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出会いと別れ
違和感
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あれからシドさんはと気まずい関係になってしまった。お互い話しはするがどことなく変な空気になるのである。
まあそんなことはさておき、皆で遅めの朝食をとっていたら急にお祖父様から声がかかった。
「いきなりですまないが、今日大事なお客様が来る。カイ以外は東の別邸にこもっていてくれ。」
十中八九ライのことだな。身分の高い人が公式的にやってくる時は公爵家の直系である僕も出迎えなければならないから、別邸に引きこもるのは僕以外の人なんだろう。
「いつまでなん?」
「明日の昼までだ。」
一応誰が来るかは知らない設定だからな…聞いておくか…
「なんで僕はみんなと別邸に行ったらダメなの?」
「それは後で話す。とりあえずカイは着替えに行かないと。」
そういえば僕の服装は裕福な商人レベルだったな。貴族の服は二階から飛び降りたり木に登ったりするのに適さないから嫌だって駄々こねたらせめてこれ着てくれって使用人に泣かれたんだっけ…
懐かしい思い出である。
されるがままに身を任せあっという間にthe貴族のような装いになった。
「カイ、こっちに…」
そう言って手招きをするお祖父様についていく。
「カイ、これから来るのはハールーン帝国の国王だ。ソイツは前国王を殺して王となった。公務以外ではあまり接触してはいけない。わかったね?」
公務とは挨拶や屋敷の案内のことだろう。
…さすがにそれ以外で接触しないなんて無理だな…向こうから接触してくる可能性もあるし…、、とりあえず返事はしておくか…
「うん、わかった。」
ライについてはお祖父様にはまだ話せない。信頼うんぬんは別に関係ない。ただどこで誰が聞き耳立ててるか分からないからだ。この前のテントは防音だったから話せたけど、ここだと影がいるからね…
「それじゃあ出迎えに行こうか」
少し頷き玄関へと向かった。
※
※
※
「俺はハールーン帝国の王、イシカガライだ。横にいるのは宰相とその娘だ。」
ライは控え目にいって偉そうにそう告げた。ていうかなんで仮面なんてつけてるんだ??眼だけ開いてる白一色の仮面なんて見たことがない。まるでどこかのデスゲームの主催者かのようだ。
「ロメス・タルメリアでございます。」
タルメリア伯爵。ハールーン帝国にいた時はかなり耳にした名前だ。正義感が強く貴族からは嫌われていたが民からはものすごく好かれていた人物だ。この人を連れてきたイコール内政に関しては上手くやってるとみていい。
「タルメリア伯爵が娘、フレイ・タルメリアと申します。」
17にしては物凄く肝の座った令嬢だな…
「私はルークス・ハルシャだ。こっちは私の孫だ。」
…あぁそっか…シェナード王国の国王と同権を持っているハルシャ家は実質帝国の王と同等だからため口でも許されるのか…
「カイ・ハルシャと申します。」
ライは一瞬僕の方をチラッと見て口を開いた。
「さすがは公爵邸。もの凄い大きさだな。」
屋敷を案内する前の常套句である。案内役は二番目に位の高い人間がするという謎の決まりがある。つまりは僕の役割。はぁ、、めんどくさ…
「ご案内しましょうか?」
取ってつけたような笑みを浮かべてそう言った。
「いいのか?なら言葉に甘えよう。」
心なしかニヤッとしているように見えるが気のせいだろう。気のせいだと思いたい。
※
※
※
「ここは騎士団の訓練場です。」
屈強な男女が目の前で剣を打ち合っているので言わずとも分かることである。
今度は僕がライの方をチラッと見ると何か考えているような素振りをしていた。
「陛下?どうされました?」
伯爵がそう聞くと少し間を開けてライが答えた。
「…いや、、この騎士達に剣術を教えているのは誰なのかと思ってな」
「お祖父様です。それが何か?」
「少し…見覚えがある剣の型だったから聞いてみただけだ。それより少し疲れたから部屋で休みたい。」
これも屋敷案内を終わらせるための決まり文句。まさかコイツ…作法本みたいなものを丸暗記したんじゃないだろうな。そんなんじゃいつボロがでてもおかしくないな…
「承知しました。ではこちらに。」
そう言って部屋に案内する。
「ご苦労。カイ殿、これを。」
そう言って何かを僕に渡してきた。
「これは?」
「先ほど拾ったんだ。捨てるかどうかはそちらの判断に任せる。それでは夕食時にまた会おう。」
そう言ってライはパタンと扉を閉めた。それに続いて伯爵達も客室へと入っていく。
ライに貰った紙切れを持って部屋へと戻る。
「…なんだこれ。手紙か?」
開けてみると日本語で何かが書いてあった。
どうしても伝えなければならないことがある。今夜0時、俺の部屋で会おう。
そう書いてあった。
伝えないといけないこと?手紙でも伝えられないことだろうか?それとも…
そんなことを考えながら夕食までの短い時間を過ごした。
♢
ライ視点
あの剣術は師匠が独自に編み出したものとそっくりだった…。何かおかしい。アイツが本当のことを俺に話しているかは疑わしいが、何かが根本的に間違っている、そんな気がする。
ヤツらによって死んだ人間は俺を除いて別の世界に転生させたと言っていたはず…ウソだったのか?それとも単なる偶然か?
