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方向を見失う
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「別にね、義理チョコっていうのはイベントだからね、いいのよ。貰うことは、いいの。瑛人が何かやましいことをするはずもないし、去年も一昨年も一緒に食べたのよ?今年もそれでいいの。瑛人が悪いわけじゃないし」
「ゆっくり聞くとは言ったが…一向にそこから話が進まないから、何も見えないんだが?」
朱は私と自分のグラスにワインを注ぎながら
「まあ…喧嘩はしたが香歩が瑛人くんを責める気持ちはなく、自分が言い過ぎたとかって後悔している雰囲気は分かった。でもきっかけは?言い過ぎるきっかけになることがあっただろ?いくら香歩だって、ただ喧嘩をふっかけるわけじゃない」
私と2歳しか違わないのにパパみたいな落ち着きを見せる朱は、散々同じ前置きを繰り返した私に先を促す。
「…今年は去年までと違うことが起こったの」
「それを言え」
「瑛人がチョコを受け取る現場を目撃したことと…」
「違うことが…複数起こったのか…」
「4つもらったチョコの中に……ひとつ手作りチョコがあったこと」
そこで朱は何も言わずに、カマンベールチーズに手を伸ばした。
「別にいいの…浮気したとか、そんなんじゃないしね。でも‘手作りチョコって受け取る?断れなかったの?’って言っちゃったの」
「香歩のそれは悪くないだろ。そう思って当然じゃないか?瑛人くんは何て?」
「‘手作りチョコは受け取れない’ってわざわざ言うと‘義理なのに本命と勘違いしないで’とかって笑われるよ…だって……」
「ゆっくり聞くとは言ったが…一向にそこから話が進まないから、何も見えないんだが?」
朱は私と自分のグラスにワインを注ぎながら
「まあ…喧嘩はしたが香歩が瑛人くんを責める気持ちはなく、自分が言い過ぎたとかって後悔している雰囲気は分かった。でもきっかけは?言い過ぎるきっかけになることがあっただろ?いくら香歩だって、ただ喧嘩をふっかけるわけじゃない」
私と2歳しか違わないのにパパみたいな落ち着きを見せる朱は、散々同じ前置きを繰り返した私に先を促す。
「…今年は去年までと違うことが起こったの」
「それを言え」
「瑛人がチョコを受け取る現場を目撃したことと…」
「違うことが…複数起こったのか…」
「4つもらったチョコの中に……ひとつ手作りチョコがあったこと」
そこで朱は何も言わずに、カマンベールチーズに手を伸ばした。
「別にいいの…浮気したとか、そんなんじゃないしね。でも‘手作りチョコって受け取る?断れなかったの?’って言っちゃったの」
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