賭けで付き合った2人の結末は…

しあ

文字の大きさ
7 / 22

ルシオ視点 1

しおりを挟む



あの女、マジで一発殴っておけば良かった!
いや、流石に女に手を出すとか本気でしねぇけど、マジで手が出るほどムカつく!


あの女のせいでリディアから初めてデートに誘われた日にリディアに会えなかったし、なんなら一緒にいるところ見られてるとか本当に最悪過ぎる。
極めつけに俺とあの女が付き合ってると本気で思われてるとか…マジで泣きたい。


いや、わかる。わかってる。リディアにそういう風に思わせてしまったのは今までの俺の不誠実な行動のせいだってわかってる。
分かってるからこそ腹立たしい。あの女はもちろんだけど、それ以上に今までリディアを蔑ろにしてきた俺自身に。


マジで3ヶ月前の俺をぶん殴りたいし、眠いとか言う理由で自分から誘ってドタキャンした俺も全員殴り飛ばしたい。
んでもって、別れて欲しいと言われたあの日にリディアへの気持ちに気付いたマヌケすぎる俺を完膚無きまでに殴り倒して地面に埋めたい。


知ってたけど、俺ってホント最低な男じゃん…。
なんでこんな真面目で素直でいい子で賭けしようと思ったんだよ俺。最低過ぎだろ。


賭けだって、暇な時によくやるやつで、いつもはノリの軽そうな子と何ヶ月付き合えるかとかやってたやつだった。
その時点でやってる事マジでクソなんだけど、その時の俺は楽しければなんでもいいや、くらいにしか思っていなかった。


相手だってそれなりに楽しんでたし、なんなら本気で好かれることもよくあった。
自慢じゃないけど、俺は結構モテる方だから、女の子自身も賭けの遊びだって分かってて告白にOKしてくる事も多かった。んでもって、付き合ってる期間に本気で俺に好かれようとか頑張ってる子も多かった。ま、期間が終わったら即別れたし、付き合った子達に特別な感情なんて抱いたことは無かった。


今回だって、きっといつもと同じで期間が終われば即バイバイって思ってた。


賭けでリディアを選んだのは本当にただの気まぐれ。
いつも軽い子ばっかだったから、たまには真面目な子でもって探していた時に偶然近くを通ったからってのが理由。
多分遊びとかじゃないと絶対話しかけないし関わらないタイプ、だけどそれが面白そうだった。


ああいう真面目なタイプは、きっと突然「好きだから付き合って」と言ったとしても、初対面で何言ってんの?って断わられるのがオチだろうと思ったから、正直に賭けをしてることを伝えた。
ただの暇つぶしの遊びと言っても、やるからには負けるなんて嫌だから、相手にもメリットがあるのだとアピールしてみた。そしたら案外あっさりと頷いてくれたから、心の中でガッツポーズをした。


告白が成功して付き合う事になった時は、真面目そうだしきっと一緒にいて退屈なんだろうなと思った。
だけどそれはいい意味で裏切られた。


一緒にいてリディアから話してくる事はあまりなかったけど、こっちの話は真面目に聞いてくれるし、話の腰を折ったりせず相槌を打ったり話を広げて俺が話しやすいように絶妙な返しをしてくる。
今までの子達は自分の話ばかりを一方的にして、俺が適当に流してたら「聞いてる?」とか、「どう思う?」とか言ってきて鬱陶しい思いをよくしていた。


だけどリディアとはそういうことがなく、話しやすかった。
それに、なにも話していない時も、何故か気まずさとかはなく自然体のままでいられて楽だった。


付き合う代わりに奢ると言ったランチの時は、少し申し訳そうにしながらも、食べる時はこっちのことを全く気にせず料理に集中していつも美味しそうに最後まで綺麗に食べる姿も好印象だった。
親がやってる飲食店のシェフを幼い頃から見ていた影響もあってか、食事そっちのけで喋り倒した挙句、あまり手を付けずに残す人間は好きになれなかったのもあって、余計に彼女と一緒に食事をするのは嫌じゃなかった。
最初は食事に付き合って、そのうち金だけ渡そうと思っていたのに、気付けば毎日一緒に食事していた。


勉強を教える時は、最初から分からないと聞いてくるのではなく、考えに考えて調べに調べてそれでも分からなかった時だけしか聞いてこない。だから俺もリディアの隣で課題に集中出来て悪くない時間だった。
それに、分からなかった所を教えて解けた時の嬉しそうな顔は、素直に可愛いと思った。多分、今まで見てきた女の子の笑顔の中で1番可愛かった。


そんなリディアと過ごしているうちに、いつの間にか彼女と一緒にいることが心地良いと思うようになった。
女の子とずっと一緒にいて心地良いなんて思うことなんて今までなかったから、正直自分がリディアに対して心を許していることに驚いた。だけど、リディアなら別にいいかと思う自分も確かにいた。


しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

【完結】見えてますよ!

ユユ
恋愛
“何故” 私の婚約者が彼だと分かると、第一声はソレだった。 美少女でもなければ醜くもなく。 優秀でもなければ出来損ないでもなく。 高貴でも無ければ下位貴族でもない。 富豪でなければ貧乏でもない。 中の中。 自己主張も存在感もない私は貴族達の中では透明人間のようだった。 唯一認識されるのは婚約者と社交に出る時。 そしてあの言葉が聞こえてくる。 見目麗しく優秀な彼の横に並ぶ私を蔑む令嬢達。 私はずっと願っていた。彼に婚約を解消して欲しいと。 ある日いき過ぎた嫌がらせがきっかけで、見えるようになる。 ★注意★ ・閑話にはR18要素を含みます。  読まなくても大丈夫です。 ・作り話です。 ・合わない方はご退出願います。 ・完結しています。

冷徹公に嫁いだ可哀想なお姫様

さくたろう
恋愛
 役立たずだと家族から虐げられている半身不随の姫アンジェリカ。味方になってくれるのは従兄弟のノースだけだった。  ある日、姉のジュリエッタの代わりに大陸の覇者、冷徹公の異名を持つ王マイロ・カースに嫁ぐことになる。  恐ろしくて震えるアンジェリカだが、マイロは想像よりもはるかに優しい人だった。アンジェリカはマイロに心を開いていき、マイロもまた、心が美しいアンジェリカに癒されていく。 ※小説家になろう様にも掲載しています いつか設定を少し変えて、長編にしたいなぁと思っているお話ですが、ひとまず短編のまま投稿しました。

【完結】地味な私と公爵様

ベル
恋愛
ラエル公爵。この学園でこの名を知らない人はいないでしょう。 端正な顔立ちに甘く低い声、時折見せる少年のような笑顔。誰もがその美しさに魅了され、女性なら誰もがラエル様との結婚を夢見てしまう。 そんな方が、平凡...いや、かなり地味で目立たない伯爵令嬢である私の婚約者だなんて一体誰が信じるでしょうか。 ...正直私も信じていません。 ラエル様が、私を溺愛しているなんて。 きっと、きっと、夢に違いありません。 お読みいただきありがとうございます。短編のつもりで書き始めましたが、意外と話が増えて長編に変更し、無事完結しました(*´-`)

私が、良いと言ってくれるので結婚します

あべ鈴峰
恋愛
幼馴染のクリスと比較されて悲しい思いをしていたロアンヌだったが、突然現れたレグール様のプロポーズに 初対面なのに結婚を決意する。 しかし、その事を良く思わないクリスが・・。

【完結】公爵子息は私のことをずっと好いていたようです

果実果音
恋愛
私はしがない伯爵令嬢だけれど、両親同士が仲が良いということもあって、公爵子息であるラディネリアン・コールズ様と婚約関係にある。 幸い、小さい頃から話があったので、意地悪な元婚約者がいるわけでもなく、普通に婚約関係を続けている。それに、ラディネリアン様の両親はどちらも私を可愛がってくださっているし、幸せな方であると思う。 ただ、どうも好かれているということは無さそうだ。 月に数回ある顔合わせの時でさえ、仏頂面だ。 パーティではなんの関係もない令嬢にだって笑顔を作るのに.....。 これでは、結婚した後は別居かしら。 お父様とお母様はとても仲が良くて、憧れていた。もちろん、ラディネリアン様の両親も。 だから、ちょっと、別居になるのは悲しいかな。なんて、私のわがままかしらね。

記憶を無くした、悪役令嬢マリーの奇跡の愛

三色団子
恋愛
豪奢な天蓋付きベッドの中だった。薬品の匂いと、微かに薔薇の香りが混ざり合う、慣れない空間。 ​「……ここは?」 ​か細く漏れた声は、まるで他人のもののようだった。喉が渇いてたまらない。 ​顔を上げようとすると、ずきりとした痛みが後頭部を襲い、思わず呻く。その拍子に、自分の指先に視線が落ちた。驚くほどきめ細やかで、手入れの行き届いた指。まるで象牙細工のように完璧だが、酷く見覚えがない。 ​私は一体、誰なのだろう?

狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します

ちより
恋愛
 侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。  愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。  頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。  公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。

十年越しの幼馴染は今や冷徹な国王でした

柴田はつみ
恋愛
侯爵令嬢エラナは、父親の命令で突然、10歳年上の国王アレンと結婚することに。 幼馴染みだったものの、年の差と疎遠だった期間のせいですっかり他人行儀な二人の新婚生活は、どこかギクシャクしていました。エラナは国王の冷たい態度に心を閉ざし、離婚を決意します。 そんなある日、国王と聖女マリアが親密に話している姿を頻繁に目撃したエラナは、二人の関係を不審に思い始めます。 護衛騎士レオナルドの協力を得て真相を突き止めることにしますが、逆に国王からはレオナルドとの仲を疑われてしまい、事態は思わぬ方向に進んでいきます。

処理中です...