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1.転生するなら美少女で
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前世の僕は、最後まで頑張った。
それは覚えている。
けれど、何を頑張っていたのかは覚えていない。日本人であることも、自分が男だったことも覚えているのに、どうしてだろう?
でも、めんどくさいからいいや。
どうせ、もう死んだんだから。
……そう思っていた。
「なんですか、これ」
真っ暗な空間に僕だけが居て、目の前には『転生者設定』と書かれた紙が置かれていた。どうして紙がよく見えるのか、さっぱり分からない。
けど、悪戯じゃないのだとするなら僕は転生するらしい。
「……まずは性別からですか」
正直、男である自分はあまり好きではなかった。優柔不断で、女々しくて、女子力が高いと笑いながら言われる僕なんて。
ああ、うん。
女の子になってみるのも面白そうかな。
女の方を丸で囲む。
次に見た目。ゲームのようにある程度決まった容姿が存在し、そこから変化を加えられるようだ。
1から作ることも出来るようだけど、僕にそんなセンスは無い。なので、ランダムで選んだ姿を調整していく。
……むぅ、意外と難しい。
ゲームとは違って方向キーを使うことが出来ないせいで、中々苦戦していた。一応、大まかには出来ているのだけど。
紙と見せかけてホログラムが出てくるなら、もう少し操作性を良くして欲しかった。
「……ふぅ。自分の好みを全面的に出したのはいいですけど、ここまで整っていると不自然に思われるかもしれませんね」
年齢は16歳、身長は155cm、髪は透き通るような金髪で腰よりも長い。吸い込まれそうな碧眼の瞳と、芸術品のように白く滑らかな肌。
胸は程よく……具体的には手のひらにギリギリ収まる程度の大きさで、腕と脚は長いのに、手足は小さい。
お尻と太ももは、全体のバランスに気を使いながらどの角度から見ても美しいと思える程に整えた。
勝手に指定されていた天使という種族のせいか、真っ白な翼が背中から生えているのと、頭の斜め上に光る輪っかがある。けれどそれは、完璧過ぎる少女の神秘性を増すだけだった。
それにしても、輪っかから出ているツンツンしたものが気になる。触れるのだろうか。
何時間も弄っていた気がするけど、次の人生で自分が使う体なのだから仕方ない。そういうことにしておこう。
次は種族……あれ? もしかしてこれ、自分でも変えられる? もう作り終わったんですがそれは。
不親切だ。これを先に選ばせるべきだろうに。
……今から作り直すのはしんどい。会心の出来でもあるので、種族は天使にするしかない。幸い、天使と言うに相応しい姿なので、コンプレックスに悩む必要は無さそう。
しかし、別の事で悩まされることになった。
「? ステー、タス……?」
表示を見て、ゲームに出てくるようなパラメーターのことなのは分かってる。けれど、生きている人間にそれがあるというのがよく分からない。
・神力···神に属するものだけが使える力。
・魔力···世界の理に干渉する力。0になると生命力を変換し、意識を遮断することによって回復を図る。
・筋力···その名の通り筋力量。筋肉の量には比例しない。魔力を介することで理に干渉している。
・敏捷···あらゆる面での速さ。筋力の低さによる瞬発力の制限はない。
・器用···物理的、魔法的な器用さ。低くとも『手先が器用』という場合があり、逆に、高くとも不器用な場合がある。
・精神···心の強さ、あるいは魔法の威力。精神的な状態異常に対する耐性がつく。
・抵抗···魔法的な防御力。肉体的な状態異常に対する耐性がつく。
・耐性···物理的な防御力。魔法的な防御力もあるが、抵抗よりも魔法防御力は低い。
この8つがあるらしい。
多い、というのはともかく、僕に見える数字は0しか無い。つまり、自分で割り振れという事だろうか。
現在の残りポイントは2183。
どうして中途半端なのか気になって仕方ない。
