黒狼の可愛いおヨメさま

ろいず

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15章

森の妖精

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___人が立ち入らない神聖な森の奥深く。
森の妖精と呼ばれる種族エルフ達が住まいを構える場所。

「キリン、お前の運命の伴侶は黒い獣だと占いで出た!」
「はい?」
「さぁ、伴侶を探しに旅立つといい!」
「ちょっと待ってぇえええ!!!」

 木の上に作られた家の中でキリンと呼ばれた年若いエルフは悲鳴を上げる。
キリンの前には年寄りのエルフが杖と水晶を持って、キリンを家から追い出そうとする。

「ネリリスお婆ちゃん待って!わたし別に伴侶探して無いから!杖で突くの止めて!」
「早く旅立つのだ!」
「旅立つのだ!じゃなぁーい!!!」

 年寄りエルフのネリリスはキリンの言う事を聞かず、キリンを家から追い出し、ドアを閉めてしまう。
追い出されたキリンは必死である。

 何故ならキリンは白いハーフタンクトップにパンツ1枚の恰好だから。
寝ていたところをネリリスに叩き起こされて追い出されるという暴挙に悲鳴しか上がらない。
第一、こんな格好で旅立てとかどんな挑戦だと、しかも伴侶探しにこの格好なのかと!小一時間は問い詰めたい。

 キリンがドアを連打し、ドアが開いたと思ったら、服と弓と旅立ち一式の入ったカバンを放り投げられた。

「ちょっ!!ネリリスお婆ちゃん!ボケるの早すぎ!家に入れてぇー!むしろわたしの家なんですけどー?!」

 くすくすと後ろから笑い声が聞こえ村のエルフ達に笑われているのに気付いてキリンは服と弓とカバンを持って家の木陰に隠れて服を着る。

「くぅーっ!なんでわたしがこんな目に・・・っ!」 

 ブツブツ文句を言いながらキリンは薄緑色のシャツに茶色のなめした皮のハーフジャケットと同じ素材のキュロットパンツに茶色の革靴を履く。
キリンのハチミツ色の肩より少し長い髪に細い紐を両サイドに巻き付けて少しばかりのオシャレをする。
エメラルドの様な緑色の目と同じ色の耳飾りを長い耳に着ける。
エルフらしさは耳の長さと細い体だけで、身長が157cmと低いのが残念過ぎるところなのだ。
まだ40歳なので伸びる可能性は無きにしも非ず・・・。
人の年齢で言えば14歳程の少女である。

 服を着替え終えて、再び自分のドアを叩くとネリリスがドアの隙間から杖を出し、呪文を唱えるとキリンは悲鳴を上げながら空間に浮かんだ穴に吸い込まれる。

「きゃあああ!!ちょっ!転移魔法はやーめーてぇええ!!!」

 キリンの叫びもむなしく、キリンは穴に吸い込まれていった。

 ドサリ・・・と、キリンが落ちる。

「痛た~っ、ネリリスお婆ちゃん強引すぎ・・・」

 お尻を摩りながらキリンが周りを見れば見知らぬ木が生えている森の中。
エルフ達の住んでいる森には自生していない木々にキリンは首を傾げる。

 ガサガサ・・・。
小さな小動物の物音にキリンは弓矢を構える。
とても軽い足音・・・四足獣ではない足音というのはわかる。
長い耳をピクピクと動かして、こちらへ向かってくる物音に集中して弓を引く。

 バッと飛び出した灰色の丸い物体に矢を放つ。

「アゴォオオオオオー!!!!」

 けたたましい声を上げて灰色の真ん丸な鳥が地面に転がる。
見た事も無い鳥で翼と尾の先がオレンジ色をしている。

「アゴーアゴー!アギャギャギャギャー!!!」

 酷い鳴き声にキリンは眉をしかめる。
ジタジタとしている鳥のお腹に刺さった矢を抜くために押さえつけると、鳥は激しくクチバシをカチカチと鳴らし大暴れする。

「すぐに楽にしてあげるから暴れないで!」

 いたずらに苦しみを長引かせるのは森の狩人としてはしのびないと、小さなナイフを取り出して地面に突きつけると、矢を抜いて素早くナイフを手にする。

「ちゃんと感謝して食べるから森の神様の所に戻るんだよ」

 ナイフを下ろす寸前にゾワッとした殺気にキリンの体が強張り、バッと後ろを振り向くと黒い髪をした獣耳の少年が殺気を放って立っていた。
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