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be my love*恋人に?
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紫乃が咳き込む俺の背中を擦ってくれる。舐めてくれてもいいぞ…と思いながら、咳き込んだままでいると
「紫乃ちゃん、そいつもう仮病。チーズが冷めないうちに食べて」
「仮病…」
呟いた彼女の手が離れて行く。誠は俺に、やけににっこりと
「赤ワインもお入れしましょうか?」
と楽しんでいやがる。
「お前、車どうすんの?」
「…ほんまに仮病やった…」
「紫乃、違うぞ。今、たった今回復した」
「ふーん…チーズおいしい」
すると、けらけらと誠が笑い始め
「紫乃ちゃん、面白いね」
「…あまり言われませんけど…?」
「‘違います’も‘ふーん’も絶妙なトーンで最高」
「…車は?」
「運転しない。置いて帰る」
紫乃は一度頷くと大きな口を開けて鶏を食った。ああ…俺もそんな風に紫乃に食われたい。
「どうだ?」
赤ワインを一口飲んだ紫乃に聞く。
「うん、美味しい…のかな?」
「ぶっ…ふっ…紫乃ちゃん…俺もおかしなところに入るわ」
紫乃の受け答えにどんどん嵌まって行く誠も面白い。
「紫乃、白の方がいいか?」
「壱、これフルボディだからな…ミディアムボディの開けるか?」
「ああ」
「待って…いいよ…そんなに次々に開けなくて」
「無理するな」
「うん、これだけにしておくから」
さっきの白ワインよりチビチビ舐めるように赤ワインを飲む紫乃は、今のところ顔が赤くなるわけでもなく普段と変わりない。
「ワインは初めてで、何を飲んだことある?」
「ビールと酎ハイ…かな?」
「ビールと酎ハイは好きか?」
「炭酸が苦手だからビールは嫌い。酎ハイはジュースみたいで…私、ジュース飲まないの…だから嫌い」
なるほど。だからワインの方が合うのか?
「そしたら、紫乃ちゃん。合コンとかの時に何を飲むの?」
「大学のときありましたね、合コン…その時にビールと酎ハイを何種かオススメしてもらったけど美味しくなかったので…少し飲んでからウーロン茶です。二人は何でも飲むの?」
「何でも。誠はザル、俺も飲むけど毎日でもないし、限界はある」
うんうんと頷く紫乃は皿に残っていたミニトマトを口に入れて転がした。
ああ、そのミニトマトになりてぇ。
「紫乃ちゃん、そいつもう仮病。チーズが冷めないうちに食べて」
「仮病…」
呟いた彼女の手が離れて行く。誠は俺に、やけににっこりと
「赤ワインもお入れしましょうか?」
と楽しんでいやがる。
「お前、車どうすんの?」
「…ほんまに仮病やった…」
「紫乃、違うぞ。今、たった今回復した」
「ふーん…チーズおいしい」
すると、けらけらと誠が笑い始め
「紫乃ちゃん、面白いね」
「…あまり言われませんけど…?」
「‘違います’も‘ふーん’も絶妙なトーンで最高」
「…車は?」
「運転しない。置いて帰る」
紫乃は一度頷くと大きな口を開けて鶏を食った。ああ…俺もそんな風に紫乃に食われたい。
「どうだ?」
赤ワインを一口飲んだ紫乃に聞く。
「うん、美味しい…のかな?」
「ぶっ…ふっ…紫乃ちゃん…俺もおかしなところに入るわ」
紫乃の受け答えにどんどん嵌まって行く誠も面白い。
「紫乃、白の方がいいか?」
「壱、これフルボディだからな…ミディアムボディの開けるか?」
「ああ」
「待って…いいよ…そんなに次々に開けなくて」
「無理するな」
「うん、これだけにしておくから」
さっきの白ワインよりチビチビ舐めるように赤ワインを飲む紫乃は、今のところ顔が赤くなるわけでもなく普段と変わりない。
「ワインは初めてで、何を飲んだことある?」
「ビールと酎ハイ…かな?」
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「炭酸が苦手だからビールは嫌い。酎ハイはジュースみたいで…私、ジュース飲まないの…だから嫌い」
なるほど。だからワインの方が合うのか?
「そしたら、紫乃ちゃん。合コンとかの時に何を飲むの?」
「大学のときありましたね、合コン…その時にビールと酎ハイを何種かオススメしてもらったけど美味しくなかったので…少し飲んでからウーロン茶です。二人は何でも飲むの?」
「何でも。誠はザル、俺も飲むけど毎日でもないし、限界はある」
うんうんと頷く紫乃は皿に残っていたミニトマトを口に入れて転がした。
ああ、そのミニトマトになりてぇ。
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