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2.ステータスと女性アバター
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「ちょ、てぃ、ティア!?」
「クンクン……はふぅ……♡ お兄様、やっと会えました……♡」
「やっと……?」
匂いを嗅ぐのをやめて、ティアが顔を上げる。
そんな至近距離で見つめられると照れるし、いい匂いするし、体も柔らかくて興奮する。
耐えろ、もうひとりの僕!
「あれ? どうしてでしょう……お兄様のこの匂い、前にも嗅いでいた気がするのですけど……」
「初対面だよ、間違いなく」
ティアみたいな美少女を忘れるはずがない。
「です、よね……わたしはお兄様の為に存在しているんですから、そんなはずはありません。そういう風に出来ているだけかもしれませんね……すぅ~っ、はふぅ~……♡」
真面目なことを言い出したかと思えば、デレ顔で深呼吸し始めた。いや、可愛いんだけども。
「え、えっと……頭とか、撫でてもいい?」
「はい! スキンシップは大好きですっ!」
満面の笑みで大好きとか言われるとドキドキする。まぁ、僕のことを言ったわけじゃ……
「勿論、お兄様はもっと大好きですよ?」
やばい、その笑みは反則だって。
「とりあえず、一旦離れようか」
「う……お兄様が、そう仰るなら……」
うん、別に嫌な訳じゃないんだよ?
だからと言って、くっつかれてると落ち着いて話も出来ないからさ。何気にティアもドキドキしてくれてたっぽいのが嬉しいけど……。
テーブルの前に置かれたソファーに並んで座る。……態とじゃない。一人暮らしだから、ソファーひとつで十分かな~と思ってたんだよ。
まさか、こんな美少女と座る事になろうとは。
結局、腕に抱きつかれてるし。
「そ、それでさ、ティアの戸籍とかってどうする?」
「戸籍ですか? ええと……一応、お兄様の義妹になっているようですね。わたしは遠い親戚で、残っているのがお兄様だけだった……という具合に」
「……もしかして、基本的な知識は持ってる感じ? しかも、人ひとりの存在を捩じ込んでるけど……」
「はい。非常識と言われない程度には知っていますし、お兄様と同じ学校の転校生になっていたりと、色々と捻じ曲げているのも間違いないと思います」
このガチャ怖い。
でも、ティアが安心して暮らせるならよかった。義妹になる必要性は感じないけど、転校生にまでなるなんて……あれ?
「耳としっぽは?」
「お兄様以外の方からは見えませんよ」
「ご都合主義!」
「あ、あの、獣人はお嫌いでしたか……?」
「全然そんなことはないというか大好きです!」
「大好きだなんて……えへへ」
つい勢いで言っちゃったけど、普通に喜ばれてて逆に困った。いいの? こんな可愛い子が僕を好きとか、なんかこう……大丈夫?
「寝るところも考えないと……」
「ご一緒させて頂くのはダメなのですか?」
「いやいや、女の子と寝るとかさすがに、」
「でも、わたしの知識には兄妹は一緒に寝るものだとありますよ?」
「ラノベかっ!」
ティアの知識は偏っているらしい。
寝るところはともかく、暫くは一緒に行動しないと不安だ。
「ま、まぁ、一般常識については置いておくとして……このガチャの事とかは?」
「どうしてこんな物があるのかは分かりませんけど、それに付いている機能なら説明出来ます」
ふんす、とやる気をアピールするティア。
可愛いので頭を撫でる。そしてデレ顔になる。
「じゃあ、全部順番に説明して貰っていい? あ、物がどこから来るのかは言わなくてもいいよ。気にしたら負けな気がするから」
「そうなんですか?」
「うん、そうなんです」
万が一、他人の家から持ってきてるとかだったら困るし。
「ではですね、最初にアビリティから説明します」
「お願いします、ティア先生」
「うふふ……」
顔、顔がデレデレしてます先生。
「え、ええと、アビリティというのは、精神の空き部分へ経験や能力を詰め込むことです。お兄様も少しの間気を失ったかと思いますが、その時アビリティの負荷に耐えられるだけの器となりました」
「何だか怖いワードが多いけど、器が変わったっていうのは具体的にどう変化してるのかな?」
「それは端末の『ステータス確認』と『アバター管理』を見れば分かると思いますよ」
言われた通りにステータス確認を開く。
すると、まるでゲームのような……正しく“ステータス”が表示されていた。
──────────────────
名前:星乃 真尋
年齢:16歳
種族:人間
職業:未設定〈Lv1〉
HP:945/945(45+900)
MP:112/112(28+84)
筋力:336(16+320)
敏捷:357(17+340)
耐久:210(10+200)
器用:96(12+84)
精神:104(13+91)
抵抗:198(9+189)
魅力:4
◇アビリティ◇
【透視】【魔力操作rank7】【剣術rank2】【アイテムボックス】【魔力拡張rank3】【料理rank4】【鍛治rank1】【鑑定】【回復魔法rank3】【身体強化・改】
──────────────────
僕の魅力低過ぎ!?
