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番外編
番外編8話
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ユリウスの声は穏やかだった。
さっきまでの交わりが嘘みたいに。
けれども私の体の下、ユリウスの脚の間にある熱と昂ぶりは、隠しきれなかった。
「……ユリウス」
せがむように名前を呼んだ。
私を抱きしめる腕が、より一層きつくなる。
「……今日は欲しがりだな、王妃」
耳元で囁かれる。
顔が火照るのは、風呂の熱のせいじゃないだろう。
「……あなただって」
「そうだな」
ユリウスの腕が私の体を優しく撫でる。
お湯の中で撫でられるのはなんだか慣れなくて、いつもよりくすぐったい。
小さく身をよじる。
ユリウスの手は私の下腹部に伸びた。
「ここを、いっぱいに、してしまいたい」
「ん……」
やらしく下腹部を撫で回されて、そこが熱を持っていく。
私は一切の抵抗せず、ユリウスに体を預けた。
片方の腕で私の腰を抱きしめたまま、ユリウスはもう片方の手で私の後ろから秘部をまさぐった。
「あっ……」
蜜が湯の中に混じる。そう思うと、きゅっとそこがユリウスの指を締め付ける。
ユリウスはその抵抗を楽しむように私の入り口をかき混ぜる。
力比べじゃ到底かなわないだろうけれど、これはただの戯れだった。
しばらくユリウスは私の中を弄んで、そして指を引き抜いた。
そして先程まで指が触れていた部分に、大きな熱があてがわれる。
「……んっ」
幾度となく入ってきたものが、お湯の中のせいなのか、体位のせいなのか、やっぱり違うもののように感じられる。
ぶるりと興奮と少しの怯えで体が震えた。
そんな私の耳元に、ユリウスが囁く。
「ミラベル……」
甘く、蕩けるような声に、私の体から力が抜けていく。
それに伴うように、ユリウスの熱が、ゆっくりと私の奥に入り込んできた。
ユリウスの手が私の胸をまさぐる。
水の中でやわやわと優しく形を変えていく。
「ああっ……」
そして、熱が入りきった。
それを報せるように私の喉が勝手に嬌声を上げる。
「ふっ……」
ユリウスが背後で小さく笑ったのがわかった。
どんな顔をしているのか、私は何だか気になって、無理やり首をひねった。
ユリウスの顔を視界にとらえる。
きっとお湯のせいだけじゃない上気した顔とつーと滑り落ちる汗。
私を見つめる優しい目。
小さく開かれた口。
私は気付けばその口へと口付けていた。
上も下も繋がった状態で、ユリウスがゆっくり腰を上下に動かし出した。
私を逃がさないように、体を捕らえながら。
「んん……ん……」
「んっ……くっ……」
お互いの声が唇越しに震えて届く。
下の熱は水面にせわしなくさざ波を立てる。
どこもかしこもぐちゃぐちゃになって、混じり合う。
ああ、気持ちいい。
満たされている。
全部が。
さっきまでの交わりが嘘みたいに。
けれども私の体の下、ユリウスの脚の間にある熱と昂ぶりは、隠しきれなかった。
「……ユリウス」
せがむように名前を呼んだ。
私を抱きしめる腕が、より一層きつくなる。
「……今日は欲しがりだな、王妃」
耳元で囁かれる。
顔が火照るのは、風呂の熱のせいじゃないだろう。
「……あなただって」
「そうだな」
ユリウスの腕が私の体を優しく撫でる。
お湯の中で撫でられるのはなんだか慣れなくて、いつもよりくすぐったい。
小さく身をよじる。
ユリウスの手は私の下腹部に伸びた。
「ここを、いっぱいに、してしまいたい」
「ん……」
やらしく下腹部を撫で回されて、そこが熱を持っていく。
私は一切の抵抗せず、ユリウスに体を預けた。
片方の腕で私の腰を抱きしめたまま、ユリウスはもう片方の手で私の後ろから秘部をまさぐった。
「あっ……」
蜜が湯の中に混じる。そう思うと、きゅっとそこがユリウスの指を締め付ける。
ユリウスはその抵抗を楽しむように私の入り口をかき混ぜる。
力比べじゃ到底かなわないだろうけれど、これはただの戯れだった。
しばらくユリウスは私の中を弄んで、そして指を引き抜いた。
そして先程まで指が触れていた部分に、大きな熱があてがわれる。
「……んっ」
幾度となく入ってきたものが、お湯の中のせいなのか、体位のせいなのか、やっぱり違うもののように感じられる。
ぶるりと興奮と少しの怯えで体が震えた。
そんな私の耳元に、ユリウスが囁く。
「ミラベル……」
甘く、蕩けるような声に、私の体から力が抜けていく。
それに伴うように、ユリウスの熱が、ゆっくりと私の奥に入り込んできた。
ユリウスの手が私の胸をまさぐる。
水の中でやわやわと優しく形を変えていく。
「ああっ……」
そして、熱が入りきった。
それを報せるように私の喉が勝手に嬌声を上げる。
「ふっ……」
ユリウスが背後で小さく笑ったのがわかった。
どんな顔をしているのか、私は何だか気になって、無理やり首をひねった。
ユリウスの顔を視界にとらえる。
きっとお湯のせいだけじゃない上気した顔とつーと滑り落ちる汗。
私を見つめる優しい目。
小さく開かれた口。
私は気付けばその口へと口付けていた。
上も下も繋がった状態で、ユリウスがゆっくり腰を上下に動かし出した。
私を逃がさないように、体を捕らえながら。
「んん……ん……」
「んっ……くっ……」
お互いの声が唇越しに震えて届く。
下の熱は水面にせわしなくさざ波を立てる。
どこもかしこもぐちゃぐちゃになって、混じり合う。
ああ、気持ちいい。
満たされている。
全部が。
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