試しに髪の色を黒にしてみると、遅れて数字が低くなった。元の色に戻すと、数字が元よりも1000高くなっている。
「誰か……見ているんですか?」
もう一度変えて戻すと、500ほど高くなった。ならば、と繰り返すがそれ以上は上がらない。
これは、今僕を見ている何かの評価、ということらしい。高くなったのは、『変えるな』という意思表示だろうか。まぁ、僕もこれが気に入っているので変えることは無いとは思う。
最終的に3729になったポイントを見て唸る。
レベルというものもあるけど、これから決める数値によって高くなるパラメーターが変わるのか、それともポイントが貰えるのかは分からない。
慎重に割り振る。後悔しないように。
「こんな感じですかね……一応、後で確認しましょう」
基準が分かっていないせいで慎重も何もなかった。
さて、次で最後みたいだ。
一番……かどうかはさて置き、かなり重要な『名前』である。女の子の名前を僕の名前にするのは無い。合わなすぎる。
いや、ちょっと待った。
もしかして、名前によってさっきのポイント増えるんじゃ? 試しに、クリスティーナと入れてみる。
すると、200ポイント増えていた。
和名も試したけど、最大で600ポイントほど。でも、僕はなんだかしっくりこない。
更にじっくり考えた結果……
「エルシア。うん、これがいい」
ちなみに、意味は別にない。
響きがいいという、それだけの話。見ている誰かも同意見のようで、1200ポイントもくれた。
そして、もう一回悩んだ結果はこう。
──────────────
名前:エルシア
年齢:16歳
種族:天使《下級》
レベル:1
神力:1750/1750
魔力:1750/1750
筋力:500
敏捷:1000
器用:650
精神:1000
抵抗:564
耐性:565
──────────────
神力と魔力だけは1ポイントで5増えるらしく、かなり数字が大きくなった。
「能力的なものは無いんですね」
敏捷と精神に偏ってるのは仕方ない。
一撃離脱戦法、あるいは離れて魔法を連打するのが僕のやり方なので。一応、魔法が使えない時の為に筋力も上げた。
こんなところかな。
そう思って紙を置くと、どこかに消えてしまう。その代わりに指輪がいくつかと、ガラス玉のような物が置いてあった。
メモも一緒にあり、『銀色の指輪を付けろ』と書いてあったので、とりあえず従ってみる。
『所有者登録……完了。倉庫を開く際のコマンドを入力してください』
「わっ、びっくりしたぁ……」
倉庫と言うからにはアイテムボックス的な、大量の物を収納出来る指輪なのだろう。
「じゃあ、リリースでお願いします」
『コマンドをリリースに設定』
リリースだとあれかもしれないけど、入口を解放するという意味では間違っていないはず。
それに、「開け」とか「オープン」とかだと、うっかり口に出してしまいそうで怖い。他の言い方はすぐに思いつかなかったから、まぁこれでいいやと。
「リリース」
早速開いてみる。
目の前には入っている物の名前が表示されるのだろうけど、何も入っていないので空欄ばかりだ。
というか、こういう開き方なら「オープンリスト」にしたのに。
どうやって入れるのか悩みつつ、ガラス玉の様なものをウィンドウに押し付けると吸い込まれるように入っていった。リストにも表示されているので、使い方はこれで合っていたらしい。
ちなみに、ガラス玉の名前は「スキルオーブ:鑑定Lv1」と「スキルオーブ:経験値増加EX」と「スキルオーブ:スキル取得難度低下EX」だった。スキルもちゃんとあるらしい。
しかも、凄く良さげなものをくれた。
「誰だか知りませんが、ありがとうございます」
虚空に向かって頭を下げる。
ゴンッ!
「痛っ!?」
頭にスキルオーブが直撃。
首を傾げながら入れると、「スキルオーブ:言語翻訳」と表示された。なんでだろう? お礼を言ったから?
よく分からないけど、もう一度頭を下げておく。出来れば、頭の上にはもう落とさないで下さい。
顔を上げる直前、体が透けていることに気づく。これは、転生するってことでいいですか?
