色欲の魔女は最強だけどえっちぃです!~TS転生者の獣耳っ娘、女の子とエッチしながら強くなる~

ナギ@にわか

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色欲の魔女は冒険者になる。

想定外の状況

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「ノア、遅かったわね」

「うん、ちょっと魔力切れになってて」

「戦闘中にならないよう気をつけなさい。それより、その小さい子誰なの?」

 現在、エレナさんと話している。
 ご飯を食べた後、「そういえばギルドに行くんだっけ?」と思い出し、ルリとクウを連れてやって来た。

「お姉ちゃんのこい――」

「気にしないでっ! 単なる知り合いだから」

「え、ええ、分かったわ。リッツさんの所に案内するから、着いてきて (こい……恋?)」

 危ない。幼女のクウを恋人だなんて言ったら、実年齢なんて分かんないし、間違いなく軽蔑されちゃう!

 まあ、それは置いといてリッツさんの所に。

「なんじゃノアか、アッシュから連絡があったぞい。先程王都に到着したそうじゃ」

「先程到着ってことは、特にどうもなってないんだ? それならボクが来た意味は……」

「問題があった場合、居らんと困るかもしれんからの。王に謁見するのは明後日じゃから、その日の昼にもう一度ここへ来て欲しいんじゃ」

 それだけ!?
 暗くなってから態々来た意味は? と思いながら出ていこうとすると、エレナさんに引き留められた。

「ちょっと、ほんのちょっとだけ……もふもふさせて貰えないかしら? お金なら払うわっ!」

「え、エレナさん、目が怖いよ……?」

「大丈夫、痛くしないから」

「そのセリフはおかしいよね!?」

 中毒性のある獣耳っ娘……商売になる? もうありそうだけど……少しくらいはモフらせてあげよう。

「このもふもふ、幸せ……私の家に住んでもいいのよ? 普段はゴロゴロしてるだけでいいから……」

 ダメ人間にはなりたくない!
 若干恐怖を感じて、2人に助けを求める。

「だめー! お姉ちゃんは私達のものなんだから!」

「ん……あげない」

「いやいや、ボクは誰のものでもないからね?」

 誰1人聞いてないですね。
 エレナさんが「連れて帰って監禁」とか「薬漬けに」とか言ってるのは冗談……だと思いたいけど、目がマジなんです助けてコワイ。

「ぼ、ボク達はもう帰るから。じゃあね、エレナさん!」

「あ、待って」

「ど、どうかした……?」

 耳に顔を近づけてくると、こんな事を囁く。

「……本当の意味で家族になってくれてもいいのよ……?」

 ごめんなさい、今言われても恐怖しかありません。この人は眷属にしたらダメっ!
 絶対ヤンデレ化するもん! ……手遅れって? あはは、ちょっと何言ってるか分からないっ!!

「か、考えとくね……」

 というか、いつの間に好感度上がってたの? 獣耳ってそんなに魅力放ってる?
 色欲の魔女はちょっとだけ好かれやすくなるみたいだけど、その『ちょっと』がおかしいんじゃないかな!

 ギルドを出てすぐクウに抱き着く。

「こ、怖かったよぉ……」

「お姉ちゃん……ぎゅってされるのは嬉しいけど、ここお外……ハァ……ハァ……んんっ」

「……へん、たい」

 変態でもいいのっ! 今は何か抱きしめてないと震えが止まらなくて……夢に出そう。

「もう帰って寝るぅーーっ!」





 次の日。
 謎の不安感に苛まれて、食材、調理器具、旅の必需品を100万ギルも使って買い込んだ。ギルドマスターが余計な事を言ってしまい、ボクの情報が晒される可能性も捨てきれない。

 さらにその次の日、スキルも増やした。何も無いとは思うんだけど、強くなる分には問題ないし?

 ゲーム的なパーティー設定があるらしく、ギルドに行ってボクとルリで組んでみた。
 クウは人じゃないから登録したら大変なことになると思うんだよね。見てみたいけど。

 パーティー設定をすると、腕輪に仲間のHP、MP、必要経験値が表示される。

 そしてなんと……ルリはMPが6700程あります!
 ギルドの人に聞いたら、魔法使いの平均が400とかだって。ホント、ルリって何者なんだろうね?