「これは高い? 低い?」
「地球の方の中ではかなり高いです。平均でしたら……15ほどでしょうか」
やっぱり魅力値だけ低かった。
「だよね……え? 待って、かなりって事は僕より高い人も居るの?」
「居ると思いますよ? だって、アビリティのような能力は元々あるはずですから」
地球も普通じゃなかったらしい。
いや、それは今度でいいや。余計なことをしなければ会うことも無いだろうし(フラグ)。
単純に【身体強化・改】の上昇率が20倍なのは嬉しい。
そりゃあ、スチール缶なんて余裕で潰せるよ。むしろ、岩くらいならワンパンなんじゃないだろうか。
「レベルはどうやって上げればいい?」
「主に……え、エッチな事ですね」
「へ?」
「本当は生き物を殺す、というのか一番ですが、日本ではそれも難しいですし……そうなると、性行為くらいしか……」
徐々に声が小さくなっていく。
申し訳ない気持ち半分、もうちょっと言わせたい気持ちも半分。
「じゃ、じゃあ、職業っていうのは?」
申し訳なくて意地悪出来なかった。
そもそも、この子の持つ感情は植え付けられたもののはずで、だから僕が何かするのはこの子に求められた時じゃないといけない気がする。
「しょ、職業はですね……当然ながら、社会で言う仕事とはまた違ったものになります。適性が分かり、最終ステータスに補正がかかる……言わば加護の様なものだと思って下さい」
「なるほどね……僕は【学生】と【剣士】があるけど、それほど才能はないってことかな」
「で、でも、大事なのは才能じゃありません!」
「フォローしようとしなくても大丈夫だって。才能が無いのなんて分かってたし、今さら落ち込みもしないよ」
優しいなぁ、と思いながらティアの頭を撫でる。ステータス云々よりも、ティアがここに居ることの方が遥かに大事だ。
出来ることなら、死ぬまでずっと一緒に居たい。その為には、僕が好かれるような生き方をしなければいけないんだろう。
まぁ、最初から好感度が高いんだから、普通の恋愛よりも圧倒的に易しいのは間違いない。
「安心してください、救済措置としてアバター管理がありますから!」
「救済措置ってどんな風に?」
「分かりやすく言いますと……新しい体が作れます。男性でも女性でも、果ては犬猫のような動物まで」
「へ、へぇ……」
救済措置というか、それは普通に第2の人生が始められるのでは。美少年になったり、天才になったり、あるいは犯罪をする為の仮初の姿にしたり。
いくらでも使い道はある。
あくまで例だから、犯罪とかはしないけど。
「作れるのはいくつまで?」
「最初はひとつですけど、レベル30毎に増える……はずです」
「そうなんだ……なら、作ってみようか」
アバター管理を開くと、新規作成の項目を選び……ゲームのようなキャラ作成画面が現れた。
でも、自分でやると不自然になりそうだから……ひたすら“ランダム”を連打して良さそうな見た目になるまで――来た!
