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第5章 公的ギルド
第25話 ルーナとイーナ
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「キジェンはこの階層で大丈夫なのか?」
女性冒険者に意識を向けないようにするために、キジェンに質問する。
「アタルさん、それは失礼だろぉ」
キジェンは心外だと言う表情で文句を言う。
「失礼でもないだろ。俺達は7層より上で活動するんだからよぉ」
ダルトがキジェンをからかうように言った。
「それでも、ここを拠点にするんだから一緒だろ!」
相変わらず2人は文句を言いながらも仲が良さそうだ。
「まあ、怪我しないようにしてくれよ。孤児院の子供たちが心配するからな」
「あっ、その事で言いたいことがあるんだ。なんで俺達は孤児院へ行けないんだよぉ」
そういえば、まだ大賢者区画は解放していないから、公的ギルドのギルドカードを持っていないと入れないのだ。
「そ。そうですよ。俺なんか兵士に捕まって怖かったんですよ!」
キジェン達より若い、鹿獣人の冒険者が文句を言い出した。
「ハハハハ、マルコはフォミに惚れているからな。フォミが成人したから口説こうと町に戻ると必ず会いに行っていたからなぁ」
ダルトがからかうようにマルコと呼ばれた鹿獣人の背中をバシバシ叩いていた。
「ち、違いますよぉ~、孤児院の子は全員弟か妹のようなものですよぉ~」
「ほう、だったら嫁にはしないんだよなぁ。わはははは」
マルコはダルトを恨めしそうに見つめている。
ほう、青春しているなぁ。
「でも、この前フォミに会った時にアタルさんの嫁になると言い張ってたぞ!」
キジェン君、それは余計な発言だよ!
マルコが俺を睨みつけている。
「いや、孤児院にいる小さな子供まで、アタルさんの嫁になると言っていたぞ。何度も尻尾や耳を触られたから、絶対だと言っていたなぁ」
ダルト君、小さな子供だけだからね。
そこに予想外の参戦が入ってきた。
「子供でもませてる子は気にしますし、上の子から尻尾は特別だと言われているから、触り過ぎると良くないわね」
「そうそう、尻尾を触る人は自分のことを好きだと思うんだよねぇ」
「意識し始めて、本当に好きになりやすいんだよねぇ」
「だから、子供相手でも触るのは良くないですよ」
女性冒険者の獣人族がからかうように私を見ながら話し始めた。最後に話したウサギ獣人の女の子は顔を真っ赤にしている。
くっ、そこまでは知らなかった。
あの巨乳バニーちゃんに嫌われたようだ。可愛い子なのに……。
すると女性冒険者のひとりが立ち上がってこちらに歩いて来る。
「私は冒険者のルーナと言います。先日、奥様のクレアさまに良くして頂きました」
やはり、クレアから連絡のあった女性冒険者たちのようだ。
「初めまして、私はアタルと言います。先日は妻や雇っている子達がお世話になったようですね。妻のクレアから話は聞いています」
「えっ、ダンジョンでクレアさんと話を?」
あっ、不味いかなぁ~。
「公的ギルド経由で手紙が届いたのよ」
レベッカ夫人がフォローしてくれた。確かに買取所があるくらいだから、連絡手段があっても不思議ではないはずだ。
「もしかして、もうひとりの奥様のラナさんですか?」
ルーナさんが尋ねてきた。
「いいえ、私はエルマイスター家のレベッカよ」
レベッカ夫人が答えると、ルーナさんは驚いた顔をした後に頭を下げて慌てて謝罪を始めた。
「も、申し訳ありません。領主様の関係者で貴族のお方とは気が付きませんでした。どうかお許しください」
他の女性冒険者も顔色を変えている。キジェンやダルトも焦った表情をしている。
「わ、悪いのは俺です。レベッカ様のことを先に紹介するべきでした。お、お叱りは俺にお願いします」
おっ、キジェンも男らしい所があるじゃん。
でも、それほど気を使うことはないと思うけど。
「いえ、失礼な事を言ったのはこちらのお嬢さんだから、責任を取るのは貴女よね?」
「はい、もちろんです。ですが、他の仲間はお許しください」
あれっ、なんでそんな話になっているの?
「ダメね。確かあなたには可愛い妹さんがいたはずよね?」
「お、お待ちください、妹は、」
「私が妹のイーナです。どんな罰でも受けるから姉をお許しください!」
「イーナ、下がりなさい!」
なんでこんなことになっているの?
レベッカ夫人、バニーちゃんを苛めないでぇ~。
「あなたにはアタルさんのお嫁さんになってもらうわ!」
何ですとぉーーー!
レベッカ夫人を見ると悪戯っぽく笑っている。
ルーナさんは固まり、イーナさんは俺を見た後に顔を真っ赤にしている。
目も赤いから、完全に真っ赤にして、可愛いなぁ~。
「また、アタルさんの毒牙の犠牲者が!」
キジェン君、それは失礼な発言だよぉ。
「ふふふっ、冗談よ。クレアに聞いた通り、アタルさん好みの女性だったから、ちょっとからかってみただけよ」
いやいや、やり過ぎだよぉ。
「レベッカ夫人!」
「あら、好みじゃなかった?」
好みだけど、ちがーーーう!
