私たちの恋愛模様

恭利

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1.狂愛~ゆかの恋~ 第2話

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第2話

ゆかちゃんの家族は、両親はレストランを経営していて
朝早くから夜遅くまで帰ってこないから、私たちは
時間が合えばゆかちゃんの家に集まって遊んでいた。
ほとんど家にいない両親に代わり、家の事はすべて
おばあちゃんがしているからか、ゆかちゃんは
おばあちゃん子だった。
ゆかちゃんは4人兄弟姉妹で一番上のお兄さんと
1歳違いのお姉さんは生真面目で、お姉さんと2歳違いの
ゆかちゃんと5歳下の弟は勉強が嫌いで遊びが大好きという
上と下で全然違う性格の兄弟姉妹という7人家族だ。
それに家族1人ひとりに自分の部屋が与えられていたから、
私たちも気軽に遊びに行ってよく泊まったりしていた。

ゆかちゃんの家に集まって私たちが勉強するわけもなく、
恋バナとかをしながら騒いで盛り上がっていると、
いつも勉強中のお姉さんが『うるさーい‼』と
ゆかちゃんの部屋に怒鳴り込んでくる!
急に部屋に突撃してくるから、突然現れるその姿が
ツキノワグマが出たような驚きで一瞬で全員が正座して
頭を下げて、お姉さんが去って行くのを待った。
そんな毎回恒例のように行われる、お姉さんとの
やり取りが結構楽しみでもあった。

また別の日、ゆかちゃんの家でいつものメンバーで
遊んでいた私はリビングの棚に茶道具があるのを見つけ
茶道なんて誰もやった事もないのに『やってみよ!』
と茶道のやり方を調べてマグカップに入れきたお湯を、
抹茶粉が入った茶碗に入れて泡立て器みたいに茶筅で
かき混ぜ交代で茶道ごっこみたいなことをしていたら
ゆかちゃんが『あぁーおとうちゃんに怒られるわ...』
と言いだしたから何かと見たら茶筅の竹が1本折れてしまってた。

みんなで『どうごまかす?正直に言う?』と焦ってたら
間が悪く、お姉さんが入ってきてめちゃくちゃ怒られたが
その後で『茶筅の事は、私が上手く話してあげるから安心しなさい』
と言ってくれて、いつもは恐怖のツキノワグマがこの時は可愛い
パンダに思えて、お姉さんがリビングを出ていくとホッとしたのと
同時にみんなで顔を見合わせて吹き出した。
やっぱり人は見かけで判断してはいけない...

その後、妊娠6週目で中絶したゆかちゃんは体調が悪くて
学校を休んでいた...
心配で私はせなちゃんとおかちゃんと3人で学校帰りに、
ゆかちゃん家に様子を見に行った日も、いつもと同じように
お姉さんがゆかちゃんを笑わせていた...
その日ゆかちゃんの目がむくんでいる様に感じた...
そんなに大きくはない目がいつもより小さく見えて、
ゆかちゃんがトイレに行った時にみんなで
『ゆかちゃん大丈夫かな..』と心配していたけど、ゆかちゃんは
私たちの気持ちが分かっているのか、その日は常に笑顔で
明るく振る舞っていた。
それが逆に私たちには無理しているのが分かって辛かった...

そんな事がありながらも私とせなちゃんとゆかちゃんは、
いつも通り学校帰りにレストランのバイトに行っていた。
バイトが終わるとゆかちゃんが、中絶後も続いていた竹林と
デートをすると言って帰る道とは逆方向に歩いて行く
後姿をせなちゃんと見送りながら帰宅した...
バイトがない日は、みんなでマクドナルドに寄り
くだらない話をしながら過ごしていたがゆかちゃんは
竹林と付き合ってから来なくなっていた。
よくある話、友達よりも彼氏といる方が楽しいのだろう
とみんなで見守る事にした。
恋は盲目、友達の助言も聞こえないほど性格も行動も
良い男と思えないアイツの何がそんなに良いのか
私には分からなかった...

