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本章
77話:娼夫仲間 ②
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それからセシリオさんとフィウスさんに連れられて初めて行くお店へ。
リオの食堂とは違い少し落ち着いたお店で、店員さんは半獣人が多くいた。
「うわぁ…このお店初めて来ました」
「結構いいだろ?半獣人が多いから気楽に飲み食いできるんだよ」
セシリオさんはそう言うと仮面とローブを脱いで席へと座る。
「ほら。この店は仮面もローブも外して大丈夫だから脱げよ」
セシリオさんにそう言われてエルは俺の方を見てくる。「脱いでいいよ」と声をかけると頷いてエルも仮面とローブを脱いだ。
「ちょっとセシリオ…相手に許可も得ずに勝手に脱いで…」
「ご主人様大丈夫だって~!こちらさんが連れてる狼くんと一緒にいれる人なんだから…俺の外見だって大丈夫だよな?」
セシリオさんはそう言って俺に笑顔で問いかけてきたので「俺は全然大丈夫です」と答えると、フィウスさんはホッとした表情を見せる。
「すみません。セシリオはいつもこんな感じで…。あの、よければお名前を教えてもらってもいいですか?」
「あ!すみません!俺達名前言ってなかったですね…。俺はカオルです。あと隣にいるのがエルです」
「エルデス。ヨロシクオネガイシマス」
エルと俺はペコっと頭を下げて自己紹介を済ませ終わる。
「自己紹介も終わった事だし早く飯頼もう!オススメでいいか?」
「はい!お願いします」
セシリオさんは慣れた感じで店員さんに注文をしていく。
このお店は半獣人が経営しているお店で、あちらこちらにモフモフの尻尾が揺れている…
運ばれてきた料理は肉料理がメインで、どれもボリュームたっぷりだ。
腹が減っていた俺とエルは目をキラキラさせながら肉汁溢れる料理にがっつく。
「お!カオルいい食いっぷりだな~。でもそんなに食った後に仕事するなんて辛くないか?」
「へ?なんのころれふか?」
「何って…お前娼夫だろ?満腹でヤッたら吐かねーか?」
「コ、コラ!セシリオ!食事中にそんな事を聞くな!」
フィウスさんはセシリオさんを注意して、また俺に謝ってくる。
でも…まぁ間違った事は言われてないからなぁ…
そう思っているとエルが疑問に思ったのか首を傾げながら俺を見てくる。
「アルジ…ショウフ?ナニ?」
「あぁ…ほら俺の仕事の名前だよ」
「ショウフ…アルジノシゴト…」
「なんだ~エルはご主人様の仕事を知らずに護衛してるのか?」
「ゴエイ…?」
「おいおい…。お前は護衛する為に買われたんじゃないのか?護衛ってのは、ご主人様を守る仕事だよ」
セシリオさんは不思議そうな顔をして俺を見てくる。
「あの…エルは護衛とかじゃないんです。色々あって今は一緒に生活してるんです」
「へぇ~。護衛でもないのに俺らみたいな醜い半獣連れて歩くなんて、カオルは俺のご主人様より変わり者だな」
「ちょっと…セシリオ…」
セシリオさんはケラケラと笑い、フィウスさんはさらに困って下がっていた眉がさらに下がる。
「カオルくん不快な思いにさせてしまってごめんね。セシリオには後でキツく言っておくから…。ところで、カオルくんは本当に娼夫なの?」
「はい…そうです」
「そうなんだ!実は僕も…娼夫なんだ」
「えぇ!!本当ですか?」
「うん。『ラビリンス』って娼館で働いているんだ。カオルくんはどこの娼館に勤めてるの?」
「俺はフリーでやってるんです。娼館って…なんか怖くて…」
俺はここに来た時にアルクさんから教えられた娼館の話をすると、俺の話を聞いたセシリオさんがケラケラと笑いだす。
「そんな話聞かされりゃ怖くなるな。けど、実際はそんなに怖い場所じゃないぜ。な?ご主人様」
