1 / 8
α:眠り
しおりを挟む
ふと、誰かの声が聞こえた。
「敦也君・・・」
多分女の声。
「ねえ、敦也君!」
ずっと誰かを呼んでいるが、その相手からは返答が無い。
なぜだろうな、なんとなく懐かしい気持ちになる。
「ちょっと、聞いてるの?」
聞こえていないから返事をしないんじゃないか?そうでなければ無視か。ならいったいそいつと何があったんだ。
まあ他人の事だし、別にいいか。とか考えていると、不意に右肩を叩かれた。
「え?」
「無視しないでよ。敦也君。」
俺はとっさに後ろを振り返った。俺の名前は敦也じゃな・・・
黒髪を肩まで伸ばした少女が口をむっとさせながら俺の目を睨んでいた。
初めて見る顔じゃなかった。俺はそいつをどこかで見たことがある。ただ、それがどこなのかは分からなかった。
「お前はいったい・・・」
言った瞬間、少女は姿を消した。辺りを見渡したが見つからず、それどころか自分が真っ暗な世界に放り出されていることに気付く。
口に出したところで無意味だということは分かりつつも、俺は言葉を続けた。
「誰なんだ。」
「アシアちゃんだよ。」
そうか、アシア・・・・
「え?」
「だから、アシアちゃんだって。」
俺は声のする方を見た。真っ暗なだけで誰もいない。俺は今更ながら、自分の瞼が閉じていることに気づいた。慌てて開き、あっ、目が・・・
差し込んだ光に目をやられた。
どうやら俺は夢を見ていたらしい。しばらくすると目も慣れてきて、真上に人の顎が見えた。
「やっと起きた。」
頭にお団子を付けた少女は、上から覗き込むように俺を見て言った。
なんか、頭に柔らかい感触がある。
「なあ、アシア。」
「なに?」
「今、どういう状況だ、これ。」
だいたい予測はついていたが、一応聞いてみる。
「膝枕的な。」
「膝枕だな。」
膝枕以外に膝枕的なものってあるのか。
「イヤ?」
「別に嫌でもないけど・・・」
ただ、なにかあるとすれば・・・
「私が初めての相手だった?」
「誤解を招く言い方をするな。確かにそうなんだけど・・・」
まさか人生初の膝枕が自分の仕えるお姫様の膝になるとは。人生何が起きるか分からないものだな。
「・・・」
「あ、もうこのままな感じ?」
「あっ、すまん。あまりに寝心地が良くて・・・もう起きるよ。」
俺がアシアの膝から頭を離そうとすると、
「あっ、やっぱりこのままでいいよ。」
今度は頭を手で押さえつけられた。なんなんだよ、いったい。
にしても柔らかい膝だ、それであって低反発過ぎず、これが膝でなければ一つ欲しいところだ。
・・・それよりもだ、膝枕に気を取られていたせいで、大事なことをほったらかしていた。
「ところで、一国の皇女ともあろうお方がこんなところになんの御用ですか?」
「夜這いに来ました。」
「なら夜に来いよ。」
窓から鳥のさえずりが聞こえている。
「モーニングコール的な?」
俺は壁にかかった時計を見る。
「朝の四時半にか?そもそもそのモーニングコール的なものもお手伝いさんが・・・って、その服!?」
「もお、気付くの遅すぎるよ~」
ほんと、なんで今まで気付かなかったんだろうか。それはいつも俺を起こしに来る、お手伝のウェスタさんが、誰が希望したわけでもないのに毎日身につけていた、いわゆるメイド服だった。
「ここに来る時にたまたま会って、貸してもらったの。」
その時ってのはいったい何時なんだよ。というか、あの人はいつもそんな時間から起きてるのか・・・
「どうよこれ、似合ってるでしょ。」
自身満々の表情で装備披露をしている。メイドの下乳が揺れ・・・いかん、あらぬ妄想をするところだった。こいつ、小柄なくせに胸だけはあるよな・・・
「聞いてる?」
「あー、似合ってるよー。」
「適当じゃん!」
「それよりさあ、なんでこの時間なんだ?」
アシアお嬢様がこんな時間に訪ねてくることなんて、まあ無い。むしろ俺が毎朝アシアを起こしに行っているくらいだ。
「それよりって・・・まあ良いか。ちゃんと聞いてよ、アスラ。」
名前を呼ばれて少し身構えた。
「この時間に来たのは、誰にも見つかりたくなかったから。アスラのお手伝いさんには見つかっちゃったけど、理由を話したらわかってくれたわ。それで変装用にこの服も貸してくれたの。」
どんな理由ならそうなるんだ。
「私、アシア=ペテルギアは、騎士、アスラ=シウリスとの口づけに来たって言ったんだよ。」
「どんな冗談だよ。」
「本気だよ。」
アシアの表情が真剣なものに変わっていることに気付いた。
ならどうしてウェスタさんはアシアを止めなかったんだ。あの人には俺たちを見張るという役目もあったはずだ。
「お前、それがどういうことか分かってるのか。六年前の事を忘れたのか。」
「覚えてる。私達、小学校の卒業式の日に初めてキスしたんだよね。でもそのあと気を失って、目が覚めた時にはお互いのこと、忘れていて・・・」
