私たちの恋愛模様

恭利

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1.狂愛~ゆかの恋~ 第1話

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第1話

小中高とそれぞれの年代で出会い仲良くなった6人組。
いつもと変わらない風景...
いつもと変わらない話題...
テレビ、恋バナ、推しアイドルの話で盛り上がる
下校中のひと時...

分かれ道で3人がそれぞれ帰った後、残された
私とおかちゃんとゆかちゃんは3人で同じバイト先の
電卓を梱包する工場に向かっていた。

その工場には私たち以外にもバイトで他校の男子、
竹林君と井上君の2人とパートのお姉さんや
おばさんたちが数名いた。

よくある話だけど私たち3人の中で、ゆかちゃんが
他校の男子を意識し始めた事でバイトの休憩時間になると
工場の入口にある自販機で飲み物を買って一緒に
話すようになった。

ゆかちゃんはいつも気付いたら、お気に入りの竹林君の
横にいて恥ずかしいのかもじもじしている。
小学校から仲の良い私はその姿で分かって、
少し笑ってしまった。

他校の2人は2歳年上の3年生で数ヶ月もしたら
高校を卒業する。
竹林君は中肉中背で顔は可愛い系で、話かけられたら
返事はするけど自分からはあまり話さないタイプで、
なんとなく私には少し変わった人に感じた...

私たちがバイトを始めて2~3ヶ月たった頃、
ゆかちゃんが少し拗ねたように
『竹林君がいなくなってバイトが楽しくないから辞めたい...』
と突然言いだした。

2人は竹林君がバイトを辞める少し前から付き合っていて、
ゆかちゃんが彼のことをすごく好きなんだって感じたし、
ゆかちゃんが幸せならそれで良いと思った。
ゆかちゃんは、お嬢様育ちだからかわがままで、
でも少し内気で顔は堀ちえみさんに似ていて中肉中背で
身長は156㎝ほどの可愛い印象だ。

ゆかちゃんは私たちに、なだめられながら何とかバイトを
続け2年生になる少し前に3人で一緒に工場のバイトを辞めた。

2年生の春が終わる頃、私とゆかちゃん、メンバーが変わり
おかちゃんが抜けてせなちゃんが入り繁華街の駅前、
少し大きな喫茶&レストランでホールのバイトを始めた。

また今までと同じように下校中に、3人でバイト先に向かっていたら
突然ゆかちゃんが私の袖を引っ張り、せなちゃんに聞こえないように
小声で『ひなちゃん、今日バイト終わり少し2人で話せない?』
と言われたから黙って頷いた。

その日は少し元気がない、ゆかちゃんが気になりバイト終わりの
21時が近づくと腕時計の長針を何度も繰り返し見たりして、
バイト中に目が合うたびにゆかちゃんの不安そうな顔が頭から
離れず話の内容が気になって、まだ今から聞くのがどんな話かも
分からないのに何故か少し緊張している自分に笑ってしまった。

ゆかちゃんとは幼なじみで家も近いから、バイト終わりに
自宅最寄り駅のベンチに座り、私はゆかちゃんが話しだすまで
黙って寄り添っていた。
5分ほど過ぎた頃ゆかちゃんが突然、覚悟を決めたように
『私...子供ができたの!お父ちゃん、お母ちゃんにバレたら怒られる!』
とゆかちゃんが泣きだした。

私は動揺してるのを隠して、ゆかちゃんの背中をそっと撫でながら
『竹林君は知ってるの?』と聞くとゆかちゃんは泣きながら頷いた。
『それで竹林君は何て言ってるの?』と聞くとゆかちゃんは、
『最初は冗談かと思われて、本当やって分かったら今は就職したところで
 結婚なんて考えてないし子供はおろして!って言われた』
『じゃあ病院代とかは?そんな話もしたの?』と聞くと
ゆかちゃんはただ泣くだけで何も話せなくなってしまった。
だから私は次のバイトが休みの日に、一緒に竹林君のところに行こう
と約束してその日は別れた。

後日、私は原付バイクに乗り約束した時間にゆかちゃんの
家まで迎えに行った。
そして、それぞれ原付バイクに乗り竹林君が待ってる場所に
向かっていた...
その道のりは夕方という事もあって、今から重苦しい話を
しに行く私たちの沈んでいる気持ちとは裏腹に夕日に照らされた
街並みがオレンジ色に光ってとても綺麗だった...

しばらく走ると周りは田んぼと畑ばかりで、少し高台になっている
田んぼを見下ろせる場所に車が4台ほど停められる駐車場があって
そこが待ち合わせ場所だった。

その真ん中でヤンキー座りをして煙草を吸っている姿を見た途端、
ムカついて鼓動が早くなるのを落ち着かせるのに自分の胸を
数回トントンと叩いた...
まずは2人がお腹の赤ちゃんの事、そして2人のこれからの事
どんな選択をしても大変な事には違いない話し合いを今から
しなければならないし簡単に答えが出る内容でもない...
そう思いながら私は2人から数歩離れた場所に停めた
バイクに座って見守っていた。

しばらく話し合いが続いたが、ゆかちゃんは大好きな
竹林君との赤ちゃんをおろす事に抵抗があるし竹林君は
『子供はおろして欲しい...お金もない...』と
話がずっと平行線で、ゆかちゃんの事を考えてない
発言ばかりする竹林君に私はイライラしながら聞いていた。
結局ゆかちゃんは、赤ちゃんをおろす事に承諾してしまった...
そして私は竹林君の『病院にも1人で行って...』
という言葉を聞いた瞬間ブチギレた!
『お前、自分の事ばっかり考えんな!ゆかちゃんは赤ちゃんを
おろす事を承諾するのもつらいのに病院ぐらいついていけ!
お金も全額出すぐらいの男みせろや!ふざけんな!』と叫んだ。

私の言葉を聞いたゆかちゃんは突然、泣きながら私の横に
停めていたバイクに乗り高台から下の田んぼに突っ込もうとした!
私はすぐにバイクの後ろを掴み引っ張りながら
『落ち着いて!アクセル離して!』と叫んだ!
すぐに竹林も慌てて走ってきて一緒にゆかちゃんの
バイクを必死に止めた!
私は今までとは違う焦りで鼓動が早くなるのを感じた...
とにかく1人では止めれなかったから悔しいけど、
この時ばかりは竹林に感謝した。

数日後、ゆかちゃんの体調が心配だった私は
『体調どう?大丈夫?』と聞いたら
ゆかちゃんは『病院に行ってきた...』と泣きそうな顔で言った。
『そっか...竹林君は一緒に行ってくれた?』
と聞くと黙って首をふり一緒に行ってくれたのは、
前に竹林も一緒にバイトしてた電卓の梱包工場で
働いていたパートのおばさんで竹林が頼んだらしい...
お金は竹林が用意して、それもおばさんに預けてゆかちゃんの事を
お願いしたらしい...
竹林は結局、お金は出したけど自分の事しか考えずに逃げたのだ...


この様な話はどこにでもあるけど、
相手を思いやる心、命の大切さ、人の温かさを
感じて欲しい...

理性とは・・・物事の道理を判断して行動したりする
生きているとは・・・感情、意思、選択、行動、心臓、呼吸、食事、生命活動
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