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25章
おヨメさまと聴取
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「今から、一人ずつ話を聞くが、それぞれの塔で塔長と大隊長が話を合わせないように、各自見張っていてくれ。まずは火の塔から」
「火の塔の塔長さんは他の塔に話を聞かれないように、少し離れたところでお話を聞きますね。ケイ、この人達が余計なお喋りをしないように見張ってて。皆さん、今からお喋りは一切禁止です。一言でも話せば、その塔は怪しいとみなします」
ルーファスに抱き上げられて移動し、部屋の隅の方で火の塔の塔長さんから話を聞く。
一人が最初に「水の塔が」と言って、一つの塔を一番最初の加害者にした。
ではその後の順番は同じかどうかで話は少し変わるのでは? 同じならば問題はないけど……ということをルーファスに話して、一人ずつ事情聴取をすることにしたのだ。
「お前が聞いた、火の塔の当事者の話を聞かせてくれ」
「最初に、水の塔の者が橋で他の塔の者をコケさせようとして水を張り、凍らせたことから始まったと聞きました。狙われたのは風の塔で、風の塔の者は風魔法でその場を離れ、コケたのは雷の塔の者で、巻き添えに火と土の塔の者が倒れ、それから口論になり、魔法で雷の塔が水の塔を攻撃し、それを止めに入る為に土が魔法を使い、火は手を出さずに見ていたそうですが、水の塔が大量の水を出し、風の塔がそれを魔法で薙ぎ払い、その勢いで水の塔の者が落ちた……ということです」
つまり、水が風を攻撃。風は避けて、雷に攻撃が行き、火と土も巻き添えで倒れた。
雷が水を攻撃して、土は止めに魔法を使い、水がまた攻撃しようとして風が魔法で防いで、水が橋から落ちた。
簡単に言えば、水、雷、風の三つの塔が悪いことになる。
土は止めようとしたので、これは除外されるし、火は何もしてない……これは怪しいけど、話し的にはこの時点では除外。
「わかった。戻ってもこの話の内容は他にするな。次は雷の塔長を呼んでくれ」
次に雷の塔長さんが話をした。
内容は少しだけ違った。
水が風を狙い、雷が攻撃を受けてやり返そうと魔法を放ったら、火がそれを防ぎ、土が水を土壁で囲んだところ、水が魔法で土壁を壊そうとして、風がその土壁ごと水を橋から落とした。
次に、雷の大隊長と話をした。この人の話は少しだけ違う。
水が雷を最初に狙い、風がそれを面白がって揶揄い、雷が威嚇の為に自分に雷を派手に纏わせたところ、風が魔法で雷を増幅させ、火と土が魔法を打ち消すのに魔法を放ったところ、水が全員を押し流そうとして、足を滑らせて落ちた。
雷の大隊長は、当事者とそれなりに話したのか、少し雷の当事者の内情のようなものの話が多かった。
風の塔長と風の大隊長は、ほぼ同じことを二人共言っていた。
水が風に攻撃をしてきた。風魔法で水を避けたところ、運悪く他の三つの塔が水の攻撃をくらって、怒り任せに魔法を放ち、水が魔法のコントロールを間違えて落ちた。
土はケイが昨日話をしていたこともあり、攻撃の順番に関しては少し信用は出来ないが、順番としては、水が風を攻撃し、風が避けて雷に行き、火と土が巻き添えになり、水を諫める為に雷と火が攻撃し、土はそれを防御し、水がさらなる攻撃を仕掛け、風がそれを魔法で押し流したところ、水が落ちた。という話なので、他とあまり変わりはなかった。
水の塔は、まだ意識が戻らない以上は、なにも分からない。
だが、水の者が最初だと言っているのは他の塔の者達の意見で、口裏を合わせているのではないか? と、疑っているらしい。
再び、全員の集まっている場所に私とルーファスは戻る。
「話し的には、火と土は除外出来る内容ではあった。だが、火の塔長の話は、合わない。本当に火の塔の者は魔法を使わなかったのか?」
そう、火の塔だけ「火は見ていただけ」と言ったが、他は魔法を使っていたと言っていた。使っていても、少しお咎めを受ける程度の内容なのに、隠すのは何故なのか?
「私は使っていないとしか聞いていない」
「嘘偽りはないのだな?」
「当事者ではない私には、事情聴取をした部下からの報告が全てだ」
確かに、塔長さんが火の塔を庇いたい為の嘘とも取れるけど、上の人にとっては部下から報告されることが全てなのだから、嘘を付いたのが部下ならば、この人は部下の話を真実とみなしているだろう。
ましてや、あの黒いアフロ羊達なら平気で嘘を吐きそうだ。
「では、火の塔は除外は出来ない。土の塔は除外だな」
火の塔の塔長さんは悲痛な顔をしたけど、話を聞く限りは除外対象ではある。
まぁ、話が本当に全員同じかどうかは意識の戻らない水の塔の人が目覚めるまでは分からないけど。
「次に、何故、仲が悪いはずの塔の者が一ヶ所に集まっていたのかが気になる」
「それは大隊長が戻り、スカウトしてきた新人のお披露目と五つの塔で魔法競技を行う大会が開かれる準備で、それぞれの塔の実行委員が集まるように毎週この時期は集まる為です」
集まった理由は、分かった。
実行委員のような選ばれた人が、魔法禁止の橋の上で嫌がらせの魔法を使ったという点が気になる。
『そなたはどう思う?』
「んーっ、私は、あの魔法の派手さからして、塔の上で相当な言い争いとかあった気が……って、え?」
耳元で尋ねられて、答えている途中で直ぐ横のルーファス以外に、私に話を振る人は誰だろうと見渡す。
誰も居ない……? ルーファスを見ると眉間にしわを寄せて私を見ている。
そして私の髪を掻き上げて、耳元を触り、何だろう? と思っていると、ルーファスが青い紐のようなものを指で摘まんでいた。
『なにをする! 放さぬか! 無礼者!』
クネクネと青い紐が動いて声を上げる。
紐が、喋った――――!!
「火の塔の塔長さんは他の塔に話を聞かれないように、少し離れたところでお話を聞きますね。ケイ、この人達が余計なお喋りをしないように見張ってて。皆さん、今からお喋りは一切禁止です。一言でも話せば、その塔は怪しいとみなします」
ルーファスに抱き上げられて移動し、部屋の隅の方で火の塔の塔長さんから話を聞く。
一人が最初に「水の塔が」と言って、一つの塔を一番最初の加害者にした。
ではその後の順番は同じかどうかで話は少し変わるのでは? 同じならば問題はないけど……ということをルーファスに話して、一人ずつ事情聴取をすることにしたのだ。
「お前が聞いた、火の塔の当事者の話を聞かせてくれ」
「最初に、水の塔の者が橋で他の塔の者をコケさせようとして水を張り、凍らせたことから始まったと聞きました。狙われたのは風の塔で、風の塔の者は風魔法でその場を離れ、コケたのは雷の塔の者で、巻き添えに火と土の塔の者が倒れ、それから口論になり、魔法で雷の塔が水の塔を攻撃し、それを止めに入る為に土が魔法を使い、火は手を出さずに見ていたそうですが、水の塔が大量の水を出し、風の塔がそれを魔法で薙ぎ払い、その勢いで水の塔の者が落ちた……ということです」
つまり、水が風を攻撃。風は避けて、雷に攻撃が行き、火と土も巻き添えで倒れた。
雷が水を攻撃して、土は止めに魔法を使い、水がまた攻撃しようとして風が魔法で防いで、水が橋から落ちた。
簡単に言えば、水、雷、風の三つの塔が悪いことになる。
土は止めようとしたので、これは除外されるし、火は何もしてない……これは怪しいけど、話し的にはこの時点では除外。
「わかった。戻ってもこの話の内容は他にするな。次は雷の塔長を呼んでくれ」
次に雷の塔長さんが話をした。
内容は少しだけ違った。
水が風を狙い、雷が攻撃を受けてやり返そうと魔法を放ったら、火がそれを防ぎ、土が水を土壁で囲んだところ、水が魔法で土壁を壊そうとして、風がその土壁ごと水を橋から落とした。
次に、雷の大隊長と話をした。この人の話は少しだけ違う。
水が雷を最初に狙い、風がそれを面白がって揶揄い、雷が威嚇の為に自分に雷を派手に纏わせたところ、風が魔法で雷を増幅させ、火と土が魔法を打ち消すのに魔法を放ったところ、水が全員を押し流そうとして、足を滑らせて落ちた。
雷の大隊長は、当事者とそれなりに話したのか、少し雷の当事者の内情のようなものの話が多かった。
風の塔長と風の大隊長は、ほぼ同じことを二人共言っていた。
水が風に攻撃をしてきた。風魔法で水を避けたところ、運悪く他の三つの塔が水の攻撃をくらって、怒り任せに魔法を放ち、水が魔法のコントロールを間違えて落ちた。
土はケイが昨日話をしていたこともあり、攻撃の順番に関しては少し信用は出来ないが、順番としては、水が風を攻撃し、風が避けて雷に行き、火と土が巻き添えになり、水を諫める為に雷と火が攻撃し、土はそれを防御し、水がさらなる攻撃を仕掛け、風がそれを魔法で押し流したところ、水が落ちた。という話なので、他とあまり変わりはなかった。
水の塔は、まだ意識が戻らない以上は、なにも分からない。
だが、水の者が最初だと言っているのは他の塔の者達の意見で、口裏を合わせているのではないか? と、疑っているらしい。
再び、全員の集まっている場所に私とルーファスは戻る。
「話し的には、火と土は除外出来る内容ではあった。だが、火の塔長の話は、合わない。本当に火の塔の者は魔法を使わなかったのか?」
そう、火の塔だけ「火は見ていただけ」と言ったが、他は魔法を使っていたと言っていた。使っていても、少しお咎めを受ける程度の内容なのに、隠すのは何故なのか?
「私は使っていないとしか聞いていない」
「嘘偽りはないのだな?」
「当事者ではない私には、事情聴取をした部下からの報告が全てだ」
確かに、塔長さんが火の塔を庇いたい為の嘘とも取れるけど、上の人にとっては部下から報告されることが全てなのだから、嘘を付いたのが部下ならば、この人は部下の話を真実とみなしているだろう。
ましてや、あの黒いアフロ羊達なら平気で嘘を吐きそうだ。
「では、火の塔は除外は出来ない。土の塔は除外だな」
火の塔の塔長さんは悲痛な顔をしたけど、話を聞く限りは除外対象ではある。
まぁ、話が本当に全員同じかどうかは意識の戻らない水の塔の人が目覚めるまでは分からないけど。
「次に、何故、仲が悪いはずの塔の者が一ヶ所に集まっていたのかが気になる」
「それは大隊長が戻り、スカウトしてきた新人のお披露目と五つの塔で魔法競技を行う大会が開かれる準備で、それぞれの塔の実行委員が集まるように毎週この時期は集まる為です」
集まった理由は、分かった。
実行委員のような選ばれた人が、魔法禁止の橋の上で嫌がらせの魔法を使ったという点が気になる。
『そなたはどう思う?』
「んーっ、私は、あの魔法の派手さからして、塔の上で相当な言い争いとかあった気が……って、え?」
耳元で尋ねられて、答えている途中で直ぐ横のルーファス以外に、私に話を振る人は誰だろうと見渡す。
誰も居ない……? ルーファスを見ると眉間にしわを寄せて私を見ている。
そして私の髪を掻き上げて、耳元を触り、何だろう? と思っていると、ルーファスが青い紐のようなものを指で摘まんでいた。
『なにをする! 放さぬか! 無礼者!』
クネクネと青い紐が動いて声を上げる。
紐が、喋った――――!!
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