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第13章 懐かしい旅路
第15話 俺は成長した!
森の中でテーブルを出して久しぶりにジジのお茶を飲む。ジジと離れていたのは十日もなかったが、それでも懐かしい気分になる。
近くでは新三人姉妹がシルとピョン子と一緒に走り回っている。
なんとも平穏な光景だなぁ。
ほのぼのとメイ、ピピ、エアルの新三人姉妹を見て、お茶を一口飲んだ。
「テンマ、迷惑を掛けて悪いな……」
俺の横に座っているランガは、ジジが用意してくれたお茶や茶菓子に手も付けず謝ってきた。
ジジとの抱擁のあとルームにみんなをお呼びに行ったが、サーシャさんとミーシャは風呂に入っていて待ってくれと言われてしまった。
メイがサーシャさんに、シルはミーシャに先に洗われたようで、二人はピカピカ&モフモフになっていた。そんな二人に早く出るように催促などできなかったのである。
「サーシャに注意するから許してくれ!」
ランガは何を言い出すんだ!
この数年、俺の周りには多くの女性がいた。対女性スキルはレベルアップどころか取得もできていない。だが、絶対にしてはいけないことは学んだのだ。
女性の準備に時間が掛かるのは当然のことだ!
そのことを理解して我慢するのではなく、それが当然のことだと思って自然に待たなければならないのだ。
何度も痛い目にあった、俺の教訓だ!
すでに待つこと一時間。ランガはずっとイライラとしていた。そして俺に気をつかって謝ったんだろう。
でもやめてほしい。ランガだけ矢面に立つなら問題ないが、絶対にその影響が俺にも及ぶからだ。
「ランガ、気にするな。絶対にサーシャさんに注意などしないでくれ!」
「でもなぁ……」
「プハァッ、テンマ君の言うとおりよ。そんなことを女性に注意なんかしたら、何倍にも返ってくるわよ」
顔を突っ込んでプリンに食べていた土地神様が警告した。
それを聞いたランガは、何か思い出したように顔色が悪くなる。
ランガは相変わらず同じような失敗を繰り返しているようだ。ジジはそんなやり取りを聞いて苦笑してから話した。
「先ほど浴場から出て、尻尾のお手入れをしていたのでもうすぐですよ」
テーブルの近くにルームの扉は開いてある。中も見えるし何度かジジに確認もお願いしていたのだ。
それから一時間、俺達は待ち続けたのであった。
◇ ◇ ◇ ◇
ランガはサーシャさんに余計なことは言わなかった。俺達に注意されたからではなく、久しぶりの『テンマ式リンス』でサーシャさんが美しくなったからだ。
『テンマ式リンス』のレシピは公開されているが、売られているのはまだまだ完成度が低く、価格も高いのでサーシャさんも満足に使えなかったのだろう。
ご機嫌になったサーシャさん達とロンダの町に向かった。
門を抜け町に入ると、我々一行は注目の的になってしまった。
新三人姉妹やシル達も注目を集め、ジジも数日でロンダの町でも有名になっていた。俺のことを覚えている町の人もいてが、極めつきは、やはり土地神様だろう。
土地神様を拝む人や知り合いを呼びに行く人が徐々に増えていたのだ。
これでは猫の微睡亭に迷惑が掛かりそうなので、昔建てたテックス屋敷に向かう。テックス屋敷は俺がロンダを旅立ってから、ドロテア家の使用人に管理を任せていた。
町の中央広場を通り過ぎる頃には、住人で広場を埋め付くほどになり、領の兵士が人々を整理するほどになっていた。
何とか無事にテックス屋敷まで到着すると、ドロテアさんが屋敷の玄関前で待っていた。
◇ ◇ ◇ ◇
テックス屋敷はドロテア屋敷になっているようだ。内装も元ドロテア屋敷から色々と持ってきたのかドロテアさんの肖像画まで飾ってある。
まあ問題はないけどね、……たぶん。
メイドさんは慣れた感じでサーシャさん達の部屋を割り振っている。