「そ、そういう問題じゃないですよぉ。立場を考えてみて下さい!」
「う~ん、確かにそれはそうなんだけど、……ルーナさん、私はそんなに怖いかなぁ?」
ルーナさんは困った顔をして答える。
「夫人は優しそうな方ですが、王都では貴族に失礼な事をすると、その場で殺されることもありますから……」
「なによ、それは! そんな奴は殺しちゃいなさい!」
いやいや、そんな事はできないから……。
この世界の事はまだ良く分からないけど、ダメな気がするぅ~。
「みんな気にしないようにねぇ。レベッカ夫人は冗談好きの変り者だから諦めてくださ~い」
場を和ませるために冗談っぽく大きな声で話す。
「アタル、ちょっと待ちなさい。失礼なのは貴方じゃない! 私は貴方が獣人を好きみたいだから、きっかけを作ってあげたんじゃない!」
いやいや、昨日危険だと言ったのは貴方じゃないですかぁ!
「さ、最近結婚したばかりの私が、すぐに別の女性に何かするわけないですよぉ」
「あら、動揺しているから、やっぱり彼女に興味があるのね。ふふふっ」
ふふふっ、じゃなーーーい!
「もしかして、私をからかうために先程のような冗談を言ったんですか?」
「ふふふっ」
ふふふっ、じゃなーーーーーい!
「みんな気にしないでね。レベッカ夫人はこんな感じで冗談が好きな親しみやすい人だから、大丈夫ですよぉ」
私は大丈夫じゃないけどね……。
「ルーナさんとイーナさんだったわね。巻き込んでごめんなさいねぇ。クレアから子供たちがイーナさんをアタルの好みの女性だと言ってたみたいだから、アタルをからかちゃった。てへっ」
くっ、人で遊ぶんじゃなーーーい!
「あっ、いえ、大丈夫です。でも、……レベッカ様は優しくて魅力的な方だと分かりました」
よ、良かったぁ。私のせいで迷惑かけたと思ったよぉ。
「それに、アタルさんはイーナの好みだと思います!」
「お、お姉ちゃん!」
「あら、あらあら、これは楽しそうな感じじゃないかしら」
なぜかレベッカ夫人が質の悪いおばちゃんに見えてきたぁ!
「イーナは男の人が恐いんです。王都では獣人だから恐い目にもあったから。アタルさんはクレアさんの旦那様と聞いてもっと強そうな感じの人かと思ったけど、正反対な感じでイーナ好みだと思います!」
「お、お姉ちゃん……」
思わずイーナさんと目が合ったら、また顔を真っ赤にして俯いてしまった。
可愛いなぁ……、ちがーーーう!
「あらぁ、あらあらあらぁ、楽しくなってきたわぁ」
レベッカ夫人、あなたは何がしたいんだぁ!
それに、ルーナさんが強そうな人の正反対と言ったけど……。
それって弱そうな人ということでしょうかぁ?
気になる事もあるが、取り敢えず私は悪くないと思う。
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そういえば、まだ大賢者区画は解放していないから、公的ギルドのギルドカードを持っていないと入れないのだ。
「そ。そうですよ。俺なんか兵士に捕まって怖かったんですよ!」
キジェン達より若い、鹿獣人の冒険者が文句を言い出した。
「ハハハハ、マルコはフォミに惚れているからな。フォミが成人したから口説こうと町に戻ると必ず会いに行っていたからなぁ」
ダルトがからかうようにマルコと呼ばれた鹿獣人の背中をバシバシ叩いていた。
「ち、違いますよぉ~、孤児院の子は全員弟か妹のようなものですよぉ~」
「ほう、だったら嫁にはしないんだよなぁ。わはははは」
マルコはダルトを恨めしそうに見つめている。
ほう、青春しているなぁ。
「でも、この前フォミに会った時にアタルさんの嫁になると言い張ってたぞ!」
キジェン君、それは余計な発言だよ!