あ、性別は女の子だよ。
だって、その方が面白そうだから。
「才能とかは一定以上になるのが保証されてるだけで、天才に出来る訳じゃないんだ……?」
「はい。それが出来てしまうと、ずるが過ぎますから」
「これでも十分だと思う」
苦笑しながら確定すると、BDで消えてしまいそうな謎の光が僕を包み、体の全てを変えていく。
光が消えた後に残るのは、アニメから出てきたかのような白髪の美少女……のはず。
「どう、かな?」
「お姉様……素敵です……♡」
ぎゅっとボクの体が抱きしめられると、その間でお互いの胸が潰れてしまう。なんだか、卑猥なような気がしないでもない光景である。
せっかくなので、ボクもティアの体に腕を回してみた。
「ふふ、くすぐったいですよ」
「ごめんね、甘えちゃって……なんか、この体だと抑えられなくて」
「我慢しないで下さい。甘えて頂けた方が、わたしも嬉しいですから!」
「そっか。ならそうするね?」
許可を貰ったボクは、犬がそうするように顔を擦り付けて甘える。丁度、ボクの頭にも狼の耳が生えているのでピッタリかもしれない。
ああ、ティア可愛いなぁ……。
「えへへ……♡」
「? 甘えてるだけでそんなに嬉しいの?」
「えっとですね……狼系獣人というのは、仲間の中で最も強い人に従って動くんです」
「うんうん……それで?」
「そんな環境だと、甘える機会は中々ありませんよね?」
確かに。
でも、この状況にどんな関係が?
「なので、心を許した相手には……顔を擦り付けたり、抱きついたりと非常に甘えん坊さんになってしまうそうなんです」
「うん。……うん? それって、あの……」
ボク、ティアに抱きついてるよね。
ついでに顔も擦り付けてるよね。
これもう甘えきってます……はい。
「だ、だって、ティアが優しいから……」
「分かってます分かってます。はい、いい子いい子……」
「えへ、えへへへ……♡ ――はっ!?」
「頭なでなでして欲しいですか?」
「……うん♡」
反射的に答えた自分に驚きを隠せない。
ティアは暖かい目でよしよしする。
「違うんだってばぁーーーーーーっ!!」
その日のボクは、寝るまで遊ばれ続けた。
……う、嬉しくなんてないんだからねっ!
「クンクン……はふぅ……♡ お兄様、やっと会えました……♡」
「やっと……?」
匂いを嗅ぐのをやめて、ティアが顔を上げる。
そんな至近距離で見つめられると照れるし、いい匂いするし、体も柔らかくて興奮する。
耐えろ、もうひとりの僕!
「あれ? どうしてでしょう……お兄様のこの匂い、前にも嗅いでいた気がするのですけど……」
「初対面だよ、間違いなく」
ティアみたいな美少女を忘れるはずがない。
「です、よね……わたしはお兄様の為に存在しているんですから、そんなはずはありません。そういう風に出来ているだけかもしれませんね……すぅ~っ、はふぅ~……♡」
真面目なことを言い出したかと思えば、デレ顔で深呼吸し始めた。いや、可愛いんだけども。
「え、えっと……頭とか、撫でてもいい?」
「はい! スキンシップは大好きですっ!」
満面の笑みで大好きとか言われるとドキドキする。まぁ、僕のことを言ったわけじゃ……
「勿論、お兄様はもっと大好きですよ?」
やばい、その笑みは反則だって。
「とりあえず、一旦離れようか」
「う……お兄様が、そう仰るなら……」
うん、別に嫌な訳じゃないんだよ?
だからと言って、くっつかれてると落ち着いて話も出来ないからさ。何気にティアもドキドキしてくれてたっぽいのが嬉しいけど……。
テーブルの前に置かれたソファーに並んで座る。……態とじゃない。一人暮らしだから、ソファーひとつで十分かな~と思ってたんだよ。
まさか、こんな美少女と座る事になろうとは。
結局、腕に抱きつかれてるし。
「そ、それでさ、ティアの戸籍とかってどうする?」
「戸籍ですか? ええと……一応、お兄様の義妹になっているようですね。わたしは遠い親戚で、残っているのがお兄様だけだった……という具合に」
「……もしかして、基本的な知識は持ってる感じ? しかも、人ひとりの存在を捩じ込んでるけど……」
「はい。非常識と言われない程度には知っていますし、お兄様と同じ学校の転校生になっていたりと、色々と捻じ曲げているのも間違いないと思います」
このガチャ怖い。
でも、ティアが安心して暮らせるならよかった。義妹になる必要性は感じないけど、転校生にまでなるなんて……あれ?