「まぁ…そうだね。給料も最低限決まってて、お客さんを多く取ればその分追加でお給料貰えるしね。それに、お客さんとトラブルになったらお店が仲裁に入ってくれるからね…」
「うんうん。娼夫は客とのトラブルが多いからなぁ~。ご主人様は凄い巻き込まれて体質だから店側も面倒見切れなくて俺を付けるレベルだしな」
セシリオさんはそう言ってフィウスさんにニカっと笑いかけるが、フィウスさんは苦笑い…
「今日カオル達が助けに入ってくれた相手も元々は客だったんだけど、『娼夫なんてやめて俺と付き合え』ってうるさい奴だったんだよ。知らない奴に喧嘩ふっかけられて相手してたら、その隙にご主人様を連れて行かれるなんて思いもしなかったから…さすがに今日は焦ったんだがカオルとエルがいてくれて本当に助かったよ。ありがとうな!」
そう言ってセシリオさんは俺達に頭を下げてくる。
「いえ…俺は何もしてないんで…。エルは頑張ったな!あんな簡単に人を持ち上げれるなんてビックリしたぞ~」
「アルジ、マモル。オレノシゴト!」
エルは褒められると嬉しそうに笑ってパタパタと尻尾を揺らす。
「カオルくんとエルくんは仲がいいんだね。さぁ食事が冷める前に食べて食べて」
「はい!エル食べよう!」
「ウン!」
その後も食事をとりながらフィウスさん達と色々話をした。
フィウスさんは今年で娼夫をやめて地元の村へと戻る予定らしい。
元々、4人いる弟達の学費や生活費を稼ぐ為に娼夫になったらしく、末の弟の学費も払い終わり村へ帰って実家の仕事を手伝うと言っていた。
セシリオさんはその話になると「寂しい!俺はご主人様について行くからなぁ~」と毎回駄々をこねるようでフィウスさんがセシリオさんを宥めていた。
「カオルくん、エルくん!また、ご飯食べに行こうね!」
「昼間は大体暇だからいつでも連絡してこいよぉ~」
フィウスさんと連絡先を交換して俺達は別れた。
「エル。楽しかったな!」
「ウン。セシリオサン、フィウスサン、イイヒト」
俺達は今日の事を色々と話しながら宿へと帰っていった。
リオの食堂とは違い少し落ち着いたお店で、店員さんは半獣人が多くいた。
「うわぁ…このお店初めて来ました」
「結構いいだろ?半獣人が多いから気楽に飲み食いできるんだよ」
セシリオさんはそう言うと仮面とローブを脱いで席へと座る。
「ほら。この店は仮面もローブも外して大丈夫だから脱げよ」
セシリオさんにそう言われてエルは俺の方を見てくる。「脱いでいいよ」と声をかけると頷いてエルも仮面とローブを脱いだ。
「ちょっとセシリオ…相手に許可も得ずに勝手に脱いで…」
「ご主人様大丈夫だって~!こちらさんが連れてる狼くんと一緒にいれる人なんだから…俺の外見だって大丈夫だよな?」
セシリオさんはそう言って俺に笑顔で問いかけてきたので「俺は全然大丈夫です」と答えると、フィウスさんはホッとした表情を見せる。
「すみません。セシリオはいつもこんな感じで…。あの、よければお名前を教えてもらってもいいですか?」
「あ!すみません!俺達名前言ってなかったですね…。俺はカオルです。あと隣にいるのがエルです」
「エルデス。ヨロシクオネガイシマス」
エルと俺はペコっと頭を下げて自己紹介を済ませ終わる。
「自己紹介も終わった事だし早く飯頼もう!オススメでいいか?」
「はい!お願いします」
セシリオさんは慣れた感じで店員さんに注文をしていく。
このお店は半獣人が経営しているお店で、あちらこちらにモフモフの尻尾が揺れている…
運ばれてきた料理は肉料理がメインで、どれもボリュームたっぷりだ。
腹が減っていた俺とエルは目をキラキラさせながら肉汁溢れる料理にがっつく。
「お!カオルいい食いっぷりだな~。でもそんなに食った後に仕事するなんて辛くないか?」
「へ?なんのころれふか?」
「何って…お前娼夫だろ?満腹でヤッたら吐かねーか?」
