シニカル ショート ストーリーズ

直木俊

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勇者イシルの異世界からの転生伝説

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イシルが目覚めると、そこは異世界だった。
「そうだ。私は転生したのだ!あの世界から!」

よくよく、イシルが目を凝らすと、そこは、「伊勢海」だった。
丁度、三重県の所の窪んだ場所の海の所だ。

そして、考えてみれば、転生したのではなく、酔っ払って、つまずいて、転倒したけど、なんとか生きていたという事だった。

そして、あの世界とは、一杯飲み屋「新世界」の事だったのだ。

しかも、彼の名前は、イシルではなく石井だった。

「あの飲み屋の親父、酒にエタノールでも混ぜてるんとちゃうか!」

石井は、自分の失態を、飲み屋の親父のせいにして、ごまかそうとしていた。

「本当に、この世は油断もスキもあったもんじゃない。」

ぶつぶつ言いながら、家に帰ろうとタクシーをさがしていると、怪しい男が近づいてきた。

「おまえの魂と引き換えに、何でも願いをひとつ聞いてやる。」

「俺の魂?いいだろう。サタンよ。それでは俺から不可能を無くしてくれ。」

「は?もう一回言うぞ!おまえの財布と引き換えに、何とか命は勘弁してやる。それに俺はサタンでなく、佐竹だぞ!」

石井は、勇敢にもサタンに立ち向かおうと、セリフをすべて聞く前に、目にも止まらぬ早業で聖剣を抜いた。
「俺から、財布を奪おうなど10年早いわ!!」
しかし、聖剣だと思ったのは、財布だった。

「見かけによらず、素直じゃないか。」

石井の目から涙が止まらない。
「クッ!不覚にも、俺としたことが!」

しかし、彼は諦めていなかった。起死回生の必殺技を繰り出した!
「サクリファイスチャージ!!」

「ドーン!!!」
「おい!おっさん!邪魔やで!!道の真ん中で。」

勇者イシルは、雪の中、力尽き、倒れた。。。

もう、絶体絶命かと思われたその時、異世界から何者かが、現れた!
「おい!おっさん!勘定まだ払ってないやろ!警察呼ぶで!!」
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