公爵令嬢は破棄したい!

abang

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公爵令嬢は負けられない

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時は来た。

セルドーラとエウリアスの軍勢が押し寄せてきた。

正確な数などは見当も付かないが、セシール達のわずか500人の兵力を遥かに上回る大軍であった。

東西に陣を張り、ノーフォード邸をめがけて一気に攻め入るつもりなのか、包囲するわけでもなく、次々と軍は南下してきていた。

「ランスロット邸を無視して南下中。クロヴィス様の指揮のもと残党を殲滅次第、セルドーラ軍を後ろから追い、ノーフォード邸へ向かうとの報告です。」

「メーベル邸より通信!東側より進入、激戦の模様です!死者無し、防衛陣を張り次第、通過した兵を追わず、全員転移でノーフォード邸へ向かうとのことです!」


ーーメーベル邸


メーベル邸でのある東側ではマチルダの作ったゴーレムによってかなりの数を殲滅していた。

メーベルの魔塔の者たちは皆魔法に優れており、遠距離の攻撃にも優れていたので、今の所は優勢であった。

マチルダが目を閉じて、短く息を吐くと兵士たちの身体がひとりでに燃え始め、兵達はパニックを起こしていた。

「うわぁあああ、も、燃えてる!!」

「誰か、消してくれ!あつい!!」
 

「マチルダ様、奴ら何かブツブツとつぶやいているみたい。」

「ユミル、詠唱よ平民の方々が良く使うわ。」

「遅いね、これなら僕たちだけで殲滅できそう。」

「マルクス、油断はしてはダメよ。敵の殆どは南下しているわ。ここにいる者は皆足止めでしょう。」

マチルダは腑に落ちなかった。

(一気に南下だなんて、安直すぎる。)



「マチルダ様、塔の防衛陣を引き、残るは奴らの制圧だけです。」


マチルダは両手を外にいる敵兵に向け、無表情で火の玉を大量に放つ。それは乱雑に見えて、ちゃんと一人一人を捕らえ焼き尽くした。

ユミルによって進行方向より進めない程の突風が吹き続け、マルクスの水の刃によって切り刻みまれた。

燃え続ける兵達には、塔のバルコニーの上に見えるマチルダの鮮明な紅を目に焼き付けて、ここに来た事を後悔した。

すると、リシュにより、進行方向に大きな雷撃が起こり、進行方向の地盤を真っ二つにした。

「これで進めないね、メーベル嬢。…マチルダと呼んでも?」


「マルクス、炭になったら消してあげなさい。魔力は温存して、速やかに殲滅して南下しましょう。」

「「御意」」

「リシュ様、どうぞ好きに呼んで。」クスクス




ーーランスロット邸

敵軍は北側のランスロット邸には目もぐれず、東西から真っ直ぐに南下した。領民の安全の為、念のために半数を邸に置きクロヴィス達も敵軍の残党を殲滅しながら南下していた。

どうやら自分達とは違って、詠唱や、魔法陣によって魔法を使うものが多く、こんなに簡単でいいのかと思うほど、無傷で戦えていた。

だが、クロヴィスは圧倒的な違いを理解していた。


「奴等はいくら斬っても、我々を遥かに超える大軍。キリがないだろう。消耗する前に、ノーフォード邸での本戦に備え。全員、後ろから温存しながら追撃、聖なる泉の広場に入る前に東へ!メーベルと合流し、転移でノーフォードへ行く!!」


「「「御意!!!」」」


クロヴィス達は馬を走らせ、クロヴィスの圧倒的な剣術によって次々と敵を斬った。

ニルソンは馬上から中距離魔法を使いこなしていた。
斬撃を飛ばして一振りで大人数を斬り倒していた。


ーーノーフォード邸

「テオドール様、敵軍は一気に南下し真っ直ぐこちらへ一気に進軍。時期に聖なる泉に到達します!」

テオドールは口元で手を組み、真剣な顔をしていた。

「そうか、泉でいちど一気に数を減らそう」

聖なる泉の広場を囲むように東西南北と町が広がっており、細道や、階段も多い。

どこから入っても大軍で南へ進むには、広場から真っ直ぐの大きな道を来る他なかった。

だが、アルマンは、テオドールの言っている訳が分からなかった。

ここから泉までは小さい都市とはいえ。まだまだ距離がある。幾ら精鋭ばかりとはいえ、そんな距離の遠距離魔法を使えるものはそう居ない。

「私がやろう。セシールほどではないが、ここから泉なら充分コントロールできるだろう。」

門の守りを固める指示をしていたセシールは、チラリとテオドールを見て、こちらに向き直した。


「では、わたくしも微力ながらお力添えを。」


そして、テオドールとセシールは少しだけ話をすると、お互いに頷いただけだった。それは作戦会議というには簡潔すぎるものであったが、2人にとっては充分だった。


すると、通信具が光り、邸中に声が鳴り響いた。




「全軍に報告!!敵軍、聖なる泉にまもなく突入!!」

「聖なる泉にまもなく突入します!!!!」


同時に、ランスロットの者達が、メーベル邸に合流したと報告が入った。




「では、殿下。始めましょうか。」




アルマン達は、微笑んだセシールが怖く見えた。

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