ならどうして・・・
「でも、確かあの時、私達は気を失った後、同じ夢を見ていたんだよ。」
「そういえばそうだったな。」
六年前、俺達は夢の中でも同じ街に住んでいた。結局そこでアシアとは会うことが無かったが。その街で俺たちは十五年程生きた。現実で気を失っていたのは約五分だったらしいが、俺たちにとっては十五年の時だった。だから俺達は、目覚めた時記憶をなくしていた。十五年前の記憶が思い出せない。別にそれはおかしなことではないだろう。
「同じ夢を見ていたってことは、探せば夢の中でも会えるかもしれないでしょ。」
「絶対そうなる保証なんか無いだろ。」
そもそも、今度見るのは違う夢かもしれない・・・というか、むしろ夢ならそっちの方が自然だ。
「でも、可能性があるならやるべきよ。それに、これ以上大好きな人とキス出来ないのは嫌だから。」
大好きな人・・・か。アシアと俺は姫と騎士。そこに愛はあっていいのだろうか。
「だから・・・」
「おいっ、待て。」
淡い桃色をした唇が俺に近づく。今になって気付いたが、さっき俺がアシアの膝から頭を離そうとした時に、アシアが俺を押さえつけたのは俺に身動きを取らせないようにするためだった・・・なんてわけないか。アシアはそんなこと考えられない。人を罠に掛けるようなことを出来ない奴だ。だから騎士の俺が参謀役も担っていたわけだし・・・
騎士として、自分の仕える姫への危害は未然に防ぐだめ、俺はアシアともう少し距離をとるべきだった。アシアを危険へと連れ込んだのは俺自身だった・・・
「私のこと、忘れちゃ駄目だからね。」
「ダメだ、待て・・・」
その瞬間・・・唇に柔らかい感触。俺は眠り姫に二度目のキスを奪われた。
頭がぼーっとする。ゆっくりと意識が遠のいていく。
気づいた時には真っ白だった―
「敦也君・・・」
多分女の声。
「ねえ、敦也君!」
ずっと誰かを呼んでいるが、その相手からは返答が無い。
なぜだろうな、なんとなく懐かしい気持ちになる。
「ちょっと、聞いてるの?」
聞こえていないから返事をしないんじゃないか?そうでなければ無視か。ならいったいそいつと何があったんだ。
まあ他人の事だし、別にいいか。とか考えていると、不意に右肩を叩かれた。
「え?」
「無視しないでよ。敦也君。」
俺はとっさに後ろを振り返った。俺の名前は敦也じゃな・・・
黒髪を肩まで伸ばした少女が口をむっとさせながら俺の目を睨んでいた。
初めて見る顔じゃなかった。俺はそいつをどこかで見たことがある。ただ、それがどこなのかは分からなかった。
「お前はいったい・・・」
言った瞬間、少女は姿を消した。辺りを見渡したが見つからず、それどころか自分が真っ暗な世界に放り出されていることに気付く。
口に出したところで無意味だということは分かりつつも、俺は言葉を続けた。
「誰なんだ。」
「アシアちゃんだよ。」
そうか、アシア・・・・
「え?」
「だから、アシアちゃんだって。」
俺は声のする方を見た。真っ暗なだけで誰もいない。俺は今更ながら、自分の瞼が閉じていることに気づいた。慌てて開き、あっ、目が・・・
差し込んだ光に目をやられた。
どうやら俺は夢を見ていたらしい。しばらくすると目も慣れてきて、真上に人の顎が見えた。
「やっと起きた。」
頭にお団子を付けた少女は、上から覗き込むように俺を見て言った。
なんか、頭に柔らかい感触がある。
「なあ、アシア。」
「なに?」
「今、どういう状況だ、これ。」
だいたい予測はついていたが、一応聞いてみる。
「膝枕的な。」
「膝枕だな。」
膝枕以外に膝枕的なものってあるのか。
「イヤ?」
「別に嫌でもないけど・・・」
ただ、なにかあるとすれば・・・
「私が初めての相手だった?」
「誤解を招く言い方をするな。確かにそうなんだけど・・・」
まさか人生初の膝枕が自分の仕えるお姫様の膝になるとは。人生何が起きるか分からないものだな。
「・・・」
「あ、もうこのままな感じ?」
「あっ、すまん。あまりに寝心地が良くて・・・もう起きるよ。」
俺がアシアの膝から頭を離そうとすると、
「あっ、やっぱりこのままでいいよ。」
今度は頭を手で押さえつけられた。なんなんだよ、いったい。
にしても柔らかい膝だ、それであって低反発過ぎず、これが膝でなければ一つ欲しいところだ。
・・・それよりもだ、膝枕に気を取られていたせいで、大事なことをほったらかしていた。
「ところで、一国の皇女ともあろうお方がこんなところになんの御用ですか?」
「夜這いに来ました。」
「なら夜に来いよ。」
窓から鳥のさえずりが聞こえている。
「モーニングコール的な?」
俺は壁にかかった時計を見る。
「朝の四時半にか?そもそもそのモーニングコール的なものもお手伝いさんが・・・って、その服!?」
「もお、気付くの遅すぎるよ~」
ほんと、なんで今まで気付かなかったんだろうか。それはいつも俺を起こしに来る、お手伝のウェスタさんが、誰が希望したわけでもないのに毎日身につけていた、いわゆるメイド服だった。
「ここに来る時にたまたま会って、貸してもらったの。」
その時ってのはいったい何時なんだよ。というか、あの人はいつもそんな時間から起きてるのか・・・
「どうよこれ、似合ってるでしょ。」
自身満々の表情で装備披露をしている。メイドの下乳が揺れ・・・いかん、あらぬ妄想をするところだった。こいつ、小柄なくせに胸だけはあるよな・・・
「聞いてる?」
「あー、似合ってるよー。」
「適当じゃん!」
「それよりさあ、なんでこの時間なんだ?」
アシアお嬢様がこんな時間に訪ねてくることなんて、まあ無い。むしろ俺が毎朝アシアを起こしに行っているくらいだ。
「それよりって・・・まあ良いか。ちゃんと聞いてよ、アスラ。」
名前を呼ばれて少し身構えた。
「この時間に来たのは、誰にも見つかりたくなかったから。アスラのお手伝いさんには見つかっちゃったけど、理由を話したらわかってくれたわ。それで変装用にこの服も貸してくれたの。」
どんな理由ならそうなるんだ。
「私、アシア=ペテルギアは、騎士、アスラ=シウリスとの口づけに来たって言ったんだよ。」
「どんな冗談だよ。」
「本気だよ。」
アシアの表情が真剣なものに変わっていることに気付いた。
ならどうしてウェスタさんはアシアを止めなかったんだ。あの人には俺たちを見張るという役目もあったはずだ。
「お前、それがどういうことか分かってるのか。六年前の事を忘れたのか。」
「覚えてる。私達、小学校の卒業式の日に初めてキスしたんだよね。でもそのあと気を失って、目が覚めた時にはお互いのこと、忘れていて・・・」
ならどうして・・・
「でも、確かあの時、私達は気を失った後、同じ夢を見ていたんだよ。」
「そういえばそうだったな。」
六年前、俺達は夢の中でも同じ街に住んでいた。結局そこでアシアとは会うことが無かったが。その街で俺たちは十五年程生きた。現実で気を失っていたのは約五分だったらしいが、俺たちにとっては十五年の時だった。だから俺達は、目覚めた時記憶をなくしていた。十五年前の記憶が思い出せない。別にそれはおかしなことではないだろう。
「同じ夢を見ていたってことは、探せば夢の中でも会えるかもしれないでしょ。」
「絶対そうなる保証なんか無いだろ。」
そもそも、今度見るのは違う夢かもしれない・・・というか、むしろ夢ならそっちの方が自然だ。
「でも、可能性があるならやるべきよ。それに、これ以上大好きな人とキス出来ないのは嫌だから。」
大好きな人・・・か。アシアと俺は姫と騎士。そこに愛はあっていいのだろうか。
「だから・・・」
「おいっ、待て。」
淡い桃色をした唇が俺に近づく。今になって気付いたが、さっき俺がアシアの膝から頭を離そうとした時に、アシアが俺を押さえつけたのは俺に身動きを取らせないようにするためだった・・・なんてわけないか。アシアはそんなこと考えられない。人を罠に掛けるようなことを出来ない奴だ。だから騎士の俺が参謀役も担っていたわけだし・・・
騎士として、自分の仕える姫への危害は未然に防ぐだめ、俺はアシアともう少し距離をとるべきだった。アシアを危険へと連れ込んだのは俺自身だった・・・
「私のこと、忘れちゃ駄目だからね。」
「ダメだ、待て・・・」
その瞬間・・・唇に柔らかい感触。俺は眠り姫に二度目のキスを奪われた。
頭がぼーっとする。ゆっくりと意識が遠のいていく。
気づいた時には真っ白だった―
0
あなたにおすすめの小説
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから
渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。
朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。
「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」
「いや、理不尽!」
初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。
「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」
※※※
専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり)
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる