35 / 45
第35話 旅立ち
しおりを挟む
稽古後、アルフレッドも伴って、ベアトリクスとランドルフは離宮の庭の奥へと足を踏み入れた。
庭師によってキレイに手入れされた花々の間を通り抜ければ、そこには池があった。
「おお……わりと大きいですね……」
深くはないが、広さのある池にランドルフは感嘆の声を漏らした。
「夏はここで水遊びをするのが楽しみなのです! ランドルフ殿と遊べるかは……旅の日数によりますね……」
「ヘッドリー領まで片道馬車で7日はかかりますからね……」
ランドルフは自分が辿ってきた旅路を思い出して、そう答えた。
「そんなに! お姉様は最低でも6泊はされるのですね……!」
行く先々での宿泊を思うだけでベアトリクスは緊張を感じた。
慣れないところで自分は眠れるだろうか?
宿はキレイだろうか?
「……旅が楽しみです。俺は」
ランドルフは微笑んだ。
「ヘッドリー領からの行きの一人旅は、少し心細かった。いくら伯父がいるからって、他に頼るものもいない王都への旅は不安でいっぱいでした。でも、こうしてアルフレッド殿下に、ベアトリクス姫殿下に出会えました。だから、きっと旅の向こうにはいいことがありますよ」
「そうですね。そうだといいですね、お姉様」
アルフレッドがベアトリクスに微笑みかけた。
「……そうね、きっと、きっと良い出会いがあるわ」
ベアトリクスはうなずいた。
昼は池のほとりに敷物を広げ、食事を運ばせてそこで楽しんだ。
穏やかな時を過ごし、アルフレッドは午後の講義へと向かった。
そうして1週間が経った。
ベアトリクス出立の日が来た。
サラは目に見えて落ち着きをなくしていた。
「ああ、どうか、どうか、私がいないからって羽目を外しすぎませんようにね。赤いドレスはこちらに、青いドレスはこちらに、緑のドレスはこちらに……ええと、それから……」
「大丈夫、大丈夫よサラ。アリスも一緒に詰め込んでくれたのでしょう?」
アリス、この旅に同行する若い侍女にベアトリクスは訊ねる。
「は、はい!」
アリスの声は見るからに裏返っていた。
ベアトリクス姫のお付きになる。その重大事に緊張が隠せていない。
「……大丈夫かしら……」
ベアトリクスは苦笑した。
ランドルフもまた落ち着かない様子でソワソワと腰の剣に手を添えていた。
旅に同行する衛士たちとは1週間の間で交流を深めていた。
ベアトリクスを守る算段はジョナスの指導の下、ついていた。
「さあ、ランドルフ、行きましょう……アルフレッド殿下、しばし離宮を離れることをお許しくださいませ」
「はい、行ってらっしゃいませ、お姉様。クレア・サーヴィス嬢によろしくおねがいします」
アルフレッドは立派な離宮の主人として振る舞っていた。
「ああ、サラ、アルフレッドのことほんとうによろしくね!」
「はい、何があってもお守りします」
「じゃあ、行って参ります!」
「ランドルフ殿! お姉様をお願いします!」
「はい!」
ランドルフは背筋を伸ばし、馬車に乗り込んだ。
馬車にはベアトリクスとアリス、もう一人の侍女、そしてランドルフが乗り込んでいる。
今回のランドルフはベアトリクスの護衛と言うよりは、貴族の末息子として、ベアトリクスの案内人という側面が強く、馬車の中に乗り込むことを許されていた。
「ああ、離宮が離れていく」
ベアトリクスはどこか心細そうに呟いた。
その手をランドルフは握り締めた。
どうせアリスももう一人の侍女も最初からベアトリクス付である。
二人の関係は目撃している。
「……ありがとう」
頬を染めてベアトリクスはランドルフに囁いた。
王宮の側を通るとき、彼女たちは一人の男の姿を見た。
ローレンスが優雅に手を振っていた。
「……お兄様」
ベアトリクスが複雑そうな表情を見せる。
ランドルフはベアトリクスの目を塞いでしまいたい衝動に駆られたが、自分を抑えつけた。
こうして彼らの馬車は王都を離れ、北への旅へとその足を進めた。
最初の宿はファーバー子爵家であった。
すらりとした初老のファーバー子爵は額に汗をかきながら、ベアトリクスを迎え入れた。
「お初にお目にかかります、ベアトリクス姫殿下。この土地を治めておりますファーバーと申します。どうぞ、ごゆるりとお過ごしくださいませ」
「ありがとう、ファーバー子爵。こちらヘッドリー辺境伯の三男坊、ランドルフ・ヘッドリーです」
ベアトリクスの紹介にランドルフは深々と礼をした。
「王命通り夫婦用の客室を用意しております。ランドルフ殿もどうぞ、おくつろぎください」
「お気遣い感謝します」
王命。ローレンスはベアトリクスとランドルフを夫婦と同様に扱えと通達していた。
王から認められた関係。
自分はもはや愛人ではないのかもしれない。
ランドルフはようやくそう思えた。
与えられた部屋のソファに体を預け、ベアトリクスはため息をついた。
「ふう……ファーバー子爵の緊張されっぷりと来たら、こちらまで緊張してしまうわね、ランドルフ」
「俺にはファーバー子爵の気持ちが分かりますよ。俺だって自分の家に姫様がいらっしゃったら、ああもなります」
「そう……そうね、そうかもねえ」
ベアトリクスは理解しがたいという顔をした。
与えられた部屋は夫婦の部屋とは言え、ベッドは別々であった。
隣には使用人控え室があり、アリス達はそちらに控えている。
その他の衛士たちは野営である。
「……ああ、冬の旅ではこうも行かないわね……」
「そうですね……」
ヘッドリー領には戦争の名残で大きな雑魚寝の出来るスペースがある。
おそらく今回の旅に同行してくれた衛士たちを収納してもありあまるだろう。
しかし行く先々の貴族の屋敷ではそうもいかない。
「……いっそ、雪の季節までお邪魔しましょうか、ヘッドリー領。なんてね、アルフレッドが寂しがるわね」
「はい」
「うふふ、こんなに長時間馬車に乗るのは初めて」
「お疲れですか?」
「少しね、それに人様の屋敷にお泊まりに行くのも初めてだわ。当たり前のことだけど、他人の部屋って私の部屋と全然違うわね」
ベアトリクスは部屋を見渡した。
今日のために飾られているのだろう大きな花瓶の中のバラがまぶしかった。
「……姫様の初めてを共有できること、幸福に思います」
「……そうね、私もランドルフと来れてよかった。さあ! 夕食が楽しみね!」
「……はい」
ふたりは笑い合った。
庭師によってキレイに手入れされた花々の間を通り抜ければ、そこには池があった。
「おお……わりと大きいですね……」
深くはないが、広さのある池にランドルフは感嘆の声を漏らした。
「夏はここで水遊びをするのが楽しみなのです! ランドルフ殿と遊べるかは……旅の日数によりますね……」
「ヘッドリー領まで片道馬車で7日はかかりますからね……」
ランドルフは自分が辿ってきた旅路を思い出して、そう答えた。
「そんなに! お姉様は最低でも6泊はされるのですね……!」
行く先々での宿泊を思うだけでベアトリクスは緊張を感じた。
慣れないところで自分は眠れるだろうか?
宿はキレイだろうか?
「……旅が楽しみです。俺は」
ランドルフは微笑んだ。
「ヘッドリー領からの行きの一人旅は、少し心細かった。いくら伯父がいるからって、他に頼るものもいない王都への旅は不安でいっぱいでした。でも、こうしてアルフレッド殿下に、ベアトリクス姫殿下に出会えました。だから、きっと旅の向こうにはいいことがありますよ」
「そうですね。そうだといいですね、お姉様」
アルフレッドがベアトリクスに微笑みかけた。
「……そうね、きっと、きっと良い出会いがあるわ」
ベアトリクスはうなずいた。
昼は池のほとりに敷物を広げ、食事を運ばせてそこで楽しんだ。
穏やかな時を過ごし、アルフレッドは午後の講義へと向かった。
そうして1週間が経った。
ベアトリクス出立の日が来た。
サラは目に見えて落ち着きをなくしていた。
「ああ、どうか、どうか、私がいないからって羽目を外しすぎませんようにね。赤いドレスはこちらに、青いドレスはこちらに、緑のドレスはこちらに……ええと、それから……」
「大丈夫、大丈夫よサラ。アリスも一緒に詰め込んでくれたのでしょう?」
アリス、この旅に同行する若い侍女にベアトリクスは訊ねる。
「は、はい!」
アリスの声は見るからに裏返っていた。
ベアトリクス姫のお付きになる。その重大事に緊張が隠せていない。
「……大丈夫かしら……」
ベアトリクスは苦笑した。
ランドルフもまた落ち着かない様子でソワソワと腰の剣に手を添えていた。
旅に同行する衛士たちとは1週間の間で交流を深めていた。
ベアトリクスを守る算段はジョナスの指導の下、ついていた。
「さあ、ランドルフ、行きましょう……アルフレッド殿下、しばし離宮を離れることをお許しくださいませ」
