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暗躍組織
77話 暗躍組織の影
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情報局に、瞬間移動で戻ってきたマリ達は初仕事がおわり、住居棟の食堂レストランで
いつものようにベータの作ったおいしいごはんを食べ始めていた。
「ふ~、政府からの初任務が無事完了してよかったよ。これも、イブとユウキのおかげだね」
「そうだね。独立しているとはいえ、政府の組織に入って、いろいろとこの情報局の立ち上げや運営に政府も力を貸してくれたしね」
そんな話の中、イブはなんか、機嫌が悪いようで
「どうしたの?イブ」
「今回、事件が解決して、うれしいのはうれしいんだけど」
「だけど、なに?」
「う~ん、なんか、引っ掛かるんだよね。たしかにあの犯人は実際に切りつけたやつに間違いないんだけど」
「じゃあ~いいじゃない」
「ユウキもおかしいとは思わないのか?」
「たしかに今日の午後から、あっという間に犯人にたどりつき、逮捕まで、できたことはすごいとは思うけど、なんか、犯行をした時の男にしては随分、あっけない、小者だったな」
「そうだ、あれだけ犯行の時は、防犯カメラの位置まで、考えて、ほとんどの犯行がカメラに映らないほど、用心深い奴が、あんな空港のロビーの真ん中の目立つところに座っていて、
まるで、捕まえてくださいと言わんばかりの行動だった。普通なら、カメラに映りずらい柱の陰のイスなど、あそこにも死角は、かなりあったのに・・・」
イブは気になると、とことん追求しないと気が済まない性格で、局から自宅に帰ったはずの、ダニエル中尉に連絡をした、時間は19時を少し回っていた。
「はーい、ダニエルですよ~」
ダニエル達は、土曜日の夜でで初任務が無事に終了したこともあり、パリのBARで
みんなで盛り上がっていた。
「どなたですか。ちょっと、今、手が離せないんですけど~」
電話のむこうから、カミーユの声が聞こえた。
「ダニエル、そんな電話、切っちまえよ。せっかく盛り上がっているところなのによ~」
「は~、これでしばらく、イブさんにも文句言われないし、最高だな~」
「ベルナール、ここではさん、なんてつけるな、イブでいいよイブでよ」
「ハハハハハ」
イブは電話の向こうで陰口をたたいている、チームの奴らにイライラして、
「おい、ダニエル、私はイブだ。あいつらの声もよ~く聞こえたぞ。お前らは、いつも、そうやって、わたしの陰口を言って楽しんでいるのか~」
ダニエルはイブからの電話だとわかり、驚いた様子で
「す、すみません。失礼しました」
「お前たちのことは、よ~くわかった。来週から楽しみだな~おい」
ダニエルは聞かれてはいけないことを聞かれてしまい、急に顔が青くなった。
「ダニエル、お前に聞きたいことがある」
「はい、なんでしょうか?」
「今日は、お前は、防犯カメラの操作をして、状況を逐一、連絡してくれたが、何か、おかしなことはなかったか?」
「おかしなこと?」
「そうだ」
「そうですね。通常通り、政府の承認コードから、空港の防犯カメラの操作に入りましたが、これといって、おかしなことはなかったと思いますが、」
「そうか」
「あ、でも、たいしたことではないですけど、カメラを切り替える時に、すぐ切り替わらずに、まるで、他の誰かが、割り込んで、同じ映像を見ているような感じはありましたけど、ほんの一瞬だったので、気のせいかもしれませんけど」
「やはりな、間違いない、あの犯人を操っている本当の親玉がいると考えて、間違いないな」
「イブさん、そんな奴がいるんですか?」
「お酒のつまみになった、私が、お前達の楽し~い時間を邪魔して悪かったな、みんなにも伝えておいてくれ、来週、お前達に会えることが楽しみだとな」
そう言って、イブは電話を切った。しばらく、考えこんで、
「マリ、食事中だけど、情報棟に戻って、少し調べてくるよ」
マリは、イブの態度が普通でないことを感じ取ると、
「私も一緒に行くよ」
そう言って、ユウキと一緒に情報棟の局長室に戻った。
イブは室内に入ると、すぐにPCを立ち上げ、信じられないようなスピードで、さまざまなところにアクセス行い、10分ぐらいして
「これだ!」
ダニエルとは違うところから、割り込んできた者を特定した。南フランスのモナコ公国にある建物からだった。
「よ~し、この建物にいる親玉を直ちに捕まえてやる。ユウキ瞬間移動だ!」
ユウキはあきれた顔で
「イブ、今日空港からの帰りはタクシーじゃ、かったるいとか言って、マリ経由で、瞬間移動でここに戻ってきたから、今日はもう使えないよ。だから、タクシーで帰ろうと言ったんだ」
イブはチッと言いながら、
「はあ~、肝心な時に使えないな、お前は、モナコじゃ、すぐに行けないしな、まあ、いいだろう、明日は日曜日だ、1日使ってでも、親玉を追いかけて、捕まえるぞ。マリ、ユウキに指示、頼むね」
「いいわよ。もう今日はご飯をしっかり食べて、ゆっくり休んで、明日に備えようよ、本当、イブは普段はのんびりしているくせに、スイッチが入ると、まっしぐらだよね」
「しょうがないでしょ。これが私の性格なんだから」
南フランス、モナコ公国、かつては広い領土もあったが、、フランスに割譲を行い、領土は狭くなり、また、イタリアやドイツなど、さまざまな国に占領されながらも、公国として存在し、、世界でもバチカンに次ぎ、二番目に小さい国として、現在に至る。ここはフランス語を公用語として、昔からフランスとのつながりの強い立憲君主制の国でもある。
「キール、たった今、パリから、一瞬だけど、ここに通信らしきものが入ったわ。もしかしたら、ここがばれたかもしれないわよ」
「まさか、そんなことができる人間がこの世界にいるわけないよ。僕の操作は絶対に足がつかないやり方だからね」
「なら、いいんだけど。でも、あのカンフー少女、やっぱり普通じゃないわよ。組織では使い走りだけど、ナイフの扱いでは上級者のジャックの攻撃を手でつまんで防いじゃうんだから」
「たしかに、あんな技は、とても人間の動きとは思えないね」
「これから、進行する我々の計画に邪魔になるような気がするね」
「じゃ~、早めに消した方がいいんじゃないの」
「そうだな、でも、今はまだ、やめておこう。やつらの組織を調査して、どんな危険があるか、確認してからじゃないとな」
「早めに消さなくちゃいけないのはジャックだ。これからの暗殺計画や我々組織のことを知りすぎているからな。全く、暗殺の腕を磨くために、さまざまな、場所で、あれだけ教育したのに、まさか、それ以外では、あんなにまぬけな奴だとは思わなかったな。もう、あいつはだめだ」
「了解、じゃあ、明日、パリ警察に行って、狩ってくるよ」
「あ~、頼むよ。オズワルド」
「明日のことを考えると興奮して、眠れそうにないよ、キール」
「いつも通り、静かに、そして、1瞬でな」
「わかっている」
満月のこの夜、古くから、続く暗躍組織が少しずつマリ達の元へ近づいてきていた。
いつものようにベータの作ったおいしいごはんを食べ始めていた。
「ふ~、政府からの初任務が無事完了してよかったよ。これも、イブとユウキのおかげだね」
「そうだね。独立しているとはいえ、政府の組織に入って、いろいろとこの情報局の立ち上げや運営に政府も力を貸してくれたしね」
そんな話の中、イブはなんか、機嫌が悪いようで
「どうしたの?イブ」
「今回、事件が解決して、うれしいのはうれしいんだけど」
「だけど、なに?」
「う~ん、なんか、引っ掛かるんだよね。たしかにあの犯人は実際に切りつけたやつに間違いないんだけど」
「じゃあ~いいじゃない」
「ユウキもおかしいとは思わないのか?」
「たしかに今日の午後から、あっという間に犯人にたどりつき、逮捕まで、できたことはすごいとは思うけど、なんか、犯行をした時の男にしては随分、あっけない、小者だったな」
「そうだ、あれだけ犯行の時は、防犯カメラの位置まで、考えて、ほとんどの犯行がカメラに映らないほど、用心深い奴が、あんな空港のロビーの真ん中の目立つところに座っていて、
まるで、捕まえてくださいと言わんばかりの行動だった。普通なら、カメラに映りずらい柱の陰のイスなど、あそこにも死角は、かなりあったのに・・・」
イブは気になると、とことん追求しないと気が済まない性格で、局から自宅に帰ったはずの、ダニエル中尉に連絡をした、時間は19時を少し回っていた。
「はーい、ダニエルですよ~」
ダニエル達は、土曜日の夜でで初任務が無事に終了したこともあり、パリのBARで
みんなで盛り上がっていた。
「どなたですか。ちょっと、今、手が離せないんですけど~」
電話のむこうから、カミーユの声が聞こえた。
「ダニエル、そんな電話、切っちまえよ。せっかく盛り上がっているところなのによ~」
「は~、これでしばらく、イブさんにも文句言われないし、最高だな~」
「ベルナール、ここではさん、なんてつけるな、イブでいいよイブでよ」
「ハハハハハ」
イブは電話の向こうで陰口をたたいている、チームの奴らにイライラして、
「おい、ダニエル、私はイブだ。あいつらの声もよ~く聞こえたぞ。お前らは、いつも、そうやって、わたしの陰口を言って楽しんでいるのか~」
ダニエルはイブからの電話だとわかり、驚いた様子で
「す、すみません。失礼しました」
「お前たちのことは、よ~くわかった。来週から楽しみだな~おい」
ダニエルは聞かれてはいけないことを聞かれてしまい、急に顔が青くなった。
「ダニエル、お前に聞きたいことがある」
「はい、なんでしょうか?」
「今日は、お前は、防犯カメラの操作をして、状況を逐一、連絡してくれたが、何か、おかしなことはなかったか?」
「おかしなこと?」
「そうだ」
「そうですね。通常通り、政府の承認コードから、空港の防犯カメラの操作に入りましたが、これといって、おかしなことはなかったと思いますが、」
「そうか」
「あ、でも、たいしたことではないですけど、カメラを切り替える時に、すぐ切り替わらずに、まるで、他の誰かが、割り込んで、同じ映像を見ているような感じはありましたけど、ほんの一瞬だったので、気のせいかもしれませんけど」
「やはりな、間違いない、あの犯人を操っている本当の親玉がいると考えて、間違いないな」
「イブさん、そんな奴がいるんですか?」
「お酒のつまみになった、私が、お前達の楽し~い時間を邪魔して悪かったな、みんなにも伝えておいてくれ、来週、お前達に会えることが楽しみだとな」
そう言って、イブは電話を切った。しばらく、考えこんで、
「マリ、食事中だけど、情報棟に戻って、少し調べてくるよ」
マリは、イブの態度が普通でないことを感じ取ると、
「私も一緒に行くよ」
そう言って、ユウキと一緒に情報棟の局長室に戻った。
イブは室内に入ると、すぐにPCを立ち上げ、信じられないようなスピードで、さまざまなところにアクセス行い、10分ぐらいして
「これだ!」
ダニエルとは違うところから、割り込んできた者を特定した。南フランスのモナコ公国にある建物からだった。
「よ~し、この建物にいる親玉を直ちに捕まえてやる。ユウキ瞬間移動だ!」
ユウキはあきれた顔で
「イブ、今日空港からの帰りはタクシーじゃ、かったるいとか言って、マリ経由で、瞬間移動でここに戻ってきたから、今日はもう使えないよ。だから、タクシーで帰ろうと言ったんだ」
イブはチッと言いながら、
「はあ~、肝心な時に使えないな、お前は、モナコじゃ、すぐに行けないしな、まあ、いいだろう、明日は日曜日だ、1日使ってでも、親玉を追いかけて、捕まえるぞ。マリ、ユウキに指示、頼むね」
「いいわよ。もう今日はご飯をしっかり食べて、ゆっくり休んで、明日に備えようよ、本当、イブは普段はのんびりしているくせに、スイッチが入ると、まっしぐらだよね」
「しょうがないでしょ。これが私の性格なんだから」
南フランス、モナコ公国、かつては広い領土もあったが、、フランスに割譲を行い、領土は狭くなり、また、イタリアやドイツなど、さまざまな国に占領されながらも、公国として存在し、、世界でもバチカンに次ぎ、二番目に小さい国として、現在に至る。ここはフランス語を公用語として、昔からフランスとのつながりの強い立憲君主制の国でもある。
「キール、たった今、パリから、一瞬だけど、ここに通信らしきものが入ったわ。もしかしたら、ここがばれたかもしれないわよ」
「まさか、そんなことができる人間がこの世界にいるわけないよ。僕の操作は絶対に足がつかないやり方だからね」
「なら、いいんだけど。でも、あのカンフー少女、やっぱり普通じゃないわよ。組織では使い走りだけど、ナイフの扱いでは上級者のジャックの攻撃を手でつまんで防いじゃうんだから」
「たしかに、あんな技は、とても人間の動きとは思えないね」
「これから、進行する我々の計画に邪魔になるような気がするね」
「じゃ~、早めに消した方がいいんじゃないの」
「そうだな、でも、今はまだ、やめておこう。やつらの組織を調査して、どんな危険があるか、確認してからじゃないとな」
「早めに消さなくちゃいけないのはジャックだ。これからの暗殺計画や我々組織のことを知りすぎているからな。全く、暗殺の腕を磨くために、さまざまな、場所で、あれだけ教育したのに、まさか、それ以外では、あんなにまぬけな奴だとは思わなかったな。もう、あいつはだめだ」
「了解、じゃあ、明日、パリ警察に行って、狩ってくるよ」
「あ~、頼むよ。オズワルド」
「明日のことを考えると興奮して、眠れそうにないよ、キール」
「いつも通り、静かに、そして、1瞬でな」
「わかっている」
満月のこの夜、古くから、続く暗躍組織が少しずつマリ達の元へ近づいてきていた。
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