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第1章 異世界転移と旅立ち
第4話 マハシム村到着
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森を抜けると、高さ1メートルほどの柵に囲まれた村が見えてきた。
入り口には槍を持って皮鎧を来た青年が丸太のイスに腰をかけてこっちを見ていたので、声をかけながら近づいて行く。
「こんにちは。おれはヤストと言います。旅をしているのですが、この村に入っても大丈夫ですか?」
笑顔で話しかけて立ち止まると、
「こんにちは。旅人か、ここはマハシム村だ。おれは門番のガイム。それにしても変わった服装だな、村に泊まって行くのかい?」
「出来れば泊まって少しゆっくりしたいと思っていますが、宿屋はありますか?」
「ああ1件だけだがあるぞ、案内してやろう。」
そう言うと、村の事を教えてくれながら並んで歩いた。
マハシム村は人口100名程度の村。宿屋件食事処は1件で武器・防具・雑貨・食料品を扱う雑貨屋が1件、小さいながらも教会もあるそうだ。
「おーい、マールさん」
2階建てで広めの家に入ってガイムが声を上げたら、奥から女性の声が聞こえた。
「なんだい? 夕食の時間はまだだよ。」
「違うよ、お客さんを連れてきたんだよ。」
「あら、珍しいね。私はマール、一泊4,000クローナで朝晩の食事付きなら5,000クローナだよ。後ろに付いて来ている猫ちゃんも部屋を汚さなければ大丈夫だよ。」
「初めましてヤストです。こっちは猫のアリスです。とりあえず食事付きで4日間お願いします。」
おれは自己紹介と2銀貨を支払い、201と木札の付いた鍵を受け取った。
「朝食は6時~8時、夕食は18時~20時の間だよ。今晩はどうする?」
時間の確認をアリスに念話で聞くと、1日24時間で2時間毎に鐘がなるらしい。30日で1ヶ月、10ヶ月で1年とすぐに理解できた。
今はもう16時なので18時に夕食もお願いし、部屋へと階段を上がっていく。
部屋を開けると、何も入っていない棚と机・イス・ガラスの付いていないランプ・セミダブルくらいのベットがある質素ながら清潔感のある部屋だった。
《夕食までもう少しだが雑貨屋に行って服を買おうか。》
(そうですね。その服装は目立ちますし先ずは服を買いましょう。)
そう言いながら、部屋を後にし、マールに鍵を渡すのと同時に雑貨屋の場所を聞いて向かった。
雑貨屋はすぐに近くということもあってすぐに見つかったので、早速入ってみる。
「こんにちは、少し見せて下さい。」
そう言いながら店内を見渡すと、食料品や日用品・洋服がメインで、武器防具が隅の方に置かれていた。
「いらっしゃいませ。見ない顔だね。」
店のカウンターの中から優しそうな女性が話しかけてきた。
「はじめまして。旅人のヤストといいます。この村には来たばかりで、数日はお世話になるつもりです。」
挨拶をしながら、洋服・下着を何点か選びカウンターに持っていく。
「私はマーサ。服を買いに来たのかい?確かに少し変わった格好はしているみたいだけどね。」
「魔物から逃げるときに服とかの入ったカバンを落としてしまって、困っていたのですよ。」
「なるほどね。落としたのならカバンも必要だろう?」
そう言いながら肩から掛けるタイプのカバンを出してきた。
「そうですね。あと武器も買いたいですね。」
店内には、ナイフが3本、ショートソード・ロングソードが2本づつ、槍が3本置いてあるだけで、防具も木の盾が1つ、皮の鎧が一セットくらいだ。
アリスが念話で【魔眼】を使ってみて下さいと話しかけてくるので、【魔眼】とは叫ばずに使ってみる。
ナイフ
ランク E
攻撃力 +5
材質 鉄
一般的な鉄製のナイフ
同じ表示が3本とも出た。
ショートソード
ランク E
攻撃力 +10
材質 鉄
一般的な鉄製のショートソード
ショートソードも同じものだ。
ロングソード
ランク E
攻撃力 +15
材質 鉄
一般的な鉄製のロングソード
槍
ランク E
攻撃力 +15
材質 木材 鉄
一般的な木材と鉄を使った槍
攻撃力まで書いてあるのはゲームみたいだがありがたい。全て一般的と書いてあるが、ランクがいまいち分からないので念話で聞いてみた。
