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一章 悪役令嬢フェルミナ・ドロッセル
悪役は点数稼ぎをする
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笑顔で睨み合うラローシュとルカリオンに挟まれ、ついでにラローシュの後ろにしがみついているディオンにまで睨み上げられている状況。
外見はともかく、中身が大人の俺がこの場をどうにかすべきか悩んでいたが、救いの手は別方向から差し伸べられた。
「うわぁーん。こいつがぶったー!」
「先にコイツが押してきたんだ!」
「まぁ! ケイディーエス侯爵のご子息だわ!」
「大変っ! 傷薬を持ってきて!」
メイド達が青ざめて騒ぎのする方へ走っていく。どうやら子供同士の喧嘩でケガ人が出たようだ。
ラローシュたちの睨み合いも気がそがれたようだし、見に行っておくかな。
俺の後をルカリオンがついて歩くのはいつも通り、だが、王子二人はついてくるのは何故なのか。
まったく、お子様共め。
「やれやれ。騒がしいですね」
お菓子の積まれたテーブルに本を広げて、一人読書をしていた歩く蔵書ことベンガルがメガネをクイッと指で押し上げる。
普通のお子様たちに比べると、「やれやれ、誕生日会なのに本の虫ですか?」なんて言われそうな感じだ。
「なんかあったみたいだぞ。面白そうじゃないか? なっ、セイン!」
「え、あ……えっと……」
お菓子を口いっぱいに頬張り笑っているのは、未来の騎士団長ヒルクスで、おどおど天才魔導士のセインは、仲が良いのか隣同士で座っている。
そういえば、公式でもセット扱いの二人だったから、幼馴染なのだろうか?
ヒルクスが太陽なら、セインは暗闇に浮かぶ月という正反対さではあるけれど、ヒルクスの頬についた食べかすをハンカチで拭いてあげるくらいの仲の良さはあるようだ。
「おっ! 王子とヒヨコ王子も来てたのか!」
「やぁ。ヒルクスにセイン。二人も来ていたようだね」
「ヒルクスッ! ダメだよ、王族の方が先に話されるまでは、先にこっちから声を掛けるなんて」
「セイン。気にしなくてもいいよ。私とディオンはお忍びという事になっているからね」
「セインは気にしすぎだって」
ラローシュの言葉にヒルクスは「なっ!」と、笑うが……そういえば、貴族って話すときは、階級が上の人間からとか、そういうのがあるんだっけ?
まぁ、一応俺は公爵家だから王族以外は気にしなくて済みそうだけど。
ゲームとリアルの違いは、早めに勉強しておかないと駄目だな。
いつ悪役令嬢の断罪イベントがあるか分からないのだから、生き残るためには全力を尽くす!!
悪役のエンディングは幾つかある。
一番ヤバいのは……裏で回復術師としての腕を上げる為に、人を斬りつけて回復してを繰り返したレベル上げがバレた時の断罪イベント。
この断罪イベントでどれだけ罪を暴かれるかで、死刑もあり得る……ルカリオンに殺される気はしないけど、ヒロイン次第では、裏切られて殺される事もあるだろう。
「さて、ケガをしたのは君たち二人かな?」
俺は自分の為にも未来を見据えて、泣いている少年二人に優しく声を掛ける。
点数稼ぎは、ここから始まっているのだ。
俺は自分の指を唇に当て、ケガをした二人に投げキッスをする。
ケガはスーッと消えてしまう。
「もう、大丈夫ですよ」
「え? えええ!」
「すごい……お前、すごいな!」
「当家にお祝いに来てくれたお客様を、ケガをさせたまま帰すわけには、いきませんからね」
ニッコリと笑顔で締めくくる。
これが、ちゃんとした悪役令嬢のフェルミナだったら、可愛い女の子の微笑みになっただろうけどな。少年たちは頬を染めるが、残念だけど悪役令息なんだ。少年たちよ、許してくれ。
「チッ」
後ろー、従者が舌打ちをしないように。
うちの従者は、とても心が狭い。
「それが回復魔術ですか」
「ええ。大きなケガでは無かったので、全体回復小で良かったですからね」
「全体!? フェルはその歳で全体回復が使えるのですか!?」
「ルカリオンのケガを治したりで、レベルが上がって全体の小は使えるのですよ」
目を輝かせるラローシュに、何故かルカリオンがフフンッと偉そうな笑みをしているが、不敬罪とかが怖いので止めておけー。
「お前、うちの訓練所に来ないか!」
「はい?」
興奮した顔でヒルクスが俺の手を握り、見えない犬の尻尾がパタパタしている気がする。
そういえば、ヒルクスの家系は騎士家系な上、王宮の騎士団を育てる練習場を持っているんだよな……ふむ。
レベルを上げるなら、訓練所で全体回復を繰り返せば、キス回避出来るのでは?
そう。この回復魔術は全体回復は投げキッスで済むのだ。
フフフッ、相当ヤバい傷ではない限り、キスをしなくていいわけなんだよな。
本来なら、レベルが低くて一人ずつにキスして回らなければいけないところが、レベル三十五だから男にキスしなくていい!
