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10話_距離
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きっと……人を好きになる瞬間は、一緒だと思う――
単純な言葉だったり――
仕草だったり――
ただそれに気づけるかだと思う――
また……気づいていて……なかなか……
進展しないときもある……
僕は、島に来て1年が経過して、中学3年になった。
普通なら高校受験に忙しくなる時期。
月光島は、中高一貫校の為内部進学になる。
なので、僕は成績は悪くないので暇である。
しかし、大学進学となると月光島には、大学がない。
その為、受験が必須である。
したがって……旬」「亮二」「義臣」3人は、
受験モードなのだ。
旬「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」
旬のイライラモード全開の声が、秘密基地に響き渡る。
空「先輩!うるさいっす!真面目に、勉強やってくださいよ?」
旬「やってるやん!」
亮二「落ち着いて、兄貴。」
義臣「空も。」
旬は、勉強が大の付くほど嫌いである。
1人、1人で勉強するよりも、誰かと一緒にやった方が効率が良い。
そう旬は、思ったらしく、2人を誘ったが、全然進まないし、わかってない……。
亮二、義臣も勉強は得意じゃない。
気づいた俺は、亮二、義臣にお願いされ、
仕方なく勉強を見ている。
勉強が嫌なら受験しなければいいのに……。
旬には、理由があるらしく。
亮二、義臣は、無理やり、いや……。
強制、強引、絶対的に付き合わされている。
空「先輩今年受験でしょ?大丈夫なんですか?こんな調子で?」
亮二「そうですよ、兄貴。受験は、もう始まってるのと、同じなんですから。」
旬「うるさいわぁ!わかっとるわ!」
空「じゃあ、そのイライラやめて下さい。」
亮二「そうだぞ!兄貴!」
旬は、苦虫を噛んだ顔をした。
旬と一緒に過ごしたが、勉強以外。
イライラしたり、怒ったりすることはない。
意外にシンプルで、乙女な部分もある。
編み物が大好きで、毛糸編みを良くやってる。
あと……プリンが好き。
プリン出せばなんとかなるはず……。
空「亮二先輩、あれ冷蔵庫から出して来た方がいいっすかね?」
義臣「……俺行くわ。」
義臣は、冷蔵庫に旬の好きなプリンがあるか確認しに行った。
義臣が冷蔵庫のところでバツの悪そうな、顔をして手で大きく「❌」ジェスチャーする。
亮二「(俺、買いに行くわ!)」
口パクで俺に言ってくれた。
義臣に口パクで伝える。
空「いいの?」っと、また同じく口パクをする。
……それでよろしいみたいに首を縦に振るみたいな仕種をした義臣。
空「じゃあ、旬先輩。この問題解いたら休憩しましょ?」
旬「……わかった。」
空が、問題を出して、旬は解き始めた……。
亮二と義臣は、2人で秘密基地から出てプリンを買いに行く。
旬の好物がない以上事態だ。
基本、冷蔵庫にはプリンを亮二と義臣がセットしたり、空セットする。
しかし、ここ連日の勉強会の為、ストックが切れていた。
仕方ない……時間稼ぎだ……旬に自分への下心を利用しよう……。
空「先輩…大学行ったらあんま会えないですね?」
と空が少し恥ずかしそうで、悲しいそんな感じだった。
旬は、急に大人しく固まる。
空「(寂しさをアピールだ……よし!効いたぞ!効果は抜群だ!)」
旬「ほんまやな…。会えんようなるな。向こうで大学は寮生活やからな。」
空「……たまには……帰ってくるんでしょ?」
旬「……うん。帰るで?」
空「じゃあ、大丈夫っすね!」と笑顔で言う。
旬の心に矢が刺さる好きな笑顔だった……。
――10分後――
2人で笑いあってると亮二と義臣が帰ってきたようだ。
空「休憩しましょ?」
少し区切りを入れて、休憩にする。
プリンを嬉しそうに口に運ぶ旬を見る。
空「将来、旬先輩はお腹出てそうだよね?」
と空が言う。
プリンを食べてて突然出てきたその発言に笑いだす、旬。
亮二「たしかにそうだな……」
実際ありえそうとハッと気づく義臣。
亮二「空。お前も太りそうだよな?ラーメン好きだし。」
ラーメンを吸引する空。
空「今からこれでも週2とかにしてるんですよ?」
