悪役令嬢ポジションが俺で、回復魔法がキスな件!?

ろいず

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一章 悪役令嬢フェルミナ・ドロッセル

日記

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 ルカリオンの説明に頷きつつ、頭の中はフル回転中だった。
 第一王子が生きているなら、毒殺事件を回避してヤンデレになる第二王子の性格を変えてしまえば、多少なりとも、ヒロインや悪役の俺には被害が無いだろう。
 そう、第二王子は病んだ心を持っている為に、ヒロインが第二王子を選ばない場合……悪役のフェルミナを監禁してくる危ないエンディングに突っ走る。
 俺は男だから、婚約者になることはない……と、思っていたんだけど、ルカリオンの話を聞く限りだと、やらかしている。

 そう、回復魔法が使えるという事は、王家に筒抜けになっているだろうから、王家お抱えの回復術師になることが決まったようなものだ。
 監禁ルートは嫌だ。危険は少しでも排除したい。

 ルカリオンが助かって良かったとは思うが、少し前の俺、なんでお前公爵子息のくせに街に出歩いているんだよ! ついでにヒロインはどーした!!
 ルカリオンに会う大事な出会いの場だろ! もしかして隠しキャラルートは無視ですか!? ヒロインが動かない場合、悪役のフェルミナがこうして動くのだろうか? とか、少し考えたりもするが……如何いかんせん、姉のように熱狂的に調べ尽くしている訳じゃないから、サッパリだ。

「坊ちゃん。今日は大広間が使えませんので、部屋で過ごすようにという事ですよ」
「ああ、誕生日会の準備か」
「ええ。楽しみですね」

 楽しみというより、戦々恐々としていますが?
 王子二人……ここで毒殺事件なんか起きてみろ。ドロッセル家は終わりだよ!?
 あ、でも確か回復魔法に毒を消せる効果があったよな……レベルは十五くらいで習得できたはずだけど、今のレベルはどのくらいだ?

「ステータス!」
「……坊ちゃん?」
「……頼むから、そんな目で見るなよ……」

 はいはい、分かっていますよ。ステータスなんて出ませんね。知ってますよ。
 確かヒロインは日記帳でキャラクターの親密度やパラメーターが分かったはず……フェルミナにも日記帳があるのだろうか?
 机の引き出しを漁るも、それらしき物はない。
 
「うーん」
「どうかしたのですか?」
「いや、日記か何か無いかなって」
「それなら机の上に置いてあるじゃないですか?」
「な、ん、だとぅ……」

 この公爵令嬢、いや子息は、かなり大雑把なのか? 日記だぞ? 普通は日記は隠しておくものだろうが!
 それともやましいところが無いゆえに、人目に付く場所においても平気なのか!!
 そうだよな。普通の公爵子息が、幼いながらに獣人族の少年を助け、村まで救う神童だもんな……出来が違う。
 日記を手に取った瞬間、ベシンと薄い木の板が日記から飛び出て手を打ち付けた。

「痛てぇぇぇ!!」
「ああ、それ、坊ちゃんがいたずらで仕掛けたヤツじゃないですか。メイドか誰かが引っかかったら面白そうって」

 くっそぅ! とんだクソガキじゃないかぁぁぁ!!
 あと、笑いを噛み殺してないで、恩人である大事なお坊ちゃんに注意しろよ。
 酷い主人と従者だ。
 手を摩りながらページを開くと、ゲームと同じようにステータスやパラメーターが出てきた。

 【悪役令嬢? フェルミナ・ドロッセル】
 
 レベル三十五 回復魔法師 
 【回復中・全体回復小・解毒魔法・呪い解呪魔法・速度増加小・攻撃増加小・防御増加小】
 健康状態 普通 やや混乱気味

「やや混乱気味って……まぁ、確かに混乱はしているけどな」

 それにしても、まだルカリオンにしか会っていないのに、レベルが高い。
 いや、ルカリオンの怪我を治して、村を救うのに回復魔法を使いまくったせいで、こんなにレベルが上がったのか? これなら第一王子を救えるんじゃないかな。
 
 あと、気になる事といえば……パラメーター。
 ルカリオン・グラッセ 九十九パーセント。
 この数値は恋心のパロメーターを表す数字なんだけど……命の恩人とはいえ、高すぎやしないですかね?
 忠誠心。きっとこれは忠誠心だからぁぁぁ!!
 そっとルカリオンを横目で見れば、にっこりと微笑まれて「あ、これアカンやつ?」と背筋が冷たくなったのは言うまでもない。
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