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18章
エルフの森
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エルフの魔法は詠唱が長い。
それは精霊の力を借りている為に起因するかららしい。
キリンが使える移動魔法も詠唱は長いのだが、番のリュエールは精霊の力を借りずに行使するので発動も早い。
リュエールが移動魔法で空間に穴を開けてキリンに手を伸ばす。
「はい。キリン行こうか」
「うん。お義母さん、お義父さん行ってきます!」
キリンが頭を下げるとリュエールの手を取って空間へ入り込み姿を消す。
キリンの里帰りにリュエールも一緒について行くらしく、幸せそうな顔をして出掛けて行った。
「リューちゃん行っちゃいましたね」
「まぁ、番と一緒に居る時はあんなものだろう?子供も出来たのだしな」
「私達もリューちゃん達が出来た時はあんな感じでしたっけ?」
「どうだろうな?従業員達と毎日お祭り騒ぎの様で浮き足立ってはいたな」
「そういえば30分おきに連絡が着たりしてた気がする・・・」
「あーまぁ、どうだったか?ははは」
朱里がルーファスの周りをウロウロしながらルーファスの顔を見上げてニッと笑う。
番主義のルーファスも割りと心配性の過保護だったと思い出し、それでも仕事には行っていたので、そこら辺はシュトラール達に見習うべき!と、言うべきなのか、こういう時は頼って良いよ?と、言うべきなのか悩む所ではある。
リュエールは今まで仕事をした分、休暇扱いになっているが、シュトラールは普通にサボるのだ。
隙を見つけては帰るので、そのたびにルーファスから雷が落ちている。
フィリアの所へ朱里が日中行ってシュトラールが帰って来るたびに耳を引っ張って仕事に連れて行く事も最近では日課のようになっている。
一応、仕事をさせれば器用にこなしていくので戦力にはなるのに、中途半端にサボる為に評価が低くなるという困った次男だったりする。
「アカリは今日もフィリアの所なのか?」
「ええ。今日もシューちゃんが戻ってきたら耳を引っ張ります!」
「シューも子供が出来たんだから、これから入り用になるのに金の事も何も考えていないのが困ったところだな」
「不自由させずに育てたせいか、少しお坊ちゃんですからねぇ」
「もしかしてオレ達の育て方が不味かったか?」
「どうでしょう?リューちゃんはしっかりしてますけどね」
こればかりは本人の性格かもしれないと思わないわけでは無いが、少し自分達の責任も感じてルーファスと朱里が困った次男にため息を吐いて、ルーファスは【刻狼亭】へ戻り朱里は屋敷に戻り三つ子を連れてフィリアの所へ向かう。
____エルフの森。
ルーファスと朱里の元から移動魔法で直ぐにエルフの森へ辿り着くとキリンの家の前に立つ。
リュエールがカバンを漁ってネリリスへのお土産を出してキリンへ渡す。
元、キリンの家ではあるものの、ネリリスに乗っ取られた我が家をノックしてキリンがドアを開ける。
「ネリリスお婆ちゃんただいまー!」
シン・・・っとした部屋はまるで長い事使わていない様だった。
ネリリスの愛用していた杖がベッドの上に置かれていて、それはおかしな事だとキリンの中で不安が膨らむ。
「キリン、ネリリスさんは居ないみたい?」
「うん・・・ネリリスお婆ちゃん居ないみたい」
「何処かにまた泊まりに行っちゃったのかもね」
「そう、だよね・・・。杖、いつも持ち歩いてるのに、新しい杖でも見つけたのかな」
テーブルの上にお土産を置き、村の人へ挨拶する為に部屋を出ようと窓から外を見ると、キリンの目が驚いた表情で固まる。
「リュエール・・・」
指を口元に当てて「シィ」と指を立てると、キリンが窓枠から姿が見えない様に隠れて外をゆっくり覗く。
リュエールも耳を動かしながら、キリンの様子に窓の外を慎重に覗き込む。
「キリン、外のエルフは村の人じゃないの?」
「違う、アレはダークエルフだもの・・・わたし達エルフの村や森に来るなんておかしい」
「ダークエルフって、魔族とエルフの混血種だよね?」
「うん。ダークエルフは魔獣を操る能力を持って生まれるから、あまりエルフは歓迎しないの。森を穢すって言われてて」
キリンが荷物から自分の弓を取り出すとリュエールが手でそれを止める。
「待って、状況が判らないからいきなり攻撃は駄目だよ。それにキリンは僕が守るから、キリンはお腹の子を守って」
「リュエール、気を付けてね」
「うん。キリンはココで隠れててね」
リュエールが移動魔法で外の木の上に座標固定をすると空間に穴を開けて入り込むと、外の木の上に現れる。
冬場なので葉が少ないのが難点だが獣化してダークエルフの様子を観察する。
村の他の木に住まいを持つエルフ達の気配も無く、人の声もしていない。
来た時に直ぐに気付くべきだったと注意力が欠けていた自分を責めながら、ダークエルフが向かう後を木の上から突いて回る。
ダークエルフが向かった先にもう1人ダークエルフが立っていた。
耳を澄ませて会話を聞こうと集中する為に少し身を乗り出すと「誰だ?!」とリュエールの居る木をダークエルフが睨んだ。
それは精霊の力を借りている為に起因するかららしい。
キリンが使える移動魔法も詠唱は長いのだが、番のリュエールは精霊の力を借りずに行使するので発動も早い。
リュエールが移動魔法で空間に穴を開けてキリンに手を伸ばす。
「はい。キリン行こうか」
「うん。お義母さん、お義父さん行ってきます!」
キリンが頭を下げるとリュエールの手を取って空間へ入り込み姿を消す。
キリンの里帰りにリュエールも一緒について行くらしく、幸せそうな顔をして出掛けて行った。
「リューちゃん行っちゃいましたね」
「まぁ、番と一緒に居る時はあんなものだろう?子供も出来たのだしな」
「私達もリューちゃん達が出来た時はあんな感じでしたっけ?」
「どうだろうな?従業員達と毎日お祭り騒ぎの様で浮き足立ってはいたな」
「そういえば30分おきに連絡が着たりしてた気がする・・・」
「あーまぁ、どうだったか?ははは」
朱里がルーファスの周りをウロウロしながらルーファスの顔を見上げてニッと笑う。
番主義のルーファスも割りと心配性の過保護だったと思い出し、それでも仕事には行っていたので、そこら辺はシュトラール達に見習うべき!と、言うべきなのか、こういう時は頼って良いよ?と、言うべきなのか悩む所ではある。
リュエールは今まで仕事をした分、休暇扱いになっているが、シュトラールは普通にサボるのだ。
隙を見つけては帰るので、そのたびにルーファスから雷が落ちている。
フィリアの所へ朱里が日中行ってシュトラールが帰って来るたびに耳を引っ張って仕事に連れて行く事も最近では日課のようになっている。
一応、仕事をさせれば器用にこなしていくので戦力にはなるのに、中途半端にサボる為に評価が低くなるという困った次男だったりする。
「アカリは今日もフィリアの所なのか?」
「ええ。今日もシューちゃんが戻ってきたら耳を引っ張ります!」
「シューも子供が出来たんだから、これから入り用になるのに金の事も何も考えていないのが困ったところだな」
「不自由させずに育てたせいか、少しお坊ちゃんですからねぇ」
「もしかしてオレ達の育て方が不味かったか?」
「どうでしょう?リューちゃんはしっかりしてますけどね」
こればかりは本人の性格かもしれないと思わないわけでは無いが、少し自分達の責任も感じてルーファスと朱里が困った次男にため息を吐いて、ルーファスは【刻狼亭】へ戻り朱里は屋敷に戻り三つ子を連れてフィリアの所へ向かう。
____エルフの森。
ルーファスと朱里の元から移動魔法で直ぐにエルフの森へ辿り着くとキリンの家の前に立つ。
リュエールがカバンを漁ってネリリスへのお土産を出してキリンへ渡す。
元、キリンの家ではあるものの、ネリリスに乗っ取られた我が家をノックしてキリンがドアを開ける。
「ネリリスお婆ちゃんただいまー!」
シン・・・っとした部屋はまるで長い事使わていない様だった。
ネリリスの愛用していた杖がベッドの上に置かれていて、それはおかしな事だとキリンの中で不安が膨らむ。
「キリン、ネリリスさんは居ないみたい?」
「うん・・・ネリリスお婆ちゃん居ないみたい」
「何処かにまた泊まりに行っちゃったのかもね」
「そう、だよね・・・。杖、いつも持ち歩いてるのに、新しい杖でも見つけたのかな」
テーブルの上にお土産を置き、村の人へ挨拶する為に部屋を出ようと窓から外を見ると、キリンの目が驚いた表情で固まる。
「リュエール・・・」
指を口元に当てて「シィ」と指を立てると、キリンが窓枠から姿が見えない様に隠れて外をゆっくり覗く。
リュエールも耳を動かしながら、キリンの様子に窓の外を慎重に覗き込む。
「キリン、外のエルフは村の人じゃないの?」
「違う、アレはダークエルフだもの・・・わたし達エルフの村や森に来るなんておかしい」
「ダークエルフって、魔族とエルフの混血種だよね?」
「うん。ダークエルフは魔獣を操る能力を持って生まれるから、あまりエルフは歓迎しないの。森を穢すって言われてて」
キリンが荷物から自分の弓を取り出すとリュエールが手でそれを止める。
「待って、状況が判らないからいきなり攻撃は駄目だよ。それにキリンは僕が守るから、キリンはお腹の子を守って」
「リュエール、気を付けてね」
「うん。キリンはココで隠れててね」
リュエールが移動魔法で外の木の上に座標固定をすると空間に穴を開けて入り込むと、外の木の上に現れる。
冬場なので葉が少ないのが難点だが獣化してダークエルフの様子を観察する。
村の他の木に住まいを持つエルフ達の気配も無く、人の声もしていない。
来た時に直ぐに気付くべきだったと注意力が欠けていた自分を責めながら、ダークエルフが向かう後を木の上から突いて回る。
ダークエルフが向かった先にもう1人ダークエルフが立っていた。
耳を澄ませて会話を聞こうと集中する為に少し身を乗り出すと「誰だ?!」とリュエールの居る木をダークエルフが睨んだ。
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