しかし、レベルの低い全体回復小では間に合わない時がある。
これを使わない手はないのでは無いだろうか?
外見はともかく、中身が大人の俺がこの場をどうにかすべきか悩んでいたが、救いの手は別方向から差し伸べられた。
「うわぁーん。こいつがぶったー!」
「先にコイツが押してきたんだ!」
「まぁ! ケイディーエス侯爵のご子息だわ!」
「大変っ! 傷薬を持ってきて!」
メイド達が青ざめて騒ぎのする方へ走っていく。どうやら子供同士の喧嘩でケガ人が出たようだ。
ラローシュたちの睨み合いも気がそがれたようだし、見に行っておくかな。
俺の後をルカリオンがついて歩くのはいつも通り、だが、王子二人はついてくるのは何故なのか。
まったく、お子様共め。
「やれやれ。騒がしいですね」
お菓子の積まれたテーブルに本を広げて、一人読書をしていた歩く蔵書ことベンガルがメガネをクイッと指で押し上げる。
普通のお子様たちに比べると、「やれやれ、誕生日会なのに本の虫ですか?」なんて言われそうな感じだ。
「なんかあったみたいだぞ。面白そうじゃないか? なっ、セイン!」
「え、あ……えっと……」
お菓子を口いっぱいに頬張り笑っているのは、未来の騎士団長ヒルクスで、おどおど天才魔導士のセインは、仲が良いのか隣同士で座っている。
そういえば、公式でもセット扱いの二人だったから、幼馴染なのだろうか?
ヒルクスが太陽なら、セインは暗闇に浮かぶ月という正反対さではあるけれど、ヒルクスの頬についた食べかすをハンカチで拭いてあげるくらいの仲の良さはあるようだ。
「おっ! 王子とヒヨコ王子も来てたのか!」
「やぁ。ヒルクスにセイン。二人も来ていたようだね」
「ヒルクスッ! ダメだよ、王族の方が先に話されるまでは、先にこっちから声を掛けるなんて」
「セイン。気にしなくてもいいよ。私とディオンはお忍びという事になっているからね」
「セインは気にしすぎだって」
ラローシュの言葉にヒルクスは「なっ!」と、笑うが……そういえば、貴族って話すときは、階級が上の人間からとか、そういうのがあるんだっけ?
まぁ、一応俺は公爵家だから王族以外は気にしなくて済みそうだけど。
ゲームとリアルの違いは、早めに勉強しておかないと駄目だな。
いつ悪役令嬢の断罪イベントがあるか分からないのだから、生き残るためには全力を尽くす!!
悪役のエンディングは幾つかある。
一番ヤバいのは……裏で回復術師としての腕を上げる為に、人を斬りつけて回復してを繰り返したレベル上げがバレた時の断罪イベント。
この断罪イベントでどれだけ罪を暴かれるかで、死刑もあり得る……ルカリオンに殺される気はしないけど、ヒロイン次第では、裏切られて殺される事もあるだろう。
「さて、ケガをしたのは君たち二人かな?」
俺は自分の為にも未来を見据えて、泣いている少年二人に優しく声を掛ける。
点数稼ぎは、ここから始まっているのだ。
俺は自分の指を唇に当て、ケガをした二人に投げキッスをする。
ケガはスーッと消えてしまう。
「もう、大丈夫ですよ」
「え? えええ!」
「すごい……お前、すごいな!」
「当家にお祝いに来てくれたお客様を、ケガをさせたまま帰すわけには、いきませんからね」
ニッコリと笑顔で締めくくる。
これが、ちゃんとした悪役令嬢のフェルミナだったら、可愛い女の子の微笑みになっただろうけどな。少年たちは頬を染めるが、残念だけど悪役令息なんだ。少年たちよ、許してくれ。
「チッ」
後ろー、従者が舌打ちをしないように。
うちの従者は、とても心が狭い。
「それが回復魔術ですか」
「ええ。大きなケガでは無かったので、全体回復小で良かったですからね」
「全体!? フェルはその歳で全体回復が使えるのですか!?」
「ルカリオンのケガを治したりで、レベルが上がって全体の小は使えるのですよ」
目を輝かせるラローシュに、何故かルカリオンがフフンッと偉そうな笑みをしているが、不敬罪とかが怖いので止めておけー。
「お前、うちの訓練所に来ないか!」
「はい?」
興奮した顔でヒルクスが俺の手を握り、見えない犬の尻尾がパタパタしている気がする。
そういえば、ヒルクスの家系は騎士家系な上、王宮の騎士団を育てる練習場を持っているんだよな……ふむ。
レベルを上げるなら、訓練所で全体回復を繰り返せば、キス回避出来るのでは?
そう。この回復魔術は全体回復は投げキッスで済むのだ。
フフフッ、相当ヤバい傷ではない限り、キスをしなくていいわけなんだよな。
本来なら、レベルが低くて一人ずつにキスして回らなければいけないところが、レベル三十五だから男にキスしなくていい!
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