この屋敷にはD研の出入り口を設置する専用の部屋があるので、俺は最初にD研の扉を設置してリビングに戻ってきた。
リビングには落ち着きなくキョロキョロとするランガだけが残っていた。
俺がランガの前のソファに座ると、なぜかランガは俺の隣に移動してきた。それを見たメイドさんがランガに用意したお茶を移動させようと動くと、その動きにランガは怯えたような表情を見せていた。
ランガはメイドに慣れていないんだろうなぁ。
俺のお茶をジジが用意すると、ランガは他に聞こえないように話しかけてきた。
「テンマ、お前はよく普通にしていられるな?」
「んっ、何が?」
「この屋敷に男は俺達しかいないじゃないか!」
ランガに言われて確かにそうだなと思った。ドロテア家の使用人は全て女性だ。
「それがどうした?」
まあ、俺は普段から女性に囲まれていることが多い。よくある状況だ。
「なっ、ふ、不安にならないのか?」
なんとなく普段のランガの状況が目に浮かぶ気がするぅ。
ジートやズラタン、冒険者仲間の前ではちょっと偉そうにして、サーシャさんやメイ、それ以外の女性陣には気を遣って過ごしているのだろう。
俺は真剣な表情でランガに教える。
「いいか、どっしりと構えて、流れに身を任せるんだ。ランガはサーシャさんとメイが楽しんでもらえるようにだけ考えればいいんだ!」
「おまえ凄いな。テンマのこと初めて尊敬できると思ったぞ!」
くっ、これまで教えてやったことは尊敬していないんか~い!
ま、まあ、この数年で俺は間違いなく成長した。バルガスという反面教師が常に近くにいて、何度も辛い思いをしてきたんだ……。
女性を口説けないが、怒らせないスキルだけは手に入れた気がするぅ。
それはそれで悲しい気もするよねぇ~。
俺は黙って目で頷くと、ランガも目で頷き返してきたのだった。
◇ ◇ ◇ ◇
ランガも落ち着いたので、二人でお茶を飲みながら雑談をしていると、ドロテアさんがリビングに入ってきた。
「テンマ、アルベルト達が挨拶もかねて、今晩にでも一緒に食事したいと人を寄こしてきたのじゃ」
う~ん、アルベルトさんは領主だから、断れないよなぁ。
久しぶり会いたいという気持ちもある。でも、今日はのんびり過ごしたい。
「今日は町に着いたばかりだから、明日の晩でお願いできないかな?」
「わかったのじゃ」
ドロテアさんはすぐに使用人の一人に何か指示した。
思ったより簡単に話がついた。
ホッとしているとサーシャさん達もリビングにやってきた。
「あなた、私はミーシャと寝ることにするわ」
開拓村ではランガが頑張って、ゲフン……姉妹で寝ることはなかったからなぁ。
「えっ、俺はどこで、イテッ!」
ランガが不満そうに答えようとしたので、俺はランガの脇腹を肘で突いた。ランガは痛がって俺を睨んできたが、俺が目で頷くとランガは気付いたようだ。
「そ、そうだよな。姉妹で仲良く寝るといいんじゃないか」
うん、それでいい!
サーシャさんはランガの返答に少し驚いたようだが、すぐに笑顔になった。
「メイはエアルちゃんとピピちゃんと、え~と、シルとピョン子も一緒に寝るのぉ~」
ほのぼのして幸せな感じがするぅ~。
幼女とモフモフが一緒に寝る姿が頭に浮かんでいた。
ランガはメイとも一緒に寝れず、少し寂しそうな表情を見せたが、笑顔でメイの頭を撫でてる。ランガも少しは学んだようだ。
それなら俺はゆっくり休もうと考えていたら、ピピが爆弾を投下した。
「ピピとシルはメイちゃんと寝るから、お兄ちゃんとお姉ちゃんは二人で仲良く寝てねぇ」
爆弾の直撃を受けたジジは驚きで固まっている。爆弾を花火だと思ったのか、ドロテアさんとサーシャさんは嬉しそうに俺とジジを見ていた。
俺は動揺して答えた。
「そ、そうだね。今日は二人で仲良く寝ることにするよ」
何を言ってるんだぁーーー!