 その状態で街の外に出てみると、ルリが水と雷の魔法特化で、クウは大剣を自分で創り出し、力任せに振るっていた。

 クウの剣は魔力を使う上に、一定時間魔力を供給しないと消えてしまう。ステータスも存在しない。魔剣召喚のスキルレベル依存のようなので、積極的にクウを使いたいと思う。

 幼女を使うとか変態チック……いやいや、使うのは本体だし! というか、そっちの意味で使われても喜びそうなんだけど……。

 あ、ステータスがないなら経験値はどうなるのかって? 持ち主のボクに入って、ルリにも分配されます。

 クウが倒すとスキル熟練度も上がるし、一緒に戦っても全く問題ないよ! 幼女が大剣を振るうアンバランスさには、こう、なんとも言えない感動があったね!

 それから、少しだけ調子に乗っちゃって……魔物倒し過ぎちゃった……てへぺろ☆
 ギルドに行ったら、足りてない素材が多かったらしくて、エレナさんからお礼言われたけどね。

 報酬:163万2100ギル
(1人54万4000ギルくらい)

 ……うぅ、エレナさんの目がヤンデレだった……大丈夫かな、大丈夫だよね? やられない? 二重の意味で……。

 宿に戻って、お風呂入って、ご飯を食べて、今。

 現在のステータスはこちらっ!

 =============================

 名前:ノア 
 年齢:16歳
 天職:色欲の魔女Lv3
 職業:――― 

 Lv:32
 HP:790/790
 MP:2024/2024 S:3471/23000
 筋力:288
 敏捷:611
 技巧:435
 運気:677

 スキルポイント:44

 スキル

『魔力操作Lv14』『魔力感知Lv21』
『気配感知Lv33』『危機感知Lv1』
『魔力自動回復Lv6』『魔力強化Lv4』
『生命自動回復Lv2』『生命強化Lv1』
『身体強化Lv3』

『光魔法Lv3』『闇魔法Lv2』
『風魔法Lv5』『水魔法Lv4』
『土魔法Lv2』『火魔法Lv2』
『回復魔法Lv7』『空間魔法Lv2』
『重力魔法Lv2』

『双剣術Lv79』『体術Lv36』
『縮地Lv16』『瞬動Lv3』
『魔力撃Lv2』『偽装Lv―』
『鑑定Lv4』『毒耐性Lv1』
『気配隠蔽Lv7』『魔力隠蔽Lv2』
『調理Lv1』

 ユニークスキル

『魔剣召喚Lv1』『色欲の魔眼Lv3』
『肉欲の誘いLv2』『魔の祝福Lv―』
『異空間収納Lv―』

 称号

『選ばれし者』『転生者&憑依者』
『色欲の魔女』『神の想定外』
『神に愛されし者』

 ==============================

 ……称号は見てないよ? ホントだよ?

 Sは服の貯蔵魔力のこと。

 ちなみに、偽装は前と同じ。

 レベル10以上のスキルは、元々やっていた経験がスキル取得と同時に熟練度としてカウントされた……らしい。ルリからの情報なのでほぼ間違いない。

 まず、双剣術が高過ぎっ!
 魔法はロマンなのでいっぱい取りました!
 もう、片っ端から取りました! 一応、スキルポイントはある程度残してあるでしょ?

 ……え? クウなんて言ったの? スキルポイントは自分で割り振るものじゃない? 勇者だけの特権? 普通は才能と努力を神に認められたら勝手にスキル取得!? ……それ聞いてないっ!
 ルリには知られてるから良いけど、他の人に言わなくて良かったぁ……危ない危ない。

 ……なんでずっと気づかなかったんだろ?

 まあ、いっか。

 強化系スキルはありがたくていいんだけど、レベルが低いとあんまり変わらないね。

 上昇率はレベル1毎に3%だって。

 残念な(?)お知らせとしては、ステータスがチートだ! なんて喜んでもいられないみたい……レベルが上がってからというもの、ボクの性欲が増してルリ1人だと大変なことに。

