異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~

存在証明

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夏休み~Dランク昇格編~

重なりあう世界線

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「やっぱりお祖父様も本気を出してなかったんだね。前やった時よりも鋭い。」


「これでも戦争や魔物討伐の参謀や指揮官の経験があるんだ。だから戦略系ゲームも多少強くないといけない。」


「それ、本当に因果関係があるの?…チェック」


「実をいうと学院に在籍中にチェスが強いやつはカッコイイという風潮があってな。それで練習しまくったんだ」

ああ...よくあるやつ…

「カイ、一学期の成績をみたがよくやったな。まさか1位をとるとは驚いたよ。」


「ハルシャ家に迷惑をかけない最低限のことはしようと思っていたんだけど、僕は0か100っていう極端なことしかできないからこうなったんだ。流石に全部満点を取ったらカンニングを疑われそうだったから所々わざと間違えたけど…」

それに僕は前世というズルをしているから誇れるものではない。

「わざとだったのか…!」


「筆記試験はね。馬術とかはやったことがなかったから少し成績は低いんだ。運動神経は悪くないと思うんだけど一度見本を見て自分の中におとしこめないとどうも上手く出来ないんだ。…チェックメイト」


「…降参だ。やはりカイは強かったんだな。」


「暇さえあればずっと一人でチェスをしていたからだと思うよ。」

一人チェスを頭の中で何万回もやった。相手が自分だからなにも面白くなかったけど暇潰しにはなった。

「お祖父様、僕学院で友達を作ってみようと思う。少し溝を作りすぎたみたい」

僕がそう言うと

「…そうか。」

と言ってお祖父様は嬉しげに笑った。



あっという間に1日が終わりを迎えようとしていた。騒がしくはあったがこのような居心地のよい時間はいつぶりだろうか?

そんなことを思いながら僕の意識は夢の中へと沈んでいった。





眼を開けると前にも見た白い部屋にいた。

「おい、お前。遅すぎんだろうが!貰ったものはすぐに使えよ!」


「こっちにもいろいろあったんだよ。てゆうか、君に夢の中で会ったところで何になるの?ゆっくり寝させてよ。鬼のように手紙がきて隠すのが大変だったんだけど?」


「お前が返事を書かないからだろうが。…俺はお前に用件があるんだよ。最近変わったことはなかったか?…例えば体に変なアザができたり、とか。」


「アザ?これのこと?なんで分かったの?」

そう言って腕をまくる。

「やっぱりな…。痛みは?」


「たまに静電気みたいにピリッてするぐらいかな。それで、これは何?知ってるんでしょ?」


「ああ。神の眼は誤魔化せなかったらしい。俺とお前の魂が一致していることに気づかれたようだ。」


「…それじゃあどちらかが死ななきゃいけないの?」


「安心しろ。俺が死ぬ。」

ライはそう淡々と告げる。

「なんで、、そんな、」


「なんでそんなことをするのかって?もちろん、この世に未練があるのはお前だけじゃなくて俺もそうだ。だがな、叶わない夢を追うほど俺は子どもじゃないし愚かでもない。それに、、もういいんだ。生きるのに疲れてしまった。前の世界で一生分の生命力を使い果たしてしまったみたいなんだ。だからな、、カイ。5年だ。5年以内に黒幕を表舞台に引きずりだせ。最後に自爆特攻してラスボス倒すのも悪くないと思ってきたんだ。だが俺はあまり身動きが取れない。ハールーン帝国の膿は大方取り除いたがそっちの国にはもっと大物かいそうな気がする。」


「5年か…短いね。なんとかしてみるよ。…この痣、他の人に見せてもいい?」


「見せても無駄だぞ。神によって付けられた呪いのようなものだからな。お前のはそれ以上広がらない上、お前と俺以外には見えないから気を付けろよ。」


「ライのやつは他の人にも見えるの?」


「ああ。お前のやつは万物神が頑張って見えないようにしてくれたんだろう。俺にはそんな献身的な神様がいないからな。」

レイが…

「そうなんだ…」


「おっと、もう時間だ。戻った方がいい。しばらくは夢の中で会わない方がいいだろう。タイミングはこちらで合図する。万物神に見つかったら面倒だからな。それじゃあな。…あぁ、どうしても無理って時はぶっ壊せよ。」

なんか意味わからないこと言ってるなぁと思いながら今度こそ僕は本当の夢の世界へと沈んでいった。



「やられたか…まあいい。代わりの死体ならいくらでもいる。」


「コレール様、どうしてあの子どもを狙うんですか?」


「こことは違う世界でだがあの魂には世話になったからな。俺直々に殺してやると決めているんだ。」

そう言ってコレールは気味の悪い笑い声をあげる。

「そうなのですね。では、次は私に行かせてくださいませんか?きっとお役にたつことでしょう。」


「お前をいかせるまでもない。」


「ちょうど使える駒があるのですよ。」


「使える駒だと?」


「ええ。私ならあなた様が失望することもないでしょう。」


「ふん、そこまで言うならやってみろ。」

そう言ってコレールは高級なワインを飲みながらこれから起きるであろう喜劇に小さく嗤ったのだった。

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