引きつった笑顔で、心の中で頭を抱えるのであった。
近くでは新三人姉妹がシルとピョン子と一緒に走り回っている。
なんとも平穏な光景だなぁ。
ほのぼのとメイ、ピピ、エアルの新三人姉妹を見て、お茶を一口飲んだ。
「テンマ、迷惑を掛けて悪いな……」
俺の横に座っているランガは、ジジが用意してくれたお茶や茶菓子に手も付けず謝ってきた。
ジジとの抱擁のあとルームにみんなをお呼びに行ったが、サーシャさんとミーシャは風呂に入っていて待ってくれと言われてしまった。
メイがサーシャさんに、シルはミーシャに先に洗われたようで、二人はピカピカ&モフモフになっていた。そんな二人に早く出るように催促などできなかったのである。
「サーシャに注意するから許してくれ!」
ランガは何を言い出すんだ!
この数年、俺の周りには多くの女性がいた。対女性スキルはレベルアップどころか取得もできていない。だが、絶対にしてはいけないことは学んだのだ。
女性の準備に時間が掛かるのは当然のことだ!
そのことを理解して我慢するのではなく、それが当然のことだと思って自然に待たなければならないのだ。
何度も痛い目にあった、俺の教訓だ!
すでに待つこと一時間。ランガはずっとイライラとしていた。そして俺に気をつかって謝ったんだろう。
でもやめてほしい。ランガだけ矢面に立つなら問題ないが、絶対にその影響が俺にも及ぶからだ。
「ランガ、気にするな。絶対にサーシャさんに注意などしないでくれ!」
「でもなぁ……」
「プハァッ、テンマ君の言うとおりよ。そんなことを女性に注意なんかしたら、何倍にも返ってくるわよ」
顔を突っ込んでプリンに食べていた土地神様が警告した。
それを聞いたランガは、何か思い出したように顔色が悪くなる。
ランガは相変わらず同じような失敗を繰り返しているようだ。ジジはそんなやり取りを聞いて苦笑してから話した。
「先ほど浴場から出て、尻尾のお手入れをしていたのでもうすぐですよ」
テーブルの近くにルームの扉は開いてある。中も見えるし何度かジジに確認もお願いしていたのだ。
それから一時間、俺達は待ち続けたのであった。
◇ ◇ ◇ ◇
ランガはサーシャさんに余計なことは言わなかった。俺達に注意されたからではなく、久しぶりの『テンマ式リンス』でサーシャさんが美しくなったからだ。
『テンマ式リンス』のレシピは公開されているが、売られているのはまだまだ完成度が低く、価格も高いのでサーシャさんも満足に使えなかったのだろう。
ご機嫌になったサーシャさん達とロンダの町に向かった。
門を抜け町に入ると、我々一行は注目の的になってしまった。
新三人姉妹やシル達も注目を集め、ジジも数日でロンダの町でも有名になっていた。俺のことを覚えている町の人もいてが、極めつきは、やはり土地神様だろう。
土地神様を拝む人や知り合いを呼びに行く人が徐々に増えていたのだ。
これでは猫の微睡亭に迷惑が掛かりそうなので、昔建てたテックス屋敷に向かう。テックス屋敷は俺がロンダを旅立ってから、ドロテア家の使用人に管理を任せていた。
町の中央広場を通り過ぎる頃には、住人で広場を埋め付くほどになり、領の兵士が人々を整理するほどになっていた。
何とか無事にテックス屋敷まで到着すると、ドロテアさんが屋敷の玄関前で待っていた。
◇ ◇ ◇ ◇
テックス屋敷はドロテア屋敷になっているようだ。内装も元ドロテア屋敷から色々と持ってきたのかドロテアさんの肖像画まで飾ってある。
まあ問題はないけどね、……たぶん。
メイドさんは慣れた感じでサーシャさん達の部屋を割り振っている。
この屋敷にはD研の出入り口を設置する専用の部屋があるので、俺は最初にD研の扉を設置してリビングに戻ってきた。
リビングには落ち着きなくキョロキョロとするランガだけが残っていた。
俺がランガの前のソファに座ると、なぜかランガは俺の隣に移動してきた。それを見たメイドさんがランガに用意したお茶を移動させようと動くと、その動きにランガは怯えたような表情を見せていた。
ランガはメイドに慣れていないんだろうなぁ。
俺のお茶をジジが用意すると、ランガは他に聞こえないように話しかけてきた。
「テンマ、お前はよく普通にしていられるな?」
「んっ、何が?」
「この屋敷に男は俺達しかいないじゃないか!」
ランガに言われて確かにそうだなと思った。ドロテア家の使用人は全て女性だ。
「それがどうした?」
まあ、俺は普段から女性に囲まれていることが多い。よくある状況だ。
「なっ、ふ、不安にならないのか?」
なんとなく普段のランガの状況が目に浮かぶ気がするぅ。
ジートやズラタン、冒険者仲間の前ではちょっと偉そうにして、サーシャさんやメイ、それ以外の女性陣には気を遣って過ごしているのだろう。
俺は真剣な表情でランガに教える。
「いいか、どっしりと構えて、流れに身を任せるんだ。ランガはサーシャさんとメイが楽しんでもらえるようにだけ考えればいいんだ!」
「おまえ凄いな。テンマのこと初めて尊敬できると思ったぞ!」
くっ、これまで教えてやったことは尊敬していないんか~い!
ま、まあ、この数年で俺は間違いなく成長した。バルガスという反面教師が常に近くにいて、何度も辛い思いをしてきたんだ……。
女性を口説けないが、怒らせないスキルだけは手に入れた気がするぅ。
それはそれで悲しい気もするよねぇ~。
俺は黙って目で頷くと、ランガも目で頷き返してきたのだった。
◇ ◇ ◇ ◇
ランガも落ち着いたので、二人でお茶を飲みながら雑談をしていると、ドロテアさんがリビングに入ってきた。
「テンマ、アルベルト達が挨拶もかねて、今晩にでも一緒に食事したいと人を寄こしてきたのじゃ」
う~ん、アルベルトさんは領主だから、断れないよなぁ。
久しぶり会いたいという気持ちもある。でも、今日はのんびり過ごしたい。
「今日は町に着いたばかりだから、明日の晩でお願いできないかな?」
「わかったのじゃ」
ドロテアさんはすぐに使用人の一人に何か指示した。
思ったより簡単に話がついた。
ホッとしているとサーシャさん達もリビングにやってきた。
「あなた、私はミーシャと寝ることにするわ」
開拓村ではランガが頑張って、ゲフン……姉妹で寝ることはなかったからなぁ。
「えっ、俺はどこで、イテッ!」
ランガが不満そうに答えようとしたので、俺はランガの脇腹を肘で突いた。ランガは痛がって俺を睨んできたが、俺が目で頷くとランガは気付いたようだ。
「そ、そうだよな。姉妹で仲良く寝るといいんじゃないか」
うん、それでいい!
サーシャさんはランガの返答に少し驚いたようだが、すぐに笑顔になった。
「メイはエアルちゃんとピピちゃんと、え~と、シルとピョン子も一緒に寝るのぉ~」
ほのぼのして幸せな感じがするぅ~。
幼女とモフモフが一緒に寝る姿が頭に浮かんでいた。
ランガはメイとも一緒に寝れず、少し寂しそうな表情を見せたが、笑顔でメイの頭を撫でてる。ランガも少しは学んだようだ。
それなら俺はゆっくり休もうと考えていたら、ピピが爆弾を投下した。
「ピピとシルはメイちゃんと寝るから、お兄ちゃんとお姉ちゃんは二人で仲良く寝てねぇ」
爆弾の直撃を受けたジジは驚きで固まっている。爆弾を花火だと思ったのか、ドロテアさんとサーシャさんは嬉しそうに俺とジジを見ていた。
俺は動揺して答えた。
「そ、そうだね。今日は二人で仲良く寝ることにするよ」
何を言ってるんだぁーーー!
引きつった笑顔で、心の中で頭を抱えるのであった。
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