平和への使者

Daisaku

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フランス

42話 留学と住まい

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大きな政府の飛行機をまるで、プライベートジェット機のように乗り、快適なフライトを
マリの両親は楽しんでいた。

「いやあ、エリ、すごいよな。この飛行機は座席だけでなく、いろいろな部屋もあって」

「もう、やめて、あなた、すごいよなをもう30回は言ってるわよ」

「すまん、すまん、こんな経験、生まれて初めてなもんだから、浮かれてしまっているよ。
それにしても、こんな短期間にこの飛行機といい、さっき聞いた、留学先の学校や、住まいなど、よく準備できたものだ」

「たしかにすごいわね。ただ、寮が空くまで、近くのホテル暮らしをさせてくれるなんて、大丈夫かしら」

「まあ、だいじょうぶだろう。しかし、知らなかったな。マリが飛島のお母さんからフランス語を習っていたなんて」

「私もさっき聞いて驚いたわ。でもお母さんはマリとの時間には、絶対に私達に口出しをさせなかったものね」

「そうだな。とにかくすごい方だったと心底思うよ」

そんな時間を過ごしながら、パリに到着した。パリの時間で13時を少し過ぎていた。

「それでは、外の車に乗車いただき、予定通り、14時~15時30分留学先のヘンリ高校に行き、その後、マリさんがしばらく宿泊するワシントンホテルに行き、解散となります。」

そして、飛行機の前に駐車しているワゴンに松田葉子の運転で出発した。マリも初めて車で走るフランスの景色に見とれてしまい、自分の使命を忘れてしまいそうだった。

「ユウキくん、本当、きれいよね」

「そうだね。この国は世界でも有名な歴史的建造物やストリートがあるからね」

パリの中心地から数キロ離れた、ヘンリ高校に到着した。
到着後、学校の職員が一人待機しており、飛島家族とユウキを学校内を案内してくれた。
建物は新しい校舎も古い校舎もまるで、お城や貴族の館みたいな造りでその美しさにマリや両親は圧倒された。

「急な留学ですが、こちらがこれから通う校舎になります。なにかあれば、担当の職員がいますから、聞いてください。日本と違って職員室はありませんから、担当の職員はベルティーユといいますので、そちらの個人室に授業以外はいると思います。」

しばらく、中庭や外回りを歩いていると

「あの~中庭でたばこ吸っている人がいますけど、大丈夫ですか?」

マリはびっくりして質問した。

「たばこがどうしましたか?」

「高校生が学校で吸っていいんですか」

「あ~、フランスでは特に法的な喫煙の年齢制限はありませんので、問題ありませんよ」

「お酒は最近16歳から18歳になりましたけど、学校内では飲んではいけません」

そして、建物内に入っていった。

「こちらが、教室になります。各科目ごとに、移動したりします」

「学校は始業と終業は何時ぐらいですか?」

「水曜日と土曜日は午前中で、その他は8時45分~18時までです。」

「部活はありますか?」

「部活動は存在しません。水曜日や土曜日など地域の活動などに参加する形です」

「それと、こちらが食堂、それと向こうの建物内に図書館や、美術館があります。マリさんは絵が好きだと聞いておりますので、美術館内にあるアトリエで絵を描くことができます」

1時間以上をかけて、学校を人通り案内してもらった。そこでマリの母エリが

「ユウキくん、留学はたしかマリの武道ですることになったと思うんだけど、この学校には部活がないし、どういうことなのかしら」

「はい、マリさんは学校ではなくて、パリの警察や軍関係者がなどが多く活動している武道会に正式なコーチとして、呼ばれたようです。もちろん高校生もいます」

「そうなの?そんな大人達が集まるところで、マリがコーチなんて務まるのかしら?」

「全く問題ありませんよ」

「なんか、学校よりそっちの方が心配だわ」

「心配されなくても、マリさんはおばあちゃんに鍛えられていて、とても強いですから」

「ねえ、あなた、明日から二日間はパリで観光する予定だったけど、わたし、そのコーチをする武道会のことがどうしても心配だわ」

「そうだな、時間があえば、見学させてもらおうか」

マリとユウキは困った顔をした。

「松田さん、今日は予定していなかったから、無理だろうけど、できれば明日、あさってのうちに一度見学したいんだけど」

「わかりました。あとで調べて、マリさんからでも連絡してもらいます」

「ありがとう」

エリはマリのことが心配のため、どうしても危険な武道会を見ておきたかった。

「それでは、次に宿泊先のホテルまで行きます」

高校を後にして、マリが宿泊するホテルに向かった。高校から車で5分ぐらいのところだ。

「また、豪華な建物だな」

「松田さん、本当にこんなところに宿泊させてもらっていいのかしら」

譲二やエリはお金のこと、マリ一人で住むことが心配でならなかった。

「はい、大丈夫です。それと、私もしばらく、マリさんの生活のサポートのため同じホテルに宿泊していますから、ご安心ください。」

「え、松田さんがマリと一緒にいてくれるんですか。お仕事など大丈夫なんですか」

「はい、これも仕事ですから、全く問題ありません」

そう松田葉子が話しているのをマリはビックリした顔で見つめていた。

「なんだ~、松田さんがいてくれるなら、安心だな」

「はい、お任せください。それと、ユウキさんは道路向かいの別のホテルに宿泊しますから、ご安心ください」

エリと譲二は先ほどまで、マリが心配だったが葉子がいてくれると聞いた途端、ホットした顔になった。

「じゃあ、マリ、私達はパリの中心街のホテルに今日は泊まるから、松田さんのいうことをよく聞いて、学校がんばれよ」

「うん、ありがとう、お父さんとお母さんも旅行楽しんでね」

そう言って、エリと譲二はホテル前に迎えに来てくれた車に乗り込んでいった。
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