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9章
反応する死体
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惨劇の座敷牢と化した部屋で座敷牢の壁板が剥がされ、一枚ずつ持ち運ばれていく。
作業の間、ハガネは結界を維持しつつ、座敷牢の壁を剥がしに来た従業員が「吐くからソレ隠してください」と、涙目で訴えるので結界の上に布を被せて独り耐えていた。
「もういいかー?俺そろそろ結界に魔力取られんの嫌なんだけど・・・」
咄嗟に張った結界だった為に、魔力をかなりドンッと大きく使ってしまい、維持するのにも魔力がゴリゴリ削られているハガネは早く結界を解いてしまいたかった。
「だから、魔力ポーションありますってば」
ピルマーが笑顔で『味は二の次』ポーションを持ってハガネにチラつかせている。
「だーかーらー、俺はそれが嫌だから早く結界解きてぇんだよ!」
製薬部隊の実験台になってたまるかとばかりにハガネが喚き、解体作業をしている従業員を急かしている。
ピルマーは「魔力の回復の保証はしますから飲んでくださいよ」と騒ぎ、ハガネが「味の保証をしろよ!」と騒ぎ立てていた。
これだけ見ればいつもの【刻狼亭】の賑やかな場面ともいえるが、ハガネが結界で閉じ込めている形を無くした死体は穏やかなものでは無かった。
「作業は順調か?」
ルーファスが座敷牢に顔を出すと足元から双子も顔を出す。
「ハガネだ!」
「ハガネ、今日は何してんの?」
「コラ!お前達、ここにはついてくるなと言っただろう!」
双子の首根っこを掴み、ルーファスが眉根を顰めると従業員達が「坊ちゃん達やんちゃですね」と笑いながらルーファス達を見て作業の手をほんの少し止めた時だった。
ガタリ・・・ガタガタガタ。
ハガネが結界を張って閉じ込めている遺体から激しく音がし始めた。
布がガタガタと揺れて中から結界を割ろうとミシミシと音が聞こえる。
「ピルマー!魔力ポーション飲ませろ!」
「はい!」
ピルマーが魔力ポーションの蓋を開けてハガネの口に咥えさせると一気飲みしたハガネが「おげぇー」と声を上げながら、布を外すと結界を再び重ねがけする。
「【結界】!!」
ルーファスに捕まった双子が興味津々で結界の赤い中身を見て声を上げる。
「うわーっ!気持ちわるっ!!」
「うわーっ!ハガネ何それ!!」
双子は左右に首をかしげ、ルーファスがポイッと部屋の外へ2人を追い出す。
困った好奇心旺盛な双子は「父上のケチー!」と騒いでいるが、変に死体など見た事もない2人はソレが何かわからず、普通に興味だけで騒いでいるので性質が悪い。
肉が元は何であるかなど気にもしたことがない子供達に一度狩りに連れて行って魔獣の解体でもして教えるしかないなと、ルーファスは少し思う。
布を掛けてくれと騒いでいた壁を解体していた従業員達は青い顔をしながら部屋の隅で「おぇー」と言っている。
【刻狼亭】といえど、ここまで原型を留めていない死体は流石に目のやり場に困る。
少し物音が静まった結界内の肉塊にハガネもルーファスも何がこの死体を動かしたのかが分からない。
「ここまでの損傷で生きている・・・訳はないよな?」
「気持ち悪ぃな。コレ、グリムレインに氷漬けにしてもらって雪山にでも捨てねぇか?」
それはどうなんだ?と、ルーファスがハガネに片眉を上げるが、不気味な事は確かである。
ガチャっと、扉が開き、双子が再び顔を出すと、結界に閉じ込めた肉塊が再び暴れ出す。
「ねぇー父上、邪魔しないからそれ見せてよー」
「なんか面白そうだから見学させてー」
「「 ガウッ!! 」」
ルーファスの威嚇の一声に本能的に双子が尻尾をブワッと広げて目を丸くする。
「お前達、いい加減にしろ!!これは遊びじゃない!!出ていけ!」
「リュー、シュー!ここは旦那の言う通りだから出ていけ!」
ルーファスとハガネに声を荒げられ、2人は耳を下げながらピルマーに「出ていきましょうね」と、連れ出される。
双子が出ていくと再び結界の中の肉塊は暴れるのを止めて静かに元の肉塊になる。
「こいつリューとシューに反応しているのか?」
「わかんねぇけど、結界解くのはヤバいみてぇだな」
ハガネがポリポリと顎を指で掻きながら、「魔力ポーションの追加頼むわ・・・」と、力無く他の従業員に言うと「味が普通のヤツ・・・なんて製薬部隊が作るわけねぇよなぁ」とガクリと肩を落とす。
作業の間、ハガネは結界を維持しつつ、座敷牢の壁を剥がしに来た従業員が「吐くからソレ隠してください」と、涙目で訴えるので結界の上に布を被せて独り耐えていた。
「もういいかー?俺そろそろ結界に魔力取られんの嫌なんだけど・・・」
咄嗟に張った結界だった為に、魔力をかなりドンッと大きく使ってしまい、維持するのにも魔力がゴリゴリ削られているハガネは早く結界を解いてしまいたかった。
「だから、魔力ポーションありますってば」
ピルマーが笑顔で『味は二の次』ポーションを持ってハガネにチラつかせている。
「だーかーらー、俺はそれが嫌だから早く結界解きてぇんだよ!」
製薬部隊の実験台になってたまるかとばかりにハガネが喚き、解体作業をしている従業員を急かしている。
ピルマーは「魔力の回復の保証はしますから飲んでくださいよ」と騒ぎ、ハガネが「味の保証をしろよ!」と騒ぎ立てていた。
これだけ見ればいつもの【刻狼亭】の賑やかな場面ともいえるが、ハガネが結界で閉じ込めている形を無くした死体は穏やかなものでは無かった。
「作業は順調か?」
ルーファスが座敷牢に顔を出すと足元から双子も顔を出す。
「ハガネだ!」
「ハガネ、今日は何してんの?」
「コラ!お前達、ここにはついてくるなと言っただろう!」
双子の首根っこを掴み、ルーファスが眉根を顰めると従業員達が「坊ちゃん達やんちゃですね」と笑いながらルーファス達を見て作業の手をほんの少し止めた時だった。
ガタリ・・・ガタガタガタ。
ハガネが結界を張って閉じ込めている遺体から激しく音がし始めた。
布がガタガタと揺れて中から結界を割ろうとミシミシと音が聞こえる。
「ピルマー!魔力ポーション飲ませろ!」
「はい!」
ピルマーが魔力ポーションの蓋を開けてハガネの口に咥えさせると一気飲みしたハガネが「おげぇー」と声を上げながら、布を外すと結界を再び重ねがけする。
「【結界】!!」
ルーファスに捕まった双子が興味津々で結界の赤い中身を見て声を上げる。
「うわーっ!気持ちわるっ!!」
「うわーっ!ハガネ何それ!!」
双子は左右に首をかしげ、ルーファスがポイッと部屋の外へ2人を追い出す。
困った好奇心旺盛な双子は「父上のケチー!」と騒いでいるが、変に死体など見た事もない2人はソレが何かわからず、普通に興味だけで騒いでいるので性質が悪い。
肉が元は何であるかなど気にもしたことがない子供達に一度狩りに連れて行って魔獣の解体でもして教えるしかないなと、ルーファスは少し思う。
布を掛けてくれと騒いでいた壁を解体していた従業員達は青い顔をしながら部屋の隅で「おぇー」と言っている。
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少し物音が静まった結界内の肉塊にハガネもルーファスも何がこの死体を動かしたのかが分からない。
「ここまでの損傷で生きている・・・訳はないよな?」
「気持ち悪ぃな。コレ、グリムレインに氷漬けにしてもらって雪山にでも捨てねぇか?」
それはどうなんだ?と、ルーファスがハガネに片眉を上げるが、不気味な事は確かである。
ガチャっと、扉が開き、双子が再び顔を出すと、結界に閉じ込めた肉塊が再び暴れ出す。
「ねぇー父上、邪魔しないからそれ見せてよー」
「なんか面白そうだから見学させてー」
「「 ガウッ!! 」」
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「お前達、いい加減にしろ!!これは遊びじゃない!!出ていけ!」
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