「耳としっぽは?」
「お兄様以外の方からは見えませんよ」
「ご都合主義!」
「あ、あの、獣人はお嫌いでしたか……?」
「全然そんなことはないというか大好きです!」
「大好きだなんて……えへへ」
つい勢いで言っちゃったけど、普通に喜ばれてて逆に困った。いいの? こんな可愛い子が僕を好きとか、なんかこう……大丈夫?
「寝るところも考えないと……」
「ご一緒させて頂くのはダメなのですか?」
「いやいや、女の子と寝るとかさすがに、」
「でも、わたしの知識には兄妹は一緒に寝るものだとありますよ?」
「ラノベかっ!」
ティアの知識は偏っているらしい。
寝るところはともかく、暫くは一緒に行動しないと不安だ。
「ま、まぁ、一般常識については置いておくとして……このガチャの事とかは?」
「どうしてこんな物があるのかは分かりませんけど、それに付いている機能なら説明出来ます」
ふんす、とやる気をアピールするティア。
可愛いので頭を撫でる。そしてデレ顔になる。
「じゃあ、全部順番に説明して貰っていい? あ、物がどこから来るのかは言わなくてもいいよ。気にしたら負けな気がするから」
「そうなんですか?」
「うん、そうなんです」
万が一、他人の家から持ってきてるとかだったら困るし。
「ではですね、最初にアビリティから説明します」
「お願いします、ティア先生」
「うふふ……」
顔、顔がデレデレしてます先生。
「え、ええと、アビリティというのは、精神の空き部分へ経験や能力を詰め込むことです。お兄様も少しの間気を失ったかと思いますが、その時アビリティの負荷に耐えられるだけの器となりました」
「何だか怖いワードが多いけど、器が変わったっていうのは具体的にどう変化してるのかな?」
「それは端末の『ステータス確認』と『アバター管理』を見れば分かると思いますよ」
言われた通りにステータス確認を開く。
すると、まるでゲームのような……正しく“ステータス”が表示されていた。
──────────────────
名前:星乃 真尋
年齢:16歳
種族:人間
職業:未設定〈Lv1〉
HP:945/945(45+900)
MP:112/112(28+84)
筋力:336(16+320)
敏捷:357(17+340)
耐久:210(10+200)
器用:96(12+84)
精神:104(13+91)
抵抗:198(9+189)
魅力:4
◇アビリティ◇
【透視】【魔力操作rank7】【剣術rank2】【アイテムボックス】【魔力拡張rank3】【料理rank4】【鍛治rank1】【鑑定】【回復魔法rank3】【身体強化・改】
──────────────────
僕の魅力低過ぎ!?