 それは悪い事なのかって? うん、だって……酷くなるとその事以外考えられなくなるもん。

 今は辛うじて平気だけど、更にレベルが上がると酷くなると思うし……あれしかない。

「ルリ、クウ、お話があります」

「「?」」

「その、ルリだけだと夜がキツいと思うんだよね」

「はいっ! 私を混ぜてくれれば――」

「言うと思った! それ自体は別にいいけどね……でも、クウが居ても足りないはずだよ?」

 そう、2人でも足りない。圧倒的に、絶望的に、泣きたくなるほど……全然足りていない。

 なので、

「ハーレムを作ります!」

「「…………」」

 何言ってんの? みたいな目を想像してたのに、向けられてるのは眠そうなデフォルト半眼と、大きくて純粋……に見える気がしないでもない変態の目。

 しばらく待つと、答えが出た。

「……ん、それしか、ないなら……」

「みーとぅー」

「あれ、意外とあっさり……」

 反対意見はないんですかー?
 そこまであっさりだと不安になっちゃう……

「ノア……気づいて、ない?」

「ん? 何に?」

「ずーっと、微妙に魔力が漏れてるよ」

「えっ」

 意識を集中すると、ボクの周囲に魅了するための魔力が薄らと見える。……わお。
 ボクの体が勝手にこうなるってことは、考えてたより危ない状態なのかもね。

「だからお姉ちゃん……他の女の子を見つけるまでは、私に全部吐き出していいんだよ? 一心同体の私には辛いのも分かってるから……」

「はいはい、迫って来ないで変態。もう少し経ったらギルドに行かなくちゃいけないの」

 嫌じゃないんだよ? 心の準備が出来てないだけで……来る者拒まず(美少女限定)ですから。
 眷属になったら、去る人は居ませんけどねっ!

 ……あと数日で心の準備は出来そう。

 割と本気でそう考えていると、部屋の扉をノックされた。

「誰か来た……?」

 ……気配的には強い感じだし、数も多い。
 警戒しながら開けると、鎧姿の男が数人並んでいる。明らかに高級な装備で、手入れをされていながらも所々傷があり、使い込まれているのが分かった。

 ボクの服、何故か鎧より強いんだけど……実は、色欲の魔女って生産職だったりするのかも。

「貴様がノアだな?」

「……どちら様でしょうか」

「我等は、シュヴァイス王国騎士団――」

「人違いですノアなんて人知りません」

 バタンッ! って閉めるよそりゃね。
 なに? ギルドマスターは本当に言っちゃったわけ? どうしよう、帰ってくれそうにないんだけど……

 そう言えばさ、シュヴァイスってドイツ語の汗って意味じゃなかったっけ? 初代国王、適当に名前付けたなー? このこのぉ~♪



 ……………………はぁ。

 現実逃避をやめ、もう1度開ける。

「ノアという名の冒険者である事は確認済みだ」

「うわぁ、めんどくさ……」

 知ってるなら聞くなし。
 逃げよっかな……逃げたいなぁ……。

「何か言ったか?」

「いえ。それで、何の御用でしょうか?」

「貴様には王都まで同行して貰う。安心しろ、必要なものはこちらで揃えてある」

「……拒否権は? あと、理由を聞いても?」

「無い。極秘事項だ、ここでは言えん」

 あーうーもー!
 同行させる理由すら教えてもらえないとか、それもう確定じゃないですかやだー! 

 ちらってルリ達を見ると、2人とも頷く。クウはともかく、ルリは大丈夫なのかな……。

「仲間も連れて行って大丈夫ですよね?」

「ああ、パーティーメンバーも連れてくるようにとのお達しだ」

「許可じゃなくて強制かぁ……」

 不安が募るばかりです。
 本来ならボクだけでもいいはずだし、突然押しかけてくる必要もないはずだもん。早馬でも1日以上かかるんだよ?
 この人数なら一昨日出発したはず……。

「せめて友人に話を――」

「そんな暇はない」

 なんか、微妙に違和感あるよね。
 視線は胸や足に向けられてたりするけど……これは多分、嫌悪感。獣人だから……? おかしいなぁ……この国は差別しないんじゃ……?

 まあ、下手に敵対してもしょうがないし、一先ずは従うしかなさそう。仕方ないね。

『お姉ちゃん、行くの?』

『うん。とりあえずは、だけどね』

『はーい!』

 魔剣召喚がレベルアップした時に、念話が出来るようになったから、こういう時に便利!
 クウは人の姿になれるから無くてもなんとかなるけど。

「準備するので少しだけお待ち頂けますか?」

「10分以内に終わらせろ」

 ボク達は軍人じゃないんですけど……余計なことは言わない。我慢するのは王都に着くまでの間だけなんだから。

 扉を閉めてから、1人だけ残ってる事に気づいた。

「ほらー、早く準備しよーねー」

「急がないとね、お姉ちゃん」

「ん……?」

 ボク達の棒読みに首をかしげつつも、準備するために自分の部屋へ行ったルリ。

『まだ居る?』

『隠れてるみたいだよ。丸分かりだけど……もー、気配の消し方が中途半端でイライラする~!』

『本職は騎士だよ、お姉ちゃん』

 森で狩りをしていた身としては、もう少しちゃんとやって欲しい……いや、分からなかったら困るんだけどね?