転生先、無難な場所だといいなぁ……
それは覚えている。
けれど、何を頑張っていたのかは覚えていない。日本人であることも、自分が男だったことも覚えているのに、どうしてだろう?
でも、めんどくさいからいいや。
どうせ、もう死んだんだから。
……そう思っていた。
「なんですか、これ」
真っ暗な空間に僕だけが居て、目の前には『転生者設定』と書かれた紙が置かれていた。どうして紙がよく見えるのか、さっぱり分からない。
けど、悪戯じゃないのだとするなら僕は転生するらしい。
「……まずは性別からですか」
正直、男である自分はあまり好きではなかった。優柔不断で、女々しくて、女子力が高いと笑いながら言われる僕なんて。
ああ、うん。
女の子になってみるのも面白そうかな。
女の方を丸で囲む。
次に見た目。ゲームのようにある程度決まった容姿が存在し、そこから変化を加えられるようだ。
1から作ることも出来るようだけど、僕にそんなセンスは無い。なので、ランダムで選んだ姿を調整していく。
……むぅ、意外と難しい。
ゲームとは違って方向キーを使うことが出来ないせいで、中々苦戦していた。一応、大まかには出来ているのだけど。
紙と見せかけてホログラムが出てくるなら、もう少し操作性を良くして欲しかった。
「……ふぅ。自分の好みを全面的に出したのはいいですけど、ここまで整っていると不自然に思われるかもしれませんね」
年齢は16歳、身長は155cm、髪は透き通るような金髪で腰よりも長い。吸い込まれそうな碧眼の瞳と、芸術品のように白く滑らかな肌。
胸は程よく……具体的には手のひらにギリギリ収まる程度の大きさで、腕と脚は長いのに、手足は小さい。
お尻と太ももは、全体のバランスに気を使いながらどの角度から見ても美しいと思える程に整えた。
勝手に指定されていた天使という種族のせいか、真っ白な翼が背中から生えているのと、頭の斜め上に光る輪っかがある。けれどそれは、完璧過ぎる少女の神秘性を増すだけだった。
それにしても、輪っかから出ているツンツンしたものが気になる。触れるのだろうか。
何時間も弄っていた気がするけど、次の人生で自分が使う体なのだから仕方ない。そういうことにしておこう。
次は種族……あれ? もしかしてこれ、自分でも変えられる? もう作り終わったんですがそれは。
不親切だ。これを先に選ばせるべきだろうに。
……今から作り直すのはしんどい。会心の出来でもあるので、種族は天使にするしかない。幸い、天使と言うに相応しい姿なので、コンプレックスに悩む必要は無さそう。
しかし、別の事で悩まされることになった。
「? ステー、タス……?」
表示を見て、ゲームに出てくるようなパラメーターのことなのは分かってる。けれど、生きている人間にそれがあるというのがよく分からない。
・神力···神に属するものだけが使える力。
・魔力···世界の理に干渉する力。0になると生命力を変換し、意識を遮断することによって回復を図る。
・筋力···その名の通り筋力量。筋肉の量には比例しない。魔力を介することで理に干渉している。
・敏捷···あらゆる面での速さ。筋力の低さによる瞬発力の制限はない。
・器用···物理的、魔法的な器用さ。低くとも『手先が器用』という場合があり、逆に、高くとも不器用な場合がある。
・精神···心の強さ、あるいは魔法の威力。精神的な状態異常に対する耐性がつく。
・抵抗···魔法的な防御力。肉体的な状態異常に対する耐性がつく。
・耐性···物理的な防御力。魔法的な防御力もあるが、抵抗よりも魔法防御力は低い。
この8つがあるらしい。
多い、というのはともかく、僕に見える数字は0しか無い。つまり、自分で割り振れという事だろうか。
現在の残りポイントは2183。
どうして中途半端なのか気になって仕方ない。
試しに髪の色を黒にしてみると、遅れて数字が低くなった。元の色に戻すと、数字が元よりも1000高くなっている。
「誰か……見ているんですか?」
