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1章
薪作り
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実験を始めて直ぐに結果は出た。
一日経って、お皿の上の果物を見たら異臭を放っていた。
秋になったとはいえ、まだ蒸し暑い日もあって偶然にも蒸し暑い夜だったお蔭で、お皿の上の果物は異臭がしていて、ガラスの中の果物は大丈夫だった。
この事から、このガラス瓶は保存魔法が掛けられている……と、いう事が判明。
紳士さんありがとう!!
あなたの手紙のおかげで、私はガラス瓶を大事に使って生きていけそうです。
昨日の手の平の火傷は少しヒリヒリするけど、包帯でぐるぐる巻きにしたので物が持てない訳じゃない。
本日は薪作りをすることにした。
武器の部屋から両刃の斧と長い剣を持ち出し、リヤカーに乗せてゲッちゃんと一緒に小屋の近くで私にも切り倒せそうな木を探す。
「ゲッちゃん、薪にしてもいい木って分かる?」
「ゲーキョ?」
首を傾げる仕草をするゲッちゃんを見て、ああ、これはゲッちゃんには分かんないのか。と、ゲッちゃんに「ありがとう。ごめんね」と言って適当な木にあたりを付けて、最初にナイフで斧を入れる切込み口を作る。
多分だけど、私の予想では、斧をいきなり振りかぶっても切れないと思うんだよね。
切り口を作って、少しでも楽に出来る事を目指した方が建設的かな? と、思ったのである。
「ゲッちゃん、危ないから近付いちゃ駄目だからねー」
「ゲキョ」
通じているか通じていないのかイマイチ解らないけど、ゲッちゃんはリヤカーの上で羽をくちばしで毛づくろいしている。
ゲッちゃんも不思議な鳥だけど、お役立ちな鳥なので仲良くしていきたいところだ。
多分、ゲッちゃんが居るおかげで、私はこうしてこの世界で精神的に追い詰められていないのだと思う。
一人だったら、発狂してたかもしれない。
たまに帰りたいと泣く事はあるけど、泣くとゲッちゃんは頭の上に乗って来て、足で頭をテシテシと叩いて慰めてくれる。
変な鳴き声だけど、優しい鳥なのは間違いないかな?
「よし、鴨根李都、いきまーす!」
自分が斧を振った時の角度をナイフで真似しつつ、ナイフで切込みを入れて、カツカツと切っていく。
紳士さんに貰った薪と同じようなデコボコした木の皮のの木を選んだから、木屑とかボロボロ出るけど、このナイフはやはり切れ味抜群の様で、横に三角に切り込みが綺麗に入った。
「よし、いくぞー!」
両刃の斧を手に持って、先ずは三角の切り口にゆっくりコツコツ当てていくのが安全かなと、いきなり振りかぶらずに、小さくコツコツと地味に刃を当てていく。
いきなり振りかぶって、斧が手からすっぽ抜けたとかシャレにならない。
これ以上の怪我もしたくないしね。傷薬も無いところで怪我はするものじゃない。
コツコツと何回か当てて、少し強く当てるとカシュンと何やら風を切るようないい音がして、ズシーンと斧を振りかぶった木の一列が次々に倒れていく。
「うっそぉ……」
ポカーンと口を開けて、倒れた木々と斧を交互に見る。
マジか!? え? なにこれ? まさか……私に秘められた力が!?
……なんて、事は思わないけどね。うん。
多分、この斧にも何か魔法が掛かっているのかも?
だって、保存魔法があるんだから、武器にだって何かあってもおかしくない。
こういう時は柔軟性が大事……多分。
「このナイフも、切れ味良すぎるから、何かあるのかもだけどねー」
まっ、考えても私には分からないし、便利ならいいのだ。
しかし、困った。
斧がこの切れ味では、薪を綺麗に切っていけるだろうか?