「これは高い? 低い?」
「地球の方の中ではかなり高いです。平均でしたら……15ほどでしょうか」
やっぱり魅力値だけ低かった。
「だよね……え? 待って、かなりって事は僕より高い人も居るの?」
「居ると思いますよ? だって、アビリティのような能力は元々あるはずですから」
地球も普通じゃなかったらしい。
いや、それは今度でいいや。余計なことをしなければ会うことも無いだろうし(フラグ)。
単純に【身体強化・改】の上昇率が20倍なのは嬉しい。
そりゃあ、スチール缶なんて余裕で潰せるよ。むしろ、岩くらいならワンパンなんじゃないだろうか。
「レベルはどうやって上げればいい?」
「主に……え、エッチな事ですね」
「へ?」
「本当は生き物を殺す、というのか一番ですが、日本ではそれも難しいですし……そうなると、性行為くらいしか……」
徐々に声が小さくなっていく。
申し訳ない気持ち半分、もうちょっと言わせたい気持ちも半分。
「じゃ、じゃあ、職業っていうのは?」
申し訳なくて意地悪出来なかった。
そもそも、この子の持つ感情は植え付けられたもののはずで、だから僕が何かするのはこの子に求められた時じゃないといけない気がする。
「しょ、職業はですね……当然ながら、社会で言う仕事とはまた違ったものになります。適性が分かり、最終ステータスに補正がかかる……言わば加護の様なものだと思って下さい」
「なるほどね……僕は【学生】と【剣士】があるけど、それほど才能はないってことかな」
「で、でも、大事なのは才能じゃありません!」
「フォローしようとしなくても大丈夫だって。才能が無いのなんて分かってたし、今さら落ち込みもしないよ」
優しいなぁ、と思いながらティアの頭を撫でる。ステータス云々よりも、ティアがここに居ることの方が遥かに大事だ。
出来ることなら、死ぬまでずっと一緒に居たい。その為には、僕が好かれるような生き方をしなければいけないんだろう。
まぁ、最初から好感度が高いんだから、普通の恋愛よりも圧倒的に易しいのは間違いない。
「安心してください、救済措置としてアバター管理がありますから!」
「救済措置ってどんな風に?」
「分かりやすく言いますと……新しい体が作れます。男性でも女性でも、果ては犬猫のような動物まで」
「へ、へぇ……」
救済措置というか、それは普通に第2の人生が始められるのでは。美少年になったり、天才になったり、あるいは犯罪をする為の仮初の姿にしたり。
いくらでも使い道はある。
あくまで例だから、犯罪とかはしないけど。
「作れるのはいくつまで?」
「最初はひとつですけど、レベル30毎に増える……はずです」
「そうなんだ……なら、作ってみようか」
アバター管理を開くと、新規作成の項目を選び……ゲームのようなキャラ作成画面が現れた。
でも、自分でやると不自然になりそうだから……ひたすら“ランダム”を連打して良さそうな見た目になるまで――来た!
あ、性別は女の子だよ。
だって、その方が面白そうだから。
「才能とかは一定以上になるのが保証されてるだけで、天才に出来る訳じゃないんだ……?」
「はい。それが出来てしまうと、ずるが過ぎますから」
「これでも十分だと思う」
苦笑しながら確定すると、BDで消えてしまいそうな謎の光が僕を包み、体の全てを変えていく。
光が消えた後に残るのは、アニメから出てきたかのような白髪の美少女……のはず。
「どう、かな?」
「お姉様……素敵です……♡」
ぎゅっとボクの体が抱きしめられると、その間でお互いの胸が潰れてしまう。なんだか、卑猥なような気がしないでもない光景である。
せっかくなので、ボクもティアの体に腕を回してみた。
「ふふ、くすぐったいですよ」
「ごめんね、甘えちゃって……なんか、この体だと抑えられなくて」
「我慢しないで下さい。甘えて頂けた方が、わたしも嬉しいですから!」
「そっか。ならそうするね?」
許可を貰ったボクは、犬がそうするように顔を擦り付けて甘える。丁度、ボクの頭にも狼の耳が生えているのでピッタリかもしれない。
ああ、ティア可愛いなぁ……。
「えへへ……♡」
「? 甘えてるだけでそんなに嬉しいの?」
「えっとですね……狼系獣人というのは、仲間の中で最も強い人に従って動くんです」
「うんうん……それで?」
「そんな環境だと、甘える機会は中々ありませんよね?」
確かに。
でも、この状況にどんな関係が?
「なので、心を許した相手には……顔を擦り付けたり、抱きついたりと非常に甘えん坊さんになってしまうそうなんです」
「うん。……うん? それって、あの……」
ボク、ティアに抱きついてるよね。
ついでに顔も擦り付けてるよね。
これもう甘えきってます……はい。
「だ、だって、ティアが優しいから……」
「分かってます分かってます。はい、いい子いい子……」
「えへ、えへへへ……♡ ――はっ!?」
「頭なでなでして欲しいですか?」
「……うん♡」
反射的に答えた自分に驚きを隠せない。
ティアは暖かい目でよしよしする。
「違うんだってばぁーーーーーーっ!!」
その日のボクは、寝るまで遊ばれ続けた。
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