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8章
あの日のお礼
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秋も深まり、今年も寒くなりそうだと朱里に今年もお願いされた栗拾いをハガネがしていると、黒い塊が飛んでくる。
「アパー!」
「ササマキ、栗の中に虫が居ないか調べてくれ」
拾った栗をササマキが首を左右に振りながら見て回り、虫入りのモノを足で蹴り飛ばして弾いていく。
「ナウウウン!!!」
「アパー?」
栗を投げつけられたクロが怒りの声を上げササマキを追いかけ、2匹で暴れまわっている。
ハガネが栗を拾い上げて籠に入れると暴れている2匹に「帰るぞー」と声を掛けて山道を歩く。
最近は朱里が赤ん坊3人に構っているせいで2匹は暇を持て余し、こうしてハガネについて回ったり、ルーファスが仕事の時はルーファスにくっついて【刻狼亭】へ行ったりしている。
赤ん坊の近くに行くと双子には手や足を口に入れられ、リリスには近づいたら朱里に「メっ!」と怒られるので近寄る事さえできない。
結局、2匹は2匹で遊ぶしかない。
「アパー?」
「ナン?」
2匹が山の中でソレを見つけてクロが口に咥えて持って行くと、ハガネが「ゲッ!」と、声を出した。
ハガネがソレをポイッと捨てるが、いつの間にかソレはハガネの持っていた籠の中に入っている。
「あー・・・そういう事ならうちのかもな・・・」
仕方が無いとハガネが諦めてソレを持って帰ると、案の定、朱里が叫び声をあげて逃げ出した。
しかし、ソレは朱里を追って飛んでいき、朱里がリビングを走り回り涙目で絶叫した。
「近づかないで!嫌ぁああああ!!!!」
朱里の絶叫に赤ん坊3人も一斉に泣き始め、リビングが泣き声の大合唱になった。
絶叫と泣き声にルーファスとリロノスが慌ててリビングに駆け込むと、リビングの隅でクッションを振り回している朱里の姿があった。
「アカリ、落ち着け。そいつ虫じゃねぇから!」
「嫌ああああ!!!誰か!取って!どっか持って行ってぇええ!」
牛蝉にスカートに張り付かれ、朱里がまた絶叫する。
ハガネが朱里のスカートから牛蝉を取ろうと手を掛けるも、牛蝉も必死にスカートに張り付き、なかなか足(手?)を離さない。
「ふぇえええん」
「ふぎゃあああん」
「ひぁああん」
リュエールとシュトラールをルーファスが抱き上げ、リリスをリロノスが抱き上げてあやしながら、ハガネに早くどうにかしろと目で訴える。
リビングにアルビーとグリムレインも現れ、ルーファスからリュエールをアルビーが受け取りあやし始める。
ようやく首が座ったばかりとはいえ、さすがに2人を抱きかかえるのは危険である。
「なんだ珍しいな。精霊ではないか」
グリムレインが牛蝉を朱里のスカートから離し、牛蝉を見て精霊と言った。
「どこが精霊なの?!それどう見ても牛蝉じゃない!それとも牛蝉は精霊なの!」
「まぁ、嫁よ、子供等が怯えるから声を落とせ」
「・・・ううっ、だって、それ好きじゃないんだもの」
「こいつは牛蝉ではないが、姿が似てしまったようだ」
グリムレインが「ほう。そうかそうか。なるほどな」と、牛蝉と何やら会話をしているが、朱里にはグリムレインが1人で話している様にしか見えない。
「あー、やっぱアカリの事だったか」
ハガネも牛蝉の声が聞こえるのか、牛蝉に「なるほどな」と、声を出している。
アルビーも「アカリらしいや」と声を出している。
まさかルーファスとリロノスも聞こえるのかと見れば2人は怪訝な顔をしているので聞こえてはいないらしい。
むしろ子供をあやすのに必死という感じだ。
「嫁よ、去年こいつを助けたらしいな。その礼に来たらしい」
「そんな虫は知りません!むしろ天敵です!」
グリムレインに「近寄せないで」と朱里がクッションでガードする。
「アカリ、こいつはこんな姿だが牛蝉じゃねぇよ。精霊だ」
「私には蝉な時点でお帰り願いたいです!」
ハガネにシッシッと手で「帰って」とアピールする。
「アカリ、この子は岩の精霊。身に覚えはないの?」
「岩・・・ああ、堕とし札の時の岩の精霊のなりそこないの子?」
朱里がようやく牛蝉を見るが、直ぐに目をそらす。
やはり姿形が生理的に受け付けない。
「精霊の時点でオレには見えないが、アカリ、何か願い事を言うと良い。可能な物なら叶うと聞いたことがあるぞ」
ルーファスがシュトラールをベビーベッドに戻すと、アルビーからリュエールを回収しベビーベッドへ戻す。
可能な願い事と言われても願い事なんか無いのが現状である。
「んー、願いなんてないよ?ありすさんを元気にしてとかは無理でしょ?」
「それは、無理だな。嫁は土関連でしてほしい事は無いか?と、こやつが聞いている」
グリムレインがズイッと、牛蝉もどきの岩の精霊を朱里に近付けると、朱里が「ヒィッ」と顔を引きつらせる。
「素直にお礼は要らないから帰ってじゃダメ?」
グリムレインが残念な子を見る目で朱里を見て、牛蝉が「モーン・・・」とさみし気な声を出す。
「外に大きな建物でも作ろうか?と、言っているぞ」
朱里が「うーん」と唸りながら、手をポンっと叩く。
「あっ、なら庭に大きなピザ焼き窯が欲しい!ハガネと一緒にいつか作ろうかって話してたの!ねっ、ハガネ」
「ああ、それならレンガだし、土だな。設計図があるから見て作らせようぜ」
朱里とハガネが「グラタンの大皿もいけるな!」「巨大ピザー!」とはしゃいだ声を出すと、グリムレインが「我の主は欲がそんなに無くてな・・・食欲はあるが」と、残念そうに口にする。
牛蝉もどきの精霊が庭に巨大なレンガ造りの窯を作り上げ、姿を消した。
「温泉大陸の地盤の緩んでいる場所をオマケで強化しておいたらしいから、また仲間の精霊が困ったことになっていたらお願いします。だとさ」
庭に出来た巨大窯に目を奪われる朱里にグリムレインが「オマケの方が大事な事に思えるがな」と、小さく呟きながら、朱里が次々に口に出すピザの名前に「我は全部食べたいぞ!」と口にする。
後に朱里の店の窯を使った料理が行列が出来る事になる。
「アパー!」
「ササマキ、栗の中に虫が居ないか調べてくれ」
拾った栗をササマキが首を左右に振りながら見て回り、虫入りのモノを足で蹴り飛ばして弾いていく。
「ナウウウン!!!」
「アパー?」
栗を投げつけられたクロが怒りの声を上げササマキを追いかけ、2匹で暴れまわっている。
ハガネが栗を拾い上げて籠に入れると暴れている2匹に「帰るぞー」と声を掛けて山道を歩く。
最近は朱里が赤ん坊3人に構っているせいで2匹は暇を持て余し、こうしてハガネについて回ったり、ルーファスが仕事の時はルーファスにくっついて【刻狼亭】へ行ったりしている。
赤ん坊の近くに行くと双子には手や足を口に入れられ、リリスには近づいたら朱里に「メっ!」と怒られるので近寄る事さえできない。
結局、2匹は2匹で遊ぶしかない。
「アパー?」
「ナン?」
2匹が山の中でソレを見つけてクロが口に咥えて持って行くと、ハガネが「ゲッ!」と、声を出した。
ハガネがソレをポイッと捨てるが、いつの間にかソレはハガネの持っていた籠の中に入っている。
「あー・・・そういう事ならうちのかもな・・・」
仕方が無いとハガネが諦めてソレを持って帰ると、案の定、朱里が叫び声をあげて逃げ出した。
しかし、ソレは朱里を追って飛んでいき、朱里がリビングを走り回り涙目で絶叫した。
「近づかないで!嫌ぁああああ!!!!」
朱里の絶叫に赤ん坊3人も一斉に泣き始め、リビングが泣き声の大合唱になった。
絶叫と泣き声にルーファスとリロノスが慌ててリビングに駆け込むと、リビングの隅でクッションを振り回している朱里の姿があった。
「アカリ、落ち着け。そいつ虫じゃねぇから!」
「嫌ああああ!!!誰か!取って!どっか持って行ってぇええ!」
牛蝉にスカートに張り付かれ、朱里がまた絶叫する。
ハガネが朱里のスカートから牛蝉を取ろうと手を掛けるも、牛蝉も必死にスカートに張り付き、なかなか足(手?)を離さない。
「ふぇえええん」
「ふぎゃあああん」
「ひぁああん」
リュエールとシュトラールをルーファスが抱き上げ、リリスをリロノスが抱き上げてあやしながら、ハガネに早くどうにかしろと目で訴える。
リビングにアルビーとグリムレインも現れ、ルーファスからリュエールをアルビーが受け取りあやし始める。
ようやく首が座ったばかりとはいえ、さすがに2人を抱きかかえるのは危険である。
「なんだ珍しいな。精霊ではないか」
グリムレインが牛蝉を朱里のスカートから離し、牛蝉を見て精霊と言った。
「どこが精霊なの?!それどう見ても牛蝉じゃない!それとも牛蝉は精霊なの!」
「まぁ、嫁よ、子供等が怯えるから声を落とせ」
「・・・ううっ、だって、それ好きじゃないんだもの」
「こいつは牛蝉ではないが、姿が似てしまったようだ」
グリムレインが「ほう。そうかそうか。なるほどな」と、牛蝉と何やら会話をしているが、朱里にはグリムレインが1人で話している様にしか見えない。
「あー、やっぱアカリの事だったか」
ハガネも牛蝉の声が聞こえるのか、牛蝉に「なるほどな」と、声を出している。
アルビーも「アカリらしいや」と声を出している。
まさかルーファスとリロノスも聞こえるのかと見れば2人は怪訝な顔をしているので聞こえてはいないらしい。
むしろ子供をあやすのに必死という感じだ。
「嫁よ、去年こいつを助けたらしいな。その礼に来たらしい」
「そんな虫は知りません!むしろ天敵です!」
グリムレインに「近寄せないで」と朱里がクッションでガードする。
「アカリ、こいつはこんな姿だが牛蝉じゃねぇよ。精霊だ」
「私には蝉な時点でお帰り願いたいです!」
ハガネにシッシッと手で「帰って」とアピールする。
「アカリ、この子は岩の精霊。身に覚えはないの?」
「岩・・・ああ、堕とし札の時の岩の精霊のなりそこないの子?」
朱里がようやく牛蝉を見るが、直ぐに目をそらす。
やはり姿形が生理的に受け付けない。
「精霊の時点でオレには見えないが、アカリ、何か願い事を言うと良い。可能な物なら叶うと聞いたことがあるぞ」
ルーファスがシュトラールをベビーベッドに戻すと、アルビーからリュエールを回収しベビーベッドへ戻す。
可能な願い事と言われても願い事なんか無いのが現状である。
「んー、願いなんてないよ?ありすさんを元気にしてとかは無理でしょ?」
「それは、無理だな。嫁は土関連でしてほしい事は無いか?と、こやつが聞いている」
グリムレインがズイッと、牛蝉もどきの岩の精霊を朱里に近付けると、朱里が「ヒィッ」と顔を引きつらせる。
「素直にお礼は要らないから帰ってじゃダメ?」
グリムレインが残念な子を見る目で朱里を見て、牛蝉が「モーン・・・」とさみし気な声を出す。
「外に大きな建物でも作ろうか?と、言っているぞ」
朱里が「うーん」と唸りながら、手をポンっと叩く。
「あっ、なら庭に大きなピザ焼き窯が欲しい!ハガネと一緒にいつか作ろうかって話してたの!ねっ、ハガネ」
「ああ、それならレンガだし、土だな。設計図があるから見て作らせようぜ」
朱里とハガネが「グラタンの大皿もいけるな!」「巨大ピザー!」とはしゃいだ声を出すと、グリムレインが「我の主は欲がそんなに無くてな・・・食欲はあるが」と、残念そうに口にする。
牛蝉もどきの精霊が庭に巨大なレンガ造りの窯を作り上げ、姿を消した。
「温泉大陸の地盤の緩んでいる場所をオマケで強化しておいたらしいから、また仲間の精霊が困ったことになっていたらお願いします。だとさ」
庭に出来た巨大窯に目を奪われる朱里にグリムレインが「オマケの方が大事な事に思えるがな」と、小さく呟きながら、朱里が次々に口に出すピザの名前に「我は全部食べたいぞ!」と口にする。
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