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第四章 エルフの嫁入り
14人目の闖入者 3
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「お待たせしました~」
「ああ来たわ、本命、本命♡」
香りでわかる。あと態度でもわかる。これ、母が頼んだ皿だな?
「おみ漬けパスタ、この店の一番人気よ~」
やっぱりこれか。意地が悪いというか、母はやはり彼女に勝たせる気はないらしい。なぜなら、このパスタが100種類以上あるこの店のメニューの中で一番人気だからだ。
おみ漬け――山形特有の青菜を刻み他の野菜と漬け込んだ漬物の一種である。余った野菜を無駄にしないために近江の商人が伝えたことから近江――おみ漬け、と名付けられた。
それをしょうゆバターをベースにして唐辛子を効かせ味を引き締める。これだけでも美味しい漬物に、カリカリのベーコンを合わせるのだ。不味いわけがない。と、同時にもう一つの皿が運ばれてきた。あれは――。
「タラコとウニとイカしそのパスタです」
ぷん、と香るウニのそれが、おみ漬けに負けない美味そうな匂いを醸しだす。タラコソースとウニの良く絡んだパスタの上に沢山の刻みのりが振りかけられ、そしてその海苔の下に、生の細切りのイカが敷き詰められている。これは――いや、しかし……。
俺はミリアルを思わず見つめる。
「どうしたの伸介?」
「い、いや――」
「早く食べましょう。冷めたらどんな料理も美味しくなくなるわ」
優しい笑顔で彼女は答える。その顔には自信が浮かんでいる。やっぱり――そういう『意図』なのか?
「さ、食べて、伸ちゃん」
何と母はおみ漬けパスタをそのまま俺の席の前に置く。しかしそれは――ミリアルも一緒だった。
「さあ――伸介どうぞ」
「ええと、これ、母が気に入る料理を選ぶのがお題目――だよね?」
ミリアルがドンと、俺の目の前に置いた皿。そう、俺は二人に皿を並べられてしまった。これでは当初の勝負が決まらないのでは?
「あら――分かってたみたいねえ」
母がミリアルをジロっと睨むと、ミリアルも母をジッと見つめ返す。
「ええ、だってお義母様が食べる皿――気に入る皿でしょう? 『そんなもの、分かるわけがない』ですから」
あっけらかんとした口調でミリアルはそう答えた。
「元々――何を置いても私は彼と一緒になりますから。だからこの勝負は勝とうが負けようが――つまるところ、伸介が私を取るかお義母様を選ぶかの勝負、ですよね? 元々、私の選んだ皿なんて食べる気なんてないんでしょうから」
挑発するようにミリアルはそう宣言する。
「だから、この皿――か」
「そうよ、最も、今の伸介の胃に合いそうな料理を考えたの。どちらが食べたいか、貴方が選ぶの」
俺の推測は間違っていなかったことを悟る。母はもとより自分の一番の皿を食べる気などなく、俺にそれを選べと差し出した。そしてそれはミリアルも同じである。数ある選択肢、数ある可能性、そのすべてを考慮して、彼女はこれを選んだのだ、俺の為に。
すう――。
深呼吸を、一つ半。
「――すまん。……ありがとう」
俺は皿を一つ返し、フォークを掴んでもう一つのパスタを一気に啜り上げた。
ねっとりとした味わい――むせかえるような、ウニの――磯の香り。それがたっぷりと麺に絡みつき、さらに柔らかいイカがちゅるんとのど越し良く――さらにその風味を倍加させるような刻みのりの群れが口内で解け――青しそが、シュッと後味を締める。何処までも甘い――タラコとウニの海を、海苔とシソが舵を取り、そしてイカを釣り上げる。最早これを至福と言わずしてなんというのだろうか――。
「――あっ……これだぁ――」
これが今、とても食いたかった。
和食レストラン、魚定食の美味い富士見町の店、うなぎ――そう、俺の腹はとっくに海鮮用に準備されていたにもかかわらず、全て寸止めを食らっていたのだ。いかにおみ漬けパスタがここのナンバー1であろうが、そんなことは関係ない。ウニ、タラコ、イカ、海苔、全ての海の幸が融合し、混然一体となって攻めてこられる衝動に勝てるはずがない。
ひとしきり堪能し顔を上げると物凄く不貞腐れた母の顔が目に飛び込んできた。
「――ちっ」
母はそれだけ言った後、何も喋らなかった。俺が依怙贔屓をしたとか、そういう異議申し立てもしない。ただ、悔しそうに俯いていた。
「伸介、美味しそうね」
「え?」
「とても、幸せそうだもの。本当に、いい笑顔よ」
そう言ってミリアルが頬杖をついて俺に微笑みかけた。
「――ああ、幸せ、だよ」
そうだ、この瞬間が、彼女と囲む食卓が、一番幸せなのだ。
「――母さん、俺、この人と一緒になります」
「――好きにしなさい」
短く、ハッキリとした母の答えに、俺は心の底から安堵したのだった。
◆
「さて、伸ちゃん」
母がウィークリーマンションに上がり込み、俺とミリアルは母に向き合って座っている。
「一緒になることに反対はもうしないわ」
「ええ、ありがとうございます――」
「でもね」
話を区切り、母は俺をジロりと睨む。
「だったら、早く引っ越しなさいな。流石に火事になったアパートに戻るのも、あそこに彼女を住まわせるのも反対するわ」
「う」
もっともな意見すぎて、返す言葉もなかった。会えば理不尽要求ばかりの母だが、割と常識的なことには目ざとい。
「でも――そうそう簡単に見つかるわけじゃ」
「それに関しては、あてがあるから」
「え?」
そう言って母は目の前の床に一枚の地図を置く。
「――あの、これは?」
「使いなさい。もっとも、私からじゃないけどね。おばあちゃん――いや、お義母様からあんたによ」
◆
「――え」
地図の場所に行って驚いた。なんと、中古の土地つき一軒家である。家は小綺麗で、まだ築十年と経ってないと思う。裏手になんと、中庭もある。庭つき一戸建て都内とか、豪勢な。
「え――いいの? これ、使って?」
「いいわよ。これはふじ子さんが他人に貸してたんだけど、海外に移住したから空き家になったものなの。元々私――藤間公子がお義母様から相続させらたもの――ってことにはなってるけど、これあんた用に渡されたのよ。『伸介が結婚する際に渡してくれ』って」
「まじか――」
祖母である藤間ふじ子は俺に幡ヶ谷の屋敷を相続させている。それだけで十分貰っていると思っていたのに、まだこんなものがあったとは……。
「あの、いいの? こんなの貰ったら悪いだろ?」
「いいわよ、元々私は自分で稼いでるもの。相続だって要らないって言おうと思ったのに押し付けられたの。『伸介は絶対金も稼げないし、持て余すだろうけど、嫁には苦労させられない』って。これは伸介じゃなくて、嫁のための投資だってさ」
見抜かれとる……。俺は自分の給与明細と貯金額を思い返し、背筋を冷たい物が伝う。
「ミリアル、あの――」
「ありがたく、使わせて頂きます」
そう言うとミリアルは深々と母にお辞儀した。
「私たちのことを考えて下さって助かります。他にあてもないですし」
「そうよね~。こんな時にも情けないこんな子だけど、是非、見捨てないであげてね?」
母とミリアルは仲良さそうに微笑み合う。逆に俺は妙な居心地の悪さというか、これから――そう、尻にひかれる未来しか想像出来ないでいた。ミリアルさん……結構(精神的に)太いよね?
――――
お店紹介
「パスタキッチン」
中野駅 南口バスロータリーの近くのビルの地下1Fにあるパスタ屋です。
まあ行けば分かります。パスタの質が高い。種類も多い。とてもすぐに制覇できるようなメニュー数ではない、マジもんのパスタ専門店です。
どれも美味しいです。甲乙なんてつけられません。私だって通いたい。とはいえ、現在は自宅から遠くなってしまったのでなかなか通えず、たまーに近くに寄った時に行かせて頂いております。
ここは本当におすすめです。
「ああ来たわ、本命、本命♡」
香りでわかる。あと態度でもわかる。これ、母が頼んだ皿だな?
「おみ漬けパスタ、この店の一番人気よ~」
やっぱりこれか。意地が悪いというか、母はやはり彼女に勝たせる気はないらしい。なぜなら、このパスタが100種類以上あるこの店のメニューの中で一番人気だからだ。
おみ漬け――山形特有の青菜を刻み他の野菜と漬け込んだ漬物の一種である。余った野菜を無駄にしないために近江の商人が伝えたことから近江――おみ漬け、と名付けられた。
それをしょうゆバターをベースにして唐辛子を効かせ味を引き締める。これだけでも美味しい漬物に、カリカリのベーコンを合わせるのだ。不味いわけがない。と、同時にもう一つの皿が運ばれてきた。あれは――。
「タラコとウニとイカしそのパスタです」
ぷん、と香るウニのそれが、おみ漬けに負けない美味そうな匂いを醸しだす。タラコソースとウニの良く絡んだパスタの上に沢山の刻みのりが振りかけられ、そしてその海苔の下に、生の細切りのイカが敷き詰められている。これは――いや、しかし……。
俺はミリアルを思わず見つめる。
「どうしたの伸介?」
「い、いや――」
「早く食べましょう。冷めたらどんな料理も美味しくなくなるわ」
優しい笑顔で彼女は答える。その顔には自信が浮かんでいる。やっぱり――そういう『意図』なのか?
「さ、食べて、伸ちゃん」
何と母はおみ漬けパスタをそのまま俺の席の前に置く。しかしそれは――ミリアルも一緒だった。
「さあ――伸介どうぞ」
「ええと、これ、母が気に入る料理を選ぶのがお題目――だよね?」
ミリアルがドンと、俺の目の前に置いた皿。そう、俺は二人に皿を並べられてしまった。これでは当初の勝負が決まらないのでは?
「あら――分かってたみたいねえ」
母がミリアルをジロっと睨むと、ミリアルも母をジッと見つめ返す。
「ええ、だってお義母様が食べる皿――気に入る皿でしょう? 『そんなもの、分かるわけがない』ですから」
あっけらかんとした口調でミリアルはそう答えた。
「元々――何を置いても私は彼と一緒になりますから。だからこの勝負は勝とうが負けようが――つまるところ、伸介が私を取るかお義母様を選ぶかの勝負、ですよね? 元々、私の選んだ皿なんて食べる気なんてないんでしょうから」
挑発するようにミリアルはそう宣言する。
「だから、この皿――か」
「そうよ、最も、今の伸介の胃に合いそうな料理を考えたの。どちらが食べたいか、貴方が選ぶの」
俺の推測は間違っていなかったことを悟る。母はもとより自分の一番の皿を食べる気などなく、俺にそれを選べと差し出した。そしてそれはミリアルも同じである。数ある選択肢、数ある可能性、そのすべてを考慮して、彼女はこれを選んだのだ、俺の為に。
すう――。
深呼吸を、一つ半。
「――すまん。……ありがとう」
俺は皿を一つ返し、フォークを掴んでもう一つのパスタを一気に啜り上げた。
ねっとりとした味わい――むせかえるような、ウニの――磯の香り。それがたっぷりと麺に絡みつき、さらに柔らかいイカがちゅるんとのど越し良く――さらにその風味を倍加させるような刻みのりの群れが口内で解け――青しそが、シュッと後味を締める。何処までも甘い――タラコとウニの海を、海苔とシソが舵を取り、そしてイカを釣り上げる。最早これを至福と言わずしてなんというのだろうか――。
「――あっ……これだぁ――」
これが今、とても食いたかった。
和食レストラン、魚定食の美味い富士見町の店、うなぎ――そう、俺の腹はとっくに海鮮用に準備されていたにもかかわらず、全て寸止めを食らっていたのだ。いかにおみ漬けパスタがここのナンバー1であろうが、そんなことは関係ない。ウニ、タラコ、イカ、海苔、全ての海の幸が融合し、混然一体となって攻めてこられる衝動に勝てるはずがない。
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「――ちっ」
母はそれだけ言った後、何も喋らなかった。俺が依怙贔屓をしたとか、そういう異議申し立てもしない。ただ、悔しそうに俯いていた。
「伸介、美味しそうね」
「え?」
「とても、幸せそうだもの。本当に、いい笑顔よ」
そう言ってミリアルが頬杖をついて俺に微笑みかけた。
「――ああ、幸せ、だよ」
そうだ、この瞬間が、彼女と囲む食卓が、一番幸せなのだ。
「――母さん、俺、この人と一緒になります」
「――好きにしなさい」
短く、ハッキリとした母の答えに、俺は心の底から安堵したのだった。
◆
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「ええ、ありがとうございます――」
「でもね」
話を区切り、母は俺をジロりと睨む。
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「う」
もっともな意見すぎて、返す言葉もなかった。会えば理不尽要求ばかりの母だが、割と常識的なことには目ざとい。
「でも――そうそう簡単に見つかるわけじゃ」
「それに関しては、あてがあるから」
「え?」
そう言って母は目の前の床に一枚の地図を置く。
「――あの、これは?」
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◆
「――え」
地図の場所に行って驚いた。なんと、中古の土地つき一軒家である。家は小綺麗で、まだ築十年と経ってないと思う。裏手になんと、中庭もある。庭つき一戸建て都内とか、豪勢な。
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「あの、いいの? こんなの貰ったら悪いだろ?」
「いいわよ、元々私は自分で稼いでるもの。相続だって要らないって言おうと思ったのに押し付けられたの。『伸介は絶対金も稼げないし、持て余すだろうけど、嫁には苦労させられない』って。これは伸介じゃなくて、嫁のための投資だってさ」
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「ミリアル、あの――」
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そう言うとミリアルは深々と母にお辞儀した。
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母とミリアルは仲良さそうに微笑み合う。逆に俺は妙な居心地の悪さというか、これから――そう、尻にひかれる未来しか想像出来ないでいた。ミリアルさん……結構(精神的に)太いよね?
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