木の切り株の上で斧で切ろうと思ってたのに、これじゃ、下の切り株も切れちゃいそうだ。
「ゲーキョ?」
「あー、うん。考えても仕方がないよね。使えるなら輪切りに切って乾かして使えたら良いだろうし……うんうん」
とりあえずは、邪魔な枝を、持ってきた長い剣で切っていこう。
斧もそうだけど、剣も重いわけで、途中で疲れて休みながら本日は一日中、枝を落として薪の長さに斧で切ってを繰り返した。
薪で使える状態までは流石に無理で、倒れている木もまだあるし、リヤカーに使える状態に近い物だけを乗せて、小屋に帰っていった。
あと数日は、この繰り返しかもしれない。
「一応、乾かして使えるかも見ないといけないから、一つだけ薪状態にして小屋の近くに並べよう」
「ゲキョーキョ」
「ゲッちゃんと、温かい冬とお風呂の為に、頑張ろー!」
私は拳を上げて、最後の気力を振り絞って丸太を縦にすると、斧で軽く地面に叩きつけた。
スコンと綺麗に二つに割れて、とりあえず、地面も大丈夫の様だ。
この斧は重いから加減が難しいけど、力加減を誤らなければ、上手く使えそうだ。
何とか薪状態に出来た物を小屋の近くに並べて、乾きます様にと願いつつ、本日は終了。
手がパンパンで持ち上がらない。
お風呂でハーブの入浴剤で疲れを取りながら、これはお風呂からあがったらベッドでそのまま寝ちゃうコースだと、ウトウトしながら思い途中で湯船に顔が浸かって、慌ててお風呂から出た。
溺死は嫌だよ。うん。折角、冬を乗り越える為に頑張ってるのに、うっかりで死んだらお話にならない。
ちなみに、この薪作りなのだけど、結果でいえば失敗に終わった。
何日か乾かしたけど、意外に薪の水分は無くならなくてね……私は薪を作るだけ作って、結局は小屋の庭にあった倉庫に山積みにして終わっちゃったのだ。
しかもね、その倉庫に薪が奥の方に大量にあって……私の苦労が無意味だったと気付いたのは、木を全部薪にした後だった。
一日経って、お皿の上の果物を見たら異臭を放っていた。
秋になったとはいえ、まだ蒸し暑い日もあって偶然にも蒸し暑い夜だったお蔭で、お皿の上の果物は異臭がしていて、ガラスの中の果物は大丈夫だった。
この事から、このガラス瓶は保存魔法が掛けられている……と、いう事が判明。
紳士さんありがとう!!
あなたの手紙のおかげで、私はガラス瓶を大事に使って生きていけそうです。
昨日の手の平の火傷は少しヒリヒリするけど、包帯でぐるぐる巻きにしたので物が持てない訳じゃない。
本日は薪作りをすることにした。
武器の部屋から両刃の斧と長い剣を持ち出し、リヤカーに乗せてゲッちゃんと一緒に小屋の近くで私にも切り倒せそうな木を探す。
「ゲッちゃん、薪にしてもいい木って分かる?」
「ゲーキョ?」
首を傾げる仕草をするゲッちゃんを見て、ああ、これはゲッちゃんには分かんないのか。と、ゲッちゃんに「ありがとう。ごめんね」と言って適当な木にあたりを付けて、最初にナイフで斧を入れる切込み口を作る。
多分だけど、私の予想では、斧をいきなり振りかぶっても切れないと思うんだよね。
切り口を作って、少しでも楽に出来る事を目指した方が建設的かな? と、思ったのである。
「ゲッちゃん、危ないから近付いちゃ駄目だからねー」
「ゲキョ」
通じているか通じていないのかイマイチ解らないけど、ゲッちゃんはリヤカーの上で羽をくちばしで毛づくろいしている。
ゲッちゃんも不思議な鳥だけど、お役立ちな鳥なので仲良くしていきたいところだ。
多分、ゲッちゃんが居るおかげで、私はこうしてこの世界で精神的に追い詰められていないのだと思う。
一人だったら、発狂してたかもしれない。
たまに帰りたいと泣く事はあるけど、泣くとゲッちゃんは頭の上に乗って来て、足で頭をテシテシと叩いて慰めてくれる。
変な鳴き声だけど、優しい鳥なのは間違いないかな?