「コ、コラ!セシリオ!食事中にそんな事を聞くな!」
フィウスさんはセシリオさんを注意して、また俺に謝ってくる。
でも…まぁ間違った事は言われてないからなぁ…
そう思っているとエルが疑問に思ったのか首を傾げながら俺を見てくる。
「アルジ…ショウフ?ナニ?」
「あぁ…ほら俺の仕事の名前だよ」
「ショウフ…アルジノシゴト…」
「なんだ~エルはご主人様の仕事を知らずに護衛してるのか?」
「ゴエイ…?」
「おいおい…。お前は護衛する為に買われたんじゃないのか?護衛ってのは、ご主人様を守る仕事だよ」
セシリオさんは不思議そうな顔をして俺を見てくる。
「あの…エルは護衛とかじゃないんです。色々あって今は一緒に生活してるんです」
「へぇ~。護衛でもないのに俺らみたいな醜い半獣連れて歩くなんて、カオルは俺のご主人様より変わり者だな」
「ちょっと…セシリオ…」
セシリオさんはケラケラと笑い、フィウスさんはさらに困って下がっていた眉がさらに下がる。
「カオルくん不快な思いにさせてしまってごめんね。セシリオには後でキツく言っておくから…。ところで、カオルくんは本当に娼夫なの?」
「はい…そうです」
「そうなんだ!実は僕も…娼夫なんだ」
「えぇ!!本当ですか?」
「うん。『ラビリンス』って娼館で働いているんだ。カオルくんはどこの娼館に勤めてるの?」
「俺はフリーでやってるんです。娼館って…なんか怖くて…」
俺はここに来た時にアルクさんから教えられた娼館の話をすると、俺の話を聞いたセシリオさんがケラケラと笑いだす。
「そんな話聞かされりゃ怖くなるな。けど、実際はそんなに怖い場所じゃないぜ。な?ご主人様」
「まぁ…そうだね。給料も最低限決まってて、お客さんを多く取ればその分追加でお給料貰えるしね。それに、お客さんとトラブルになったらお店が仲裁に入ってくれるからね…」
「うんうん。娼夫は客とのトラブルが多いからなぁ~。ご主人様は凄い巻き込まれて体質だから店側も面倒見切れなくて俺を付けるレベルだしな」
セシリオさんはそう言ってフィウスさんにニカっと笑いかけるが、フィウスさんは苦笑い…
「今日カオル達が助けに入ってくれた相手も元々は客だったんだけど、『娼夫なんてやめて俺と付き合え』ってうるさい奴だったんだよ。知らない奴に喧嘩ふっかけられて相手してたら、その隙にご主人様を連れて行かれるなんて思いもしなかったから…さすがに今日は焦ったんだがカオルとエルがいてくれて本当に助かったよ。ありがとうな!」
そう言ってセシリオさんは俺達に頭を下げてくる。
「いえ…俺は何もしてないんで…。エルは頑張ったな!あんな簡単に人を持ち上げれるなんてビックリしたぞ~」
「アルジ、マモル。オレノシゴト!」
エルは褒められると嬉しそうに笑ってパタパタと尻尾を揺らす。
「カオルくんとエルくんは仲がいいんだね。さぁ食事が冷める前に食べて食べて」
「はい!エル食べよう!」
「ウン!」
その後も食事をとりながらフィウスさん達と色々話をした。
フィウスさんは今年で娼夫をやめて地元の村へと戻る予定らしい。
元々、4人いる弟達の学費や生活費を稼ぐ為に娼夫になったらしく、末の弟の学費も払い終わり村へ帰って実家の仕事を手伝うと言っていた。
セシリオさんはその話になると「寂しい!俺はご主人様について行くからなぁ~」と毎回駄々をこねるようでフィウスさんがセシリオさんを宥めていた。
「カオルくん、エルくん!また、ご飯食べに行こうね!」
「昼間は大体暇だからいつでも連絡してこいよぉ~」
フィウスさんと連絡先を交換して俺達は別れた。
「エル。楽しかったな!」
「ウン。セシリオサン、フィウスサン、イイヒト」
俺達は今日の事を色々と話しながら宿へと帰っていった。
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