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生徒会長と副会長
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優星が倒れ意識を失っている間、沙月は保健室で彼を看取っていた。時間はもうとっくに下校時刻を過ぎていて、教諭も用務員以外は皆ほとんど帰宅している。静寂に包まれた学校は昼間と違い、やはりどこか不気味だった。
すると、保健室の扉が開けられ、一人の女生徒が入ってきた。
「彼の様子はどう?」
「あ…今はなんとか…だいぶ落ち着いたみたいです」
「そう、よかった…」
柔らかな亜麻色の髪を揺らして入ってきた少女は、ホッとした表情で、沙月の隣に立った。
「…愛美さん…」
「どうしたの? 沙月ちゃん」
"愛美"と呼ばれた少女は、まるで妹をあやすような目で沙月を見ていた。どこか動揺している彼女に対し、常に優しく答える。
「さっき…飢幸餓が襲撃してきた時に発せられた光は、愛美さん…ですか…?」
「…いいえ、違うわ。私が飢幸餓の反応を察したのは、本当についさっき。屋上に駆けつける2分35秒前よ」
「…じゃあ…」
沙月が視線を落とすと、愛美も真剣な表情になり、目の前でベッドに横たわっている優星を見つめる。
「…この彼しか、考えられないわね…」
「でも彼は、ごく普通の"地星人"のはずですよね…!? 」
「沙月ちゃん、落ち着いて。それを今から確認するのよ」
そう言って愛美は、左耳に着けていたイヤーフックを外す。それを指に軽く掛けると、みるみるうちに大きくなり、持ち手の付いたペンデュラムへと変化した。
そしてゆっくりと、ダウジングをするために優星の上にかざした。
「これで反応すれば、彼が"持っている"ことになるわ…そうでないことを祈るしかないけど…」
「………っ」
愛美は、優星の足元から胸へとペンデュラムを揺らさないよう動かす。その間、見守る二人に張り詰めた空気が漂う。
…が、その緊張感は、ある人物が部屋に入ってきたことで見事に消え去った。
「あっいちゃーん! 何してんの~?」
「「………………」」
「…あれ?」
「樹…どうしてあなたはそうやって空気を読まないの…っ」
「え? あれ?…あ、あはは…ごめん…」
「樹さん…」
保健室に嬉々として入ってきたのは、愛美と共に生徒会に入り、副会長に就任した鈴銅樹。いつものことなのか、彼のあまりの空気の読めなさに、沙月までもが呆れていた。
しかし樹は、すぐに真剣な眼差しで、ベッドに横たわっている優星を見据えた。
「…そこに寝ている彼が、例の光の発生源ってことかい…?」
「おそらく…ね。これからそれを調べようとしていたところよ…誰かさんのせいで中断しちゃったけど」
「あぁあごめんよ愛美! 悪気は無いんだ!」
愛美は笑顔で話しているが、どことなく言葉に棘があった。樹は再び、手を合わせて謝った。そして、顔を上げるなり、ウインクしながら提案した。
「…それより、もっと簡単な調べ方があるでしょ? 愛ちゃん♪」
「…そう言うからには、あなたがやってくれるのよね? 樹くん?」
「もちろん。君に何かあったら、たまったもんじゃないからね」
「…わかった。頼んだわよ」
愛美はしぶしぶ了承し、一歩下がった。彼女の代わりに樹が優星に近づく。
「すまないね…君の人生を変えてしまうかもしれないけど…」
樹は未だ目覚めない優星に向かい、そう呟くと、右手を彼の額にかざした。すると、樹の掌から光が発せられ、細い光線が優星の額を貫いた。ほんの一瞬、優星の体が軽く跳ねたが、それでも彼はまだ目覚めそうにない。
すると、保健室の扉が開けられ、一人の女生徒が入ってきた。
「彼の様子はどう?」
「あ…今はなんとか…だいぶ落ち着いたみたいです」
「そう、よかった…」
柔らかな亜麻色の髪を揺らして入ってきた少女は、ホッとした表情で、沙月の隣に立った。
「…愛美さん…」
「どうしたの? 沙月ちゃん」
"愛美"と呼ばれた少女は、まるで妹をあやすような目で沙月を見ていた。どこか動揺している彼女に対し、常に優しく答える。
「さっき…飢幸餓が襲撃してきた時に発せられた光は、愛美さん…ですか…?」
「…いいえ、違うわ。私が飢幸餓の反応を察したのは、本当についさっき。屋上に駆けつける2分35秒前よ」
「…じゃあ…」
沙月が視線を落とすと、愛美も真剣な表情になり、目の前でベッドに横たわっている優星を見つめる。
「…この彼しか、考えられないわね…」
「でも彼は、ごく普通の"地星人"のはずですよね…!? 」
「沙月ちゃん、落ち着いて。それを今から確認するのよ」
そう言って愛美は、左耳に着けていたイヤーフックを外す。それを指に軽く掛けると、みるみるうちに大きくなり、持ち手の付いたペンデュラムへと変化した。
そしてゆっくりと、ダウジングをするために優星の上にかざした。
「これで反応すれば、彼が"持っている"ことになるわ…そうでないことを祈るしかないけど…」
「………っ」
愛美は、優星の足元から胸へとペンデュラムを揺らさないよう動かす。その間、見守る二人に張り詰めた空気が漂う。
…が、その緊張感は、ある人物が部屋に入ってきたことで見事に消え去った。
「あっいちゃーん! 何してんの~?」
「「………………」」
「…あれ?」
「樹…どうしてあなたはそうやって空気を読まないの…っ」
「え? あれ?…あ、あはは…ごめん…」
「樹さん…」
保健室に嬉々として入ってきたのは、愛美と共に生徒会に入り、副会長に就任した鈴銅樹。いつものことなのか、彼のあまりの空気の読めなさに、沙月までもが呆れていた。
しかし樹は、すぐに真剣な眼差しで、ベッドに横たわっている優星を見据えた。
「…そこに寝ている彼が、例の光の発生源ってことかい…?」
「おそらく…ね。これからそれを調べようとしていたところよ…誰かさんのせいで中断しちゃったけど」
「あぁあごめんよ愛美! 悪気は無いんだ!」
愛美は笑顔で話しているが、どことなく言葉に棘があった。樹は再び、手を合わせて謝った。そして、顔を上げるなり、ウインクしながら提案した。
「…それより、もっと簡単な調べ方があるでしょ? 愛ちゃん♪」
「…そう言うからには、あなたがやってくれるのよね? 樹くん?」
「もちろん。君に何かあったら、たまったもんじゃないからね」
「…わかった。頼んだわよ」
愛美はしぶしぶ了承し、一歩下がった。彼女の代わりに樹が優星に近づく。
「すまないね…君の人生を変えてしまうかもしれないけど…」
樹は未だ目覚めない優星に向かい、そう呟くと、右手を彼の額にかざした。すると、樹の掌から光が発せられ、細い光線が優星の額を貫いた。ほんの一瞬、優星の体が軽く跳ねたが、それでも彼はまだ目覚めそうにない。
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