異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~

存在証明

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アルバード王立高等学院~新たな出会い~

特別試験2日目③~前準備~

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長い夜が明け朝がやってきた。

「ハルシャ卿はよく眠れた?」


「まあまあかな。でも今日の活動に支障はないよ。それで殿下、今日は何をするの?」

と僕が言うと、よくぞ聞いてくれたとばかりに皆の中心にいく。

「今日は午後までにボスモンスターを倒したいと思っている。」


「ですが、どんな魔物かも分かっていませんよ?それに湖の中にいるのにどうやって倒すんです?」


「そもそも湖の中にいるっていうのが間違っている可能性がある。セシルの召喚獣である幸運鳥シャンスバードは魔力を探知することでいろいろな物の位置を特定する。したがってボスモンスターが湖の中にいるのか上にいるのか、鳥本人は分かっていたかもしれないが、感覚共有で繋がったセシルには細かすぎて分からなかったはずだ。」


「それだと湖の中にいる可能性も少しはありますよね?」

殿下のために少し掩護射撃する。

「いや、水の中にいる魔物を狩るのは至難の技。そんな魔物が1000pしかしないのは流石におかしいと思う。」


「と、言うわけだが納得したかな?」


「どっちにしろ我々に狩れるとは思いませんが…」


「ああ、私もそう思う。だからアイリス達と合流するつもりだ。」


「1000pはどうするんです?なんの対価もなければ手伝ってはくれないでしょうし、逆に対価を渡してしまえばボスモンスターを狩る意義が揺らぎます。」


「アイリスを拘束した時間分だけの魔石を向こうに譲渡するという約束をしている。同じ寮として特別ポイントを増やしておいても損はないから断る理由がない、と言われた。」

討伐部位は魔石だけでいいので譲渡は可能だ。しかし、このルールを悪用して強奪する者も出てくることは忘れてはならない。

違う寮であれば敵だと思って接するのが賢明だろう。

「それではまたスイレンを喚んでフローレス嬢を探しますね。」

召喚術を使うセシルを横目にふと疑問に思う。

「大勢の生徒の中からピンポイントで見つけれるの?」


「その心配は杞憂だよ、ハルシャ卿!アイリスはね、ノエルの次に魔力が高いんだ。だからすぐに分かると思うよ!」

そういうことか…それなら心配はいらないな












1時間後

「本当にすまないね、フローレス嬢。」

殿下が申し訳なさそうにそう言う。

「いえいえ、寮のためでもありますもの。構いませんよ。」

そうニコリと微笑む彼女はいつもと少し様子が違っていた。

「フローレス嬢、もしかして何かいいことあったの?」


「えっ、分かりますか?夢を見たんです。とってもいい夢を…」

少し意味ありげに笑う彼女を見て無用な詮索は身を滅ぼしそうだと思いそれ以上は何も聞かなかった。

「ひとまずメンバーも揃ったことだしそろそろ準備を始めようか。」


「えっ、でもまだどんな魔物か分かってないよ?」

流石に死に急ぎやしないか?

「いや、この1時間でセシルに頑張ってもらったため大体は把握できた。」

あぁ、だからブライアン卿が死にそうな顔をしているのか…

「ボスモンスターの名前は水魔鳥アイルバード。水を操り獲物を溺れさせて殺す魔物だ。彼らの弱点は遅いことだ。」


なるほどね…フローレス嬢が輝きそうだ


「それじゃあ今回は僕の出番はなさそうだね。水魔法を使える相手に同じ属性は相性が悪すぎる。」


「そんじゃあ俺も出番がないな。火魔法しか上手く使えないし」

と僕に続いてカールが答える。

「いや、2人ともに出番はある。必ず接近戦になるのだから。」

あっ、やっぱり?そうそうサボれないか…

「どういうこと?」

シドさんがそう言って首をかしげる。

「魔法を使うにはある程度近寄らないといけないってことだよ。それじゃあ殿下、初め水魔鳥アイルバードにどう攻撃するかも考えてあるの?」


「もちろん。それに関しては私の召喚獣を使おうと思う。」


「殿下の?」


「まあ見ててくれ。一応これでも召喚術は得意な方なんだ。」


「我が召喚に応えよ、イメルダ!」

出てきたのは普通の白猫、に見える魔物。

「もっ、もしかしてそれ変身猫トリックキャット?」

変身猫トリックキャットとはその名の通りどんなものにでも化けれる魔物である。

かなり希少種で載っていない図鑑もある。

作戦については理解した。その歳でこの作戦を一瞬で思い付くとはなかなか凄い人だ。

これは期待できそうだ、そう思いお互い眼を見つめあい周りに気づかれない程度にニヤッと笑った。
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