シニカル ショート ストーリーズ

直木俊

文字の大きさ
3 / 99

笑いあり涙あり

しおりを挟む
あらゆる生物の中でも人間だけが涙を流す。


涙を流す理由は、悲しみ、感動、喜び、など多岐にわたっているが、どれもに共通するのは、心を揺さぶられた後の、胸の内から湧き出る、自分ではコントロール出来ない感情の結果ということだ。

その自分ではコントロール出来ない感情とは、一体どこから来るのか?
それは人間だけが持つと言われる「魂」であり、人間だけが涙を流して泣くという根拠になるのではないだろうか?

話が変わるが、人類が昔から大量虐殺している生き物がいる。
ゴキブリである。
もし、ゴキブリが涙を流して、喜んだり悲しんだりする生物なら、あなたは殺虫剤でゴキブリを殺せるだろうか?

牛や豚、鳥はどうだろうか?
全人類がビーガンになるだろう。
もし、植物も涙を流すとなると、ビーガンも餓死するだろう。

人が人肉をたべると、プリオン病という不治の病になるという。
しかし、涙にはその病原菌を中和する成分がある。(※1)
抜き差しならない状況なら致し方なしと、人類が、どんな状況でも生き延びてきた理由がここにある。

最近、涙を流さず多くの人を殺す、テロリストがはびこっている。
テロリストはなくそうとするほど、強くなるゴキブリのような性質がある。
涙も魂もないような、彼らのような人間をなんとかしなければ、人類もいよいよ終焉に向かっていくであろう。

もう一つ、人間だけが有するものに笑いがある。


涙のないテロリストでさえ、腹の底から笑わすことができれば、無差別殺人は無くなり、人類の未来は明るく開けるであろう。

なぜなら、笑いには人の心の病みをリセットしてくれる力があるのだ。(※2)


※1
出典:直木俊 (1990)カンバリズムのススメ
 
※2
出典:直木俊 (1998)ワッショイ!ど根性。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

女帝の遺志(第二部)-篠崎沙也加と女子プロレスラーたちの物語

kazu106
大衆娯楽
勢いを増す、ブレバリーズ女子部と、直美。 率いる沙也加は、自信の夢であった帝プロマット参戦を直美に託し、本格的に動き出す。 一方、不振にあえぐ男子部にあって唯一、気を吐こうとする修平。 己を見つめ直すために、女子部への入部を決意する。 が、そこでは現実を知らされ、苦難の道を歩むことになる。 志桜里らの励ましを受けつつ、ひたすら練習をつづける。 遂に直美の帝プロ参戦が、現実なものとなる。 その壮行試合、沙也加はなんと、直美の相手に修平を選んだのであった。 しかし同時に、ブレバリーズには暗い影もまた、歩み寄って来ていた。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

百の話を語り終えたなら

コテット
ホラー
「百の怪談を語り終えると、なにが起こるか——ご存じですか?」 これは、ある町に住む“記録係”が集め続けた百の怪談をめぐる物語。 誰もが語りたがらない話。語った者が姿を消した話。語られていないはずの話。 日常の隙間に、確かに存在した恐怖が静かに記録されていく。 そして百話目の夜、最後の“語り手”の正体が暴かれるとき—— あなたは、もう後戻りできない。 ■1話完結の百物語形式 ■じわじわ滲む怪異と、ラストで背筋が凍るオチ ■後半から“語られていない怪談”が増えはじめる違和感 最後の一話を読んだとき、

今日の怖い話

海藤日本
ホラー
出来るだけ毎日怖い話やゾッとする話を投稿します。 一話完結です。暇潰しにどうぞ!

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...