女王の隠し子が孕む娘は

新月蕾

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第6話

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 自分の出自も、両親の決断も、ルドルフのやったことも、何もかも嘘だと思いたかった。

「私のお母様が、女王……?」

 ラウラは呆然と信じがたい事実を口にした。

 ルドルフがうなずく。

「現女王陛下は淫蕩で知られています。愛人が多くいらっしゃる……故にあなたの父親は不明だったのです。騒乱のもとになると女王陛下はあなたを自分の父……あなたにとってはお爺さまの故郷であるこの田舎に隠された」

 母親の性事情など知りたくはなかった。
 顔も知らない母のそんな一面を知らされて、ラウラは困る。
 そもそも母親が女王ということすら信じがたいというのに。

「しかしそれは暗黙の了解でした。知っている者は知っていることです。あなたを狙う者は何人もいるのです……だからあなたには何が何でも俺の娘を孕んでもらいます」
「なっ……」

 ラウラの顔が赤く染まる。
 子を孕む。それはあの行為を何度でもルドルフとするということだ。
 ラウラが孕むまで同じことが繰り返される。
 しかも義両親公認だ。ラウラに逃げ場はない。

「ラウラ、あなたには俺の子を……女の子を孕んでもらう。その上で王都に向かい女王陛下にお目通りし、次代の女王候補として名乗りを上げる。……あなたを他の男になんて渡すものか」

 そう語るルドルフの目には暗い情熱が宿っていた。

 服を着終えてルドルフはベッドに座り込んだ。
 まだ布きれ一枚で身を隠しているだけのラウラはビクリと肩をふるわせる。
 あまりに頼りのないかっこう。ラウラは泣きそうになった。
 秘所は初めての衝撃にヒリヒリと痛んでいた。

「ラウラ……」

 ルドルフはそんなラウラの反応を気にする様子もなく彼女の顔に手を伸ばした。

「あなたは俺のものだ。ずっとずっと。誰にも渡さない」

 ラウラは逃げ場を求めて視線をそらす。
 着替えすら見当たらない寝室。相変わらず使用人は誰も来ない。
 いつもの部屋が、ひどく窮屈に思えた。
 まるで違って見える自分の部屋。

「ラウラ、どうか俺を受け入れてほしい。そうでなければあなたは……他の男に付け狙われるだけなのだから」

 ルドルフはどこか懇願するようにそう言った。

「……ここであなたに囚われるか、外で誰かに狙われるか……そんなの大差ないわ」

 ラウラのはっきりした返答にルドルフは傷ついた顔をした。
 しかしすぐに笑みを繕った。

「あなたがそう言おうとも……どうせあなたはここから出られない、出られないんだよ。ラウラ」

 ルドルフの言葉はラウラの胸に重たくのしかかった。
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