公爵令嬢は破棄したい!

abang

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公爵令嬢は婚約したい

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そして、公爵家への挨拶する日が来て、二人は緊張した雰囲気で応接室に座っている。



「クロヴィス、よく来てくれた。」

「久しぶりね、とても楽しみにしていたわ!」



「ご機嫌よう、公爵夫妻ユア・グレイス。本日はお時間を頂き感謝しております。」


わたくしからも、御礼申し上げます。」



「閣下…この度はセシール様との婚約を認めて頂きたく、ご挨拶に参りました。」


「…。」


「まだ殿下との婚約が解消され日が浅いことは重々承知しております。それに、これから私達は人々の注目の的となり、また、勢力争いの火種となるかもしれません。」


クロヴィスは、セシールと目線を合わせて、微かに頷くと…


「2人で話し合い、ランスロット家を第二のノーフォードとなるべくテオドール殿下への忠誠の儀を盛大に行い、両家の次期当主として王家への忠義を尽くす事を約束致します。ランスロット現当主からも許可は下りています。」



「ランスロット家はかつてより王宮派だが、表向きは中立を保って来た。派閥争いには参加しない姿勢を保つ為だ。その為に北の領地は何者にも干渉されない、強固なる自由の地である。」



マケールは、クロヴィスを試すように鋭い目線で言う。


「ええ、本来なら私もゆくゆくは父と同じように北の地を守る予定でした。…ですが何者にも干渉されないというのはノーフォードも同じです。テオドール殿下は一番の友であり、彼が王になる頃には彼を支えてアルベーリアをともに良い国にしたいとも思っています。」



「お父様…わたくし達は、それぞれの家督を継ぎ、二家の当主として両家を導く所存です。」



「元より、ノーフォードはセシールに継がせるつもりだ。異論はないが…」


「貴方、しばらくは引退できませんね、ふふ」


「そうだな、どのみち私達の寿命は長い。ノーフォードまだまだ降りる気はない。」



「なにより、クロヴィス…セシールちゃんを幸せにしてね。」



「はい。そのつもりです。必ず幸せにします!」


「では、両家顔合わせはランスロットの都合も聞いてひどりをきめる。クロヴィス、畏まらなくていい楽にしろ。」



マケールがくすりと笑ってクロヴィスにいうと、クロヴィスは照れたような仕草をして、そろりと体勢を崩した。



「ふふ…貴方、そろそろ…。」



「そうだな、部屋へ案内してやれ。私は仕事があるので失礼する。」


「マケール様!」


クロヴィスがマケールを呼ぶと、眉間にシワを寄せて振り返った。


「セシールを、必ずおれが守ります。まだ、未熟だけど絶対に世の中で一番幸せな妻にします!」


すると、マケールはなにを生意気なと言いたげな呆れた顔をしながらも口元を緩ませた。


「娘を手放したつもりは無い。でも、まぁ期待しておこう。」


「お父様っ!」

恥ずかしそうにセシールが言うと、ディアーナはおかしそうに笑って、二人にハグをしてマケールの後に続き部屋を出た。



「…。部屋へ案内するわ。」


「…コホン、あぁ、これは…認めて貰えたのか?」


「ふふっ…きっとそうよ。お父様笑っていらしたわ。」


クロヴィスにはそうは見えなかったが、想像より遥かに呆気なく話が済んでしまい、リアムからの突き刺さるような視線を感じながらも、セシールの部屋へと足を進めた。


「どうぞはいって、」

微笑みながら言うセシールとは反対に、ぎこちなく笑ったクロヴィスは、セシールの甘くて優しい香りが一面に漂う部屋に、くらりと目眩がしてしまうほどだった。


大きくなってから部屋に通されたのは、今日が初めてで大抵が応接室か執務室だった。


寝室へとつながる大きな扉が、妙に生々しい。
リアムが退室してしまえば完璧に二人になるので、緊張してしまい、ついリアムをチラリと見ると、呆れたような顔をされて、口パクで「へ・た・れ」と言われた。


「なっ…!!」

「どうしたのクロ?」

「…いや、なんでもない。」


セシールの背後でくすりと笑って退出したリアムを無視して、紅茶に口を付けた。


「あの…クロ?何か気に障った?」


「いや、ただ久々で緊張して。それでなくても愛する女性の部屋だからな…」


苦笑しながら言ったクロヴィスを少し可愛いく感じたセシールはクロヴィスの座っているソファの隣に頬を染めながら移動した。


「こ、恋人なのだし寄り添ってお茶するくらいは、はしたなく無いでしょう?」


今度はクロヴィスがセシールの可愛さに胸を掴まれる番だった。


…チュ 

「クロっ、」

「離してやれない、セシールが悪い。」

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