もう一度変えて戻すと、500ほど高くなった。ならば、と繰り返すがそれ以上は上がらない。
これは、今僕を見ている何かの評価、ということらしい。高くなったのは、『変えるな』という意思表示だろうか。まぁ、僕もこれが気に入っているので変えることは無いとは思う。
最終的に3729になったポイントを見て唸る。
レベルというものもあるけど、これから決める数値によって高くなるパラメーターが変わるのか、それともポイントが貰えるのかは分からない。
慎重に割り振る。後悔しないように。
「こんな感じですかね……一応、後で確認しましょう」
基準が分かっていないせいで慎重も何もなかった。
さて、次で最後みたいだ。
一番……かどうかはさて置き、かなり重要な『名前』である。女の子の名前を僕の名前にするのは無い。合わなすぎる。
いや、ちょっと待った。
もしかして、名前によってさっきのポイント増えるんじゃ? 試しに、クリスティーナと入れてみる。
すると、200ポイント増えていた。
和名も試したけど、最大で600ポイントほど。でも、僕はなんだかしっくりこない。
更にじっくり考えた結果……
「エルシア。うん、これがいい」
ちなみに、意味は別にない。
響きがいいという、それだけの話。見ている誰かも同意見のようで、1200ポイントもくれた。
そして、もう一回悩んだ結果はこう。
──────────────
名前:エルシア
年齢:16歳
種族:天使《下級》
レベル:1
神力:1750/1750
魔力:1750/1750
筋力:500
敏捷:1000
器用:650
精神:1000
抵抗:564
耐性:565
──────────────
神力と魔力だけは1ポイントで5増えるらしく、かなり数字が大きくなった。
「能力的なものは無いんですね」
敏捷と精神に偏ってるのは仕方ない。
一撃離脱戦法、あるいは離れて魔法を連打するのが僕のやり方なので。一応、魔法が使えない時の為に筋力も上げた。
こんなところかな。
そう思って紙を置くと、どこかに消えてしまう。その代わりに指輪がいくつかと、ガラス玉のような物が置いてあった。
メモも一緒にあり、『銀色の指輪を付けろ』と書いてあったので、とりあえず従ってみる。
『所有者登録……完了。倉庫を開く際のコマンドを入力してください』
「わっ、びっくりしたぁ……」
倉庫と言うからにはアイテムボックス的な、大量の物を収納出来る指輪なのだろう。
「じゃあ、リリースでお願いします」
『コマンドをリリースに設定』
リリースだとあれかもしれないけど、入口を解放するという意味では間違っていないはず。
それに、「開け」とか「オープン」とかだと、うっかり口に出してしまいそうで怖い。他の言い方はすぐに思いつかなかったから、まぁこれでいいやと。
「リリース」
早速開いてみる。
目の前には入っている物の名前が表示されるのだろうけど、何も入っていないので空欄ばかりだ。
というか、こういう開き方なら「オープンリスト」にしたのに。
どうやって入れるのか悩みつつ、ガラス玉の様なものをウィンドウに押し付けると吸い込まれるように入っていった。リストにも表示されているので、使い方はこれで合っていたらしい。
ちなみに、ガラス玉の名前は「スキルオーブ:鑑定Lv1」と「スキルオーブ:経験値増加EX」と「スキルオーブ:スキル取得難度低下EX」だった。スキルもちゃんとあるらしい。
しかも、凄く良さげなものをくれた。
「誰だか知りませんが、ありがとうございます」
虚空に向かって頭を下げる。
ゴンッ!
「痛っ!?」
頭にスキルオーブが直撃。
首を傾げながら入れると、「スキルオーブ:言語翻訳」と表示された。なんでだろう? お礼を言ったから?
よく分からないけど、もう一度頭を下げておく。出来れば、頭の上にはもう落とさないで下さい。
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