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7章
緊急事態 ※出産アリ
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『どうしよう!ルーファス!お腹、内臓、はみ出てる!うわぁぁあん』
泣き叫ぶ朱里から腕輪で魔法通信が届いたのは、朱里の出産予定日が1週間遅れ、切開手術をする事も一応頭の隅に入れておいてください。と、産医に言われて2日ほど経ったお昼の事だった。
その日も朱里は大きなお腹を抱えて首をひねり、「今日もまだっぽいです」と、背中の近くを我が子に蹴られながら、ルーファスが【刻狼亭】に出勤するのを見送ってくれていた。
ハガネとグリムレインも昼過ぎには戻るからと、店舗に使う道具を揃えに出掛けていた。
「アカリ、落ち着け。今、産医を連れてそっちに向かうから」
『お腹、痛い・・・うっぇえええん。もう、駄目・・・ふぇぇん』
「赤ん坊はどうだ?」
『ふぐっ、赤ちゃんまだお腹の中、でも、内臓出ちゃった・・・うぇぇっ』
内臓が出るという意味がわからず、ルーファスが走りながら頭を抱えそうになる。
朱里はパニック状態で泣いて叫んでいるし、産医に慌てて駆け込めば、診察中で待つように言われる。
この大陸で産医の診察を長々と受ける妊婦はありすぐらいなので、ルーファスも遠慮なく踏み込んで行きたいが、最近のありすは刺激しないように言われている為に、朱里に何かされても困るため、仕方がなく受付の女性に診察が終わり次第、新しい【刻狼亭】へ産医に来てほしい旨を伝えて、急いで家に帰る。
「アカリ、大丈夫か?」
『大丈夫じゃない、ぐすっ、何か、腸も出た・・・ふぇっ、痛いよぅ』
「アカリの内臓や腸じゃないんだよな?」
『わかんない。痛くて、わかんないよぉー!うわぁぁん』
拉致があかないと、獣化して足を速めて走り、森の中を疾走する。
朱里を守るために人が少ない森の中に建てた新しい【刻狼亭】だが、少し距離がありすぎると苛立ちすら出てくる。
『どうしよう・・・また内臓、出た・・・血いっぱい・・・』
震える声で朱里が呟き、ルーファスの心臓に冷たい物が走る。
「アカリ、もう家に着くから待ってろ!」
『・・・もう、だめ・・・』
「アカリ?アカリ返事をしろ!」
『・・・』
森を抜け、朱里の為の【刻狼亭】の店舗が目の前に広がる。
獣化を解いて人型に戻ると急いで1階部分の販売スペースからカウンターに入り、階段を上って2階へ行き、微かな血の匂いをたどって夫婦の寝室に入ると、浴室の方から血の匂いが広がる。
脱衣所に服があり、朱里がグリムレインが家に居ないと冷房役が居ない為、汗をかいて風呂に入った・・・と、いう事だろうとは予想はつく。
浴室のドアを開けるとむせ返る血の匂いの中で、浴室の床に仰向けに倒れ、浴槽にもたれて気を失っている朱里と、床には赤黒い肝臓の様な物にねじれた腸が付いた物が小さい物と少し大きい物が2つある。
「これがアカリの言っていた内臓か・・・」
小さな方がうごめき、ルーファスが「まさか・・・」と、声を出しながら内臓らしき物の薄い膜を剥がし、風呂場のお湯にくぐらせて乾燥魔法をかけると、小さな獣化した狼の子供が「きゅー」と声をあげる。
急いでもう片方の膜も剥がし、お湯にくぐらせて乾燥魔法をかけると、こちらも獣化した狼の子で「きゅー」と声を上げ始める。
小さな狼の子2匹を自分の服で包み、浴室の床に置くと、朱里を抱き起こして頬を軽く叩く。
「アカリ、しっかりしろ!」
「・・・お腹、痛い・・・」
「ああ、よく頑張ったな。腹にもう1人居るとかはないか?」
「もう、1人?・・・あれ・・・お腹、変・・・」
朱里が自分のお腹の違和感に青ざめる。
まだお腹は少し大きいが、赤ん坊の重みが消えている。
「どうしよう・・・ルーファス、赤ちゃん居ない・・・」
ガタガタと震えながら朱里が涙を流し始めると、床に置いていた2匹の狼の子が獣化が解け、人化して小さな声で泣き始める。
「ほぇぇん」
「ひゃぁぁん」
朱里が床で泣いている赤ん坊に目を向けて手を伸ばす。
「・・・赤ちゃん?」
「ああ、アカリの産んだ子供達だ」
ルーファスが朱里に子供を見せると、朱里が目を丸くする。
「2人居る・・・」
「どうやら2人居たらしい。両方、男だな」
「ええと、まず、どうするんだっけ・・・、ああ、初乳!初乳が大事!」
朱里が自分の胸をギュッと押しながら先端から少しだけ黄色い感じの液が垂れると、ルーファスから子供を1人受け取り胸を口に含ませる。
もう片方の胸もギュッと押して液が出るとルーファスに手を伸ばす。
「もう1人も!」
両胸に子供を抱えて、朱里が「良かった・・・」と、ホッと息を吐くと再び意識を失い、ルーファスが3人を抱えて寝室のベッドに寝かせる事になった。
朱里が気を失っている間に産医が家に到着し、赤ん坊と朱里の処置をして帰っていった。
朱里が目を覚ましてルーファスから説明を受けた時に、「この事はご内密に・・・」と頼み込んだことは言うまでもない。
まさか子供達を内臓呼ばわりし、へその緒を見たことが無かった朱里がへその緒を腸だと勘違いして大騒ぎしたとは流石に言えない。
「でもね、まさか獣化して生まれるとは思わなかったの」
「アカリの負担にならないように小さくして出てきたんだろうな」
「お母さん思いの良い子達!でも、やっぱり痛かったです」
「産医の話では、朱里の腹の大きさだと随分痛い思いをして普通なら産むところを小さく出てきたから痛みはそんなに無い筈らしいぞ」
「ううっ、世のお母さん達は偉大です・・・私にはあれだけでも痛かったです」
ルーファスが朱里の頭を撫でながら「頑張ったな」と労うので朱里も少し誇らしげに笑う。
「先に生まれたのは小さい子の方か?」
「はい。小さい子の方がお兄ちゃんです」
「産医の話ではこの兄の方がずっと獣化していたらしい。アカリの腹では普通の大きさの双子だとアカリも苦しいし、双子も苦しい状態になっていたはずらしいからな。この子は母親と弟思いの様だ」
ルーファスと朱里が小さな双子の兄を見つめながら目を細めて笑う。
「弟の方が元気にアカリの腹を蹴っていたのか。やんちゃな子だな」
「はい。元気な子です」
「しかし、心臓の鼓動まで兄と揃えて隠すとはすごい子だ」
「お兄ちゃんを独り占めしたかったんですよ。将来ブラコンになりそうです」
「ぶらこん?なんだそれは?」
「ブラザーコンプレックス。自分の兄弟が好きすぎちゃう人の事だよ。確か」
「まぁ、兄弟仲が良いのは良いと思うぞ」
朱里がふふっと笑いながら「将来が楽しみです」と言い、ルーファスが「そうだな」と笑って答える。
泣き叫ぶ朱里から腕輪で魔法通信が届いたのは、朱里の出産予定日が1週間遅れ、切開手術をする事も一応頭の隅に入れておいてください。と、産医に言われて2日ほど経ったお昼の事だった。
その日も朱里は大きなお腹を抱えて首をひねり、「今日もまだっぽいです」と、背中の近くを我が子に蹴られながら、ルーファスが【刻狼亭】に出勤するのを見送ってくれていた。
ハガネとグリムレインも昼過ぎには戻るからと、店舗に使う道具を揃えに出掛けていた。
「アカリ、落ち着け。今、産医を連れてそっちに向かうから」
『お腹、痛い・・・うっぇえええん。もう、駄目・・・ふぇぇん』
「赤ん坊はどうだ?」
『ふぐっ、赤ちゃんまだお腹の中、でも、内臓出ちゃった・・・うぇぇっ』
内臓が出るという意味がわからず、ルーファスが走りながら頭を抱えそうになる。
朱里はパニック状態で泣いて叫んでいるし、産医に慌てて駆け込めば、診察中で待つように言われる。
この大陸で産医の診察を長々と受ける妊婦はありすぐらいなので、ルーファスも遠慮なく踏み込んで行きたいが、最近のありすは刺激しないように言われている為に、朱里に何かされても困るため、仕方がなく受付の女性に診察が終わり次第、新しい【刻狼亭】へ産医に来てほしい旨を伝えて、急いで家に帰る。
「アカリ、大丈夫か?」
『大丈夫じゃない、ぐすっ、何か、腸も出た・・・ふぇっ、痛いよぅ』
「アカリの内臓や腸じゃないんだよな?」
『わかんない。痛くて、わかんないよぉー!うわぁぁん』
拉致があかないと、獣化して足を速めて走り、森の中を疾走する。
朱里を守るために人が少ない森の中に建てた新しい【刻狼亭】だが、少し距離がありすぎると苛立ちすら出てくる。
『どうしよう・・・また内臓、出た・・・血いっぱい・・・』
震える声で朱里が呟き、ルーファスの心臓に冷たい物が走る。
「アカリ、もう家に着くから待ってろ!」
『・・・もう、だめ・・・』
「アカリ?アカリ返事をしろ!」
『・・・』
森を抜け、朱里の為の【刻狼亭】の店舗が目の前に広がる。
獣化を解いて人型に戻ると急いで1階部分の販売スペースからカウンターに入り、階段を上って2階へ行き、微かな血の匂いをたどって夫婦の寝室に入ると、浴室の方から血の匂いが広がる。
脱衣所に服があり、朱里がグリムレインが家に居ないと冷房役が居ない為、汗をかいて風呂に入った・・・と、いう事だろうとは予想はつく。
浴室のドアを開けるとむせ返る血の匂いの中で、浴室の床に仰向けに倒れ、浴槽にもたれて気を失っている朱里と、床には赤黒い肝臓の様な物にねじれた腸が付いた物が小さい物と少し大きい物が2つある。
「これがアカリの言っていた内臓か・・・」
小さな方がうごめき、ルーファスが「まさか・・・」と、声を出しながら内臓らしき物の薄い膜を剥がし、風呂場のお湯にくぐらせて乾燥魔法をかけると、小さな獣化した狼の子供が「きゅー」と声をあげる。
急いでもう片方の膜も剥がし、お湯にくぐらせて乾燥魔法をかけると、こちらも獣化した狼の子で「きゅー」と声を上げ始める。
小さな狼の子2匹を自分の服で包み、浴室の床に置くと、朱里を抱き起こして頬を軽く叩く。
「アカリ、しっかりしろ!」
「・・・お腹、痛い・・・」
「ああ、よく頑張ったな。腹にもう1人居るとかはないか?」
「もう、1人?・・・あれ・・・お腹、変・・・」
朱里が自分のお腹の違和感に青ざめる。
まだお腹は少し大きいが、赤ん坊の重みが消えている。
「どうしよう・・・ルーファス、赤ちゃん居ない・・・」
ガタガタと震えながら朱里が涙を流し始めると、床に置いていた2匹の狼の子が獣化が解け、人化して小さな声で泣き始める。
「ほぇぇん」
「ひゃぁぁん」
朱里が床で泣いている赤ん坊に目を向けて手を伸ばす。
「・・・赤ちゃん?」
「ああ、アカリの産んだ子供達だ」
ルーファスが朱里に子供を見せると、朱里が目を丸くする。
「2人居る・・・」
「どうやら2人居たらしい。両方、男だな」
「ええと、まず、どうするんだっけ・・・、ああ、初乳!初乳が大事!」
朱里が自分の胸をギュッと押しながら先端から少しだけ黄色い感じの液が垂れると、ルーファスから子供を1人受け取り胸を口に含ませる。
もう片方の胸もギュッと押して液が出るとルーファスに手を伸ばす。
「もう1人も!」
両胸に子供を抱えて、朱里が「良かった・・・」と、ホッと息を吐くと再び意識を失い、ルーファスが3人を抱えて寝室のベッドに寝かせる事になった。
朱里が気を失っている間に産医が家に到着し、赤ん坊と朱里の処置をして帰っていった。
朱里が目を覚ましてルーファスから説明を受けた時に、「この事はご内密に・・・」と頼み込んだことは言うまでもない。
まさか子供達を内臓呼ばわりし、へその緒を見たことが無かった朱里がへその緒を腸だと勘違いして大騒ぎしたとは流石に言えない。
「でもね、まさか獣化して生まれるとは思わなかったの」
「アカリの負担にならないように小さくして出てきたんだろうな」
「お母さん思いの良い子達!でも、やっぱり痛かったです」
「産医の話では、朱里の腹の大きさだと随分痛い思いをして普通なら産むところを小さく出てきたから痛みはそんなに無い筈らしいぞ」
「ううっ、世のお母さん達は偉大です・・・私にはあれだけでも痛かったです」
ルーファスが朱里の頭を撫でながら「頑張ったな」と労うので朱里も少し誇らしげに笑う。
「先に生まれたのは小さい子の方か?」
「はい。小さい子の方がお兄ちゃんです」
「産医の話ではこの兄の方がずっと獣化していたらしい。アカリの腹では普通の大きさの双子だとアカリも苦しいし、双子も苦しい状態になっていたはずらしいからな。この子は母親と弟思いの様だ」
ルーファスと朱里が小さな双子の兄を見つめながら目を細めて笑う。
「弟の方が元気にアカリの腹を蹴っていたのか。やんちゃな子だな」
「はい。元気な子です」
「しかし、心臓の鼓動まで兄と揃えて隠すとはすごい子だ」
「お兄ちゃんを独り占めしたかったんですよ。将来ブラコンになりそうです」
「ぶらこん?なんだそれは?」
「ブラザーコンプレックス。自分の兄弟が好きすぎちゃう人の事だよ。確か」
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