「よし、鴨根李都、いきまーす!」
自分が斧を振った時の角度をナイフで真似しつつ、ナイフで切込みを入れて、カツカツと切っていく。
紳士さんに貰った薪と同じようなデコボコした木の皮のの木を選んだから、木屑とかボロボロ出るけど、このナイフはやはり切れ味抜群の様で、横に三角に切り込みが綺麗に入った。
「よし、いくぞー!」
両刃の斧を手に持って、先ずは三角の切り口にゆっくりコツコツ当てていくのが安全かなと、いきなり振りかぶらずに、小さくコツコツと地味に刃を当てていく。
いきなり振りかぶって、斧が手からすっぽ抜けたとかシャレにならない。
これ以上の怪我もしたくないしね。傷薬も無いところで怪我はするものじゃない。
コツコツと何回か当てて、少し強く当てるとカシュンと何やら風を切るようないい音がして、ズシーンと斧を振りかぶった木の一列が次々に倒れていく。
「うっそぉ……」
ポカーンと口を開けて、倒れた木々と斧を交互に見る。
マジか!? え? なにこれ? まさか……私に秘められた力が!?
……なんて、事は思わないけどね。うん。
多分、この斧にも何か魔法が掛かっているのかも?
だって、保存魔法があるんだから、武器にだって何かあってもおかしくない。
こういう時は柔軟性が大事……多分。
「このナイフも、切れ味良すぎるから、何かあるのかもだけどねー」
まっ、考えても私には分からないし、便利ならいいのだ。
しかし、困った。
斧がこの切れ味では、薪を綺麗に切っていけるだろうか?
木の切り株の上で斧で切ろうと思ってたのに、これじゃ、下の切り株も切れちゃいそうだ。
「ゲーキョ?」
「あー、うん。考えても仕方がないよね。使えるなら輪切りに切って乾かして使えたら良いだろうし……うんうん」
とりあえずは、邪魔な枝を、持ってきた長い剣で切っていこう。
斧もそうだけど、剣も重いわけで、途中で疲れて休みながら本日は一日中、枝を落として薪の長さに斧で切ってを繰り返した。
薪で使える状態までは流石に無理で、倒れている木もまだあるし、リヤカーに使える状態に近い物だけを乗せて、小屋に帰っていった。
あと数日は、この繰り返しかもしれない。
「一応、乾かして使えるかも見ないといけないから、一つだけ薪状態にして小屋の近くに並べよう」
「ゲキョーキョ」
「ゲッちゃんと、温かい冬とお風呂の為に、頑張ろー!」
私は拳を上げて、最後の気力を振り絞って丸太を縦にすると、斧で軽く地面に叩きつけた。
スコンと綺麗に二つに割れて、とりあえず、地面も大丈夫の様だ。
この斧は重いから加減が難しいけど、力加減を誤らなければ、上手く使えそうだ。
何とか薪状態に出来た物を小屋の近くに並べて、乾きます様にと願いつつ、本日は終了。
手がパンパンで持ち上がらない。
お風呂でハーブの入浴剤で疲れを取りながら、これはお風呂からあがったらベッドでそのまま寝ちゃうコースだと、ウトウトしながら思い途中で湯船に顔が浸かって、慌ててお風呂から出た。
溺死は嫌だよ。うん。折角、冬を乗り越える為に頑張ってるのに、うっかりで死んだらお話にならない。
ちなみに、この薪作りなのだけど、結果でいえば失敗に終わった。
何日か乾かしたけど、意外に薪の水分は無くならなくてね……私は薪を作るだけ作って、結局は小屋の庭にあった倉庫に山積みにして終わっちゃったのだ。
しかもね、その倉庫に薪が奥の方に大量にあって……私の苦労が無意味だったと気付いたのは、木を全部薪にした後だった。
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