結婚までの120日~結婚式が決まっているのに前途は見えない~【完結】

まぁ

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方向を見失う

8

「なるほど…それがどういう喧嘩に発展して、お前がここに帰って来てる?」
「それが平行線で続いた…」
「ちゃんとどう言って、どう言われたか言え。そうじゃないと、客観的に二人の感情が判断できない」
「再現しろと?」
「そうだ。感情を込めずにセリフを再現しろ」
「…じゃあ、さっきの私のところからね」

 私は朱の言う通り、感情を込めずにセリフを再現する。



「手作りチョコって受け取る?断れなかったの?」
 ‘‘手作りチョコは受け取れない’ってわざわざ言うと‘義理なのに本命と勘違いしないで’とかって笑われるよ’
「笑われても大切にしたい本命がいると伝えて欲しかった」
 ‘まだ会社に婚約も言ってないから、ごめん’
「会社に言ってないからって関係あるかな?」
 ‘どんなチョコであろうが香歩が一番なのは変わらない’
「そんなの知ってるけど…」
 ‘俺が誰かに靡くと疑う?’
「そんなの疑ってないよ」
 ‘だったら、大丈夫だろ?’
「靡くとか浮気とか…そんなのじゃなくても、手作りの物を‘ありがとう’って受け取るのはモヤモヤする」
 ‘何もないってことを信じてもらうしかないよ’
「それは信じてる、疑ってないって。でもモヤモヤするもん」
 ‘モヤモヤか…’
「そう、モヤモヤ…」
 ‘何もないものをモヤモヤされても、ごめんって言うしかないよ…ごめん、香歩’
「…モヤモヤを理解してないのにごめんはいらない」



 はぁ…

「そんな感じの平行線…今日一緒にいて、あれ以上同じ話を繰り返してもしんどいだけだと思って逃げて来ちゃった…モヤモヤって言わないで、疑ってないよで終われば良かったのかな…」
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