マルコが俺を睨みつけている。
「いや、孤児院にいる小さな子供まで、アタルさんの嫁になると言っていたぞ。何度も尻尾や耳を触られたから、絶対だと言っていたなぁ」
ダルト君、小さな子供だけだからね。
そこに予想外の参戦が入ってきた。
「子供でもませてる子は気にしますし、上の子から尻尾は特別だと言われているから、触り過ぎると良くないわね」
「そうそう、尻尾を触る人は自分のことを好きだと思うんだよねぇ」
「意識し始めて、本当に好きになりやすいんだよねぇ」
「だから、子供相手でも触るのは良くないですよ」
女性冒険者の獣人族がからかうように私を見ながら話し始めた。最後に話したウサギ獣人の女の子は顔を真っ赤にしている。
くっ、そこまでは知らなかった。
あの巨乳バニーちゃんに嫌われたようだ。可愛い子なのに……。
すると女性冒険者のひとりが立ち上がってこちらに歩いて来る。
「私は冒険者のルーナと言います。先日、奥様のクレアさまに良くして頂きました」
やはり、クレアから連絡のあった女性冒険者たちのようだ。
「初めまして、私はアタルと言います。先日は妻や雇っている子達がお世話になったようですね。妻のクレアから話は聞いています」
「えっ、ダンジョンでクレアさんと話を?」
あっ、不味いかなぁ~。
「公的ギルド経由で手紙が届いたのよ」
レベッカ夫人がフォローしてくれた。確かに買取所があるくらいだから、連絡手段があっても不思議ではないはずだ。
「もしかして、もうひとりの奥様のラナさんですか?」
ルーナさんが尋ねてきた。
「いいえ、私はエルマイスター家のレベッカよ」
レベッカ夫人が答えると、ルーナさんは驚いた顔をした後に頭を下げて慌てて謝罪を始めた。
「も、申し訳ありません。領主様の関係者で貴族のお方とは気が付きませんでした。どうかお許しください」
他の女性冒険者も顔色を変えている。キジェンやダルトも焦った表情をしている。
「わ、悪いのは俺です。レベッカ様のことを先に紹介するべきでした。お、お叱りは俺にお願いします」
おっ、キジェンも男らしい所があるじゃん。
でも、それほど気を使うことはないと思うけど。
「いえ、失礼な事を言ったのはこちらのお嬢さんだから、責任を取るのは貴女よね?」
「はい、もちろんです。ですが、他の仲間はお許しください」
あれっ、なんでそんな話になっているの?
「ダメね。確かあなたには可愛い妹さんがいたはずよね?」
「お、お待ちください、妹は、」
「私が妹のイーナです。どんな罰でも受けるから姉をお許しください!」
「イーナ、下がりなさい!」
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レベッカ夫人、バニーちゃんを苛めないでぇ~。
「あなたにはアタルさんのお嫁さんになってもらうわ!」
何ですとぉーーー!
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ルーナさんは固まり、イーナさんは俺を見た後に顔を真っ赤にしている。
目も赤いから、完全に真っ赤にして、可愛いなぁ~。
「また、アタルさんの毒牙の犠牲者が!」
キジェン君、それは失礼な発言だよぉ。
「ふふふっ、冗談よ。クレアに聞いた通り、アタルさん好みの女性だったから、ちょっとからかってみただけよ」
いやいや、やり過ぎだよぉ。
「レベッカ夫人!」
「あら、好みじゃなかった?」
好みだけど、ちがーーーう!
「そ、そういう問題じゃないですよぉ。立場を考えてみて下さい!」
「う~ん、確かにそれはそうなんだけど、……ルーナさん、私はそんなに怖いかなぁ?」
ルーナさんは困った顔をして答える。
「夫人は優しそうな方ですが、王都では貴族に失礼な事をすると、その場で殺されることもありますから……」
「なによ、それは! そんな奴は殺しちゃいなさい!」
いやいや、そんな事はできないから……。
この世界の事はまだ良く分からないけど、ダメな気がするぅ~。
「みんな気にしないようにねぇ。レベッカ夫人は冗談好きの変り者だから諦めてくださ~い」
場を和ませるために冗談っぽく大きな声で話す。
「アタル、ちょっと待ちなさい。失礼なのは貴方じゃない! 私は貴方が獣人を好きみたいだから、きっかけを作ってあげたんじゃない!」
いやいや、昨日危険だと言ったのは貴方じゃないですかぁ!
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「あら、動揺しているから、やっぱり彼女に興味があるのね。ふふふっ」
ふふふっ、じゃなーーーい!
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「ふふふっ」
ふふふっ、じゃなーーーーーい!
「みんな気にしないでね。レベッカ夫人はこんな感じで冗談が好きな親しみやすい人だから、大丈夫ですよぉ」
私は大丈夫じゃないけどね……。
「ルーナさんとイーナさんだったわね。巻き込んでごめんなさいねぇ。クレアから子供たちがイーナさんをアタルの好みの女性だと言ってたみたいだから、アタルをからかちゃった。てへっ」
くっ、人で遊ぶんじゃなーーーい!
「あっ、いえ、大丈夫です。でも、……レベッカ様は優しくて魅力的な方だと分かりました」
よ、良かったぁ。私のせいで迷惑かけたと思ったよぉ。
「それに、アタルさんはイーナの好みだと思います!」
「お、お姉ちゃん!」
「あら、あらあら、これは楽しそうな感じじゃないかしら」
なぜかレベッカ夫人が質の悪いおばちゃんに見えてきたぁ!
「イーナは男の人が恐いんです。王都では獣人だから恐い目にもあったから。アタルさんはクレアさんの旦那様と聞いてもっと強そうな感じの人かと思ったけど、正反対な感じでイーナ好みだと思います!」
「お、お姉ちゃん……」
思わずイーナさんと目が合ったら、また顔を真っ赤にして俯いてしまった。
可愛いなぁ……、ちがーーーう!
「あらぁ、あらあらあらぁ、楽しくなってきたわぁ」
レベッカ夫人、あなたは何がしたいんだぁ!
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