「はい、行ってらっしゃいませ、お姉様。クレア・サーヴィス嬢によろしくおねがいします」
アルフレッドは立派な離宮の主人として振る舞っていた。
「ああ、サラ、アルフレッドのことほんとうによろしくね!」
「はい、何があってもお守りします」
「じゃあ、行って参ります!」
「ランドルフ殿! お姉様をお願いします!」
「はい!」
ランドルフは背筋を伸ばし、馬車に乗り込んだ。
馬車にはベアトリクスとアリス、もう一人の侍女、そしてランドルフが乗り込んでいる。
今回のランドルフはベアトリクスの護衛と言うよりは、貴族の末息子として、ベアトリクスの案内人という側面が強く、馬車の中に乗り込むことを許されていた。
「ああ、離宮が離れていく」
ベアトリクスはどこか心細そうに呟いた。
その手をランドルフは握り締めた。
どうせアリスももう一人の侍女も最初からベアトリクス付である。
二人の関係は目撃している。
「……ありがとう」
頬を染めてベアトリクスはランドルフに囁いた。
王宮の側を通るとき、彼女たちは一人の男の姿を見た。
ローレンスが優雅に手を振っていた。
「……お兄様」
ベアトリクスが複雑そうな表情を見せる。
ランドルフはベアトリクスの目を塞いでしまいたい衝動に駆られたが、自分を抑えつけた。
こうして彼らの馬車は王都を離れ、北への旅へとその足を進めた。
最初の宿はファーバー子爵家であった。
すらりとした初老のファーバー子爵は額に汗をかきながら、ベアトリクスを迎え入れた。
「お初にお目にかかります、ベアトリクス姫殿下。この土地を治めておりますファーバーと申します。どうぞ、ごゆるりとお過ごしくださいませ」
「ありがとう、ファーバー子爵。こちらヘッドリー辺境伯の三男坊、ランドルフ・ヘッドリーです」
ベアトリクスの紹介にランドルフは深々と礼をした。
「王命通り夫婦用の客室を用意しております。ランドルフ殿もどうぞ、おくつろぎください」
「お気遣い感謝します」
王命。ローレンスはベアトリクスとランドルフを夫婦と同様に扱えと通達していた。
王から認められた関係。
自分はもはや愛人ではないのかもしれない。
ランドルフはようやくそう思えた。
与えられた部屋のソファに体を預け、ベアトリクスはため息をついた。
「ふう……ファーバー子爵の緊張されっぷりと来たら、こちらまで緊張してしまうわね、ランドルフ」
「俺にはファーバー子爵の気持ちが分かりますよ。俺だって自分の家に姫様がいらっしゃったら、ああもなります」
「そう……そうね、そうかもねえ」
ベアトリクスは理解しがたいという顔をした。
与えられた部屋は夫婦の部屋とは言え、ベッドは別々であった。
隣には使用人控え室があり、アリス達はそちらに控えている。
その他の衛士たちは野営である。
「……ああ、冬の旅ではこうも行かないわね……」
「そうですね……」
ヘッドリー領には戦争の名残で大きな雑魚寝の出来るスペースがある。
おそらく今回の旅に同行してくれた衛士たちを収納してもありあまるだろう。
しかし行く先々の貴族の屋敷ではそうもいかない。
「……いっそ、雪の季節までお邪魔しましょうか、ヘッドリー領。なんてね、アルフレッドが寂しがるわね」
「はい」
「うふふ、こんなに長時間馬車に乗るのは初めて」
「お疲れですか?」
「少しね、それに人様の屋敷にお泊まりに行くのも初めてだわ。当たり前のことだけど、他人の部屋って私の部屋と全然違うわね」
ベアトリクスは部屋を見渡した。
今日のために飾られているのだろう大きな花瓶の中のバラがまぶしかった。
「……姫様の初めてを共有できること、幸福に思います」
「……そうね、私もランドルフと来れてよかった。さあ! 夕食が楽しみね!」
「……はい」
ふたりは笑い合った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
強面夫の裏の顔は妻以外には見せられません!
ましろ
恋愛
「誰がこんなことをしろと言った?」
それは夫のいる騎士団へ差し入れを届けに行った私への彼からの冷たい言葉。
挙げ句の果てに、
「用が済んだなら早く帰れっ!」
と追い返されてしまいました。
そして夜、屋敷に戻って来た夫は───
✻ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる