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マニュキュア殺人事件〜事件は現場で起こった〜
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仕事が終わり、翔太が家のマンションに帰宅したのは、ちょうど7時すぎだった。
鍵を開けると、玄関に妻の明美が血を流して倒れていた。
すぐに警察を呼び、現場検証が行われた。ベランダの窓は内側から鍵がかけられており、密室の完全犯罪だった。死亡推定時刻は6時前後。翔太の仕事が終わった頃だ。
迷宮入りしそうな事件の為、佐々木小五郎探偵が現場に呼ばれた。彼は、どんな難事件もたちどころに解決する名探偵なのだ。彼は、長年の勘ですぐに現場の違和感を指摘した。
「ガイシャの指先を見てみなさい。」
現場の巡査が答えた。
「はっ!きれいなマニュキュアですね。」
「そうではない。何か感じないかね?」
実は、小五郎探偵は、いつも思い付きで適当な指摘をして、人に何か答えさして、たまたま偶然で解決していく、超テキトウな探偵だったのだ。今回も、そうそう、うまくいくのであろうか?
「ナイフで刺される際、抵抗していないという事でありますか?」
「そりゃ。ありきたりの推理だな。もっと良く見てみろ!」
「はっ!これは、もしや。。。」チャカチャーン!!(心の効果音)
巡査も刑事ドラマの見過ぎで、ついつい、それっぽいセリフをいう癖があるのだ。
「そうだ!その、もしかだ!早速、取り掛かれ!」
巡査は、何をして良いか分からず、気が動転してめまいがひどい。倒れそうになり、たまたま前にいた夫の翔太の手首を、思わずつかんでしまった。
「すいません!!こんなに早くばれるとは思いませんでした!」
小五郎探偵も巡査も、何が何だか訳が分からないが、結果オーライ! 自白が何よりも大事な世界なのだ。
「今回の事件は、私には少々やさしすぎたようだな!」
小五郎探偵は、またもや難事件を解決した。だが、きれいなマニュキュアと殺人がどう関係するのか、彼にはサッパリ分からない。
「今晩も、悪の闇が俺を眠らせてくれそうにないな。」
渋い表情で一言いい残し、トレンチコートのエリを立てながら、哀愁のある背中は漆黒の寒空へ消えていった。
その晩、焼酎片手に柿ピーを食べながら、お笑い番組を見て馬鹿笑いをしている小五郎を、お礼に訪れた巡査が目撃した。
鍵を開けると、玄関に妻の明美が血を流して倒れていた。
すぐに警察を呼び、現場検証が行われた。ベランダの窓は内側から鍵がかけられており、密室の完全犯罪だった。死亡推定時刻は6時前後。翔太の仕事が終わった頃だ。
迷宮入りしそうな事件の為、佐々木小五郎探偵が現場に呼ばれた。彼は、どんな難事件もたちどころに解決する名探偵なのだ。彼は、長年の勘ですぐに現場の違和感を指摘した。
「ガイシャの指先を見てみなさい。」
現場の巡査が答えた。
「はっ!きれいなマニュキュアですね。」
「そうではない。何か感じないかね?」
実は、小五郎探偵は、いつも思い付きで適当な指摘をして、人に何か答えさして、たまたま偶然で解決していく、超テキトウな探偵だったのだ。今回も、そうそう、うまくいくのであろうか?
「ナイフで刺される際、抵抗していないという事でありますか?」
「そりゃ。ありきたりの推理だな。もっと良く見てみろ!」
「はっ!これは、もしや。。。」チャカチャーン!!(心の効果音)
巡査も刑事ドラマの見過ぎで、ついつい、それっぽいセリフをいう癖があるのだ。
「そうだ!その、もしかだ!早速、取り掛かれ!」
巡査は、何をして良いか分からず、気が動転してめまいがひどい。倒れそうになり、たまたま前にいた夫の翔太の手首を、思わずつかんでしまった。
「すいません!!こんなに早くばれるとは思いませんでした!」
小五郎探偵も巡査も、何が何だか訳が分からないが、結果オーライ! 自白が何よりも大事な世界なのだ。
「今回の事件は、私には少々やさしすぎたようだな!」
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「今晩も、悪の闇が俺を眠らせてくれそうにないな。」
渋い表情で一言いい残し、トレンチコートのエリを立てながら、哀愁のある背中は漆黒の寒空へ消えていった。
その晩、焼酎片手に柿ピーを食べながら、お笑い番組を見て馬鹿笑いをしている小五郎を、お礼に訪れた巡査が目撃した。
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