ダメ男って分かってるのに好きになったり、
騙されているのに信じて引っかかったり、好きじゃなくても
体の相性が良くて離れられないとか良く聞くが、
ゆかちゃんを見ていて冷静になって男に依存するのではなく、
まず自分で自分の事を大切にして自分自身が
幸せでないといけないと思った...

ある日、友達の家で遊んで原付バイクで帰る途中に私は車と
接触事故を起こしたケガはすり傷程度ですんだけど
原付バイクはハンドルが曲がり前のカバーも無くなり
処分するしかなかった...

私の両親は父はサラリーマンで母は専業主婦なので、
親に新しい原付バイクを
買って欲しいとは言えなかった...
そうでなくてもバイクは危ないと日頃からグチグチと
言われていたから、なおさら親には言えず自分で
新しいバイクを買おうとレストランのバイト以外に家の近所の
読売新聞で早朝に新聞配達のアルバイトをする事にした。
早朝バイトが決まったその日に学校でその話をしていると、
何故かゆかちゃんが『私もそのバイトしたい!』
と言いだして本当に面接に行き一緒にする事が決まった。

早朝バイトの日は、ゆかちゃんと夜中の3時に待ち合わせを
していたけど自分で決めたバイトなのに夜中に起きれず
私はよく遅刻をしていた。1ヶ月を過ぎた頃、そんな私を
見かねたゆかちゃんが夜中の2時半に電話で起きてるか
確認をする様になっていた、少しうるさいと思いながらも
助かったとすごく感謝してなんとか新聞配達のバイトをしていた。

この頃からゆかちゃんの様子が少し変である日、早朝バイト前に
かけてくれる電話中に『なんか...赤ちゃんの泣き声が聞こえる...』
と言いだしたりする様になった...
私はその度に『聞こえへんよ!さっバイトいこ』と明るく電話を
切ってバイト先に向かったらゆかちゃんもちゃんと来ていたから、
少し気になりながらも私たちは自転車に朝刊を乗せて出発した。
30分程、新聞を配った頃に突然ピカっ光り大きい音で雷が鳴った!
するとゆかちゃんは『キャー!!』と叫んで配達途中の新聞を放り出し、
残りの新聞と自転車と私を置き去りにして一目散に走って帰ってしまった...

私は振り出した雨の中しばらく唖然と立ち尽くしていたけど、
すぐに我に返りびしょ濡れになった配達前の残りの新聞と
2人分の自転車をなんとか押しながら新聞販売所に戻ったら、
所長に『新聞が届いてないってクレームがきてる!』
と怒鳴られた...
お客さんからのクレームの電話が何件もきたのと配達途中の新聞も
雨に濡らしてダメにしたからと所長から
『損害を出して無責任に帰って、もう君たち2人は今月末で来なくていいから!』
と言われた...
私はゆかちゃんのせいにも出来ず、ただ『分かりました...』と言うしかなく
びしょ濡れのまま家までの帰り道、ゆかちゃんにムカつきながら心の中で
『もうゆかちゃんのせいや!顔も見たくない!口もききたくない...』
と思ったものの最近のゆかちゃんは、いつも何かに怯えている様で
それが気になっていた私は今回の行動はそれが原因かもしれないから
仕方がないかと思うことにした...

新聞配達のバイトがクビになった私は、車の免許が取れる年齢が
近づいていたから普通車免許を取得して早く車に乗れる様にしようと
考えを切り替えて原付バイクを買うことを諦めた。

それにしても、ゆかちゃんが最近変なのは子供を中絶した事が原因のかな本音を
言えば自業自得とも思うけど幼なじみだから心配でもある。

            (人の義理人情や情けは)
人の世は義理人情のある心は大切にしたいが思う方も思われる方も大変
甘える方も甘えられる方も大変、結果どれだけ愛情の量があるかで
心が軽くなるか、軽くさせられるかだと思う...
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