5 / 73
一章 悪役令嬢フェルミナ・ドロッセル
日記
しおりを挟む
ルカリオンの説明に頷きつつ、頭の中はフル回転中だった。
第一王子が生きているなら、毒殺事件を回避してヤンデレになる第二王子の性格を変えてしまえば、多少なりとも、ヒロインや悪役の俺には被害が無いだろう。
そう、第二王子は病んだ心を持っている為に、ヒロインが第二王子を選ばない場合……悪役のフェルミナを監禁してくる危ないエンディングに突っ走る。
俺は男だから、婚約者になることはない……と、思っていたんだけど、ルカリオンの話を聞く限りだと、やらかしている。
そう、回復魔法が使えるという事は、王家に筒抜けになっているだろうから、王家お抱えの回復術師になることが決まったようなものだ。
監禁ルートは嫌だ。危険は少しでも排除したい。
ルカリオンが助かって良かったとは思うが、少し前の俺、なんでお前公爵子息のくせに街に出歩いているんだよ! ついでにヒロインはどーした!!
ルカリオンに会う大事な出会いの場だろ! もしかして隠しキャラルートは無視ですか!? ヒロインが動かない場合、悪役のフェルミナがこうして動くのだろうか? とか、少し考えたりもするが……如何せん、姉のように熱狂的に調べ尽くしている訳じゃないから、サッパリだ。
「坊ちゃん。今日は大広間が使えませんので、部屋で過ごすようにという事ですよ」
「ああ、誕生日会の準備か」
「ええ。楽しみですね」
楽しみというより、戦々恐々としていますが?
王子二人……ここで毒殺事件なんか起きてみろ。ドロッセル家は終わりだよ!?
あ、でも確か回復魔法に毒を消せる効果があったよな……レベルは十五くらいで習得できたはずだけど、今のレベルはどのくらいだ?
「ステータス!」
「……坊ちゃん?」
「……頼むから、そんな目で見るなよ……」
はいはい、分かっていますよ。ステータスなんて出ませんね。知ってますよ。
確かヒロインは日記帳でキャラクターの親密度やパラメーターが分かったはず……フェルミナにも日記帳があるのだろうか?
机の引き出しを漁るも、それらしき物はない。
「うーん」
「どうかしたのですか?」
「いや、日記か何か無いかなって」
「それなら机の上に置いてあるじゃないですか?」
「な、ん、だとぅ……」
この公爵令嬢、いや子息は、かなり大雑把なのか? 日記だぞ? 普通は日記は隠しておくものだろうが!
それとも疚しいところが無いゆえに、人目に付く場所においても平気なのか!!
そうだよな。普通の公爵子息が、幼いながらに獣人族の少年を助け、村まで救う神童だもんな……出来が違う。
日記を手に取った瞬間、ベシンと薄い木の板が日記から飛び出て手を打ち付けた。
「痛てぇぇぇ!!」
「ああ、それ、坊ちゃんがいたずらで仕掛けたヤツじゃないですか。メイドか誰かが引っかかったら面白そうって」
くっそぅ! とんだクソガキじゃないかぁぁぁ!!
あと、笑いを噛み殺してないで、恩人である大事なお坊ちゃんに注意しろよ。
酷い主人と従者だ。
手を摩りながらページを開くと、ゲームと同じようにステータスやパラメーターが出てきた。
【悪役令嬢? フェルミナ・ドロッセル】
レベル三十五 回復魔法師
【回復中・全体回復小・解毒魔法・呪い解呪魔法・速度増加小・攻撃増加小・防御増加小】
健康状態 普通 やや混乱気味
「やや混乱気味って……まぁ、確かに混乱はしているけどな」
それにしても、まだルカリオンにしか会っていないのに、レベルが高い。
いや、ルカリオンの怪我を治して、村を救うのに回復魔法を使いまくったせいで、こんなにレベルが上がったのか? これなら第一王子を救えるんじゃないかな。
あと、気になる事といえば……パラメーター。
ルカリオン・グラッセ 九十九パーセント。
この数値は恋心のパロメーターを表す数字なんだけど……命の恩人とはいえ、高すぎやしないですかね?
忠誠心。きっとこれは忠誠心だからぁぁぁ!!