 ボク達の準備は特に無いから、それっぽい会話をしながらクウを撫でる。
 待つこと6分ほどで足音が聞こえて来た。

「あ、居なくなった……」

 それと同時に、ルリが入ってくる。

「……サラさんに……言って、きた」

「手に持ってるのは?」

「今までのお給料、だって……」

 へー、なるほど……結構多いね。
 うん、サラさんいい人……戻って来るかどうかは微妙な所だけど、また遊びには来ようかな。

「さ、待たせるとうるさそうだし、そろそろ行こっか」

 宿を出てすぐの場所で待ってた。街の人たちが何事かと見に来ちゃってるじゃん!
 ボク達の服装を見て訝しげにする騎士達。

「……そんな装備で大丈夫か?」

 ふっ……

「「大丈夫だ、問題ない」」

「そ、そうか」

 これしかないよね!
 1度やってみたかったんだよねー……夢が叶って良かった! でもみんなには伝わらない悲しみ。

 周りに注目されながら、やたらと豪華な馬車に乗り込む。エレナさんは見に来てないみたい。

『初馬車だよっ! やったね!』

『こんな初馬車は嬉しくない……』

 護衛依頼とかで他の冒険者と協力……みたいなのを期待してたのに! なんで、騎士に囲まれて馬車に乗らないといけないのかな!

 出発してからしばらく沈黙が続く。
 ボクの尻尾をルリがモフり、ボクはクウを膝に乗せて耳をモフる。狐耳って少し大きいから触り心地いいね。

「……貴様、どうやって『アレ』を手に入れた」

「『アレ』って言われても……急になんですか?」

「惚けるな。あの魔物を貴様如きに倒せる訳が無い」

「ううーん……?」

 あ、ブラインドタイガーの事?
 魅了して瞬殺しちゃったから、実際どのくらい強いか知らないんだよね……ステータス的には負けないと思うけど。

「別に私が倒してなくてもいいじゃないですか。少なくとも、『一体だけ現れた』あの魔物を手に入れられた訳ですし」

 あれしか居なかった、というアピールをしていかないと。あの島を知られたら面倒だもん。

 でも、騎士さんは違う所に反応してきた。

「それは自白と受け取っていいのだな?」

「? あれをボクが倒したかどうかは関係ないと思いますけど……そういえば、ボクはどうして呼ばれたんですか?」

「アレの買い取り……そして、授爵のためだ」

「2つ目は興味ないです。お金だけ下さい」

「「「なっ!?」」」

 毎回話す人、他2人も驚いてる。

 いや、だって……貴族になったら自由に冒険とか出来ないよね。なんでならないといけないの?
 というか、『爵位あげるからこの国出ないでね』っていう意味合いだとしか思えない。

「どうしてだ!?」

 貴族になる理由が分かりませんけど。この人達、なんで冒険者になってるか分からないのかな?

「いや、貴族の義務とか……って、そっか、それで態々来たんですね……? それなら倒したのボクじゃないって事でいいですから帰してくれません?」

「なんだと……! これだから亜人は……」

 ……割と雑だったけど、その敬語も使うのやーめた!
 勝手に来た癖に、なんでこんな事言われないといけないのかなー? 怒っちゃうぞー?

「……ボク達帰っていい?」

「亜人風情が、我等に逆らう気か!」

「うわぁ……」

 王様はこんなんじゃないよね?
 とりあえず……もうこの人と会話しない。……なんか言ってるけど、ボクには聞こえません。

 それから数時間、影響の少ない魔法を複数同時に発動して練習していると、横から抜剣する音が聞こえた。怒らないでよ。

「貴様ッ! いい加減にしろ!」

「亜人風情とか言われたら――っ!?」

 驚いた直後、考える前に体が動き出した。

 警鐘を鳴らす危機感知スキルに従い、剣を抜いて騎士が突き出した剣を弾く。それによっていい感じに仰け反った所を蹴り飛ばして、お互い馬車の端に。

 少し予想外過ぎる状況。更に、馬車を止めて抜剣し始めた騎士達。クウを抱えたまま馬車を降りると、ルリもそれに続く。杖を構えて魔力も込め始めている。

「本当に斬りかかってくるなんて、なんのつもり? まさか、王様の命令とか言わないよね?」

「本当にまさかだな。あの王にそのような事が出来るはずもない。当然、団長の指示だ」

 もしかして、その騎士団長の企みに巻き込まれてる? 僕が居ない時にしてよ!

「何が当然なのか分からないけど……ここに来たのもって事で合ってるかな?」

「その通りだ。貴様は邪魔だからな」

「……なんでそんなに教えてくれるのか、聞いていい?」

 ニヤッと笑みを浮かべ、剣を構えた騎士。

「――ここで死んでもらうからに決まっているだろう?」

「それは無理だと思うよ」

 ……魔眼があるから瞬殺だもん。
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