カイは転生後もほぼ変わらない姿のまま生まれている。だからルークス・ハルシャが師匠のはずがない。
念のためもう少し情報を集めないとな…
まあそんなことはさておき、皆で遅めの朝食をとっていたら急にお祖父様から声がかかった。
「いきなりですまないが、今日大事なお客様が来る。カイ以外は東の別邸にこもっていてくれ。」
十中八九ライのことだな。身分の高い人が公式的にやってくる時は公爵家の直系である僕も出迎えなければならないから、別邸に引きこもるのは僕以外の人なんだろう。
「いつまでなん?」
「明日の昼までだ。」
一応誰が来るかは知らない設定だからな…聞いておくか…
「なんで僕はみんなと別邸に行ったらダメなの?」
「それは後で話す。とりあえずカイは着替えに行かないと。」
そういえば僕の服装は裕福な商人レベルだったな。貴族の服は二階から飛び降りたり木に登ったりするのに適さないから嫌だって駄々こねたらせめてこれ着てくれって使用人に泣かれたんだっけ…
懐かしい思い出である。
されるがままに身を任せあっという間にthe貴族のような装いになった。
「カイ、こっちに…」
そう言って手招きをするお祖父様についていく。
「カイ、これから来るのはハールーン帝国の国王だ。ソイツは前国王を殺して王となった。公務以外ではあまり接触してはいけない。わかったね?」
公務とは挨拶や屋敷の案内のことだろう。
…さすがにそれ以外で接触しないなんて無理だな…向こうから接触してくる可能性もあるし…、、とりあえず返事はしておくか…
「うん、わかった。」
ライについてはお祖父様にはまだ話せない。信頼うんぬんは別に関係ない。ただどこで誰が聞き耳立ててるか分からないからだ。この前のテントは防音だったから話せたけど、ここだと影がいるからね…
「それじゃあ出迎えに行こうか」
少し頷き玄関へと向かった。
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「俺はハールーン帝国の王、イシカガライだ。横にいるのは宰相とその娘だ。」
ライは控え目にいって偉そうにそう告げた。ていうかなんで仮面なんてつけてるんだ??眼だけ開いてる白一色の仮面なんて見たことがない。まるでどこかのデスゲームの主催者かのようだ。
「ロメス・タルメリアでございます。」
タルメリア伯爵。ハールーン帝国にいた時はかなり耳にした名前だ。正義感が強く貴族からは嫌われていたが民からはものすごく好かれていた人物だ。この人を連れてきたイコール内政に関しては上手くやってるとみていい。
「タルメリア伯爵が娘、フレイ・タルメリアと申します。」
17にしては物凄く肝の座った令嬢だな…
「私はルークス・ハルシャだ。こっちは私の孫だ。」
…あぁそっか…シェナード王国の国王と同権を持っているハルシャ家は実質帝国の王と同等だからため口でも許されるのか…
「カイ・ハルシャと申します。」
ライは一瞬僕の方をチラッと見て口を開いた。
「さすがは公爵邸。もの凄い大きさだな。」
屋敷を案内する前の常套句である。案内役は二番目に位の高い人間がするという謎の決まりがある。つまりは僕の役割。はぁ、、めんどくさ…
「ご案内しましょうか?」
取ってつけたような笑みを浮かべてそう言った。
「いいのか?なら言葉に甘えよう。」
心なしかニヤッとしているように見えるが気のせいだろう。気のせいだと思いたい。
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「ここは騎士団の訓練場です。」
屈強な男女が目の前で剣を打ち合っているので言わずとも分かることである。
今度は僕がライの方をチラッと見ると何か考えているような素振りをしていた。
「陛下?どうされました?」
伯爵がそう聞くと少し間を開けてライが答えた。
「…いや、、この騎士達に剣術を教えているのは誰なのかと思ってな」
「お祖父様です。それが何か?」
「少し…見覚えがある剣の型だったから聞いてみただけだ。それより少し疲れたから部屋で休みたい。」
これも屋敷案内を終わらせるための決まり文句。まさかコイツ…作法本みたいなものを丸暗記したんじゃないだろうな。そんなんじゃいつボロがでてもおかしくないな…
「承知しました。ではこちらに。」
そう言って部屋に案内する。
「ご苦労。カイ殿、これを。」
そう言って何かを僕に渡してきた。
「これは?」
「先ほど拾ったんだ。捨てるかどうかはそちらの判断に任せる。それでは夕食時にまた会おう。」
そう言ってライはパタンと扉を閉めた。それに続いて伯爵達も客室へと入っていく。
ライに貰った紙切れを持って部屋へと戻る。
「…なんだこれ。手紙か?」
開けてみると日本語で何かが書いてあった。
どうしても伝えなければならないことがある。今夜0時、俺の部屋で会おう。
そう書いてあった。
伝えないといけないこと?手紙でも伝えられないことだろうか?それとも…
そんなことを考えながら夕食までの短い時間を過ごした。
♢
ライ視点
あの剣術は師匠が独自に編み出したものとそっくりだった…。何かおかしい。アイツが本当のことを俺に話しているかは疑わしいが、何かが根本的に間違っている、そんな気がする。
ヤツらによって死んだ人間は俺を除いて別の世界に転生させたと言っていたはず…ウソだったのか?それとも単なる偶然か?
カイは転生後もほぼ変わらない姿のまま生まれている。だからルークス・ハルシャが師匠のはずがない。
念のためもう少し情報を集めないとな…
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