(武器や品物のランクはSランクが最高でA・B・C・D・E・F・Gとなります。一般的な品物はDかEでしょう。粗悪品や欠陥品はF・Gになります。ちなみにSランクは国宝となりえるようなものです。ここはナイフ1本とロングソードか槍を1本買うのをお勧めします。)
《おれは剣が使いやすいかな。》
アリスに念話で答え、地球では中学生の頃に剣道部に所属していたこともありロングソードを選んだ。
「それじゃあ、カバンと服が3点と下着が3点、ナイフとロングソードだね。全部で161,000クローナだが、160,000クローナでいいよ。布の切れ端だけど手ぬぐいも2枚付けとくよ。」
お礼を言いながら、銀貨を16枚渡した。
「まいどあり、何かあったらまた来ておくれ。」
見送られながら宿屋の部屋に戻り早速服を着替える。
《意外に着心地はいいな。アリス、似合っているか?》
(いきなり脱がないで下さい・・・ でも似合っていますよ。)
照れたような顔でこっちを見ながら言ってくれた。
カーン、カーン
鐘の音が聞こえ腕時計で確認すると18時だ、今日は転移で昼ごはんも食べてなかったので、食堂に降りていった。
「今日の夕食は、ボアのステーキだよ。」
目の前に置かれたステーキとパンを見たとたんお腹が鳴り出したので、すぐに食事にした。
(ヤスト・・・ 私にも・・)
美味しかったのもあるが、隣のイスに乗ってこっちを恨めしそうに見ているアリスに全く気付いてなかった。
「マールさん、お皿を一つ貸していただけませんか?猫のアリスにも分けてあげたいのですが。」
マールさんが持ってきてくれたお皿にステーキとパンを切って乗せるとチマチマと可愛く食べていた。
《空腹過ぎて気が回らなかった。すまなかった。 なんでも食べれるのか?》
(大体なんでも食べれますよ。生よりは料理してくれた方が好きです。)
そんな話をしながら、食事を終え、部屋に戻ってきた。
(今日は疲れましたね。クリーンの魔法で身体をキレイにしますから、今日はゆっくり休みましょうか。)
《そうだな、いろいろあって少し疲れた。明日にまた話をしよう。》
そう言いながら、クリーンをかけてもらいキレイになった身体でベットに入ると、あっという間に眠りに落ちた。
異世界1日目はそうして終わった。
ちなみにアリスはこっそり布団に潜り込んで眠っていた。
入り口には槍を持って皮鎧を来た青年が丸太のイスに腰をかけてこっちを見ていたので、声をかけながら近づいて行く。
「こんにちは。おれはヤストと言います。旅をしているのですが、この村に入っても大丈夫ですか?」
笑顔で話しかけて立ち止まると、
「こんにちは。旅人か、ここはマハシム村だ。おれは門番のガイム。それにしても変わった服装だな、村に泊まって行くのかい?」
「出来れば泊まって少しゆっくりしたいと思っていますが、宿屋はありますか?」
「ああ1件だけだがあるぞ、案内してやろう。」
そう言うと、村の事を教えてくれながら並んで歩いた。
マハシム村は人口100名程度の村。宿屋件食事処は1件で武器・防具・雑貨・食料品を扱う雑貨屋が1件、小さいながらも教会もあるそうだ。
「おーい、マールさん」
2階建てで広めの家に入ってガイムが声を上げたら、奥から女性の声が聞こえた。
「なんだい? 夕食の時間はまだだよ。」
「違うよ、お客さんを連れてきたんだよ。」
「あら、珍しいね。私はマール、一泊4,000クローナで朝晩の食事付きなら5,000クローナだよ。後ろに付いて来ている猫ちゃんも部屋を汚さなければ大丈夫だよ。」
「初めましてヤストです。こっちは猫のアリスです。とりあえず食事付きで4日間お願いします。」
おれは自己紹介と2銀貨を支払い、201と木札の付いた鍵を受け取った。
「朝食は6時~8時、夕食は18時~20時の間だよ。今晩はどうする?」
時間の確認をアリスに念話で聞くと、1日24時間で2時間毎に鐘がなるらしい。30日で1ヶ月、10ヶ月で1年とすぐに理解できた。
今はもう16時なので18時に夕食もお願いし、部屋へと階段を上がっていく。
部屋を開けると、何も入っていない棚と机・イス・ガラスの付いていないランプ・セミダブルくらいのベットがある質素ながら清潔感のある部屋だった。
《夕食までもう少しだが雑貨屋に行って服を買おうか。》
(そうですね。その服装は目立ちますし先ずは服を買いましょう。)
そう言いながら、部屋を後にし、マールに鍵を渡すのと同時に雑貨屋の場所を聞いて向かった。
雑貨屋はすぐに近くということもあってすぐに見つかったので、早速入ってみる。
「こんにちは、少し見せて下さい。」
そう言いながら店内を見渡すと、食料品や日用品・洋服がメインで、武器防具が隅の方に置かれていた。
「いらっしゃいませ。見ない顔だね。」
店のカウンターの中から優しそうな女性が話しかけてきた。
「はじめまして。旅人のヤストといいます。この村には来たばかりで、数日はお世話になるつもりです。」
挨拶をしながら、洋服・下着を何点か選びカウンターに持っていく。
「私はマーサ。服を買いに来たのかい?確かに少し変わった格好はしているみたいだけどね。」
「魔物から逃げるときに服とかの入ったカバンを落としてしまって、困っていたのですよ。」
「なるほどね。落としたのならカバンも必要だろう?」
そう言いながら肩から掛けるタイプのカバンを出してきた。
「そうですね。あと武器も買いたいですね。」
店内には、ナイフが3本、ショートソード・ロングソードが2本づつ、槍が3本置いてあるだけで、防具も木の盾が1つ、皮の鎧が一セットくらいだ。
アリスが念話で【魔眼】を使ってみて下さいと話しかけてくるので、【魔眼】とは叫ばずに使ってみる。
ナイフ
ランク E
攻撃力 +5
材質 鉄
一般的な鉄製のナイフ
同じ表示が3本とも出た。
ショートソード
ランク E
攻撃力 +10
材質 鉄
一般的な鉄製のショートソード
ショートソードも同じものだ。
ロングソード
ランク E
攻撃力 +15
材質 鉄
一般的な鉄製のロングソード
槍
ランク E
攻撃力 +15
材質 木材 鉄
一般的な木材と鉄を使った槍
攻撃力まで書いてあるのはゲームみたいだがありがたい。全て一般的と書いてあるが、ランクがいまいち分からないので念話で聞いてみた。
(武器や品物のランクはSランクが最高でA・B・C・D・E・F・Gとなります。一般的な品物はDかEでしょう。粗悪品や欠陥品はF・Gになります。ちなみにSランクは国宝となりえるようなものです。ここはナイフ1本とロングソードか槍を1本買うのをお勧めします。)
《おれは剣が使いやすいかな。》
アリスに念話で答え、地球では中学生の頃に剣道部に所属していたこともありロングソードを選んだ。
「それじゃあ、カバンと服が3点と下着が3点、ナイフとロングソードだね。全部で161,000クローナだが、160,000クローナでいいよ。布の切れ端だけど手ぬぐいも2枚付けとくよ。」
お礼を言いながら、銀貨を16枚渡した。
「まいどあり、何かあったらまた来ておくれ。」
見送られながら宿屋の部屋に戻り早速服を着替える。
《意外に着心地はいいな。アリス、似合っているか?》
(いきなり脱がないで下さい・・・ でも似合っていますよ。)
照れたような顔でこっちを見ながら言ってくれた。
カーン、カーン
鐘の音が聞こえ腕時計で確認すると18時だ、今日は転移で昼ごはんも食べてなかったので、食堂に降りていった。
「今日の夕食は、ボアのステーキだよ。」
目の前に置かれたステーキとパンを見たとたんお腹が鳴り出したので、すぐに食事にした。
(ヤスト・・・ 私にも・・)
美味しかったのもあるが、隣のイスに乗ってこっちを恨めしそうに見ているアリスに全く気付いてなかった。
「マールさん、お皿を一つ貸していただけませんか?猫のアリスにも分けてあげたいのですが。」
マールさんが持ってきてくれたお皿にステーキとパンを切って乗せるとチマチマと可愛く食べていた。
《空腹過ぎて気が回らなかった。すまなかった。 なんでも食べれるのか?》
(大体なんでも食べれますよ。生よりは料理してくれた方が好きです。)
そんな話をしながら、食事を終え、部屋に戻ってきた。
(今日は疲れましたね。クリーンの魔法で身体をキレイにしますから、今日はゆっくり休みましょうか。)
《そうだな、いろいろあって少し疲れた。明日にまた話をしよう。》
そう言いながら、クリーンをかけてもらいキレイになった身体でベットに入ると、あっという間に眠りに落ちた。
異世界1日目はそうして終わった。
ちなみにアリスはこっそり布団に潜り込んで眠っていた。
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