異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~

存在証明

文字の大きさ
163 / 327
アルバード王立高等学院~新しい風~

正月スペシャル 番外編

しおりを挟む
~正月スペシャルストーリー~

「正月に雪とかないわー」

そう言いながら少年は忙しなくゲームを持つ手を動かす。
男はそんな少年を見て少しタメ息をついた。

「部屋に籠ってないで初詣ぐらい行ってきたらどうだ?」

そう言って男は少年の肩を掴む。それにびっくりした少年はゲーム機を落としてしまった。

「ちょっ、ゲームオーバーになったじゃん!!今話しかけないでよ!!」

少年はそう言ってゲームオーバーとかかれた画面を表にしてゲーム機をほっぽりだした。どうやらやる気がそがれたようだ。

「それは悪かった。ところで何のゲームをしてたんだ?」

「ホラーゲーム。冬といえばゾンビだから。」

一般的にホラーゲームといえば夏を想像するが少年にとっては違うようだ。

男が何か言おうと口を開けた時どこからか着信音が聞こえてきた。

「俺のスマホからだ。」

少年はそう言ってコタツの中からスマホを取り出した。

「…なんて場所に入れているんだ」

そんな男の言葉に少年は聞こえないふりをした。

「ああ、、ああ、了解。今から行こうと思っていたところだから問題ない。5分ほどでそっちにつくから、、ああ、それで。」

そう言って少年は電話をきる。

「ちょっと出てくる。」

男の返事を待たずに少年は家から飛び出した。





「明けましておめでとう、これからもよろしくね。」

少女は開口一番にそう言う。

「うん。こちらこそよろしく。それにしてもよく親が許してくれたな。なんて言ったんだ?」

「少し前に重大な事件が発生したみたいでお父さんは今家にいないの。お母さんはそもそも私には興味ないし、お兄ちゃんは最近外出することが多くて家にあまり帰ってこないから抜け出せたんだ。」

「そうだったんだ。それじゃあ今日は一日フリーって思っていい?」

「うん!せっかくだから初詣に行かない?」

「いいけど有栖アリスって神様信じていたんだな。」

「そんなに意外かな?」

「いや?ただ、俺は信じてないからな。信じてる人の気持ちは分からない。」

「知ってるよ。カイくんのそういうところ私好きだもん。」

そう言って少女はくるっと振り返りニコッと笑った。ただ少女は帽子を目深く被りネックウォーマーを目の下まで上げていたので少年がその笑顔を見ることは叶わなかったが。

「ちなみに何を願うんだ?」

「星見ヶ丘高校へ無事合格できますようにと…「星見ヶ丘高校?!」うん、そうだよ。あれ、、言ってなかったっけ?」

「始めたきいたよ。そっか、、星見ヶ丘か…。たしかこの県でトップの高校だよな?てっきり地元の高校に行くもんだとばかり思っていたからなんの準備もしてないな…」

「カイくんも受けるつもりなの?」

「…今決めたけどな。」

「出願はまだ先だしこの高校は他の高校よりも内申点の重要性が低いからカイくんならまだ間に合うと思うよ。」

「ほんとか?まあ何とかしてみせるよ。」

「…私に合わせているんだったら「違うよ。」えっ?」

「これは俺のためでもあるから気にしないでくれ。そろそろ俺も変わらなきゃいけないと思うんだ。」

そう言って少年は白い息をそっと吐いたのだった。

こういった経緯で少年はその日から猛勉強し無事合格を勝ち取ったのはまた別の話。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル 異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった 孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。 5レベルになったら世界が変わりました

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ) そこは、剣と魔法の世界だった。 2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。 新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・ 気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革

うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。 優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。 家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。 主人公は、魔法・知識チートは持っていません。 加筆修正しました。 お手に取って頂けたら嬉しいです。

処理中です...