ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神

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セイクリッド・マテリアル編

157. ゲームの世界

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 広大な宇宙に、一つの島が浮かんでいた。
 その島は淡く光る大小様々な木々に覆われている。
 明らかに常人の住む世界とは違う世界である。
 そう、そこは人を超越する存在のみ立ち入りが許される神域である。
 故に、この神域の森に現れた銀髪の佳人は【神】や【超越者】などと称される存在なのである。
 そんな彼女に声を掛ける神が一柱。

「やぁアル。首尾はどうかな?」

 黒いパンツスーツにショートカットという、男性の麗人といった風情の女神である。

「……無断で妾の領域に侵入してくるのはそなたくらいのものだ。ところで、首尾とは?」

「またまた。例の【イレギュラーユニット】の件だよ。他の神々は別件にかかりきりでもう気にも留めてないようだけど、余の方はどうも【イレギュラーユニットアレ】を放置しておくと後々厄介なことに成りかねない気がしてね」

「流石に悪巧みに長けた神というところか」

「君だって気になっているから監視を続けているんだろう? で、どうなっているんだい?」

「結論から言うと、やはりだった。【イレギュラーユニットアレ】はあの【宇宙母神ユーラウリア】の使徒だ」

「ほう……! これはまた大神格おおものの名が出たね」

「ああ。原初の形からは大きく変貌していたが、間違いない」

「まるで見てきたような口振りだね?」

「ああ。ユーラウリア神も、妾と同じ方法を使ってあの箱庭に顕現していたからな。実際に視ている」

「なんだって? ということは……」

「ああ。箱庭に封じさせてもらった。あの世界に対してユーラウリア神は権限を持たぬからな。のこのこ姿を現した方が悪い」

「それは大金星だね。それにしても、宇宙母神ともあろう神格が迂闊なことだ」

「どこかの神と統合されるということは新たな権能や信徒を得る反面、神格の変容を招く危険も孕んでいる。それが悪い方へ作用したのだろう」

 アルと呼ばれた銀髪の女神の指摘に、男装の女神は深く頷いた。

「なるほど。いずれにせよ、ユーラウリア神はやつらの首魁の一柱。それを崩せたのは大きいな」

「やつら……【新しき神々】や【進化神話】などを称している跳ねっ返りどもめ」

 銀髪の女神は無表情でため息を吐いた。

「余達が永く続けてきたやり方を否定し、【複合次元】をかき乱す慮外者達だ。早々に潰してしまわないとね。今回はその大好機といったところだね」

 男装の女神はイタズラっぽい笑顔でウインクした。

「そうだな」

「で、どうやるんだい? ユーラウリア神が君と同じ方法を採っているならば、人間とほぼ同じ存在のはずだ。君の真の姿では手が出せないだろう。かといって依代は権能も制限され、神器も使えない。出力も人間と同等だ。それでは心許ないだろう? それはイレギュラーユニットに対しても同様だ」

「ああ。だから守護ユニットを使う」

「へぇ。 “消去プログラムイレイザー”を使うのか。あの箱庭、今回の試行トライアルももう終盤だったね。少し早いけれど、初期化するつもりかい?」

 「そのつもりだ」

「ふぅん。……いや、待ってくれ。たしかあの箱庭の “消去プログラムイレイザー” は内部からしか起動出来なかったはず。しかも条件を満たさないと起動しない設定だったような」

「案ずるな。既に手は打ってある」

「そうか、流石だな。ならば余は吉報を待つとするよ。ではまた」

 ふっと男装の女神の姿がかき消えた。
 しばらく銀髪の女神は星空を眺めながらその場に佇み、やがてその姿が景色に溶けて消えた。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 所変わって、ここはユーゴが王都で寝泊まりしている宿である。
 その一室には、ユーゴとユーラウリア、そして九能雪の三人の姿がある。
 ユーラウリアを保護するため、暫定的な措置として自らの部屋に匿うことにしたユーゴ。
 丁度よい機会なのでいま抱えている疑問に答えてもらうべくユーゴの部屋にユーラウリアを呼んだのだが、間違いを起こさせないためと雪も同席すると主張したのだ。
 ちなみにゼフィーリアは、「雪さんが一緒なら大丈夫そうね」と言って疲れた様子でめいでぃっしゅ二号店の寮へと帰っていった。

「それで、訊きたいことってなにー?」

 ベッドに腰掛けたユーラウリアがユーゴに尋ねた。

「こんなことを訊くのは今更かもしれないが、そもそも転生ってなんだ?」

「あっはー。それ、安宿こんなところでするハナシー? てかそれって、一応神々の中でも上位神しか関われない重要機密事項なんだけど?」

「それじゃあ話せる範囲でいい。教えろよ」

「てかさ、なんでいきなりそんなことに興味持ち出したわけ? いままで全く気にしてなかったくせに。あ、でも、ちゃんフィーがまだ男の子だった時に軽く話をしたっけ」

「興味を持ったというか……そん時はここまで気にならなかったんだか、まぁきっかけはゼフィーリアだよ」

 そしてユーゴは少し考え、雪に向かって口を開いた。

「雪、悪いが宿の従業員だれかに頼んで飲み物を人数分持ってきてくれ」

「かしこまりました」

 雪はユーゴの意図に気付いて、大人しく従うことにした。
 
「ゼフィーリア? あー……あの ”ユー君とは終わった関係を前世に持つオンナ” ね。あの娘がどうかしたの?」

「ゼフィーリアに対しての棘がすげぇな。知っていると思うが、ゼフィーリアの前世は俺の地球時代の知り合いだ。あいつが言うには、この世界は、あいつが地球で遊んでいたゲームの中の世界そのものなんだと。それを聞いてから色々と気になりだしてな。この世界だけじゃなく、今ままで渡ってきた世界も同じように何らかのゲームの世界じゃなかったのかとか、そういえば被転送者ってやつは色んなパターンがいるな、とか。例えば死んで異世界で別人に生まれ変わるやつがいれば、死なずにそのままの姿で異世界に事情も分からないまま移動させられるやつもいる。生まれ変わりに関しても、気付いたら別人になってたってパターンとか、生まれ変わる前に神的な存在と接触してるパターンもあるみたいだしな。フィールエルや信衛は前者だし、カールってやつは後者だ。以前お前は方式の違いがどうのと言っていたが。とにかくそいつらって存在を知った後、知り合いであるゼフィーリアの話を聞いてからそもそも転生ってなんだって疑問が出てきたわけだ」

「なるほど。雪ぴよを退室させたのは、ちゃんフィー達の事情を伏せるためか」

「まぁそうだな」

 正確には信衛の転生事情を、である。
 あのブラコン巫女がそれを知れば、余計な心配をするかもしれないとの配慮だった。
 雪は雪でユーゴを信頼し、自分は聞かないほうが良いのだろうと判断したのだ。我儘なところがある箱入り娘だが、そのあたりは夫唱婦随のお国柄が反映されている。

「まぁユー君にはウチの信徒オトコとして色々と動いてもらってるし? 教えてあげようかなー? でもトップシークレットだしなー」

「勿体振らずに教えろよ。時が来たら教えるとかいってただろ」

「まだ時期が早いんだけど、じゃーちょっとだけね。 “転生” の仕組みについては教えられないけど、この世界がゲームの世界だってことについては教えてあげる。以前も言ったけど、この世界はループしてる。その理由は、その世界の環境が条件によってどう変化していくのかをループさせながらデータを収集したいから。じゃあその目的は何かっていうと、神が管理しやすい世界を作るためであったり、新しい生命体を創るためだったりなんだけど、だいたい、こういう実験的な世界ってのは多数の神々が共同で管理運営してるから、目的は色々なんだよね。でもその手法として、その世界そのものに人間が “ゲームをプレイする” という形で関与させることはないし、デジタルゲームの中に人間を転生させることなんて出来ない。てか、いくらウチら神でも無理だよ」

「……は? どういうことだ?」

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