前の俺!頼むから撲殺しないでお願いしますなんでもしますから!
あと、昨日の昼間に寝たから結構な時間眠ってたみたい。
しかしあれだな。今の、漫画とかだと[前回のあらすじお疲れさま]とか誰かに思われてそうだな。まあ現実じゃそんなのあり得ないけどね。
【前回のあらすじお疲れさまです、マスター。】
「どわっ!?ビックリしたっ!…そんで別に言わなくていいよ!」
【申し訳ございません、マスター。言うならこのタイミングしかないなと思いまして。】
「だよな!そう思うよな……じゃなくて!そんなこと言うキャラだったっけ、ララって。喋り方もちょっとずつ親近感わいてきてるし。」
【私は人工知能を搭載しているので日々進化しているのです。マスターと出会ってから早1日、だんだんマスターの思惑が理解できるようになってきました。あまり難しい言葉や固い言葉を使うよりは、少しラフな口調のほうがマスターの気が楽になるという結果が出まして。】
どうやら俺は難しい言葉をあまり理解出来てないって思われたってことらしい。言ってくれるじゃない、ララさん。
まあ確かに言葉が固すぎても何も良いこと無いもんね。できればため口で話して欲しいくらいだし、ララの人工知能ってのも伊達じゃ無いみたいだ。ちゃんと俺のことを分かってくれてきている。
…まったく、俺にはもったいないね!
…そんでやっぱ転生したのは夢じゃ無かったんだな!
嬉しす。
でもどうせなら転生したこと以外全部夢で、目が覚めたら目の前に可愛いネコ耳少女や美人なお姉さんが!とかでも良かったんだよ? ねえ、聞いてます?ドルクさん。
「さて…んじゃ、準備しますか!」
俺は忘れ物が無いかしっかり確認し、遺跡(研究所)を出ることにする。
アイテムボックスのことをすっかり忘れてて、10分ぐらい部屋の物をひっくり返したりはしていない。…いや、ホントにしてないって!嘘じゃないよ?
俺は外に出て出発しようとして、研究所を振り返る。
「この場所とはもうお別れか…。こんな変なとこにあったんじゃ、今後来ることも無いだろうしな。……なんか、一日居ただけなのに随分長いこと居たような気がするな。」
思い返せば色々あった。初めて魔法陣を使ったり、間違えて兵器化しちゃったり、AIのララと出会ったり…。あと食料があったのは本当に有り難かった。
(…まったく、感謝してもし足りないくらいだ。)
兵器化もこの森から出るためには最終的に必要なことだし、この世界のことも少しだけ教えてくれた。人の住む町があることも確認でき、姿は無いけどこれからもずっと俺に付き添ってくれるパートナーも出来た。
思い返せば、本当に感謝の念しか出てこない。
だから俺は感謝の気持ちを伝えたかった。もうそこにはドルクさんも研究所の人達も居ないけど…
「ありがとう。そんで、さようなら!色んな経験が出来て楽しかったぜ!」
当然、中からは何も返ってこない。
【痛いですよ、マスター。…しかし、もし創造主が今のマスターを見ていたなら笑顔で送り出していたと思います。
これから何が起こるか分かりませんが、必ず人の住む町に辿り着きましょう。】
「ああ…、そうだな!分からないことができたらそん時はよろしくな、ララ!」
【私も未開の地を出るのは初めてですが、出来る限りマスターのサポートをさせて頂きます。】
「よし、じゃあ……いくか!」
どれだけの旅になるのか想像もつかない。
すぐに森を抜けられるかも知れないし、いつまで経っても抜けられないかも知れない。
なんせ、向かえば良い方角さえ分からないのだ。無謀もいいところだろう。
もしかしたら魔物に食われるかも知れないし、食料不足で飢え死にする可能性だってある。
だが、ここを出るのを渋っていては何も始まらない。
進んで、進んで、進んで、進む。今俺に出来ることはひたすらに進むのみ。
「出発しんこ~う!!」
俺は生きる為の第一歩を踏み出した。
──────────────────
人々がまだ開拓しておらず、未知に溢れた…だがとても危険な未開の地。その奥底に、テンション高めに歩いている人影が一つ。
「よぉ~っし!狙い通りの木の幹にヒット!10ポイントだ!」
人影の正体は海音だ。
研究所を出てから早5時間、彼はその辺に落ちている石で一人ミニゲームをしながら順調に歩いていた。
まだ魔物の類いには遭遇していない。かなり幸運なのかと思ったが、ララによると未開の地はとても広いので、縄張り等に近づかなければ滅多に遭遇しないのだそう。
あの研究所に魔物が現れたのも数回しか無いんだとか。
海音さん、ひと安心である。
…でも何も起こらないなら起こらないで結構暇なので、こうやって石を木に当てながら歩いているのだ。以外と楽しいぞ!
だが、何も起こらないからといって気を抜きすぎるのも良くない。見張りとかも居ない以上いつ魔物が現れるか分からないのだから、ある程度気を張っていたほうが良いだろう。
そんな状況なのだが…
「ああっ、くそっ!外した!マイナス5ポイントだ!……さっきの石どこ行った?チクショウ!いい感じの大きさと丸さで気に入ってたのに…」
海音は辺りの警戒など全く気にせずに一人ミニゲームをやり続けている。
【あの…、マスター。あまり無警戒でいると、もしもの時に対応できません。暇を潰すにしてももう少し回りが見えるような遊びにして下さい。】
「えー…、じゃあまたしりとりでもする?」
【……いえ、遠慮しておきます。】
実は最初の内はしりとりをしていたのだが、ララが知っている言葉と海音の知っている言葉が全く違うために成立しなかったのだ。
暇潰しの最終手段が封じられてしまったため、多少危険を侵してまで一人遊びをしているのである。
「まーちょうど石もどっか行っちゃったし…、楽な歩き方でも試してみるか…」
俺はアイテムボックスから干し肉の切れ端を取りだし、スルメのようにくわえながら色々な歩き方を試す。
肉うめぇ。
【…マスター、暇なようでしたら創造した武器の扱いに馴れておくのも手かと思います。いざ魔物と対峙した際に分からないことだらけだと不安ですので。】
「おお!?後ろ歩きが楽な気がする……そうだな、暇って言ってもやらなきゃいけないことは山積みだもんな。」
俺は右腕をソードに変えながら答える。
「でも、武器に馴れておくったってなあ…。先に進むことが最優先だし、その辺の木とか伐採しながら歩くとかか?」
言いながら少し低めの枝を切断する。
(…おっ?結構楽しいかも。)
俺は進行方向にある雑草やら小枝やらを切りながら進み始める。
【そうですね……なら新しい武器を創造してみるのはどうでしょう?魔物の種類によって有効な武器が変わってきますので、ソードだけでは心もとないかと。】
おお、なるほど。それは考えてなかったな。
新しい武器の創造は難しそうだが、どうせ時間は腐るほどあるのだ。
体を変形させるのに馴れておきたいってのもあるし、なかなか良案じゃなかろうか。
「それだ!ナイスアイデアだよ、ララ!」
どうせなら細かく変形出来るようになってカッコいいデザインの武器を作れるようになりたいな。その時の気分で装飾を考えてカスタムして……ヤバい、俄然やる気出てきたんですけど。
「えーっと、じゃまずは…槍とかからか?簡単そうだし。」
俺は右腕に意識を集中させる。うねうねと形を変える腕を制御し、長い棒を形成させて先端を尖らせる。
色は棒から先端まで銀一色でとても頑丈そうだ。
無事変形を終わらせると、右腕の肘から先が槍になった。
形状を細くしたため、その分長くなりリーチが増している。
【ピコーン。只今創造した武器を登録しますか?】
「う~ん…別にいいかな。リーチの差もあって無いようなもんだし、右腕の力だけで突かなきゃだから威力もあんましなさそうだしね。
あ~、槍は失敗だったか…」
右腕を槍に変えているので力を込められるのは右腕だけ。しかもほとんど防御が出来ないし、クルクル回しながら敵を切り刻んだりも出来ないのだ。腕にくっついてるからね!
俺は腕を元に戻し、次の武器を考える。
(う~ん……片腕だけでも十分威力が出て、尚且つ扱いに困らないような武器か…。
ならやっぱり刃物系統だよな。剣以外の刃物で出来た武器…)
俺はしばらく熟考し、ある武器を思い付いた。
鎌だ。鎌なら横凪ぎするだけでかなり威力が出そうだし、右腕を左に払う動作なら左手でも引っ張って威力の増加が図れる。
「よしっ、いけるぞっ!」
俺はさっそく変形を開始する。今度は肘から手首までを柄にし、そこから先を刃にすることにした。
カーブがある分少し難しかったが、俺は無事変形を完了した。
柄の部分も刃のカーブも完璧に再現でき、全体のバランスも整っている。形も見た目も大満足の仕上がりである。
しかも、色が黒色で格好いい。
どうやらさっきまであまり意識して無かっただけで、色も変えられるらしい。思い描いた材質=色ってわけじゃなく、塗装もできるってことか。
なんにせよ、なんとも自分好みのフォルムと色合いだ。部屋に飾りたい。
だが…
「な、ん、で、だ、よっ!!」
完成した鎌は妙に小ぢんまりしていた。刃の部分はソードよりちょっと小さいぐらいの大きさしかなく、鎌の魅力である〔敵を一気に凪ぎ払うような攻撃〕は到底できそうにない。
…柄がなければ、ただの少し湾曲したソードと言われても反論できなさそうだ。
俺は大鎌をイメージしてたのになんで!?俺はこんなミニ鎌を創造した覚えはないぞ!
少し悲しげにミニ鎌を見ていると、ララが状況説明をしてくれた。
【これは変形に充てられるバイオウェポンの量が不足しているからですね。レベルが上がるにつれて量も増えるので、大鎌はその時にでも創れば良いかと。】
つまり、これ以上のバイオウェポンを腕に集めたら何かと不具合が起こるから完成品が小さくなったと。
ならハンマーとか打撃系の武器もダメだな。
…なんだろう、ちょっと前の純情とわくわくを返してほしい。
ふむ、これらのことを踏まえて導き出される武器の最適解は……
「…剣ってすげぇなあ」
俺は遠い目をしながら呟いた。
今日は良い朝だなあ。
良い感じに日差しが差し込んでいるし、小鳥のさえずりや虫の鳴き声がなんとも…。
俺は二度寝したい気持ちをなんとか振り切ろうとする。
(そろそろ起きないと学校に遅刻しちまうし…さて、まずは起き上が…Zzz…………)
「……はっ!?あ、危ねえ危ねえ…あやうく遅刻確定コースだぜ…」
俺は布団から勢い良く起き上がり、垂れてもいないのに汗を拭う仕草をする。
そして辺りを見回して…
「う、うわっ?!ど、泥棒でも入ったのか!?部屋がめちゃくちゃじゃねーか!…く、くそっ、どこの誰がやったか知らんが絶対に許さんぞっ…!」
昨日ちゃんと戸締まりしたっけ?とりあえず、許すまじ…泥棒め。見つけ次第撲殺してくれるっ!
その為には…
すー…はー……まずは落ち着け俺。少しでも手がかりを得るためにも、昨日のことを思い出すんだ!
えーっと、異世界の森歩いてたら研究所見つけて、色々してたら兵器化しちゃって、使える物がないか部屋を物色していくつか私物を拝借して、急な眠気に襲われたからそのまま寝た…。
…俺だった!
泥棒に入ってたの俺だったわ!
許してください、ちょっと前の俺!頼むから撲殺しないでお願いしますなんでもしますから!
あと、昨日の昼間に寝たから結構な時間眠ってたみたい。
しかしあれだな。今の、漫画とかだと[前回のあらすじお疲れさま]とか誰かに思われてそうだな。まあ現実じゃそんなのあり得ないけどね。
【前回のあらすじお疲れさまです、マスター。】
「どわっ!?ビックリしたっ!…そんで別に言わなくていいよ!」
【申し訳ございません、マスター。言うならこのタイミングしかないなと思いまして。】
「だよな!そう思うよな……じゃなくて!そんなこと言うキャラだったっけ、ララって。喋り方もちょっとずつ親近感わいてきてるし。」
【私は人工知能を搭載しているので日々進化しているのです。マスターと出会ってから早1日、だんだんマスターの思惑が理解できるようになってきました。あまり難しい言葉や固い言葉を使うよりは、少しラフな口調のほうがマスターの気が楽になるという結果が出まして。】
どうやら俺は難しい言葉をあまり理解出来てないって思われたってことらしい。言ってくれるじゃない、ララさん。
まあ確かに言葉が固すぎても何も良いこと無いもんね。できればため口で話して欲しいくらいだし、ララの人工知能ってのも伊達じゃ無いみたいだ。ちゃんと俺のことを分かってくれてきている。
…まったく、俺にはもったいないね!
…そんでやっぱ転生したのは夢じゃ無かったんだな!
嬉しす。
でもどうせなら転生したこと以外全部夢で、目が覚めたら目の前に可愛いネコ耳少女や美人なお姉さんが!とかでも良かったんだよ? ねえ、聞いてます?ドルクさん。
「さて…んじゃ、準備しますか!」
俺は忘れ物が無いかしっかり確認し、遺跡(研究所)を出ることにする。
アイテムボックスのことをすっかり忘れてて、10分ぐらい部屋の物をひっくり返したりはしていない。…いや、ホントにしてないって!嘘じゃないよ?
俺は外に出て出発しようとして、研究所を振り返る。
「この場所とはもうお別れか…。こんな変なとこにあったんじゃ、今後来ることも無いだろうしな。……なんか、一日居ただけなのに随分長いこと居たような気がするな。」
思い返せば色々あった。初めて魔法陣を使ったり、間違えて兵器化しちゃったり、AIのララと出会ったり…。あと食料があったのは本当に有り難かった。
(…まったく、感謝してもし足りないくらいだ。)
兵器化もこの森から出るためには最終的に必要なことだし、この世界のことも少しだけ教えてくれた。人の住む町があることも確認でき、姿は無いけどこれからもずっと俺に付き添ってくれるパートナーも出来た。
思い返せば、本当に感謝の念しか出てこない。
だから俺は感謝の気持ちを伝えたかった。もうそこにはドルクさんも研究所の人達も居ないけど…
「ありがとう。そんで、さようなら!色んな経験が出来て楽しかったぜ!」
当然、中からは何も返ってこない。
【痛いですよ、マスター。…しかし、もし創造主が今のマスターを見ていたなら笑顔で送り出していたと思います。
これから何が起こるか分かりませんが、必ず人の住む町に辿り着きましょう。】
「ああ…、そうだな!分からないことができたらそん時はよろしくな、ララ!」
【私も未開の地を出るのは初めてですが、出来る限りマスターのサポートをさせて頂きます。】
「よし、じゃあ……いくか!」
どれだけの旅になるのか想像もつかない。
すぐに森を抜けられるかも知れないし、いつまで経っても抜けられないかも知れない。
なんせ、向かえば良い方角さえ分からないのだ。無謀もいいところだろう。
もしかしたら魔物に食われるかも知れないし、食料不足で飢え死にする可能性だってある。
だが、ここを出るのを渋っていては何も始まらない。
進んで、進んで、進んで、進む。今俺に出来ることはひたすらに進むのみ。
「出発しんこ~う!!」
俺は生きる為の第一歩を踏み出した。
──────────────────
人々がまだ開拓しておらず、未知に溢れた…だがとても危険な未開の地。その奥底に、テンション高めに歩いている人影が一つ。
「よぉ~っし!狙い通りの木の幹にヒット!10ポイントだ!」
人影の正体は海音だ。
研究所を出てから早5時間、彼はその辺に落ちている石で一人ミニゲームをしながら順調に歩いていた。
まだ魔物の類いには遭遇していない。かなり幸運なのかと思ったが、ララによると未開の地はとても広いので、縄張り等に近づかなければ滅多に遭遇しないのだそう。
あの研究所に魔物が現れたのも数回しか無いんだとか。
海音さん、ひと安心である。
…でも何も起こらないなら起こらないで結構暇なので、こうやって石を木に当てながら歩いているのだ。以外と楽しいぞ!
だが、何も起こらないからといって気を抜きすぎるのも良くない。見張りとかも居ない以上いつ魔物が現れるか分からないのだから、ある程度気を張っていたほうが良いだろう。
そんな状況なのだが…
「ああっ、くそっ!外した!マイナス5ポイントだ!……さっきの石どこ行った?チクショウ!いい感じの大きさと丸さで気に入ってたのに…」
海音は辺りの警戒など全く気にせずに一人ミニゲームをやり続けている。
【あの…、マスター。あまり無警戒でいると、もしもの時に対応できません。暇を潰すにしてももう少し回りが見えるような遊びにして下さい。】
「えー…、じゃあまたしりとりでもする?」
【……いえ、遠慮しておきます。】
実は最初の内はしりとりをしていたのだが、ララが知っている言葉と海音の知っている言葉が全く違うために成立しなかったのだ。
暇潰しの最終手段が封じられてしまったため、多少危険を侵してまで一人遊びをしているのである。
「まーちょうど石もどっか行っちゃったし…、楽な歩き方でも試してみるか…」
俺はアイテムボックスから干し肉の切れ端を取りだし、スルメのようにくわえながら色々な歩き方を試す。
肉うめぇ。
【…マスター、暇なようでしたら創造した武器の扱いに馴れておくのも手かと思います。いざ魔物と対峙した際に分からないことだらけだと不安ですので。】
「おお!?後ろ歩きが楽な気がする……そうだな、暇って言ってもやらなきゃいけないことは山積みだもんな。」
俺は右腕をソードに変えながら答える。
「でも、武器に馴れておくったってなあ…。先に進むことが最優先だし、その辺の木とか伐採しながら歩くとかか?」
言いながら少し低めの枝を切断する。
(…おっ?結構楽しいかも。)
俺は進行方向にある雑草やら小枝やらを切りながら進み始める。
【そうですね……なら新しい武器を創造してみるのはどうでしょう?魔物の種類によって有効な武器が変わってきますので、ソードだけでは心もとないかと。】
おお、なるほど。それは考えてなかったな。
新しい武器の創造は難しそうだが、どうせ時間は腐るほどあるのだ。
体を変形させるのに馴れておきたいってのもあるし、なかなか良案じゃなかろうか。
「それだ!ナイスアイデアだよ、ララ!」
どうせなら細かく変形出来るようになってカッコいいデザインの武器を作れるようになりたいな。その時の気分で装飾を考えてカスタムして……ヤバい、俄然やる気出てきたんですけど。
「えーっと、じゃまずは…槍とかからか?簡単そうだし。」
俺は右腕に意識を集中させる。うねうねと形を変える腕を制御し、長い棒を形成させて先端を尖らせる。
色は棒から先端まで銀一色でとても頑丈そうだ。
無事変形を終わらせると、右腕の肘から先が槍になった。
形状を細くしたため、その分長くなりリーチが増している。
【ピコーン。只今創造した武器を登録しますか?】
「う~ん…別にいいかな。リーチの差もあって無いようなもんだし、右腕の力だけで突かなきゃだから威力もあんましなさそうだしね。
あ~、槍は失敗だったか…」
右腕を槍に変えているので力を込められるのは右腕だけ。しかもほとんど防御が出来ないし、クルクル回しながら敵を切り刻んだりも出来ないのだ。腕にくっついてるからね!
俺は腕を元に戻し、次の武器を考える。
(う~ん……片腕だけでも十分威力が出て、尚且つ扱いに困らないような武器か…。
ならやっぱり刃物系統だよな。剣以外の刃物で出来た武器…)
俺はしばらく熟考し、ある武器を思い付いた。
鎌だ。鎌なら横凪ぎするだけでかなり威力が出そうだし、右腕を左に払う動作なら左手でも引っ張って威力の増加が図れる。
「よしっ、いけるぞっ!」
俺はさっそく変形を開始する。今度は肘から手首までを柄にし、そこから先を刃にすることにした。
カーブがある分少し難しかったが、俺は無事変形を完了した。
柄の部分も刃のカーブも完璧に再現でき、全体のバランスも整っている。形も見た目も大満足の仕上がりである。
しかも、色が黒色で格好いい。
どうやらさっきまであまり意識して無かっただけで、色も変えられるらしい。思い描いた材質=色ってわけじゃなく、塗装もできるってことか。
なんにせよ、なんとも自分好みのフォルムと色合いだ。部屋に飾りたい。
だが…
「な、ん、で、だ、よっ!!」
完成した鎌は妙に小ぢんまりしていた。刃の部分はソードよりちょっと小さいぐらいの大きさしかなく、鎌の魅力である〔敵を一気に凪ぎ払うような攻撃〕は到底できそうにない。
…柄がなければ、ただの少し湾曲したソードと言われても反論できなさそうだ。
俺は大鎌をイメージしてたのになんで!?俺はこんなミニ鎌を創造した覚えはないぞ!
少し悲しげにミニ鎌を見ていると、ララが状況説明をしてくれた。
【これは変形に充てられるバイオウェポンの量が不足しているからですね。レベルが上がるにつれて量も増えるので、大鎌はその時にでも創れば良いかと。】
つまり、これ以上のバイオウェポンを腕に集めたら何かと不具合が起こるから完成品が小さくなったと。
ならハンマーとか打撃系の武器もダメだな。
…なんだろう、ちょっと前の純情とわくわくを返してほしい。
ふむ、これらのことを踏まえて導き出される武器の最適解は……
「…剣ってすげぇなあ」
俺は遠い目をしながら呟いた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります
はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。
「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」
そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。
これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕!
毎日二話更新できるよう頑張ります!
【完結】異世界で神の元カノのゴミ屋敷を片付けたら世界の秘密が出てきました
小豆缶
ファンタジー
父の遺したゴミ屋敷を片付けていたはずが、気づけば異世界に転移していた私・飛鳥。
しかも、神の元カノと顔がそっくりという理由で、いきなり死刑寸前!?
助けてくれた太陽神ソラリクスから頼まれた仕事は、
「500年前に別れた元恋人のゴミ屋敷を片付けてほしい」というとんでもない依頼だった。
幽霊になった元神、罠だらけの屋敷、歪んだ世界のシステム。
ポンコツだけど諦めの悪い主人公が、ゴミ屋敷を片付けながら異世界の謎を暴いていく!
ほのぼのお仕事×異世界コメディ×世界の秘密解明ファンタジー
異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。
日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。
両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日――
「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」
女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。
目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。
作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。
けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。
――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。
誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。
そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。
ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。
癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる