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23章
五つ首斬首
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竹で出来たカウチソファの上で、スクルードが私の膝の上に乗って抱きついている。
相変わらずの手足の不自由さはあるけれど、スクルードの背中を撫でてあげることぐらいは出来るようになった。
「ははうー、ぷりーん!」
鼻をヒクつかせて、スクルードが尻尾を振りながら台所に走って行ってしまう。
ハガネが台所に居るから、どうやら今日のオヤツはプリンらしい。
母よりプリンを取るとは、息子よ、母は寂しいです。
台所からはハガネが「まだ熱ぃから、冷めたらな」と言う声と「ぷりーん!」とはしゃぐスクルードの声がしている。
二階からバタバタという音がすると、ルーシーが階段を下りて大広間へ顔を出す。
「母上! みんなは!?」
私が首を振ると、ルーシーは台所に行き、ハガネに「みんなは!?」と食って掛かっている。
実を言うと、ルーシーとスクルードだけ残して、みんな『狩り』に出掛けてしまっている。
理由は『ヒドラ』が出現したという情報が入り、ヒドラのクリスタルを入手する為に『狩り』をするとルーファスが言い出し、前回、ヒドラを倒し『五つ首斬首』の称号を手に入れた従業員を含む、うちの子供達も参加すると言い、ドラゴン達もついて行くと騒ぎ、みんなでヒドラ退治に行ってしまったのだ。
毒のない蛇が変質して強力な毒を持つようになったように、ヒドラもまた変質しているかもしれないという予測で、自動再生をするヒドラのクリスタルがより強力になっているのならば、私に身につけさせるという話だった。
勿論、確実に手に入るかは分からない。
昔、リュエールが手に入れたヒドラのクリスタルも偶然かもしれない。
何故なら、ヒドラのクリスタルは持っている個体と持っていない個体が存在していたからだ。
上級冒険者がパーティを組んで倒せるかどうかのヒドラを、魔石で強化されているかもしれないヒドラに挑むなんて無茶をして欲しくはない。
「アカリはオレを信じて、ここで待っていろ」
そう言って、笑ってキスしたルーファスに「行かないで」と必死に手を伸ばしたのに、体は思うように動いてくれず、声も上手く出なかった。
ハガネにソファに引き戻されて、スクルードを膝の上に乗せられて終わりだった。
「わたしも行く!」
「ルーは駄目だよ」
「ルーは大人しくしてなよ」
ルーシーも私と同じで家に居残り組にされてしまい、ティルナールとエルシオンに「母上のことよろしくね」と睡眠効果のある花を嗅がされて、部屋に置いてけぼりにされたのだ。
そして、目覚めて慌てているという感じである。
ルーファスも女の子は駄目だと言っていて、ミルアとナルアは「行くのですわー!」と大騒ぎして、ミールとシノリアくんを巻き込んで、挙句、火竜ローランドに乗って「勝手について行くのですわ!」と……結局、二人に私の冒険者服を着せる事で防御力を上げて連れて行くことになった。
「母上の服は……お胸の所が余るのですわ……」
「腰がキツ……帰ったらダイエットしますの……」
少しばかり、服のサイズで二人の娘は何かムニムニ言っていたけど、その冒険者服は私も今は少しキツいから、私も体が治ったらダイエットかもしれない。
参加者は全員、リュエールが管理していたヒドラの自動回復クリスタルを装飾品として身に着けて、シュトラールの回復魔法の手間を省いて戦闘が出来るようにするらしい。
私も両足首と両手首にヒドラのクリスタルを付けられていて、そのおかげでスクルードを撫でてあげることくらいは出来るようになった。
「うーっ! スーもいくぅぅ!」
「「「スーは駄目だ!!」」」
全員一致でスクルードは駄目出しをくらい、私の膝の上で大泣きしていたのだ。
ハガネは初めから私の側に居ると決めていたから、「ほいほい、みんな無事に帰って来いよー」といつも通り白い歯をみせて笑いながら見送っていた。
リュエールは【刻狼亭】がある為に、今回のヒドラ戦は不参加で、シュトラールは体がようやく動くようになったのもあり、体を慣らす為にも「今回こそは『五つ首斬首』の称号獲ってくる!」と言い、イルマールくんも「それならおれも参加したいです!」と、冒険者としては称号は数多く持っておいた方が上級クエストが出来るとあって、従者のダリドアさん達を連れての参加をした。
リリスちゃんが「子供のミルク代の為にもガッツリ稼いできてね!」と逞しい言葉で見送ったらしい。
子供が生まれると女性は強くなるものである。
「アカリ、スーが牛蝉になってしがみ付いてくっから、預かっといてくれ」
「やーっ! スーはハニャのとこいるー!」
ハガネの足にしがみ付いて、確かに蝉のようだ。ハガネにぺりっと剥がされて、頬を膨らませるスクルードに、置いてけぼりにされたルーシーは腕輪通信で「わたしを置いていくなんて酷い!」と大騒ぎしていて、ルーシーも私の所へ摘まみ出されてきた。
居残り組が辛いのは私もわかる。
私も声が出るなら、「危険な事はしない! 一緒に居てくれるだけでいいの!」と言っていることだろう。
「母上……、置いて行かれてしまいました」
しゅんっと耳を下げるルーシーの頭を撫でると、小さく尻尾が左右に揺れて私に抱きついてくる。
それを見て、スクルードもタックルするように私に抱きついてきて、ルーシーに「コラ!」と怒られていた。
相変わらずの手足の不自由さはあるけれど、スクルードの背中を撫でてあげることぐらいは出来るようになった。
「ははうー、ぷりーん!」
鼻をヒクつかせて、スクルードが尻尾を振りながら台所に走って行ってしまう。
ハガネが台所に居るから、どうやら今日のオヤツはプリンらしい。
母よりプリンを取るとは、息子よ、母は寂しいです。
台所からはハガネが「まだ熱ぃから、冷めたらな」と言う声と「ぷりーん!」とはしゃぐスクルードの声がしている。
二階からバタバタという音がすると、ルーシーが階段を下りて大広間へ顔を出す。
「母上! みんなは!?」
私が首を振ると、ルーシーは台所に行き、ハガネに「みんなは!?」と食って掛かっている。
実を言うと、ルーシーとスクルードだけ残して、みんな『狩り』に出掛けてしまっている。
理由は『ヒドラ』が出現したという情報が入り、ヒドラのクリスタルを入手する為に『狩り』をするとルーファスが言い出し、前回、ヒドラを倒し『五つ首斬首』の称号を手に入れた従業員を含む、うちの子供達も参加すると言い、ドラゴン達もついて行くと騒ぎ、みんなでヒドラ退治に行ってしまったのだ。
毒のない蛇が変質して強力な毒を持つようになったように、ヒドラもまた変質しているかもしれないという予測で、自動再生をするヒドラのクリスタルがより強力になっているのならば、私に身につけさせるという話だった。
勿論、確実に手に入るかは分からない。
昔、リュエールが手に入れたヒドラのクリスタルも偶然かもしれない。
何故なら、ヒドラのクリスタルは持っている個体と持っていない個体が存在していたからだ。
上級冒険者がパーティを組んで倒せるかどうかのヒドラを、魔石で強化されているかもしれないヒドラに挑むなんて無茶をして欲しくはない。
「アカリはオレを信じて、ここで待っていろ」
そう言って、笑ってキスしたルーファスに「行かないで」と必死に手を伸ばしたのに、体は思うように動いてくれず、声も上手く出なかった。
ハガネにソファに引き戻されて、スクルードを膝の上に乗せられて終わりだった。
「わたしも行く!」
「ルーは駄目だよ」
「ルーは大人しくしてなよ」
ルーシーも私と同じで家に居残り組にされてしまい、ティルナールとエルシオンに「母上のことよろしくね」と睡眠効果のある花を嗅がされて、部屋に置いてけぼりにされたのだ。
そして、目覚めて慌てているという感じである。
ルーファスも女の子は駄目だと言っていて、ミルアとナルアは「行くのですわー!」と大騒ぎして、ミールとシノリアくんを巻き込んで、挙句、火竜ローランドに乗って「勝手について行くのですわ!」と……結局、二人に私の冒険者服を着せる事で防御力を上げて連れて行くことになった。
「母上の服は……お胸の所が余るのですわ……」
「腰がキツ……帰ったらダイエットしますの……」
少しばかり、服のサイズで二人の娘は何かムニムニ言っていたけど、その冒険者服は私も今は少しキツいから、私も体が治ったらダイエットかもしれない。
参加者は全員、リュエールが管理していたヒドラの自動回復クリスタルを装飾品として身に着けて、シュトラールの回復魔法の手間を省いて戦闘が出来るようにするらしい。
私も両足首と両手首にヒドラのクリスタルを付けられていて、そのおかげでスクルードを撫でてあげることくらいは出来るようになった。
「うーっ! スーもいくぅぅ!」
「「「スーは駄目だ!!」」」
全員一致でスクルードは駄目出しをくらい、私の膝の上で大泣きしていたのだ。
ハガネは初めから私の側に居ると決めていたから、「ほいほい、みんな無事に帰って来いよー」といつも通り白い歯をみせて笑いながら見送っていた。
リュエールは【刻狼亭】がある為に、今回のヒドラ戦は不参加で、シュトラールは体がようやく動くようになったのもあり、体を慣らす為にも「今回こそは『五つ首斬首』の称号獲ってくる!」と言い、イルマールくんも「それならおれも参加したいです!」と、冒険者としては称号は数多く持っておいた方が上級クエストが出来るとあって、従者のダリドアさん達を連れての参加をした。
リリスちゃんが「子供のミルク代の為にもガッツリ稼いできてね!」と逞しい言葉で見送ったらしい。
子供が生まれると女性は強くなるものである。
「アカリ、スーが牛蝉になってしがみ付いてくっから、預かっといてくれ」
「やーっ! スーはハニャのとこいるー!」
ハガネの足にしがみ付いて、確かに蝉のようだ。ハガネにぺりっと剥がされて、頬を膨らませるスクルードに、置いてけぼりにされたルーシーは腕輪通信で「わたしを置いていくなんて酷い!」と大騒ぎしていて、ルーシーも私の所へ摘まみ出されてきた。
居残り組が辛いのは私もわかる。
私も声が出るなら、「危険な事はしない! 一緒に居てくれるだけでいいの!」と言っていることだろう。
「母上……、置いて行かれてしまいました」
しゅんっと耳を下げるルーシーの頭を撫でると、小さく尻尾が左右に揺れて私に抱きついてくる。
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