亮二「それでもだよ。それに俺らよく授業サボって、ラーメン食いに行ってたよな……。」
亮二は、しみじみ言う。
空は、手をお腹に当て引っ張る。
空「そんな…出るかな?」
亮二も空のお腹を掴んだ。
触られると思ってなかった空は少し動揺した様子だった……。
亮二「ほんとだな、まだ出てないわ。」
2人の様子をプリンを口に運びながら、ガン見する、旬。
視線に耐えきれなくなる亮二。
亮二「休憩終わり、終わり!」
食べ終わると、勉強を再開。
勉強を教えながら、空も勉強する。
つい本音がでる空。
空「勉強苦手なら、大学受験辞めればいいのに……なんで受験するんです?」
旬「大学行かんやつは、親父に組にはいらん言われたからしゃあないやん。」
吐き捨てるような言い方でいう旬……。
その物言いに一瞬驚いた空。
空「そう言う理由だったんだ…。ふーん。」
旬「今、呆れたんやろ……空。」
空「呆れては無い……。」
ため息をつきながら亮二、義臣を見た。
じゃ、亮二と義臣は旬に付き合わないとしょうがないな。
亮二「兄貴の親父さんは、大学院卒のインテリですから。」
空「えぇ!!そうなの?」
びっくりして旬を再度見る。
全くまさかそうは見えない風態、顔立ちに意外な旬のパパはを想像する空。
あんまり旬が説明しないから、亮二と義臣に聞く羽目になる。
亮二と義臣曰く、旬の親父さんは、大道寺組の組長さんで、亮二と義臣の親代わりだと言う。
頭の切れる人で、昔からある大道寺の会社を増やしたりするやり手らしい。
亮二と義臣に旬をいつも学校へ連れ戻すように命令していたらしい。
旬「別に大学行かんでも、組に入ったら一緒やちゅうねん。」
亮二「兄貴、親父さんにそれ言ったら殺されますよ。」
旬は、ムスッとする……。
空「大学行って、組み入る前に息子は優秀ですよーって、見たいんじゃないですか?」
亮二「……ありえる。」
思わず、相づちをうつ義臣。
旬「お前は、ええよ。受験ないしな。」
空は、無言でテストの点数表を見せる。それを見て凍る、旬。
空「ふ……。」
静かに笑う空。
そのしたり顔に旬は、机に塞ぎ込む……。
亮二「あちゃー兄貴……。」
義臣「……ドンマイっす!」
こんな事も、3人が大学に行くと、無くなると思うと心苦しい。
……でも、3人がバラバラになるのが想像出来たない空だった。
「あ゙~~~~」と唸る旬をなだめながら勉強会は続く。
勉強会の帰り際、亮二と義臣別の方向で、旬と空は同じ方向に帰る。
――亮二と義臣 side――
亮二「あー、おっかねー。大丈夫かな?」
義臣「何が?」
亮二「兄貴だよ。最近、空にちょっと触ると、だんだん顔が怖くなるんだぜ?」
義臣「なるなぁー。」と遠くを見る。
亮二「好きなら、いつもみたいに食っちゃえば、いいのにさぁー」
義臣「それが出来てたら、苦労してないでしょうよ?兄貴は真面目だから、空が嫌な事はしたくないんだろ?」
亮二「まぁな?でもよ…?兄貴が空へ下心持ってるのは、知ってる感じだけど…?」
義臣「うん、知ってる」
亮二「空は今のままがいい感じだよな?」
義臣「うん」
亮二「どうすっかなぁー」
義臣「もしだぜ?兄貴と空が上手く行ったらさ?姐さんが空になったりするのか?」
亮二は、ビクッと身体を震わせた……。
亮二「現実になるような、変な事いうなよ?」
義臣「だって、このままじゃ、あんまりじゃん?」
亮二「何が?」
義臣「兄貴がさ?」
亮二「可哀想だってか?」
義臣「うん」
亮二「早く、食っちまってくれないかなぁー」
義臣「でも、さ?兄貴は、性格が真面目なくせに……。奥手だろ?」
亮二「そうなんだよ、それがめんどくさ…」
義臣「うーん。早くしてくんないと、俺たち卒業しちゃうぜ?」
亮二「ほんとだよ…受験前にパクッと食って、とっとと、卒業してくれねぇかなー。俺もう色々考えんの面倒くせーよ」義臣「同意だけどさぁ?やっぱ空が大切だしな?」
亮二「はーぁ。どうすんだよ、なぁ?」
義臣「わからん。」
――旬と空side――
バイクを押す旬。
空「先に、乗って帰ってもいいですよ?」
旬「いや、ええねん。うち送くるいでに筋トレや……それに、まだ時間あるから…ええで」
空「プリン結構食べましたもんね?」
旬は、ギクッと空を見た。
冷や汗を流しているようだ。
空は、指を折って数える。
空「1、2…」
旬「なぁ?ああ言う…腹とかさ…。ブニっとさあ。誰にでもされるのか?」
旬は、空の話を遮るように聞く。
その質問に少し怒ったような口調の空……。
空「はぁ?どういう意味ですか?」
旬もそれに感化されて、ぶっきらぼうになる。
旬「だからぁ!触られたりすんのかって聞いてんの!」
空は、ムッとして言い返す……。
空「あぁー。さっきの?俺もびっくりしちゃいましたけど…あるんじゃないですか?友達同士なら?普通……」
旬「友達同士?ふーん。普通ねぇ……じゃあ、俺も触っていい?」
空「……は?」
旬「なら…俺も触っていいやろ?」と手を空に出す。
空は、旬の手のひらを見て、少し後ずさりする。
自分の手とは違い大きくて、ゴツい。
空「先輩……何言ってるんですか?バイク持ってるんですから、危ないですよ?」
旬「そんなん大丈夫や」
旬は、バイクを止め近づいて来る。
空「へ……?いや…ちょっと…」
旬に下心があるのを忘れていた空。
最近…近すぎて忘れた。
もう……本当は……距離を置かなきゃいけない。
そんなの…頭の中ではわかってる…。
でも…でも……。
まだ……この関係を……終わらせたくなくて…。
友達として居たくて……遊んだり……冗談言ったり……一緒に勉強したり……。
でも……もう……終わりにしなきゃ……。
もう、旬は、大学に行くんだから……。
空「先輩……。」と呟くように呼ぶ。
旬は、空が下を向きながら呼ぶ声に反応して止まった。
旬「逃げてもええよ……。」
空「え?」
旬は、下を向いたままの空に言う。
旬「逃げてもええよ?俺は……。」
旬の優しい声がする。
空「……先輩……俺は……まだ……一緒に勉強したり…遊んだり……したいです。」
旬「うん、俺もや……。」
空「でも……先輩は……違うでしょ?」
旬「違うって?」
空「……先輩は……俺が好きでしょ?俺は……先輩を友達としてしか見れないです。」
旬「うん……。」
空「……だから……その距離で止まって下さい…。怖いんです……また……友達が……いなくなるのが……。」
旬「うん。」
空「……逃げていいなら……俺は、このままの関係で居たいんです……。だから……先輩……」
旬「わかった……。なら空と俺の距離は今、ここまでな?」
旬は、止まる。
空は、顔を上げると、旬は空との距離を2歩分開けていた。
旬「逃げるって……走ると思ってんけど?空……逃げてへんやん。」
空「……そうですね。」
旬「俺らの距離は、後2歩分やで?空」
旬は、微笑みながら言う。
空は、旬に向き直る。
旬「何。泣きそうな顔してんねん。」
空「だって……今……俺……逃げたら……先輩振った事になって……友達じゃなくななる……その2歩分前に進んでも友達じゃなくなるかもしれない……。」
旬「うん。」
空「だから……そのまま…そのまま……友達でいてよ。先輩」
旬「無理やな。」
空は、信じられない顔で、旬を見る……。
空「……先輩……?」
旬は、ゆっくりと空に近づく。
そして、また2人の間の距離が1歩分になる……。
旬「もっと… 空がトラウマとか克服してやで?一歩ずつ距離縮めてよ?手とか繋いでや。告白するつもりやったんよ?ちゃんといい雰囲気で、いい場所で、薔薇とか、渡したり、あ、あるやん?漫画で?でも……思ったより、空と距離近かったわ。」
と、旬は笑った。
病院で……見た時から……ずっとこの気持ちの正体に気づかないように……
友達として……出会ったのだから……友達の距離感で……この気持ちと向き合うべきだ……
先輩の言う通りだ……
距離は……もう……縮んでた……
でも……もう、友達の距離じゃない……。
友達の距離じゃない……。
もう……無理だ。
空「……先輩…… この後1歩分を縮めても……友達としても…居て下さい…。」
旬「……え?」
空は、片足をそっと、もう1歩分の距離を埋めるように足を置いた。
旬の足と空の足の先端が当たる。
2人の距離は0になった……。
旬は、その行動にびっくりしたのか、口をぽかんと開けている……
旬「お、おぉ……。振られるかと思ったわ。」と、旬は、空が置いた足を見て言う。
空は、旬に腹パンする。
旬「ゔぉ……。何すんねん!」
空は、旬の腹パンした手をそのままに、旬の胸に顔が見えないように顔を埋めた。
空「……俺……この気持ちがなんなのか……正直わかんないんですよ……。」
旬「おぉ、そうか……。」
空「でも……この気持ちの名前がわかるまで……友達としても居て下さい……。お願いします……。」
旬「わかった。それまでこれで我慢しとくわ。」
旬は、空の背中に手をやろうとする。
空「……先輩?……これ以上の事はしないで下さいね?」
旬「えぇ……この手どうすればええねんな。」
空は、旬の胸に埋めるのを辞めて2歩下がる。
顔は、下を向いている。
空「知らないです……引っ込めて下さい。。」
空は、素っ気なく言う。
旬「うぉい!なんでやねん!すっごいいい感じやったやん!このムード!」
空「はい。帰りますよ。」
旬「は?冷たい!なんなんそのツンは!」
空「ツンってなんですか?ほら、行きますよ。」
スタスタと歩き始める空。
旬「いや、待って!バイクあるから!」
と、慌ててバイクを持って歩く空に追いつこうとする。
空「あ。さっきの……薔薇とかやりたい事とかは……また今度でいいですか?先輩、受験に集中しないといけないので。」
旬「お?おぉ。ええよ。て!なんなん急にデレるの!」
空「デレてません。」
旬「いや、デレたやろ!今!」
空「うるさいです。早く帰りますよ?」
と、空はスタスタ歩く。
旬「おい、待てって!振られてないから俺、彼氏でいいんよなぁ?」
と、旬が空を追いかける。
空は、ピタリと止まる。
旬も空の隣にくる……。
空「それは……。」と口ごもる。
旬「えぇー。ちょっと…。そこは、はっきりしよ?な?」
空「……いいんじゃないでしょうか……。」
と、またスタスタ歩き出す。
旬「お?おぉ……。え?いいん?」
空「……知りません!」
空は、早歩きで歩く。
旬は、そんな空を後ろから見る。
そして、小走りする。
旬「ちょ!待ってよ!」
帰っていくのだった……。
――後日談――
義臣「兄貴がさ?空と手繋いでるの見たんだよ。」
亮二「え?マジ?」
義臣「まじまじ……勉強会で、亮二いなかった日。俺、飲みもん買いに行った帰りに、部屋戻ったらさ、兄貴が空の手を掴んだ瞬間に空が兄貴に腹パンしてた。
亮二「手繋いでないだろうよ?いや、違うくね?」
義臣「え?何が違うの?」
亮二「……それ状況悪化してないか?兄貴……ガチギレしてるだろうよ?手出すの。」
義臣「あ……いや……嬉しそうだったよ?空に腹パンされて。」
亮二「え……まじかよ……。」
義臣「しかもその後、空の腰を触ろうとして、兄貴は手を叩かれて、空に集中しろ!って怒られたな。」
亮二「へぇ……。そうか……。前に家に帰ってきた時、付き合った!とかめちゃくちゃ嬉しそうにしてたから付き合ってるとばかり……。」
義臣「亮二、兄貴から勉強来んなって言われてから、兄貴は亮二より勉強できないことが空にバレてさ。付き合った、付き合ってるの話しじゃないんだよ今。」
亮二「ふーん。そっか……。」
義臣「……そうだぞ?兄貴が問題間違える度に、ドラゴンが火を吹くみたいに怒って、鬼の角生やして頑張って教えてるわ。」
亮二「鬼の角……。問題間違えただけで……。」
義臣「うん、もうあれは地獄絵図だね。」
亮二「あぁ~、旬兄貴可哀想だな……。」
義臣「まぁ、がんばれ!兄貴!」
2人は、旬の勉強する部屋から聞こえる怒号を聞きながら、自分達のことを話すのだった。
多分……2人の距離は0になったとさ……。
空「ガルルルル……。」
旬「お……おぉう?空?」
空「ガルルルル。」
旬「はい!すいません!」
今、勉強会真っ最中だ。
その旬と空が抱き合っている姿を見ている人影。
フードを深く被り、スカートを履いた、女の子だ……。
「空くん……。」と呟くのであった……。
その少女は、部屋に帰りなる部屋に入り、電気をつける。
壁一面に空の写真が、張ってある。
「空くん……なんで…私を見てくれないの……私は空くん
空くん!空くん!空くん!空くん!空くん!空くん!あいつ!!のせいだ!」
旬の写真が端っこに貼ってあり、ハサミで壁に貼る、旬の写真にドス!ドス!ドス!ドス!ドス!ドス!ドス!と突き立てた。
「空くんは、私のものよ!なのに……なんであんな男といるの?」
空の写真に行き、写真を舐める。
「空くん……もう直ぐ会えるよ……そしたら……ずっと一緒だよ……。」
と写真の空に話しかけるのだった……。
深く被っていたフードが脱げ、その少女の容姿が露になる。
篠山美来だった。
美来「空くん……好きよ……。はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、ハハハハハハハハハハ!!」
美来は、不気味に笑う、狂気に満ちた笑顔だった。
単純な言葉だったり――
仕草だったり――
ただそれに気づけるかだと思う――
また……気づいていて……なかなか……
進展しないときもある……
僕は、島に来て1年が経過して、中学3年になった。
普通なら高校受験に忙しくなる時期。
月光島は、中高一貫校の為内部進学になる。
なので、僕は成績は悪くないので暇である。
しかし、大学進学となると月光島には、大学がない。
その為、受験が必須である。
したがって……旬」「亮二」「義臣」3人は、
受験モードなのだ。
旬「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」
旬のイライラモード全開の声が、秘密基地に響き渡る。
空「先輩!うるさいっす!真面目に、勉強やってくださいよ?」
旬「やってるやん!」
亮二「落ち着いて、兄貴。」
義臣「空も。」
旬は、勉強が大の付くほど嫌いである。
1人、1人で勉強するよりも、誰かと一緒にやった方が効率が良い。
そう旬は、思ったらしく、2人を誘ったが、全然進まないし、わかってない……。
亮二、義臣も勉強は得意じゃない。
気づいた俺は、亮二、義臣にお願いされ、
仕方なく勉強を見ている。
勉強が嫌なら受験しなければいいのに……。
旬には、理由があるらしく。
亮二、義臣は、無理やり、いや……。
強制、強引、絶対的に付き合わされている。
空「先輩今年受験でしょ?大丈夫なんですか?こんな調子で?」
亮二「そうですよ、兄貴。受験は、もう始まってるのと、同じなんですから。」
旬「うるさいわぁ!わかっとるわ!」
空「じゃあ、そのイライラやめて下さい。」
亮二「そうだぞ!兄貴!」
旬は、苦虫を噛んだ顔をした。
旬と一緒に過ごしたが、勉強以外。
イライラしたり、怒ったりすることはない。
意外にシンプルで、乙女な部分もある。
編み物が大好きで、毛糸編みを良くやってる。
あと……プリンが好き。
プリン出せばなんとかなるはず……。
空「亮二先輩、あれ冷蔵庫から出して来た方がいいっすかね?」
義臣「……俺行くわ。」
義臣は、冷蔵庫に旬の好きなプリンがあるか確認しに行った。
義臣が冷蔵庫のところでバツの悪そうな、顔をして手で大きく「❌」ジェスチャーする。
亮二「(俺、買いに行くわ!)」
口パクで俺に言ってくれた。
義臣に口パクで伝える。
空「いいの?」っと、また同じく口パクをする。
……それでよろしいみたいに首を縦に振るみたいな仕種をした義臣。
空「じゃあ、旬先輩。この問題解いたら休憩しましょ?」
旬「……わかった。」
空が、問題を出して、旬は解き始めた……。
亮二と義臣は、2人で秘密基地から出てプリンを買いに行く。
旬の好物がない以上事態だ。
基本、冷蔵庫にはプリンを亮二と義臣がセットしたり、空セットする。
しかし、ここ連日の勉強会の為、ストックが切れていた。
仕方ない……時間稼ぎだ……旬に自分への下心を利用しよう……。
空「先輩…大学行ったらあんま会えないですね?」
と空が少し恥ずかしそうで、悲しいそんな感じだった。
旬は、急に大人しく固まる。
空「(寂しさをアピールだ……よし!効いたぞ!効果は抜群だ!)」
旬「ほんまやな…。会えんようなるな。向こうで大学は寮生活やからな。」
空「……たまには……帰ってくるんでしょ?」
旬「……うん。帰るで?」
空「じゃあ、大丈夫っすね!」と笑顔で言う。
旬の心に矢が刺さる好きな笑顔だった……。
――10分後――
2人で笑いあってると亮二と義臣が帰ってきたようだ。
空「休憩しましょ?」
少し区切りを入れて、休憩にする。
プリンを嬉しそうに口に運ぶ旬を見る。
空「将来、旬先輩はお腹出てそうだよね?」
と空が言う。
プリンを食べてて突然出てきたその発言に笑いだす、旬。
亮二「たしかにそうだな……」
実際ありえそうとハッと気づく義臣。
亮二「空。お前も太りそうだよな?ラーメン好きだし。」
ラーメンを吸引する空。
空「今からこれでも週2とかにしてるんですよ?」
亮二「それでもだよ。それに俺らよく授業サボって、ラーメン食いに行ってたよな……。」
亮二は、しみじみ言う。
空は、手をお腹に当て引っ張る。
空「そんな…出るかな?」
亮二も空のお腹を掴んだ。
触られると思ってなかった空は少し動揺した様子だった……。
亮二「ほんとだな、まだ出てないわ。」
2人の様子をプリンを口に運びながら、ガン見する、旬。
視線に耐えきれなくなる亮二。
亮二「休憩終わり、終わり!」
食べ終わると、勉強を再開。
勉強を教えながら、空も勉強する。
つい本音がでる空。
空「勉強苦手なら、大学受験辞めればいいのに……なんで受験するんです?」
旬「大学行かんやつは、親父に組にはいらん言われたからしゃあないやん。」
吐き捨てるような言い方でいう旬……。
その物言いに一瞬驚いた空。
空「そう言う理由だったんだ…。ふーん。」
旬「今、呆れたんやろ……空。」
空「呆れては無い……。」
ため息をつきながら亮二、義臣を見た。
じゃ、亮二と義臣は旬に付き合わないとしょうがないな。
亮二「兄貴の親父さんは、大学院卒のインテリですから。」
空「えぇ!!そうなの?」
びっくりして旬を再度見る。
全くまさかそうは見えない風態、顔立ちに意外な旬のパパはを想像する空。
あんまり旬が説明しないから、亮二と義臣に聞く羽目になる。
亮二と義臣曰く、旬の親父さんは、大道寺組の組長さんで、亮二と義臣の親代わりだと言う。
頭の切れる人で、昔からある大道寺の会社を増やしたりするやり手らしい。
亮二と義臣に旬をいつも学校へ連れ戻すように命令していたらしい。
旬「別に大学行かんでも、組に入ったら一緒やちゅうねん。」
亮二「兄貴、親父さんにそれ言ったら殺されますよ。」
旬は、ムスッとする……。
空「大学行って、組み入る前に息子は優秀ですよーって、見たいんじゃないですか?」
亮二「……ありえる。」
思わず、相づちをうつ義臣。
旬「お前は、ええよ。受験ないしな。」
空は、無言でテストの点数表を見せる。それを見て凍る、旬。
空「ふ……。」
静かに笑う空。
そのしたり顔に旬は、机に塞ぎ込む……。
亮二「あちゃー兄貴……。」
義臣「……ドンマイっす!」
こんな事も、3人が大学に行くと、無くなると思うと心苦しい。
……でも、3人がバラバラになるのが想像出来たない空だった。
「あ゙~~~~」と唸る旬をなだめながら勉強会は続く。
勉強会の帰り際、亮二と義臣別の方向で、旬と空は同じ方向に帰る。
――亮二と義臣 side――
亮二「あー、おっかねー。大丈夫かな?」
義臣「何が?」
亮二「兄貴だよ。最近、空にちょっと触ると、だんだん顔が怖くなるんだぜ?」
義臣「なるなぁー。」と遠くを見る。
亮二「好きなら、いつもみたいに食っちゃえば、いいのにさぁー」
義臣「それが出来てたら、苦労してないでしょうよ?兄貴は真面目だから、空が嫌な事はしたくないんだろ?」
亮二「まぁな?でもよ…?兄貴が空へ下心持ってるのは、知ってる感じだけど…?」
義臣「うん、知ってる」
亮二「空は今のままがいい感じだよな?」
義臣「うん」
亮二「どうすっかなぁー」
義臣「もしだぜ?兄貴と空が上手く行ったらさ?姐さんが空になったりするのか?」
亮二は、ビクッと身体を震わせた……。
亮二「現実になるような、変な事いうなよ?」
義臣「だって、このままじゃ、あんまりじゃん?」
亮二「何が?」
義臣「兄貴がさ?」
亮二「可哀想だってか?」
義臣「うん」
亮二「早く、食っちまってくれないかなぁー」
義臣「でも、さ?兄貴は、性格が真面目なくせに……。奥手だろ?」
亮二「そうなんだよ、それがめんどくさ…」
義臣「うーん。早くしてくんないと、俺たち卒業しちゃうぜ?」
亮二「ほんとだよ…受験前にパクッと食って、とっとと、卒業してくれねぇかなー。俺もう色々考えんの面倒くせーよ」義臣「同意だけどさぁ?やっぱ空が大切だしな?」
亮二「はーぁ。どうすんだよ、なぁ?」
義臣「わからん。」
――旬と空side――
バイクを押す旬。
空「先に、乗って帰ってもいいですよ?」
旬「いや、ええねん。うち送くるいでに筋トレや……それに、まだ時間あるから…ええで」
空「プリン結構食べましたもんね?」
旬は、ギクッと空を見た。
冷や汗を流しているようだ。
空は、指を折って数える。
空「1、2…」
旬「なぁ?ああ言う…腹とかさ…。ブニっとさあ。誰にでもされるのか?」
旬は、空の話を遮るように聞く。
その質問に少し怒ったような口調の空……。
空「はぁ?どういう意味ですか?」
旬もそれに感化されて、ぶっきらぼうになる。
旬「だからぁ!触られたりすんのかって聞いてんの!」
空は、ムッとして言い返す……。
空「あぁー。さっきの?俺もびっくりしちゃいましたけど…あるんじゃないですか?友達同士なら?普通……」
旬「友達同士?ふーん。普通ねぇ……じゃあ、俺も触っていい?」
空「……は?」
旬「なら…俺も触っていいやろ?」と手を空に出す。
空は、旬の手のひらを見て、少し後ずさりする。
自分の手とは違い大きくて、ゴツい。
空「先輩……何言ってるんですか?バイク持ってるんですから、危ないですよ?」
旬「そんなん大丈夫や」
旬は、バイクを止め近づいて来る。
空「へ……?いや…ちょっと…」
旬に下心があるのを忘れていた空。
最近…近すぎて忘れた。
もう……本当は……距離を置かなきゃいけない。
そんなの…頭の中ではわかってる…。
でも…でも……。
まだ……この関係を……終わらせたくなくて…。
友達として居たくて……遊んだり……冗談言ったり……一緒に勉強したり……。
でも……もう……終わりにしなきゃ……。
もう、旬は、大学に行くんだから……。
空「先輩……。」と呟くように呼ぶ。
旬は、空が下を向きながら呼ぶ声に反応して止まった。
旬「逃げてもええよ……。」
空「え?」
旬は、下を向いたままの空に言う。
旬「逃げてもええよ?俺は……。」
旬の優しい声がする。
空「……先輩……俺は……まだ……一緒に勉強したり…遊んだり……したいです。」
旬「うん、俺もや……。」
空「でも……先輩は……違うでしょ?」
旬「違うって?」
空「……先輩は……俺が好きでしょ?俺は……先輩を友達としてしか見れないです。」
旬「うん……。」
空「……だから……その距離で止まって下さい…。怖いんです……また……友達が……いなくなるのが……。」
旬「うん。」
空「……逃げていいなら……俺は、このままの関係で居たいんです……。だから……先輩……」
旬「わかった……。なら空と俺の距離は今、ここまでな?」
旬は、止まる。
空は、顔を上げると、旬は空との距離を2歩分開けていた。
旬「逃げるって……走ると思ってんけど?空……逃げてへんやん。」
空「……そうですね。」
旬「俺らの距離は、後2歩分やで?空」
旬は、微笑みながら言う。
空は、旬に向き直る。
旬「何。泣きそうな顔してんねん。」
空「だって……今……俺……逃げたら……先輩振った事になって……友達じゃなくななる……その2歩分前に進んでも友達じゃなくなるかもしれない……。」
旬「うん。」
空「だから……そのまま…そのまま……友達でいてよ。先輩」
旬「無理やな。」
空は、信じられない顔で、旬を見る……。
空「……先輩……?」
旬は、ゆっくりと空に近づく。
そして、また2人の間の距離が1歩分になる……。
旬「もっと… 空がトラウマとか克服してやで?一歩ずつ距離縮めてよ?手とか繋いでや。告白するつもりやったんよ?ちゃんといい雰囲気で、いい場所で、薔薇とか、渡したり、あ、あるやん?漫画で?でも……思ったより、空と距離近かったわ。」
と、旬は笑った。
病院で……見た時から……ずっとこの気持ちの正体に気づかないように……
友達として……出会ったのだから……友達の距離感で……この気持ちと向き合うべきだ……
先輩の言う通りだ……
距離は……もう……縮んでた……
でも……もう、友達の距離じゃない……。
友達の距離じゃない……。
もう……無理だ。
空「……先輩…… この後1歩分を縮めても……友達としても…居て下さい…。」
旬「……え?」
空は、片足をそっと、もう1歩分の距離を埋めるように足を置いた。
旬の足と空の足の先端が当たる。
2人の距離は0になった……。
旬は、その行動にびっくりしたのか、口をぽかんと開けている……
旬「お、おぉ……。振られるかと思ったわ。」と、旬は、空が置いた足を見て言う。
空は、旬に腹パンする。
旬「ゔぉ……。何すんねん!」
空は、旬の腹パンした手をそのままに、旬の胸に顔が見えないように顔を埋めた。
空「……俺……この気持ちがなんなのか……正直わかんないんですよ……。」
旬「おぉ、そうか……。」
空「でも……この気持ちの名前がわかるまで……友達としても居て下さい……。お願いします……。」
旬「わかった。それまでこれで我慢しとくわ。」
旬は、空の背中に手をやろうとする。
空「……先輩?……これ以上の事はしないで下さいね?」
旬「えぇ……この手どうすればええねんな。」
空は、旬の胸に埋めるのを辞めて2歩下がる。
顔は、下を向いている。
空「知らないです……引っ込めて下さい。。」
空は、素っ気なく言う。
旬「うぉい!なんでやねん!すっごいいい感じやったやん!このムード!」
空「はい。帰りますよ。」
旬「は?冷たい!なんなんそのツンは!」
空「ツンってなんですか?ほら、行きますよ。」
スタスタと歩き始める空。
旬「いや、待って!バイクあるから!」
と、慌ててバイクを持って歩く空に追いつこうとする。
空「あ。さっきの……薔薇とかやりたい事とかは……また今度でいいですか?先輩、受験に集中しないといけないので。」
旬「お?おぉ。ええよ。て!なんなん急にデレるの!」
空「デレてません。」
旬「いや、デレたやろ!今!」
空「うるさいです。早く帰りますよ?」
と、空はスタスタ歩く。
旬「おい、待てって!振られてないから俺、彼氏でいいんよなぁ?」
と、旬が空を追いかける。
空は、ピタリと止まる。
旬も空の隣にくる……。
空「それは……。」と口ごもる。
旬「えぇー。ちょっと…。そこは、はっきりしよ?な?」
空「……いいんじゃないでしょうか……。」
と、またスタスタ歩き出す。
旬「お?おぉ……。え?いいん?」
空「……知りません!」
空は、早歩きで歩く。
旬は、そんな空を後ろから見る。
そして、小走りする。
旬「ちょ!待ってよ!」
帰っていくのだった……。
――後日談――
義臣「兄貴がさ?空と手繋いでるの見たんだよ。」
亮二「え?マジ?」
義臣「まじまじ……勉強会で、亮二いなかった日。俺、飲みもん買いに行った帰りに、部屋戻ったらさ、兄貴が空の手を掴んだ瞬間に空が兄貴に腹パンしてた。
亮二「手繋いでないだろうよ?いや、違うくね?」
義臣「え?何が違うの?」
亮二「……それ状況悪化してないか?兄貴……ガチギレしてるだろうよ?手出すの。」
義臣「あ……いや……嬉しそうだったよ?空に腹パンされて。」
亮二「え……まじかよ……。」
義臣「しかもその後、空の腰を触ろうとして、兄貴は手を叩かれて、空に集中しろ!って怒られたな。」
亮二「へぇ……。そうか……。前に家に帰ってきた時、付き合った!とかめちゃくちゃ嬉しそうにしてたから付き合ってるとばかり……。」
義臣「亮二、兄貴から勉強来んなって言われてから、兄貴は亮二より勉強できないことが空にバレてさ。付き合った、付き合ってるの話しじゃないんだよ今。」
亮二「ふーん。そっか……。」
義臣「……そうだぞ?兄貴が問題間違える度に、ドラゴンが火を吹くみたいに怒って、鬼の角生やして頑張って教えてるわ。」
亮二「鬼の角……。問題間違えただけで……。」
義臣「うん、もうあれは地獄絵図だね。」
亮二「あぁ~、旬兄貴可哀想だな……。」
義臣「まぁ、がんばれ!兄貴!」
2人は、旬の勉強する部屋から聞こえる怒号を聞きながら、自分達のことを話すのだった。
多分……2人の距離は0になったとさ……。
空「ガルルルル……。」
旬「お……おぉう?空?」
空「ガルルルル。」
旬「はい!すいません!」
今、勉強会真っ最中だ。
その旬と空が抱き合っている姿を見ている人影。
フードを深く被り、スカートを履いた、女の子だ……。
「空くん……。」と呟くのであった……。
その少女は、部屋に帰りなる部屋に入り、電気をつける。
壁一面に空の写真が、張ってある。
「空くん……なんで…私を見てくれないの……私は空くん
空くん!空くん!空くん!空くん!空くん!空くん!あいつ!!のせいだ!」
旬の写真が端っこに貼ってあり、ハサミで壁に貼る、旬の写真にドス!ドス!ドス!ドス!ドス!ドス!ドス!と突き立てた。
「空くんは、私のものよ!なのに……なんであんな男といるの?」
空の写真に行き、写真を舐める。
「空くん……もう直ぐ会えるよ……そしたら……ずっと一緒だよ……。」
と写真の空に話しかけるのだった……。
深く被っていたフードが脱げ、その少女の容姿が露になる。
篠山美来だった。
美来「空くん……好きよ……。はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、ハハハハハハハハハハ!!」
美来は、不気味に笑う、狂気に満ちた笑顔だった。
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