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子犬の王子
20・太陽の様な王子
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「王子~!王子~!どこですか~?」
王宮ではメイドたちが慌ただしくバタバタと走り回り王子を探している。
ふふふ!
絶対見つからないよ!
僕は隠れるのが得意なんだから!
僕はフニフニの柔らかい肉球を上手に使って足音を立てず逃げ回る。
ふふふ!誰もばれてない!
私は、小さなころ、ほんの3か月ぐらいの頃からかなり活発な子犬だった。
成長が早い獣人と言えど、まだほんの小さな子供だったけれど、沢山脱走をして、沢山悪戯をしていた。
興味があったんだ、外の世界に。
王宮は広すぎて、どれだけ探検したってしたりない、走っても走っても行き止まりにはならない。
毎日毎日新しい発見で、とても楽しかった。
新しい美しいもの、ちょっと怖い置物なんてのもあって、探検には最適な場所だったかもね。
「シリウス?あなた今日も脱走したそうね?」
母上は咎めるような、口調とは裏腹に顔は楽しそうだ。
鳥の獣人の母は王国一の歌声と言われた声で楽しそうに笑う。
「こらこらユウラスあんまり調子に乗せてはだめだよ?
メイドは走りまわされて大変らしいんだから。
シリウス、せめて探検に行くと言ってから探検しなさい。」
父上は注意したんだかしてないんだか分からないことを言う。
父は私と同じ黒い犬の獣人。
この王国を作った始祖様と同じ黒と紫を受け継ぐものだけが王になれる。
私は、子供の姿に戻ってお肉を口いっぱいにほおばっていた。
生まれた時から黒髪に紫の瞳、その時から私が王になることは決まっていた。
実際に兄弟はいたが、色を受け継いでいないものに王になることは出来ない。
違う毛色で生まれた時点で、兄弟たちにはそもそも王位継承権は無い。
こうして父と母と食事をする時も、私は自然と上座父の隣だ。
だからだろうか、私は他の兄弟たちとの間に溝を感じていた。
5人も兄弟がいたのに、親しいものは居なかったように思う。
だからと寂しかったなどと、自分の生い立ちに文句を言えることなど出来ないほどに私は明らかに恵まれていた。
それがまた私の孤独を募らせた。
同じ立場が居ない身では、愚痴の一つも言えやしない。
そんな、まだ小さな私では名前にもできない寂しいだとか、孤独だとか言うものをすべて新しい好奇心で満たしていた。
ある日、私は父の仕事ひっそり付いて行って、王宮の外に出て見ようと計画した。
凄く壮大な計画だ。
ドキドキした。
何日も前から計画書を作ったりして。
王宮脱走大作戦なんて銘打ってね。
そして計画は決行された。
かなりうまくいったよ。
本当に、出来るだけ小さくなろうとして、目立たないように子犬に変化したんだ。
獣人の血が濃くて力が濃い人間は、獣化することができる。
小さい時からこれが出来るのは、王族ならではかな?
得意の肉球で足音を消す歩き方で、見事馬車に潜り込んだ。
父上の向かった先は、スフィアリム侯爵邸、そこで大きなパーティーがあるとかで顔を出すってことだった。
私は着いたとたん、大きなパーティーにはしゃいでしまって。
あまりに大きなパーティーだったからね。
噴水がワインだったり、魔法できらきらした光が降りそそいだり、虹が架かったりしていたんだ。
子犬がはしゃぐにはうってつけの舞台だよ。
最初こそおとなしくパーティーを楽しんでたんだけどね。
次第に侯爵邸自体に興味が湧いてきて、探検に出かけたんだ。
小さな子犬がこそこそと館の中を探検して回るんだ。
王宮とは違った雰囲気の館にパーティーで忙しそうな使用人たちは活気があって凄くワクワクしたよ。
厨房に入って忙しく動き回る人を見ていたんだが、横にシャンパングラスをタワーみたいに高く積み上げている一団が居て、私は何を思ったか、いや、出来心でちょっとびっくりさせたらどうなるかな?と思って。
吠えて見せた。「きゃん!!!」と。
思いきり大きな声で。
それに驚いた使用人たちは、シャンパングラスを持つ手を滑らせて、あとはもうガシャガシャガシャンと雪崩のように見事に全部粉々になって。
使用人たちの視線は僕に注がれた。
僕は慌てて逃げだして、逃げ転げまわっているうちに、ラフィの居た離れについたんだ。
そこで私は、運命に出会った。
王宮ではメイドたちが慌ただしくバタバタと走り回り王子を探している。
ふふふ!
絶対見つからないよ!
僕は隠れるのが得意なんだから!
僕はフニフニの柔らかい肉球を上手に使って足音を立てず逃げ回る。
ふふふ!誰もばれてない!
私は、小さなころ、ほんの3か月ぐらいの頃からかなり活発な子犬だった。
成長が早い獣人と言えど、まだほんの小さな子供だったけれど、沢山脱走をして、沢山悪戯をしていた。
興味があったんだ、外の世界に。
王宮は広すぎて、どれだけ探検したってしたりない、走っても走っても行き止まりにはならない。
毎日毎日新しい発見で、とても楽しかった。
新しい美しいもの、ちょっと怖い置物なんてのもあって、探検には最適な場所だったかもね。
「シリウス?あなた今日も脱走したそうね?」
母上は咎めるような、口調とは裏腹に顔は楽しそうだ。
鳥の獣人の母は王国一の歌声と言われた声で楽しそうに笑う。
「こらこらユウラスあんまり調子に乗せてはだめだよ?
メイドは走りまわされて大変らしいんだから。
シリウス、せめて探検に行くと言ってから探検しなさい。」
父上は注意したんだかしてないんだか分からないことを言う。
父は私と同じ黒い犬の獣人。
この王国を作った始祖様と同じ黒と紫を受け継ぐものだけが王になれる。
私は、子供の姿に戻ってお肉を口いっぱいにほおばっていた。
生まれた時から黒髪に紫の瞳、その時から私が王になることは決まっていた。
実際に兄弟はいたが、色を受け継いでいないものに王になることは出来ない。
違う毛色で生まれた時点で、兄弟たちにはそもそも王位継承権は無い。
こうして父と母と食事をする時も、私は自然と上座父の隣だ。
だからだろうか、私は他の兄弟たちとの間に溝を感じていた。
5人も兄弟がいたのに、親しいものは居なかったように思う。
だからと寂しかったなどと、自分の生い立ちに文句を言えることなど出来ないほどに私は明らかに恵まれていた。
それがまた私の孤独を募らせた。
同じ立場が居ない身では、愚痴の一つも言えやしない。
そんな、まだ小さな私では名前にもできない寂しいだとか、孤独だとか言うものをすべて新しい好奇心で満たしていた。
ある日、私は父の仕事ひっそり付いて行って、王宮の外に出て見ようと計画した。
凄く壮大な計画だ。
ドキドキした。
何日も前から計画書を作ったりして。
王宮脱走大作戦なんて銘打ってね。
そして計画は決行された。
かなりうまくいったよ。
本当に、出来るだけ小さくなろうとして、目立たないように子犬に変化したんだ。
獣人の血が濃くて力が濃い人間は、獣化することができる。
小さい時からこれが出来るのは、王族ならではかな?
得意の肉球で足音を消す歩き方で、見事馬車に潜り込んだ。
父上の向かった先は、スフィアリム侯爵邸、そこで大きなパーティーがあるとかで顔を出すってことだった。
私は着いたとたん、大きなパーティーにはしゃいでしまって。
あまりに大きなパーティーだったからね。
噴水がワインだったり、魔法できらきらした光が降りそそいだり、虹が架かったりしていたんだ。
子犬がはしゃぐにはうってつけの舞台だよ。
最初こそおとなしくパーティーを楽しんでたんだけどね。
次第に侯爵邸自体に興味が湧いてきて、探検に出かけたんだ。
小さな子犬がこそこそと館の中を探検して回るんだ。
王宮とは違った雰囲気の館にパーティーで忙しそうな使用人たちは活気があって凄くワクワクしたよ。
厨房に入って忙しく動き回る人を見ていたんだが、横にシャンパングラスをタワーみたいに高く積み上げている一団が居て、私は何を思ったか、いや、出来心でちょっとびっくりさせたらどうなるかな?と思って。
吠えて見せた。「きゃん!!!」と。
思いきり大きな声で。
それに驚いた使用人たちは、シャンパングラスを持つ手を滑らせて、あとはもうガシャガシャガシャンと雪崩のように見事に全部粉々になって。
使用人たちの視線は僕に注がれた。
僕は慌てて逃げだして、逃げ転げまわっているうちに、ラフィの居た離れについたんだ。
そこで私は、運命に出会った。
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