結婚までの120日~結婚式が決まっているのに前途は見えない~【完結】

まぁ

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119日目の愛

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 4月に他部署から3年目の桝井さんが異動で加わった部署では、2年目ながらここでは先輩の今井さんが桝井さんへ出来るだけのことは5月末までに教えてくれた。

「今井さん。6月に入ったら、ひとつ新しい書類をお願いしてもいいかな?」
「浦田さん、待ってましたっ。ご指導よろしくお願いします」

 意欲的に仕事をこなすようになった今井さんの明るさが全開の部署で、部屋の雰囲気はとてもいい。

 朱は名古屋へ行く前には‘2週間に一度帰るつもり’と言っていたが、実際には仕事を教えてもらいながらの出張の同行が始まり、4月よりも今月が忙しそうでゴールデンウィークに帰って来たまま会えていない。でも週に2、3回は電話で話をするし、荷物の受け取りが出来る日を確認して冷凍のおかずを送っている。

 千紘とは毎日ではないけれど、仕事帰りに会ったり金曜日にはお泊まりする。パパたちの休みの日には、千紘がうちに来ることもある。

 今日は5月最後の金曜日。千紘は仕事で少し遠方にいるらしく、時間を気にしなくていいようにパパたちの店で待ち合わせすることにした。

「ただいま」

 19時の開店前にパパたちの店の裏を開けてもらうと

「久世さんのところでマルゲリータ食べて来るね」

 とバッグを置いてスマホだけ持つ。

「久世くんによろしくね。いってらっしゃい、香歩」
「いってきます。表から帰って来るね」
「おう。千紘も来るんだろ?」
「うん。9時は過ぎるかもって言ってた」
「ここなら入れ違いにならないからいい。気をつけてな」
「数軒先だけど、気をつけます…ふふっ」

 お父さんに手を振ると、私は久世さんのお店に向かった。
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