そっとルカリオンを横目で見れば、にっこりと微笑まれて「あ、これアカンやつ?」と背筋が冷たくなったのは言うまでもない。
第一王子が生きているなら、毒殺事件を回避してヤンデレになる第二王子の性格を変えてしまえば、多少なりとも、ヒロインや悪役の俺には被害が無いだろう。
そう、第二王子は病んだ心を持っている為に、ヒロインが第二王子を選ばない場合……悪役のフェルミナを監禁してくる危ないエンディングに突っ走る。
俺は男だから、婚約者になることはない……と、思っていたんだけど、ルカリオンの話を聞く限りだと、やらかしている。
そう、回復魔法が使えるという事は、王家に筒抜けになっているだろうから、王家お抱えの回復術師になることが決まったようなものだ。
監禁ルートは嫌だ。危険は少しでも排除したい。
ルカリオンが助かって良かったとは思うが、少し前の俺、なんでお前公爵子息のくせに街に出歩いているんだよ! ついでにヒロインはどーした!!
ルカリオンに会う大事な出会いの場だろ! もしかして隠しキャラルートは無視ですか!? ヒロインが動かない場合、悪役のフェルミナがこうして動くのだろうか? とか、少し考えたりもするが……如何せん、姉のように熱狂的に調べ尽くしている訳じゃないから、サッパリだ。
「坊ちゃん。今日は大広間が使えませんので、部屋で過ごすようにという事ですよ」
「ああ、誕生日会の準備か」
「ええ。楽しみですね」
楽しみというより、戦々恐々としていますが?
王子二人……ここで毒殺事件なんか起きてみろ。ドロッセル家は終わりだよ!?
あ、でも確か回復魔法に毒を消せる効果があったよな……レベルは十五くらいで習得できたはずだけど、今のレベルはどのくらいだ?
「ステータス!」
「……坊ちゃん?」
「……頼むから、そんな目で見るなよ……」
はいはい、分かっていますよ。ステータスなんて出ませんね。知ってますよ。
確かヒロインは日記帳でキャラクターの親密度やパラメーターが分かったはず……フェルミナにも日記帳があるのだろうか?
机の引き出しを漁るも、それらしき物はない。
「うーん」
「どうかしたのですか?」
「いや、日記か何か無いかなって」
「それなら机の上に置いてあるじゃないですか?」
「な、ん、だとぅ……」
この公爵令嬢、いや子息は、かなり大雑把なのか? 日記だぞ? 普通は日記は隠しておくものだろうが!
それとも疚しいところが無いゆえに、人目に付く場所においても平気なのか!!
そうだよな。普通の公爵子息が、幼いながらに獣人族の少年を助け、村まで救う神童だもんな……出来が違う。
日記を手に取った瞬間、ベシンと薄い木の板が日記から飛び出て手を打ち付けた。
「痛てぇぇぇ!!」
「ああ、それ、坊ちゃんがいたずらで仕掛けたヤツじゃないですか。メイドか誰かが引っかかったら面白そうって」
くっそぅ! とんだクソガキじゃないかぁぁぁ!!
あと、笑いを噛み殺してないで、恩人である大事なお坊ちゃんに注意しろよ。
酷い主人と従者だ。
手を摩りながらページを開くと、ゲームと同じようにステータスやパラメーターが出てきた。
【悪役令嬢? フェルミナ・ドロッセル】
レベル三十五 回復魔法師
【回復中・全体回復小・解毒魔法・呪い解呪魔法・速度増加小・攻撃増加小・防御増加小】
健康状態 普通 やや混乱気味
「やや混乱気味って……まぁ、確かに混乱はしているけどな」
それにしても、まだルカリオンにしか会っていないのに、レベルが高い。
いや、ルカリオンの怪我を治して、村を救うのに回復魔法を使いまくったせいで、こんなにレベルが上がったのか? これなら第一王子を救えるんじゃないかな。
あと、気になる事といえば……パラメーター。
ルカリオン・グラッセ 九十九パーセント。
この数値は恋心のパロメーターを表す数字なんだけど……命の恩人とはいえ、高すぎやしないですかね?
忠誠心。きっとこれは忠誠心だからぁぁぁ!!
そっとルカリオンを横目で見れば、にっこりと微笑まれて「あ、これアカンやつ?」と背筋が冷たくなったのは言うまでもない。
1
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。
※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました!
えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。
※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです!
※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる