スマートシステムで異世界革命

小川悟

文字の大きさ
76 / 224
第3章 大賢者の遺産

第44話 誤解とDT卒業

しおりを挟む
アタル『転子ぉぉぉぉぉっ! やってくれたなぁ!』

神託アプリで転生の女神である転子に怒りを爆発させる。

転子『な、なんなのじゃ!?』

アタル『どうせそこから見て笑い者にしてたんだろぉ!』

転子『なんの事じゃ!? 妾はアタルにそんな事はしないのじゃ!』

くっ、あくまでも白を切るつもりかぁ!

アタル『昨晩の事だよ!』

転子『確かにアタルが結婚をしたのは見せて貰ったが、妾はそれを嬉しく思って祝杯を挙げたぐらいじゃ。祝福はしたが笑い者にはしてないのじゃ』

アタル『その後の事だ! 夫婦の部屋の中も見ていたんだろ!』

転子『み、見ていないのじゃ! アタルのプライベートな部分は見えないのじゃ!』

アタル『嘘をつくな! そうやっていつも俺を騙して面白いかぁ!』

転子『ま、待って欲しいのじゃ』

みこと♪『アタル様、転生の女神様の言った事は本当の事です。私達はアタル様の事を心配して、時折様子を見させて頂きましたが、プライベートな事を見ることは禁じられています』

(本当は見たかったですが、主神であるノバ様からお𠮟りを受けて、アタル様の夫婦の部屋は全く見えないし、それ以外のプライベートも覗くと警告が出るのよねぇ~)

アタル『そ、それを信じろと?』

神々がそこまで嘘をつくはずないと思いたいが……。

それにこれまで神々は嘘を言って無かった思う。ただ、話していなかっただけで……。

少し興奮がおさまって来る。

みこと♪『はい、実は私達が心配し過ぎて覗き過ぎていると、主神ノバ様から叱責を受けまして、神々《わたしたち》も覗けないようにされてしまったのです』

しゅ、主神ノバ様!? もしかして偉い神《ひと》!?

しかし、だからと言って、妻と結ばれないようにしていないとは言えない。

アタル『じゃあ何で妻たちと……』

転子『奥方と何かあったのか?』

みこと♪『奥方と……、あっ、もしかして昨晩奥様とダメだったんですか!?』

くっ、そんな風に言われると恥ずかしいじゃないか!

アタル『ダメじゃないけど、ダメだったんだ……』

直接的に説明などできるかぁ~!

転子『なんじゃと! もしかして使い物にならなかったのか!?』

この駄女神ぃぃぃ!

みこと♪『ええっ、あっ、もしかして神々《わたしたち》が何かしたと思われて……。でも、神々《わたしたち》は祝福しただけだし、私の加護は強化されることはあっても、使い物にならなくなるはずはないし……』

全然使用に問題はなさそうだよぉ!

アタル『そ、そうではなく……』

恥ずかしいが、なぜか最終地点の手前で足踏みしている状況を説明する。

みこと♪『はぁ~、……アタル様、それは焦り過ぎです。神々《わたしたち》は邪魔をすることはしておりません。大体私は生命の女神で、子作りは大賛成ですよ。
自分がヘタレだからといって、私達に文句を言われては困ります!」

アタル『うっ、ご、ごめんなさい』

言われてみれば、焦り過ぎていた気がする。結婚までは随分と順調、いや、ゴリ押しした気もするし、成り行きから仕方が無い状況だと言える。

転子『なんじゃ! アタルは上手くできなかったのか。それなら妾が助言してやっても良いぞ』

ニヤニヤ笑っている駄女神の姿が思い浮かぶ。

主神ノバ『ホッホッホ、アタルをからかうでない』

転子、みこと♪『『申し訳ありません。主神ノバ様』』

えっ、えっ、えっ!

主神ノバ『アタルよ、この神々《ものたち》は調子に乗って馬鹿はやるが、アタルを大切に思うておるのも間違いない。だから、安心して妻たちと上手くやるが良い。ハッキリ言って焦り過ぎじゃ!』

アタル『も、申し訳ありません』

主神ノバ『まあ良い。神々がお主の事を大切に思っていることは、ステータスで確認してみるが良い。アタルだけでなく奥方も確認すればよい。それではまた機会があったらな』

主神という事はこの世界の最上位の神!?

興奮したのが嘘のように収まり、逆に冷や汗が……。


   ◇   ◇   ◇   ◇


神託アプリを終了すると、自分がクレアに体を揺さぶられて、何か言われていたことに気が付く。

「だ、旦那様! 大丈夫ですか!?」

呆然としてクレアを見ると、涙を浮かべたクレアさんの顔が目の前にあった。

神託アプリに集中し過ぎた事と、主神ノバ様が神託に入って来た事で、現実から意識が離れていたようだ。

「えっ、あっ、大丈夫です」

そう答えるとクレアが抱きついて来る。ラナも目に涙を溜めて私達を見つめている。

「大丈夫ですぅ。この後すぐにでも、旦那様と……」

「はい、私もその後すぐに……」

何ですとぉーーー!

これは、神託アプリに集中して固まった私を見て、私がエッチ出来ない事にショックを受けていると思われたのだろう。

ま、間違いでは無いが、間違っている。

主神ノバ様の神託で、自分が焦り過ぎていたと改めて実感した。

これ以上妻たちを悲しませてはダメだよね?

それでも、心の中の悪魔《よくぼう》が「行け!行け!」と囁いてくるが、主神ノバ様の加護なのか、容易に悪魔を退けることが出来た。

うん、数時間後にはクレアと結ばれる事が出来るのだから!

「ゴメン! そう言う事じゃないんだ。この後の使用人たちとの打ち合わせについて、色々考えていたら集中し過ぎただけだから、夫婦の事は予定通りで大丈夫だよ」

だからクレア、離れて欲しい。

気持ちは落ち着いたが、肉体は落ち着いていないからぁ!

二人は少し疑うような顔をしたが、何とか泣き止んでくれた。

「この魔道具をラナからメイドと料理人に渡してくれ」

私は誤魔化すように魔道具の腕輪をラナに渡す。

「私がですか?」

「はい、メイドと料理人はこの家の仕事をだけをします。だから、家の事を任せるラナから渡して欲しいのです。
エマさんとメアベルさんは家の事だけでなく、子供たちの事やハロルド様達とも仕事をして貰うので、私が渡そうと思います」

「そ、そんな大役を私に……」

え~と、大役と言う程では…。

「私は家の事は何も出来ない……」

クレアが何故か落ち込み始めている。

「クレアには、……そうだなぁ、カティとシャルを鍛えて貰えますか?」

「それは構わないが、シャルはまだ12歳ですよ」

驚いた顔をしてクレアは質問する。

「二人は管理や計算は苦手だと思うんですよねぇ。戦闘に向いてるとは言いませんが、二人は素早くて気配察知が得意そうなので、孤児の護衛には向いていると思うんですよ。
うん、そうだね、見習い制度みたいな物があると良いですね。騎士団も10歳か12歳になったら兵士見習いとして雇い、早めから訓練をさせるのも良いですね」

自分で話して自分で納得してしまう。

「成人するまでは各自の家で鍛えるのが普通ですよ」

「でも、才能を見てそれに合った訓練をすれば良いじゃないですか。少しだけ給金を出して、宿舎や食事を提供しても良いですし、そうすれば、さらに騎士団も強くなりますよね」

クレアは考え込んでしまった。
これまでとやり方を変えるのは難しいと言うか、理解してもらうのが難しいのだろう。

「まあ、その辺は急ぐわけではありませんから、カティとシャルが望むならという事で、考えて下さい」

「わ、わかりました」

クレアも納得してくれたようだ。

「ラナも見習いのメイドとかを雇う事も検討してください。もちろんお金の事もありますから、もう少し検討してからにはなります」

「はい、了解しました。でも、お金の事は気にされなくても大丈夫です。ハロルド様から報酬を頂いて金貨5千枚を超えていますので。それに、それが全部ではなく、ハロルド様から残りは待って欲しいと言われています」

おうふ、いつの間にそんなに!?

それほど必要だとは思わないが、無料奉仕も良くないだろう。

うん、エマさんに丸投げしよう。

「そう言う事で、少しずつ家の事とか考えていくので、二人は協力してください!」

「「はい」」

何とか自分の焦りとかは誤魔化せたと思う……。


   ◇   ◇   ◇   ◇


家人と今後の事を話合い。気が付けば夕飯の時間になっていたので、夕飯を家人と子供たちを呼んで食べる。

夕食が終わると、クレアとラナだけは準備をしますと言って2階に向かった。

少しだけ皆と打ち解けてリビングでお茶を飲む。

内心では2階が気になって仕方がない。

暫くするとラナが降りて来て耳打ちする。

「クレアの準備が整いました」

それを聞くと私は立ち上がり、後をラナに任せて2階の夫婦の部屋に急いで向かう。

心臓が信じられないぐらいバクバクとなっている。

扉の前で大きく深呼吸するとゆっくりと扉を開く。

そこにはナイトガウンを着て、顔を赤らめる私の女神が居たのだった。

その晩にクレアとDTを卒業して、翌日にはラナとも夫婦の契りを結ぶことが出来たのであった。


──────────────────────────────

作者より

夫婦の秘め事は性的表現も含まれるため、次回に閑話としてもう少し具体的な内容を投稿する予定です。

性的表現が苦手な方や不快に感じる方は、全体のストーリーとしては読まなくても大丈夫なようにしました。

ただ、妻たちに対する主人公の気持ちも含め、読んで頂きたいと思います。

レイティング(R15)の関係上、それほど過激にならないよう心掛けたつもりです。
しおりを挟む
感想 156

あなたにおすすめの小説

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

八百万の神から祝福をもらいました!この力で異世界を生きていきます!

トリガー
ファンタジー
神様のミスで死んでしまったリオ。 女神から代償に八百万の神の祝福をもらった。 転生した異世界で無双する。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
コミカライズ企画進行中です!! 2巻2月9日電子版解禁です!! 紙は9日に配送開始、12日発売! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&2巻出版!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、コミカライズ決定いたしました!現在企画進行中!!そしてオリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 12日には、楽天koboにおいてファンタジー5位となりました!皆様のおかげです! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 オリコンランキングライトノベル 週間BOOKランキング 18位(2025年9月29日付)

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~

みやま たつむ
ファンタジー
【本編完結しました(812話)/後日譚を書くために連載中にしています。ご承知おきください】 事故死したところを別の世界に連れてかれた陽キャグループと、巻き込まれて事故死した事なかれ主義の静人。 神様から強力な加護をもらって魔物をちぎっては投げ~、ちぎっては投げ~―――なんて事をせずに、勢いで作ってしまったホムンクルスにお店を開かせて面倒な事を押し付けて自由に生きる事にした。 作った魔道具はどんな使われ方をしているのか知らないまま「のんびり気ままに好きなように生きるんだ」と魔物なんてほっといて好き勝手生きていきたい静人の物語。 「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。 ※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

処理中です...