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第41話 不在の予定
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食堂にはユリウスが先に待っていた。
私が入室してくるのを見て、その端正な顔は嬉しそうに綻んだ。
今日も後ろにはヴァンパイアが控えている。
「お、お待たせしました」
「いや、構わない。俺の方こそ急に呼び立ててすまない。仕事が一段落ついたんだ」
「お疲れ様です」
私はユリウスの対面に腰掛ける。
「どうだった、仕立て部屋は」
「あ、エルフの皆さん、宝石に大変喜ばれていました。いくつかお預けしました」
「そうか。楽しみだ」
「はい、私も。あ、その……陛下……」
「どうした」
「け、結婚式のドレスが用意されていましたけれど、あ、あの、いつやるのでしょうか……確かパーティーをいくつかやってからとのことでしたけれど、その具体的に何ヶ月後、とか……」
「ああ、そのことで報告があるんだ。とりあえずパーティーの日取りが決まった」
「パーティー……」
「君が安心できるよう、賢者にも出席してくれるよう頼んだ」
「お気遣い、感謝します」
「ヴァンパイア族からも何名か参加してくれる。もちろん俺も出る。後は調整中だが、比較的俺の派閥の魔族かつ人間に悪感情を持っていない魔族を選出する予定だ」
「派閥……悪感情……」
逆に言えば、ユリウスと敵対する魔族や、人間に悪感情を持つものもいるということだ。
「少なくとも今の魔王城には、人間に悪感情を持つ者はいない。先代が人間びいきで、追い出してしまったからな。俺に反抗する派閥はいる。反対意見は、あった方がいい」
「そういうものですか……」
「あまりにも度が過ぎるのは困るがな。……それから、もう一つ君に言っておかなければならないことが」
ユリウスの顔が少し曇る。
悪い話だろうか。
私はなるべく動揺が声に出ぬよう心がけながら、首を傾げた。
「なんでしょう?」
「……今夜から俺は魔王城を少し離れる。竜息病の対処をしに行く。ヴァンパイアは置いていくから、何か聞きたいことがあれば、悪いがヴァンパイアか賢者に聞いてくれ。ヴァンパイアは俺の一番の腹心だ。細かいこともよく知っている」
ユリウスは一息にそう言った。
「今夜……夜には出発ですか?」
「ああ、夕食を終えたら出る。急ですまないな。だが、安心しろすぐに帰ってくる」
「はい……」
ハンカチーフ、間に合わなかった。
そんなことより。
「あ、あの、ヴァンパイア、さんを置いていくのは私のためでしょうか……」
「うん?」
「その、ヴァンパイアさんがいなくてもお仕事に支障は出ませんか?」
「…………実を言えば、そうだ。君のためだ。君が心配だから、置いていく」
長い沈黙のあと、ユリウスは白状した。
「……でしたら、その、私は大丈夫だから、ヴァンパイアさんを連れて行ってください……あなたが心配です……」
「ん……」
ユリウスは困ったような顔をした。
私が入室してくるのを見て、その端正な顔は嬉しそうに綻んだ。
今日も後ろにはヴァンパイアが控えている。
「お、お待たせしました」
「いや、構わない。俺の方こそ急に呼び立ててすまない。仕事が一段落ついたんだ」
「お疲れ様です」
私はユリウスの対面に腰掛ける。
「どうだった、仕立て部屋は」
「あ、エルフの皆さん、宝石に大変喜ばれていました。いくつかお預けしました」
「そうか。楽しみだ」
「はい、私も。あ、その……陛下……」
「どうした」
「け、結婚式のドレスが用意されていましたけれど、あ、あの、いつやるのでしょうか……確かパーティーをいくつかやってからとのことでしたけれど、その具体的に何ヶ月後、とか……」
「ああ、そのことで報告があるんだ。とりあえずパーティーの日取りが決まった」
「パーティー……」
「君が安心できるよう、賢者にも出席してくれるよう頼んだ」
「お気遣い、感謝します」
「ヴァンパイア族からも何名か参加してくれる。もちろん俺も出る。後は調整中だが、比較的俺の派閥の魔族かつ人間に悪感情を持っていない魔族を選出する予定だ」
「派閥……悪感情……」
逆に言えば、ユリウスと敵対する魔族や、人間に悪感情を持つものもいるということだ。
「少なくとも今の魔王城には、人間に悪感情を持つ者はいない。先代が人間びいきで、追い出してしまったからな。俺に反抗する派閥はいる。反対意見は、あった方がいい」
「そういうものですか……」
「あまりにも度が過ぎるのは困るがな。……それから、もう一つ君に言っておかなければならないことが」
ユリウスの顔が少し曇る。
悪い話だろうか。
私はなるべく動揺が声に出ぬよう心がけながら、首を傾げた。
「なんでしょう?」
「……今夜から俺は魔王城を少し離れる。竜息病の対処をしに行く。ヴァンパイアは置いていくから、何か聞きたいことがあれば、悪いがヴァンパイアか賢者に聞いてくれ。ヴァンパイアは俺の一番の腹心だ。細かいこともよく知っている」
ユリウスは一息にそう言った。
「今夜……夜には出発ですか?」
「ああ、夕食を終えたら出る。急ですまないな。だが、安心しろすぐに帰ってくる」
「はい……」
ハンカチーフ、間に合わなかった。
そんなことより。
「あ、あの、ヴァンパイア、さんを置いていくのは私のためでしょうか……」
「うん?」
「その、ヴァンパイアさんがいなくてもお仕事に支障は出ませんか?」
「…………実を言えば、そうだ。君のためだ。君が心配だから、置いていく」
長い沈黙のあと、ユリウスは白状した。
「……でしたら、その、私は大丈夫だから、ヴァンパイアさんを連れて行ってください……あなたが心配です……」
「ん……」
ユリウスは困ったような顔をした。
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