狼兵は運命の番を逃がさない

ろいず

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熱い唇 ※

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 マンションの駐車場に辿り着いた時には、体は火照ほてって発情していた。
 メイデルにエンジンを切ってもらい、運転席を開けて貰った時には下腹が熱く蕩けそうだった。
 何もかも考えられなくなり、メイデルのシャツを引っ張ると貪るように唇を奪う。
 脳芯がとろけて、多幸感が広がっていく感じが止まらない。

「……っ、は、ぅ」

 こんな衝動に突き動かされるだけの行動は駄目だと、頭の片隅で思っているのに体はメイデルの唇を味わって昂っていく。
 メイデルに抱いてほしいと渇望する思考が、頭の中でぐるぐると回り、唇を吸っては足りないとまた角度を変えて唇を重ねる。
 ついばむキスにメイデルは、キスの仕方はこうだと言わんばかりに腰を引き寄せて、歯列を舌でこじ開けて舌を口腔内に侵入させて舌を絡めてくる。
 腰がズクンと痺れてふるっと震えれば、メイデルに抱き上げられて車から出ると足で車のドアを閉めていた。
 俺の車を乱暴にしないで欲しいところだけど、今はその事より、早く家の中に入ってしまいたかった。

「もう少し、我慢して下さいね」
「はぁ、……っ」

 エレベーターが九階に上がる時間すら長く感じられ、メイデルの首筋を舐めたり吸ったりして、自分を抑えつけ、やり過ごす。
 玄関に入ると床に下ろされ、靴を脱ぐのももどかしく感じる。
 もう自分の中では、快感を追う事しか頭にない。
 玄関を上がると腰からお腹まで疼く熱の塊がズシリとくる感じで、その場でへたり込んでしまう。
 気付いたらメイデルに抱き起されて、寝室に連れ込まれていた。
 
「誘惑香が強いですね。うん、いい香りがする」

 スンッと匂いを嗅がれ、服を脱がされながら体に唇を這わせられる。
 小さく吸い付いては舌で舐め、唇を離すときに強く吸って痕をつけていく。
 指先で肌をなぞられ、その刺激だけで体は震えて口がハクハクと開閉を繰り返す。

「サキさん、顔を上げて」

 顔を上げればキスをされ、手は脱がされて丸裸にされた肌を触っていく。
 臀部まで手が掛かり、腰が勝手に触れられることを期待してビクビクと震える。
 ぬちりと卑猥な音が響き、孔に長く太い指が入ってきた。
 指が狭孔を広げ、淫蜜がとろりと溢れ出しては下肢を汚していく。
 
「っ、はぁ、ん……っ!」
「よく濡れてますね。厭らしい表情で誘っていますね。凄く、可愛いですよ」

 ふるふると頭を横に振るって、そんな表情はしていないと否定する。
 しかしメイデルに指の腹で肉壁をなぞられ、きゅうっと切なく蜜洞は戦慄わなないて快感を甘受してしまう。
 声で否定したくとも、出る声は甘く切なくメイデルを求める声だけだった。

「んっ、あっ、メイデ、ル……っ、もっと、奥、もっと……」
「サキさんは、私の可愛い、ひとですね」

 そう言って口づけ、重なり合う唇は甘くて熱い。
 まれるようなキスに、全てを奪われてしまう気さえする。

「本当に、可愛い」

 可愛くなんてない。
 リップサービスなんて要らない。
 俺をこんな風に乱しておいて、どうせ家族の元へ帰るなら、可愛いなんて言わないで欲しい。
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