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ルシオ視点 1
しおりを挟むあの女、マジで一発殴っておけば良かった!
いや、流石に女に手を出すとか本気でしねぇけど、マジで手が出るほどムカつく!
あの女のせいでリディアから初めてデートに誘われた日にリディアに会えなかったし、なんなら一緒にいるところ見られてるとか本当に最悪過ぎる。
極めつけに俺とあの女が付き合ってると本気で思われてるとか…マジで泣きたい。
いや、わかる。わかってる。リディアにそういう風に思わせてしまったのは今までの俺の不誠実な行動のせいだってわかってる。
分かってるからこそ腹立たしい。あの女はもちろんだけど、それ以上に今までリディアを蔑ろにしてきた俺自身に。
マジで3ヶ月前の俺をぶん殴りたいし、眠いとか言う理由で自分から誘ってドタキャンした俺も全員殴り飛ばしたい。
んでもって、別れて欲しいと言われたあの日にリディアへの気持ちに気付いたマヌケすぎる俺を完膚無きまでに殴り倒して地面に埋めたい。
知ってたけど、俺ってホント最低な男じゃん…。
なんでこんな真面目で素直でいい子で賭けしようと思ったんだよ俺。最低過ぎだろ。
賭けだって、暇な時によくやるやつで、いつもはノリの軽そうな子と何ヶ月付き合えるかとかやってたやつだった。
その時点でやってる事マジでクソなんだけど、その時の俺は楽しければなんでもいいや、くらいにしか思っていなかった。
相手だってそれなりに楽しんでたし、なんなら本気で好かれることもよくあった。
自慢じゃないけど、俺は結構モテる方だから、女の子自身も賭けの遊びだって分かってて告白にOKしてくる事も多かった。んでもって、付き合ってる期間に本気で俺に好かれようとか頑張ってる子も多かった。ま、期間が終わったら即別れたし、付き合った子達に特別な感情なんて抱いたことは無かった。
今回だって、きっといつもと同じで期間が終われば即バイバイって思ってた。
賭けでリディアを選んだのは本当にただの気まぐれ。
いつも軽い子ばっかだったから、たまには真面目な子でもって探していた時に偶然近くを通ったからってのが理由。
多分遊びとかじゃないと絶対話しかけないし関わらないタイプ、だけどそれが面白そうだった。
ああいう真面目なタイプは、きっと突然「好きだから付き合って」と言ったとしても、初対面で何言ってんの?って断わられるのがオチだろうと思ったから、正直に賭けをしてることを伝えた。
ただの暇つぶしの遊びと言っても、やるからには負けるなんて嫌だから、相手にもメリットがあるのだとアピールしてみた。そしたら案外あっさりと頷いてくれたから、心の中でガッツポーズをした。
告白が成功して付き合う事になった時は、真面目そうだしきっと一緒にいて退屈なんだろうなと思った。
だけどそれはいい意味で裏切られた。
一緒にいてリディアから話してくる事はあまりなかったけど、こっちの話は真面目に聞いてくれるし、話の腰を折ったりせず相槌を打ったり話を広げて俺が話しやすいように絶妙な返しをしてくる。
今までの子達は自分の話ばかりを一方的にして、俺が適当に流してたら「聞いてる?」とか、「どう思う?」とか言ってきて鬱陶しい思いをよくしていた。
だけどリディアとはそういうことがなく、話しやすかった。
それに、なにも話していない時も、何故か気まずさとかはなく自然体のままでいられて楽だった。
付き合う代わりに奢ると言ったランチの時は、少し申し訳そうにしながらも、食べる時はこっちのことを全く気にせず料理に集中していつも美味しそうに最後まで綺麗に食べる姿も好印象だった。
親がやってる飲食店のシェフを幼い頃から見ていた影響もあってか、食事そっちのけで喋り倒した挙句、あまり手を付けずに残す人間は好きになれなかったのもあって、余計に彼女と一緒に食事をするのは嫌じゃなかった。
最初は食事に付き合って、そのうち金だけ渡そうと思っていたのに、気付けば毎日一緒に食事していた。
勉強を教える時は、最初から分からないと聞いてくるのではなく、考えに考えて調べに調べてそれでも分からなかった時だけしか聞いてこない。だから俺もリディアの隣で課題に集中出来て悪くない時間だった。
それに、分からなかった所を教えて解けた時の嬉しそうな顔は、素直に可愛いと思った。多分、今まで見てきた女の子の笑顔の中で1番可愛かった。
そんなリディアと過ごしているうちに、いつの間にか彼女と一緒にいることが心地良いと思うようになった。
女の子とずっと一緒にいて心地良いなんて思うことなんて今までなかったから、正直自分がリディアに対して心を許していることに驚いた。だけど、リディアなら別にいいかと思う自分も確かにいた。
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